うつ病からの脱出ーうつから奇跡のカムバック Case 5ー

今回はCase 5の紹介です。

著書『新型「うつ」首が原因だった!』から下記抜粋します。

Case 5

肩こり、ふらつき、パニック、うつ。 仕事ができなくなって退職

30歳女性Gさん

二二歳の頃からうつ症状が出始め、心療内科を受診すると、「うつ病」と診断され、パキシルを服用していたGさん。しかしパニック発作を頻発するようになり、電車にも乗れなくなって…。

 

症状経過

私は一五歳の頃から首こりの症状が出てきました。次第に憂うつな気分が出るようになり、首こり、肩こりが強くなりました。何もする気が起きなくなり、無理をして学校に行こうとすると、お腹が痛くなり、学校も休みがちになりました。

二〇歳頃から首こりがひどくなり、いろいろな症状が出てきました。頭痛、めまい、ふらつき、吐き気などの症状が出て体調が悪くなり、学校に行けなくなりました。この頃、無理矢理学校に行くと、突然不安になり、脈が速くなって、息が苦しくなることがありました。手足もしびれ、お腹が痛くなり、トイレへ駆け込みました。救急車で病院に運ばれ、「パニック障害」と診断されたのです。

以後、パニックの発作が駅や電車の中でも起きてしまうかもしれないという不安から、外出できにくくなり、困り果てていました。さまざまな目の症状も現れました。目が疲れやすくなり、像がぼやけるようになって、目の奥が痛くなりました。手足が冷たいのに、顔や上半身がのぼせて熱くなるという症状も出てきました。

二二歳の頃からうつ症状が強く出て、心療内科を受診すると「うつ病」と診断されてパキシルを処方され、飲み始めました。

胸はいつも圧迫されているように感じられ、夜も十分に眠れなくなりました。長い時間、寝言を言っていたようですが、私は全く記憶に残っていません。朝はだるくなり、起きることが苦痛になっていました。

二五歳の頃よりパニックの発作が頻発するようになり、電車に乗れなくなりました。

パキシルは、一日二錠(20㎎×2+10㎎×1=50㎎)飲んでいました。消化器の症状も出てきて、腹痛、下痢が続くようになりました。

二六歳のときに仕事が続けられなくなり、退職せざるを得なくなりました。以後は、家に閉じこもったまま、“生ける屍”のような状態で、毎日が辛く、地獄のような日々を送っていました。

受診時、首のチェックポイント三六カ所全てに異常が見つかり、入院治療をすすめられました。ベッドがなかなか空かなかったために、三カ月待って、ようやく入院できました。

入院一週間後には意欲が出てきて気分の落ち込みなどがなくなり、二週間後には、不安感やイライラなどがなくなって、六つのうつ症状は全てとれました。頭痛やめまい、像がぼやけるなどの身体症状もどんどん改善され、それに伴い、体調はみるみる良くなっていきました。

入院前には三錠飲んでいたパキシルも徐々に減らしていき、最後は中止しました。パキシルを飲むのをやめられたのは大きな収穫でした。

触診のたびに首の痛みの箇所や度合いが減り、自分でも治っていくのをはっきりと実感できました。自覚症状が消えたことと抗うつ薬をやめたことで体は大変楽になっていました。

不定愁訴が全部消えて晴れて退院。健康な体を取り戻すことができ、病院のスタッフの方々にはとても感謝しています。

退院後の現在、体調はいたってよく、元気で仕事に励む毎日です。

 

解説

入院して一週間後には、Gさんのうつ症状六つのうち、「何もする気が起きない。意欲がない」、「気分が落ち込む。気が滅入りそうだ」など、三つの症状が消えました。身体症状の頭痛、頚部痛、めまい、像がぼやけるなどが改善し、体調は良くなっていきました。

抗うつ薬は、入院前より一日パキシル三錠(50㎎)飲んでいたのを、入院一週間後には二錠(40㎎)に減らしました。入院二週間後にうつ症状は一度ゼロになったので、入院三週間後にパキシルは一錠(20㎎)に減らしました。

入院六週間後には、まだ不眠は続いていました。

入院九週間後に不眠は解消され、疲れやすさがとれてきました。

入院一一週間後には、まだ朝はだるくて起きにくい状態でした。うつ症状はなくなっていたので、パキシルは一日二分の一錠に減らしました。

入院一三週後にはパキシル服用を中止。退院時にはすべての不定愁訴が消えて、晴れて退院となりました。

 

退院九カ月後の現在、Gさんは、パキシルを全く飲まなくてもうつ症状は出ていません。身体の症状、不定愁訴も出ていません。全くどこからみても普通の健康な状態で、元気に働いています(ケース5・Gさんの治療経過(図表)は、口絵に掲載)。

新型うつは94%程度の治癒率ですが、パニック障害はほとんど100%治癒しています。これは私が世界ではじめて開発した自律神経失調の治療法で治るのです。パニック障害は自律神経失調の発作で精神疾患ではありません。

 

以上、抜粋終わり

新型うつの94%が治っているというのは、

高い治癒率だと思います。

恐らく残りの6%は

低血糖症がからんでいるのではないかと思います。

パニック障害は100%の治癒率とは素晴らしいですね。

たいへん尊敬できる素晴らしい医師だと思います。

うつ病からの脱出ーうつから奇跡のカムバック Case 3・4ー

今回はCase 3・4の紹介です。

著書『新型「うつ」原因は首にあった!』から下記抜粋します。

Case 3

ストレスによる不眠で、 仕事ができなくなった 54歳 男性 Eさん

心療内科で「うつ病」の診断をされたEさん。抗うつ薬を飲むと、全身がだるくなり、頭がポ〜ツとして出勤もままならなくなってきました。

 

症状経過

私は五年前から首と後頭部に鈍い痛みを自覚するようになりました。脳神経外科で脳のMRI検査を受けましたが「異常なし」。首の痛みで整形外科を受診しましたが、いくら治療を受けても改善しません。仕方がないので整体を受け、だましだまし不快な症状とつき合っていました。

そのうち集中力、記憶力が落ちてきて、夜も眠れない状況になってしまいました。何をするのも面倒になり、次第に生きていくのもどうでもよくなってしまいました。さらに、朝起きると、めまい、頭痛、吐き気と全身のだるさが出てきて、毎日、会社に出勤することができなくなってしまったのです。

心療内科で「うつ病」と診断され、抗うつ薬を処方されました。薬を飲むと、少し気分が良くなるように思いましたが、体調は全く変わらず悪いままでした。

ちょっと良くなったと思って出勤すると、すぐに体が思うように動かなくなってしまいます。全身がだるく頭がボ〜ツとなって仕事を続けられず、早退せざるを得ないという状況でした。

本で頸筋症候群のことを知り、受診しました。

首の筋肉の異常は、三六のチェックポイント全部があてはまりました。「治療をすれば治りますよ」というドクターのすすめに従い、入院することに決めました。

なかなかベッドが空かなかったので、入院を待っている期間、外来通院をしました。その時、治療に行ったり体調不良で行けなかったりと、きちんと通院しなかったために、症状は良くなったり、悪くなったり、一進一退を繰り返しました。

一年二カ月後、入院しました。

入院当日、「本当に、この病気が治るのだろうか」と、不安いっぱい、暗い気持ち、気の滅入った状態で病院に着きました。

入院二週間後からうつ症状が劇的に消え始め、四週間後には、うつ症状が全部なくなったのには驚きました。あれほど悩まされていた「うつ」がすっかり消えたのです。人生が明るく感じられるようになり、笑顔でしゃべっている自分を発見してびっくりしてしまいました。笑顔が出るなどということは、ついぞなかったように思います。

身体症状(不定愁訴)も少し遅れてなくなり、体も楽になっていきました。入院五週間後に、薬はすべて中止となりました。体中が爽快な感じになり、いろいろなことをやってみたいという意欲が体の中からわいてくるようになりました。今、思えば、あれだけ体中に満ちていた不快感がどこへ消えたのか不思議です。

退院後は職場復帰を果たし、やる気満々、元気に働いています。

 

解説

入院二週間後からEさんのうつ症状は劇的に消えて、三週間後には「イライラして焦燥感がある」の一つだけになりました。四週間後には完全にうつ症状は消失しました。身体症状(不定愁訴)も少し遅れて次第に消えていきました。

他覚的な首の筋肉の異常も四週間後にはなくなりました。入院時一旦二錠飲んでいた抗うつ薬も入院二週間後には盲一錠となり、五週間後に薬はすべて中止となりました。

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Case 4

天気が悪くなると不調に。 朝だるくて起きられない、学校に行けない 

19歳男性Fさん

うつ症状も出て、異常に汗をかく。ふらつき、微熱が出ていつも風邪気味。たくさんの症状が出て、Fさんは症状の改善を求めて、たくさんの病院巡りをしました。

 

症状経過

私は、八歳のときに頭痛と肩の疼痛を自覚するようになりました。一二歳の頃から首が痛みだし、中学生時代は、朝、目が覚めると体がだるく、頭痛がして起きられないようになり、学校へ行けない日が増えていきました。

その頃から、不快な症状が次々と出始めました。

ふらつきが出て、常に風邪気味となり、天気が悪くなると体調が悪くなって、うつ症状が出てきました。さらに、異常なほど汗をかくようになりました。突然、脈が速くなり、涙やつばがたくさん出て、困るようになりました。三七度台の微熱も続くようになったのです。突然、お腹が痛くなり、下痢もするようになりました。顔がのぼせ、足がつめたくなり、前胸部に圧迫感が出て、痛みも覚えるようになりました。

高校へ進学すると、体はいよいよだるくなり、学校を休むことが多くなりました。

頭痛外来へ行ったり、痛みを取るために神経ブロック療法を受けたり、整体やカウンセリングを受けても、症状は良くなりません。私は症状の改善を求めて、たくさんの病院巡りをしました。最終的に、精神科や心療内科を受診し、抗うつ薬を処方されて服用しましたが、いっこうに良くなりませんでした。

入院五週間後に微熱がなくなり、その頃からうつ症状が消え始め、意欲や集中力が出てきました。七週間後、気分の落ち込みが消えた頃から、首の痛み、めまい、肩こりなど、身体症状(不定愁訴)がおもしろいほど消えていくようになりました。

退院時は頭が少し痛いだけで、それ以外の身体症状は全くなくなっていました。

退院後の現在、プールリハビリ中。頭がちょっと重いだけで、いたって元気です。

 

解説

Fさんは、入院時、問診では三〇のうち二五に異常がみられました。入院五週間後には微熱がなくなりました。同じ頃からうつ症状も減っていきました。意欲や集中力が出てきたのです。

七週間後には、気分の落ち込みが消えていました。

退院時には頭が少し痛いという症状が残っていただけで、二四症状が消失しました。

退院後、三カ月が経ち、経過を観察中ですが、現在、Fさんは頭が少し重いだけで、症状は退院時と変わりがありません。

微熱は頸筋症候群によく出る特徴的な症状の一つです。血液検査や通常行っているどんな検査をしても異常はみつかりません。ただ、はっきりしているのは首の筋肉の異常だけで、首の筋肉の治療をして異常が少なくなると微熱は消失します。発熱のメカニズムは研究中で、まだわかっていません。

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以上、抜粋終わり

Case7までありますので、

参考にしてください。

うつ病からの脱出ーうつから奇跡のカムバック Case 2ー

今回はうつから奇跡のカムバック Case 2というテーマでお伝えします。

著書『新型「うつ」原因は首にあった!』から下記抜粋します。

Case 2

混んだ電車内でパニックに。 うつ症状が出て学校に行けなかった

19歳女性Dさん

 

うつ症状が深刻になり、自殺未遂を繰り返していたDさん。あるとき、パニック発作を起こして外出することもできなくなり、部屋に閉じこもりきりの生活になっていました。

 

症状経過

私は、一五歳の頃から憂うつになり、何かをしようという意欲がなくなっていきました。学校へ行こうと家を出ると、腹痛が起こるようになり、徐々に学校を休むようになりました。内科を受診しても異常はみられず、心療内科を紹介されました。そこで「うつ状態」「不安神経症」の診断を受け、数種類の抗うつ薬を処方され、カウンセリングと薬物療法を始めました。

しかし、症状はいっこうに改善せず、精神科医に不調を訴えると、どんどん強い薬を処方されるようになり、種類も睡眠薬、抗不安薬、気分安定薬と増えていきました。それでも良くならず、心理療法や整体、他の心療内科にも行きましたが改善の兆しはみられませんでした。

うつ状態はいよいよ深刻になり、気が滅入って落ち込む度合いはひどくなっていきました。「自分ばかりがどうしてこうなるのか」と思い、「この先、生きていても何も楽しいことがないのではないか。死んでしまいたい。死ねばすべてが終わる!」と、自殺未遂を繰り返しました。

あるとき、パニック発作が起こって外出もできなくなり、部屋に閉じこもるようになってしまいました。

雑誌で頚筋症候群のことを知り、問診表にチェックを入れてみると「はい」に二六もマルが付き、すぐに予約をしました。初診では首の筋肉のチェックポイント三六カ所に異常があり、入院を指示されました。

入院してうつ症状がなくなり始めると、考え方が前向きになっていき、症状が悪くなる前に夢中になっていた趣味にも取り組むようになりました。退院後には楽しいことがいっぱい待ち受けているだろうという、明るい気持ちになれてきました。

身体症状も少しずつ減って体が楽になっていき、一六週間後には、それまで一週間に一度は起こっていたパニックの発作が起こらなくなったことで、体力、気力ともに自信がついてきました。

入院してから、特に同室の皆さんに励まされました。それまで、「こんな症状、私だけ?」と辛い思いをしていたので、同じ病気の仲間がいることで救われ、また励まし合うことで真剣に治療に取り組むことができました。

退院後の現在、症状はほとんど出ていない状態です。「生きていて良かった」という思いをかみしめつつ、毎日、学校に通っています。

 

解説

入院時、Dさんの首はこっていて、触診ではすべてのチェックポイントに異常がみられました。入院治療を始めて八週間後からうつ症状が消え始めました。一六週間後には、それまで一週間に一回は起こっていたパニック発作が、二週間経過しても起こらなくなりました。一九週間後にはうつ症状がすべて消失。薬は退院までに、徐々に種類を減らしていきました。

入院五カ月後、他覚的な首の筋肉の異常は全く消失しました。症状もほとんどなくなったので、退院して様子をみることにしました。

退院後一〇カ月を経過した現在も、症状はほとんどないままで退院時と変わりません。Dさんは元気に通学しています。

入院加療の良い点は、この病気を家族をはじめ周囲の人が理解できないので、孤独になっていたのが、入院すると同じ体験の仲間がたくさんいて、この病気と闘う同志になってくれるので、精神的にも落ちつきます。退院後も一生の友としてつき合っている人も多いようです。

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以上、抜粋終わり

この方のケースのように

精神科で治療を受けると

薬漬けが待っっているだけで、

病気の改善にはなりません。

さらに悪くなっていきます。

この方のように積極的に

他の治療を探されてたので、

脱出されることができました。

症状が改善しないようなら、

まずは自分にとって

もっと良い治療があるはずだと考え、

積極的に探すことです。

諦めなければ必ずあなたにとっての

ベストな治療が見つかります。

とにかく諦めないことです。

少数ながらきちんと対応できる

医師もいますし、

我々鍼灸の世界にもいます。

ちなみに首のようなこりは

深いところにあるケースが多く、

深い部分のこりは

マッサージや整体ではほぐしずらく、

改善が困難です。

この深いコリ部分のほぐしには、

鍼灸はたいへん優れています。

周りに信頼できる医師や鍼灸師が見つからない場合は、

毎日こっている部分にせんねん灸をしてください。

少しずつコリが表面から取れて行き、

やがて深部のコリも取れます。

一人でする場合はこの方法が

最も簡単で、

改善がはやいと思われます。

 

うつ病からの脱出ーうつから奇跡のカムバック Case1ー

今回はうつから奇跡のカムバック Case1というテーマでお伝えします。

著書『新型「うつ」原因は首にあった!』から下記抜粋します。

うつから奇跡のカンバック

うつ症状は、首のこりが原因で発症していた - この事実を端的に物語るのは、実際に首の治療を受けて完治した患者さんがいらっしゃるということでしょう。

最近の一四一症例について統計をとったところ、頸筋性うつの治癒率は九二・二%,(一三〇例)、改善率は七・八%(一一例)という結果でした。実に、九割以上が完治しているのです。

頸筋性うつだとわかれば、首の治療で治るケースは多数あります。

一方、頸筋症候群は、さまざまな不定愁訴が現れるために、別の診断名がついてしまうことも少なくありません。原因がわからず、いろいろな専門医をたらいまわしにされた挙句に、誤診されやすい病気でもあります。

これから紹介するのは、精神科や心療内科で「うつ病」「抑うつ状態」と診断され、その後、首の治療を受けてうつ症状が治ったケース。つまり、精神疾患の「うつ病」ではなく、頸筋症候群による「頚筋性うつ」だった症例です。

これは多くの症例のなかのほんの一部の例です。

Case1

晴れて出産!抗うつ薬を飲んでいたため 子どもが欲しくてもつくれなかった

31歳 女性 Cさん

 

全身倦怠感で何もできなくなり、さらにめまいをはじめたくさんの症状が出て内科を受診したあと、いろいろの診療科を紹介され、最後は精神科で「うつ病」と診断されました。

 

症状経過

  • 気分が滅入ったりしないのに、「うつ病」の診断に難問を抱き……

私は、数年前から次第に疲れを感じるようになりました。やがて、一カ月のうち、一〜二週間は全身倦怠で何もする気になれず、寝込むようになりました。仕事から帰っても炊事ができなくなり、家に帰ると着替えもせず、すぐに横になってしまう毎日になってしまったのです。

ちょっと横になって寝ているだけでは起きられない日が少しずつふえ、次第に体調不良はエスカレートし、他の症状が次から次に出現してきました。

まず、めまいが起こるようになりました。

近くの内科で、徐脈と血液検査で「副腎皮質ホルモンの異常がある」と言われ、大病院を紹介されました。その病院で、いろいろな科を受診させられ、最後は精神科で「うつ病」の診断を受けることになったのです。

今まで気分が滅入ったりするようなことはなかったので、私はこの診断に疑問を持ち、大学病院の神経内科を受診しました。

 

  • 頭痛もめまいも、薬は効かなくなってきた

大学病院では、MRIなどいろいろな検査を受け、さらに血管撮影まで受けましたが、原因は不明でした。

この頃から、頭痛も始まりました。めまいや、眼球が揺れ動く眼震も起こったので耳鼻科で検査を受けたところ、「前庭神経炎」と診断されました。

薬を出され、長い間飲みましたが、めまいは良くなるどころか、ひどくなっていきました。頭痛も、薬が効かなくなってきました。さらに、人の言っていることが耳に入らなくなり、記憶力が低下し、認知症のような症状が現れました。

上半身ののぼせも頻繁に起こるようになりました。どこに行ってもうつ病以外に病名がはっきりせず、家族や周囲の人たちからも、本当に病気なのかと疑いの目で見られるようになり、ますます精神的なストレスが加わりました。

  • うつではない症状が出ていても、抗うつ薬を飲まされ続ける

「前庭神経炎」の薬を飲み続けても、めまいは改善しないので、別の耳鼻科を受診したところ、「血圧が不安定で、徐脈である」と言われました。総合病院の循環器科を紹介され、「起立性調節障害の疑い」でいろいろな検査を受けましたが、異常はみられませんでした。

さらに、この循環器科から他の病院を紹介され、そこで「低髄液圧症候群」の検査も受けましたが、結果は「異常なし」でした。

この頃になると、急に徐脈が速くなりだしたり、ドライアイの症状が加わったりするようになりました。体調不良はさらにひどくなり、全身倦怠が続き、ほぼ寝たきりの生活になりました。

この時点でも、精神科の診断は「うつ病」のままで、パキシル(抗うつ薬)を飲まされ続けていました。

漢方、鍼、整体、催眠カウンセリング、お祓いや除霊まで、常識では考えられないような神がかりなことにもすがりました。

“おぼれる者は藁をもつかむ”心境で、考えられるありとあらゆることを試みましたが、改善しませんでした。

その頃、頸筋症候群のことをテレビで知り、受診しました。問診表の項目(自覚症状)はほとんど当てはまりました。首の触診のときには椅子からずり落ちそうなほどの激痛が走りました。過去にムチウチの経験があり、パソコンを使ったりクルマの運転をしたりなど、仕事で長時間同じ姿勢を続けることが多かったことが病気の原因になったというドクターの説明も納得がいきました。

これまでの心身の辛さを思うと、「やっとここまでたどり着いた」と、涙が出てきました。

病院から離れた場所に住んでいて、通院するのは無理だったので、入院をすることに決めました。入院待ちの間にうつ状態はひどくなり、何度も自殺を考えました。

 

  • 目覚めの良い朝のように体が軽い

半年待って、入院。治療の効果はゆっくりと現れてくるので、「ここで必ず完治できる」と信じて、辛抱強く治療に取り組みました。

入院すると、気分の落ち込みや不安感などうつ症状がなくなり始め、二カ月後には、うつ症状が全く出なくなりました。うつ症状がなくなると、あれほど悩まされていためまいなど不定愁訴、身体症状も減少していきました。パキシルは少しずつ減らしていき、最後に中止しましたが、薬をやめることができ、毎日、目覚めの良い朝のように体が軽くなっていました。これまで心配かけた家族や友人たちに、どのように恩返しをしまうかと考えられるほど、気持ちは明るく、前向きになっていました。

退院後の現在、調子はとてもよく、パキシルも飲んでいません。抗うつ薬と手を切ることができたために、待望のベイビーをもつことができ、今、とても幸せです。

 

解説

Cさんは、うつの症状ではない身体症状が出ているにもかかわらず、精神科のうつ病診断基準により「うつ病」と診断され、うつ病として治療されてしまった典型的なケースです。しかし、首の筋肉の異常が原因で起こった新しい病気ですから、抗うつ薬をいくら飲んでも治らなかったわけです。

うつの症状ではない身体症状が出ていたにもかかわらず、精神科の診断は「うつ病」のまま。Cさんはパキシルを飲まされ続けていました。

そのほかにも、Cさんには頸筋症候群の特徴が現れています。

うつ病以外の病名がはっきりせず、周囲から本当に病気なのかと疑いの目で見られ、そのことでCさんの苦しさは増したようですが、家族や近くにいる人が、患者さんの病気を理解できないというのは、この病気の大きな特徴です。病院でいろいろな検査を受けても異常がみられないので、周囲から「仮病」「怠け病」「精神がたるんでいる」などと言われたり、思われたりして、Cさんのように周囲の無理解に苦しんでいる患者さんは非常に大勢います。

また、頭痛、めまいなどの症状が次々に現れたり、「人の言っていることが耳に入らなくなり、記憶力が低下し、認知症のような症状が現れた」ということですが、頸筋症候群では若年性認知症や若年性更年期障害を心配して受診する人も少なくありません。

低髄液圧症候群の検査も受けているようですが、この時点で、低髄液庄症候群の治療を受けていたら、頸筋症候群の治療期間は六カ月〜一年以上かかってしまうところでした。

入院半年前のCさんのうつ症状は、「集中力の低下」と「根気がなく、仕事が続けられない」の二つだけでした。入院待ちの六カ月間にうつ症状はさらに増えて、六つのうつ症状が全部出ていました。

入院治療を行ったところ、まずうつ症状が消失してゆき、二カ月後には全くうつ症状が出なくなりました。少し遅れて身体症状(不定愁訴)も減少し、首の筋肉の異常(他覚的異常所見)も並行して減りました。

退院後一年以上を過ぎた現在、Cさんの経過は順調で、退院時と同じように抗うつ薬を飲んでいません。抗うつ薬のために子どもをつくれませんでしたが、薬を切ることができ、安心して妊娠、無事出産しました。

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以上、抜粋終わり

一般的に不定愁訴のような

原因がわからない症状については

西洋医学は無力です。

この女性の方のように

何らかの診断名をつけなくてはなりませんから、

無理に病名を付け、

見当違いな治療を受けることになります。

精神科行きにされた場合は

クスリ漬けにされて、

治ることなく

ヘタをすれば悪くなり、

状態が深刻化していきます。

今回この方は鍼灸治療も受けたようでしたが、

効果がなかったようです。

どのような鍼灸治療を受けたのかは

わかりませんが、

鍼灸の世界は、

鍼灸師によって

治療方法が違います。

そして本来の東洋医学としての治療を

している鍼灸師は全体の2割ほどです。

だから鍼灸も一人の鍼灸師ではなく、

だめならドクターショッピングのようにして、

自分に合う鍼灸師を探して欲しいのです。

 

私の行っている経絡治療は

精神疾患であれ、

運動器疾患であれ、

どんな病気でも、

東洋医学の診断方法に基づいて

治療をするので、

どんな疾患であっても

緊急を要する疾患以外は

治療可能です。

そして本治法という

経絡を整える治療をすることによって

全身の筋肉が緩み、

免疫力、すなわち自然治癒力がアップします。

この段階で頚筋性症候群の方は

首のこりが緩みます。

低血糖症や精神性うつの方は

自然治癒力がアップした段階で、

体が病状改善に動き出します。

そして症状の緩和のために

さらに標治法という治療を施します。

これはさまざまな症状に対して、

ツボを使って症状緩和の治療を行います。

この二つの治療を行うことによって

うつ病やどんな病気にも対応していくことができますし、

治癒へと導くことができるのです。

もちろんこの経絡治療も完璧とは言えませんので、

すべての病気を治すことは不可能ですが、

しかし高い治癒率をほこっています。

患者様側の絶対に治すという意識と忍耐があれば、

たとえ西洋医学の難治性の病気であっても、

治癒へと導くことは不可能ではないのです。

 

 

 

うつ病からの脱出ー「頸筋性うつ」かどうかを見極める 4-

今回は同テーマの第4弾です。

著書『新型「うつ」原因は首にあった!』から下記抜粋します。

十七 つばが出やすい。またはつばが出ない。

この症状も、交感神経と副交感神経がうまく機能しないことから起こる症状とされています。首こりが原因のときは、唾液が出なくて口の中が乾いてしまうことが多いのですが、口の中に唾液がたまって困るという人もいます。これは、問診表30項目に入れていないのですが、のどが狭くなった感じが出て、飲みこみができにくくなるという症状もあり、このことと関係がある可能性があります。いずれも首こりの症状です。

 

十八 微熱が出る。(三七度台、時に三八度台も)

微熱があって、その原因をいくら調べてもわからない場合があります。どんな検査をしても微熱の原因がわからない場合、首の筋肉の異常により出ている場合が多いのです。

 

十九 下痢をしやすい。または便秘・腹部症状がある。(腹痛など胃腸症状)

自律神経の異常から、消化液の分泌や腸の働きに変調をきたすことがあります。副交感神経が弱くなると、腸は活発に活動しないため、便秘をしやすくなります。しかし、自律神経が不安定であれば下痢も起きます。両方の症状は首こりによくある症状です。

 

二十 すぐ横になりたくなる。

頚筋症候群であれば、ほぼ間違いなくチェックが付く重要項目です。

次の全身倦怠で横になる人もいますがそれ以外に首の筋肉の異常で頭を支えられなくなっているので、横になると楽になります。そのため、昼間でも横になっている人が多いのです。

首の筋肉の異常を示す大切な症状です。

 

二十一 疲れやすい。(全身倦怠)

自律神経の異常から、身体の調節機能が乱れ、身体全体に不調が表れて、全身がだるくなるのです。この症状も頸筋症候群の重要な症状です。

 

二十三 天気の悪い日が・その前日・調子が悪い。

うつ症状を調べる精神症状の質問と思われがちですが、頸筋症候群かどうかを見極める重要な身体症状に関する質問です。この症状は、筋肉と気圧が関係しているためと考えられます。気圧が下がると症状が出るため、天気が崩れ出す前に調子が悪くなるのです。晴れていても気圧が下がり出すと、症状が強くなります。雨が降っていても、気圧が安定してくると、その症状は軽くなります。

 

二十九 頭がのぼせる。手足が冷たい。しびれる。

いわゆる冷え症です。多くの女性に心当たりがあると思いますが、これも自律神経の乱れが起こす症状です。手足が冷たいのに上半身だけ熱い(のぼせがある)、手足だけ冷たい、手は冷たくないが足だけ冷たいというケースもあります。

昔は女性特有の症状で、「血の道」の病気の主要な症状でした。これは、細い首が珍重された和服の時代に、重い頭を支えられなかった女性の症状と考えられます。ホルモンの異常よりも首、肩の問題です。最近では草食系のひ弱な男性や中高年男性の冷えのぼせもあります。男性更年期障害に誤診される人もいます。

 

三0 胸部が痛い。胸部圧迫感がある。胸がしびれる。

この症状があったら、誰もが最初に疑うのは、狭心症など心臓の病気です。ところが、心臓の専門的な検査を受けても、異常が見つからない場合は、自律神経の異常が考えられます。

 

以上、抜粋終わり

改めて症状だけをまとめて箇条書きにすると

下記になります。

一 頭が痛い、頭が重い。

二 頚が痛い、頚が張る。

三 肩がこる。

四 風邪をひきやすい。

五 ふらっとする。めまいがある。

六 歩いていたり、立っているときなんとなく不安定。

七 吐き気がある。

八 夜、寝つきが悪い。目覚めることが多い。

九 血圧が不安定である。

一〇 暖かいところ、または寒いところに長くいられない。

一一 汗が出やすい。

一二 静かにしているのに心臓がドキドキする。

一三 目が見えにくい。像がぼやける。

一四 目が疲れやすい。または痛い。

一五 まぶしい。または目を開けていられない。

十六 目が乾燥する。または涙が出すぎる。

一七 つばが出やすい。または、つばが出ない。

一八 微熱が出る。(三七度台、時に三八度台も)

一九 下痢をしやすい。または便秘・腹部症状がある。(腹痛など胃腸症状)

二〇 すぐ横になりたくなる。

二一 疲れやすい。(全身倦怠)

二二 何もする気が起きない。意欲がない。

二三 天気の悪い日か、その前日、調子が悪い。

二四 気分が落ち込む。気が滅入りそうだ。

二五 集中力が低下して、一つのことに集中できない。

二六 わけもなく不安だ。

二七 イライラして焦燥感がある。

二八 根気がなく、仕事や勉強を続けられない。

二九 頭がのぼせる。手足が冷たい。しびれる。

三〇 胸部が痛い。胸部圧迫感がある。胸がしびれる。

ご自分でチェックしてみていかがだったでしょうか?

うつ病の方はかなり複数該当すると思います。

その場合は首こりが原因かもしれません。

近くの理解ある先生を探して

ご相談ください。

うつ病からの脱出ー「頸筋性うつ」かどうかを見極める 3-

今回は同テーマの第3弾です。

著書『新型「うつ」原因は首にあった!』から下記抜粋します。

六 歩いていたり、立っているときなんとなく不安定。

めまいを自覚するまではいかなくても、五と似た症状を感じる人もいるでしょう。いつも船に乗っているようなフラフラ感、平坦な道を歩いているのにデコボコの道を歩いているような錯覚、足元がフワフワとして雲の上を歩いているような錯覚、立っていても不安定な軽いフラツキ感を覚える人は、この項目にチェックを入れましょう。このような軽いめまい感のある人は多いのですが、首の筋肉が原因で起きています。

 

七 吐き気がある。

自律神経のバランスが崩れたことで引き起こされた胃腸障害で胸やけや吐き気が起きます。また、めまい、頭痛が吐き気につながるケースがあります。胃そのものに異常がある場合もあるので、内科検診も必要ですが、内科検診を受けても異常が見つからない場合は、首こりからくる可能性が高いといえます。

内科、消化器科で異常がないとき、ドクターから心療内科へ行くよう指示された患者さんが当センターへ来院することが多くあります。胃に外見上の異常がなくても自律神経の失調で吐き気が出ることを知らない胃腸の専門家が残念ながらたくさんいます。もっと勉強すべきです。

 

八 夜、寝つきが悪い。目覚めることが多い。

首の筋肉が原因で、寝つきが悪くなったり、眠っているときに目が覚めるというケースは非常に多くあります。頸筋症候群の患者さんでも意外に訴えの多い症状です。

 

九 血圧が不安定である。

血圧や心拍数を調節しているのは、自律神経です。首こりによって、自律神経のバランスが崩れると、血圧が高いときと低いときの上下幅が大きくなります。上の血圧が200前後になると、脳内出血の危険性が高まりますが、下がり過ぎるのも問題であり、そのような人は降圧薬を服用することができないことが多いのです。ひどい人は上の血圧が100以上、変動する人もいます。これも首の治療で完治できるようになりました。

血圧不安定が続くと、脳内出血や脳梗塞、心筋梗塞の危険性が高まるので、注意が必要です。

 

十 暖かいところ、または寒いところに長くいられない。

九と同様、体温調節を司っているのも自律神経です。暖かいところにいると気分が悪くなる人や、寒いところから暖かいところに移動すると顔が赤くなって、顔色がなかなか戻らない人は、この項目にチェックを入れましょう。

 

十一 汗が出やすい。

自律神経に異常があるときに多い症状の一つです。単なる汗っかきというレベルではなく、普通にしていてもダラグラと汗をかく、全身から噴き出すように汗をかくという人は、この項目にチェックを入れましょう。

なかには、ひと晩に何度も下着を取り替えるほど症状のひどい人もいますが、そのような症状も、首の治療によって正常に戻ります。

 

十二 静かにしているのに心臓がドキドキする。

じっと椅子に座っているだけでも、突然脈が速くなる。動悸や心悸亢進と呼ばれる自律神経失調の代表的な症状です。

脈拍を調整しているのも自律神経で、このバランスが崩れることが原因です。

満員電車などの中で、急に心臓がドキドキしはじめ、冷や汗が出てとても息苦しくなり「このまま死んでしまうのではないか」という不安が高じて、パニック状態に陥ることもあります。パニック障害との関連性を強く指摘される症状です。

 

十三 目が見えにくい。像がぼやける。

これは「瞳孔収縮不全」から起きる症状です。瞳孔を開かせるのは交感神経、収縮させるのは副交感神経の役目であり、これらはどちらも自律神経です。

カメラの絞りと同じ機能を持つ瞳孔が、自律神経の異常がひどくなると開きっぱなしとなる。つまり、瞳孔が正常に機能しないためにピントが合わず、目が見えにくくなったり、ぼやけたりするのです。

 

十四 目が疲れやすい。または痛い。

十三と同様、自律神経の乱れから瞳孔がうまく機能せず、疲れやすくなったり、痛みを感じたりする症状です。

 

十五 まぶしい。また目を開けていられない。

まぶしいときは、瞳孔が素早く収縮するのが正常な働きです。ところが、自律神経が乱れると、瞳孔が開き気味になって、まぶしいと感じるようになります。ひどくなると、目を開けていられなくなってしまいます。首の筋肉に異常のある人のなかには、散瞳薬を入れた人や死亡した人と同じように瞳孔が全開で、光に反応しない患者さんがよくいます。

 

十六 目が乾燥する。または涙が出すぎる。

目が乾燥するのは、涙が目全体に行き渡らないためです。近年は、このようなドライアイを訴える人が増えていますが、この原因はまだはっきりと解明されていません。とはいえ、涙の分泌には自律神経が大きく関与しています。

首こりが原因の場合は、ドライアイになりますが、なかにはその症状とは逆に、涙が出すぎることもあります。

 

以上、抜粋終わり

まだしばらく症状の説明は続きます。

次回も参考にしてください。

うつ病からの脱出ー「頸筋性うつ」かどうかを見極める 2-

今回は同テーマの第2弾です。

著書『新型「うつ」原因は首にあった!』から下記抜粋します。

  • 精神症状と同時に身体症状にチェックが入っているか

 

二二〜二八(二三を除く)の症状のほかは、首のこりが原因で起こる特有の身体面での症状「身体症状」に関する質問です(二三については後述)。

頚筋症候群の場合、首の筋肉の異常が原因で、不定愁訴のなかの身体症状が起こり、重症になってくると二次的に精神症状が現れます。ですから、頸筋症候群が疑われる場合は、精神症状と同時に、この病気に特徴的な身体症状が出ているはずです。

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精神症状と同時にこの病気特有の身体症状にチェックが入っている場合、頸筋性うつである可能性が高くなります。

精神科や心療内科のドクターは、患者さんの精神的な訴えだけに注意を払い、身体的な症状を見逃してしまいがちです。うつ症状だけにこだわっていると、病気の本質を見落として、精神疾患のうつ病と誤診されてしまいます(84・85ページ)。

そして、抗うつ薬、カウンセリングによる精神疾患の治療をいつまでも続けるので治らないのです。薬の副作用に悩まされて私のところに来院された患者さんはたくさんいます。

 

  • 精神症状に首の張りが自覚されれば頚筋性うつの可能性大!

 

 

二 頚が痛い、頚が張る。

二は、身体症状のなかでも、頸筋性うつかどうかを見極める要となる症状です。精神症状の五〜六項目にチェックが入り、二の身体症状にもチェックが入っていれば、頚筋性うつである可能性が高くなります。

頸筋症候群である場合、ほとんどの人がこの項目にチェックを入れます。特に重症になると、首の張り、痛みは本人が自覚しやすい症状となります。

 

首のこりが原因で起こる、 特有の身体症状を知ろう

頸筋症候群では、二を含めた比較的軽度の身体症状がたくさん出て、重症になると、うつ症状「頸筋性うつ」が出ます。小さな症状を省いて主訴だけを取り上げると細かな微妙なこの病気の本質が消えてしまいます。

ここで、問診表に添って、その他の身体の症状を詳しく検討していきましょう(前述した項目は除く)。

身体症状のなかでも、頭痛やめまいは、自律神経の不調とは関係なく、首の筋肉の異常によって起こります。そのため、頭痛、めまい、自律神経失調症は、頸筋症候群の三大症状ということができ、いずれも高い確率でチェックが入ります。

一方、軽い症状だと思われがちな「二〇 すぐに横になりたくなる」「二三 天気の悪い日か、その前日、調子が悪い」の項目は、頚筋症候群かどうかを見極める重要なチェックポイントです。

いくつかの症状がチェックされている状態で、「二 頚が痛い、頚が張る」の項目にチェックされていれば、頸筋症候群である可能性は高くなります。

一 頭が痛い、頭が重い。

頭痛に悩む日本人は三〇〇〇万人とも言われています。そのうち、約七割を占めるのが緊張性頭痛で、首のこりが原因だと考えられます。頚筋症候群である場合、一の項目にチェックが入る可能性は高くなります。

後頭部から首筋にかけて、突っ張るような痛み、頭の周囲にハチマキをしたような締め付ける痛み、頭がキューッと締め付けられるような圧迫感、頭重感が特徴です。夕方になると痛みが増してくるケースもあります。

 

三 肩がこる。

従来、首こりを肩こりの中に入れてしまっていました。そのため、日本語に「首こり」という言葉はありませんでした。

私は「首こり」という言葉をつくり、その重要性を訴えてきました。ようやく首こりが認知され始めました。首こりと肩こりははっきり分けなければなりません。

肩こりは直接は神経症状を出しません。が、肩こりが二次的に首こりを起こすことがあります。

 

四 風邪をひきやすい。

風邪は首のこりとは関係ないように思われがちですが、首の筋肉の異常と風邪は直接的な関係があります。

せきやくしゃみ、鼻水が出始めたとき、首の筋肉を温めれば、風邪はすぐに止められます。

 

五 ふらっとする。めまいがある。

めまいには「メニエール病」と呼ばれる「内耳性めまい」もありますが、首こりが原因で症状が起こる場合が圧倒的に多いのです。ふいにうしろをふりかえったときや、寝ている状態から起き上がったときにふらっとする、天井がグルグルまわる、地面が揺れているように感じる、ベッドから落ちるように感じる、奈落の底に引き込まれていくような感じがする-などの自覚症状がある人は首こりが原因である可能性があります。

このような症状の人が、首の筋肉の治療でほとんど完治しています。

 

以上、抜粋終わり

いろんな症状がありますね。

頚筋性うつに該当される方は、

だいたい複数の症状があります。

次回も参考にしてください。

この続きは次回です。

うつ病からの脱出ー「頸筋性うつ」かどうかを見極める 1-

今回は「頸筋性うつ」かどうかを見極めるというテーマでお伝えします。

著書『新型「うつ」原因は首にあった!』から下記抜粋します。

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さて、あなたのセルフチェック結果はいかがでしたか?

「はい」が四項目以下なら、心配はありません。

五項目以上「はい」にチェックがついていたら、頚筋症候群の可能性があります。重症にならないうちに、頸筋症候群の診察ができる医療機関を受診することをおすすめします。

私は、五〜一〇項目にチェックが入った場合は「軽症」、二〜一七項目は「中症」、一八項目以上あったら「重症」と診断しています。

「頸筋性うつ」かどうかを見極める

次に、頸筋性うつかどうかの見極め方を述べていきましょう。

  • 精神症状の項目にチェックが入っているか

 

頚筋性うつかどうかを見極めるポイントは、まず精神症状の有無です。

精神症状があるかどうかは、問診表の二二、二四、二五、二六、二七、二八の六項目にチェックが付いているかどうかでわかります。

これらは、精神症状に関する質問です。ここにチェックが多ければ、うつ症状が出ていると確認できます。

頸筋性うつである場合、精神症状六項目のすべて、または五項目にチェックが付きます。

頸筋症候群であっても、軽症でうつ症状が出ていない(頸筋性うつでない)場合、精神症状の項目を除いた項目にチェックが入るはずです。

逆に、精神症状に関する六項目だけがチェックされていて、他の項目のチェックがほとんどない場合は、精神疾患のうつ病である可能性が高くなります。

精神疾患のうつ病と頚筋性うつの両方のある患者さんを治療していくと、首の筋肉が正常になるにつれて自律神経失調による不定愁訴が消えていき、最後はうつ症状全部、あるいは部分的に症状が残ります。

精神症状の質問には、比較的軽度のものと、重症のものがあります。

また、軽い精神症状でも、放置しておくと重い症状が出てくる傾向があります。

 

比較的軽度の精神症状に関する質問

 

二十五 集中力が低下して、-つのことに集中できない。

働き盛りの年齢なのに物忘れがひどくなり、認知症を心配する人がいますが、多くの場合、集中力の低下が原因です。この症状が気になる人に対して、「ミニメンタルテスト(MMSE)」と呼ばれる認知症のテストを行いますが、ほとんどの人がこのテストでは満点をとります。

 

二十七 イライラして焦燥感がある。

原因不明のイライラが続き、何もあせる必要がないのに、じっと落ちついていられない状態。

 

二十八 根気がなく、仕事や勉強を続けられない。

一つのことを持続的に続けることができない状態、辛抱強く、忍耐強く続ける気力がなく、すぐにあきらめてしまう状態です。

 

重症の精神症状に関する質問

 

二十二 何もする気が起きない。意欲がない

この症状は、最も大切なうつ症状の一つです。

初めにこの症状があっても、治療していくうちに、「退院したらあれもしたい、これもしたい」というように意欲が出てきて、退院が待ち切れないという状態になります。

 

二十四 気分が落ち込む。気が滅入りそうだ。

この症状も最も大切なうつ症状の一つです。

治療開始時には気が滅入って笑顔がなくなっています。苦しみに満ちた顔をしている人もいます。

治療が進むにつれて少しずつ笑顔が出てきます。初めはつくり笑い程度ですが、次第に人生が楽しく感じられるようになります。「お腹の底から笑えるようになりました」と言い、本当の笑顔が出てきます。

治療を受けることで劇的に人が変わり、別人のようになってくることに驚かされることがしばしばあります。

 

二十六 わけもなく不安だ。

心配する必要のないことにこだわり、悪いことが起きはしないかと、いつも不安をもち続けている状態です。理解に苦しむほどささいなことや、起こるはずのないことに不安感をもっており、これもうつの重要な症状の一つです。あらゆることを悪く悪く考えてしまうのです。

 

うつ状態だからといってすべての症状が現れるわけではありません。個人差はありますが、うつ状態には次のような症状が挙げられます。

自閉的

今まで楽しいと感じられていた趣味やスポーツをしても、楽しく感じられない。内にこもる。笑顔がなくなる。喜怒哀楽を表に出さなくなる。

自己否定

自分は何の役にも立っていない、ダメな人間だと自分を低く評価するようになる。落ち込む。自分が生きていると家族や周囲に迷惑をかけるので、この世から消えてしまいたい (=自殺願望)と思うようになる。これは、精神疾患のうつ病でよくみられるもので、新型うつ(頸筋性うつ)ではあまりみられない症状です。

 

この症状は、精神疾患のうつ病と頸筋性うつでは、決定的な違いがあります。精神疾患のうつ病の場合、常識的に考えると、自殺に至る過程には理解に苦しむところが多くあります。

頸筋性うつの場合は、自殺に至る過程は理解できるものです。たくさんの身体的な不定愁訴が重なり、いろいろな診療科や病院に行って不調を訴えても、「異常ありません」とか「この病気と一生付き合っていくしかありませんね」と言われる。症状が本当に出て苦しんでいるのに、診断もつかず治療もできない。死ぬまでこの症状が続くのであれば、死んだほうがましだと自殺を考えるわけです。

頸筋性うつや頸筋症候辞の最も特記すべき問題点は、この病気を周囲の人が理解できないことです。一見するとどこも悪くないように見えるので、一緒に住んでいる家族でさえ、「怠け者」「仮病」と思ってしまうのです。そこで病院へ行って「異常なし」と言われてしまうと、それ見たことかと周囲の人に思われ立つ瀬がなくなるのです。これは、常識で理解できることです。

このような症状から、精神疾患のうつ病と誤診されてしまうことになります。

狭所恐怖

電車に乗れない。人込みの中に入っていけない。エレベータに乗れない。MRIの検査機器に入れない。新型うつ(頸筋性うつ)やパニック障害でよくみられます。

決断力低下

簡単なことでも自分一人で決められなくなる。自分の判断は正しかったのだろうかと、くよくよ考える。

不眠

眠りたいのに眠れない。寝つきが悪く、寝ついても、夜中に何度も目が覚めてしまい、その後なかなか眠れない。熟睡していないのに、朝早く目覚めてしまう。すっきりと目覚めることがなく、気分や身体が重く感じられる。ときには、何時間寝ても寝足りないなど眠り過ぎる睡眠障害を訴える人もいる。

この症状は新型うつ(頚筋性うつ)によくみられます。新型うつの場合、身体症状がよくなるにつれて、不眠はなくなります。

食欲減退

何も食べる気がしない。今まで好きだったものが、おいしく感じられない。何を食べても味がないように感じる。食べる量や回数が少なくなり、体重が減る。

 

以上、抜粋終わり

チェックをしたうで、

参考にしてくださいね。

次回に続きます。

うつ病からの脱出ー首を支える筋肉の役割ー

今回は首を支える筋肉の役割というテーマでお伝えします。

著書『新型「うつ」原因は首にあった!』から下記抜粋します。

首の構造と ストレートサイン

首がいかに大切な部位であるかを知っていただくため、簡単に首の骨と筋肉について説明しておきましょう。

頚椎は脊椎(背骨)の一部で、脊椎の中の一番上にある、頭部につながる骨のことです。首は七つのバラバラの骨で構成されていて、骨と骨の間にはクッションのような役割を果たす椎間板があります。椎骨と椎骨は靭帯という筋を固くしたようなバンドで留められています。

頚椎の特徴は、頭が上下左右、さまざまな方向に動くことです。健康な人の頚椎は、緩やかに前に突出した湾曲をしていて、このカーブが頭部の重みや、特に上下方向の衝撃を和らげるのに役立っています。

私はストレートサインを、今から三七年前、ムチウチ症の患者さんを診察しているときに発見しました。首の筋肉に異常が起きてその働きが悪くなると、頚椎のカーブが失われ、ストレートサインが出てくることがわかりました。

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首を支える筋肉の役割

頚椎は、たくさんの筋肉によって支えられています。そのなかでも首こりと関連の深い大きい筋肉、つまり私が治療の対象としている筋肉について簡単に説明しましょう。

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僧帽筋(そうぼうきん)

首から背中に広がる大きな筋肉です。この筋肉の収縮によって肩甲骨や腕が動きます。

 

頭板状筋(とうばんじょうきん)

僧帽筋の下にあり、椎骨の後ろから上外方に伸びて、後頭骨の外側についています。左右の頭板状筋が同時に収縮すると、首が後ろに傾いて空を仰ぐ格好に、右側だけが収縮すると、頭が右側に回転します。頭板状筋は、首の動きをコントロールする重要な筋肉です。

 

頭半棘筋(とうはんきょくきん)

首の後ろ側の筋肉のなかでは最も大きな筋肉で、頭板状筋の下にあり、後頭骨

と椎骨の後ろ外側をほぼ真っ直ぐつないでいます。両側の頭半頼筋が収縮すると、

背骨をそらせる働きをします。大後頭神経がこの筋肉を貫いていて、頭痛の原因

になる筋肉です。

 

胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)

乳様突起という、耳の後ろにある乳房のような形をした出っ張りの骨とその付近から首を通って鎖骨と胸の中央にある胸骨を結ぶ筋肉です。あごを引いたり、うなずいたり、頭を左と右前方に倒したりする働きをします。

 

以上四つが首を支える大きな筋肉ですが、これ以外にも、頚椎と後頭骨をつなぐ「大後頭直筋」や「小後頭直筋」、第一頚椎の外側と後頭骨の外側を結ぶ「上頭斜筋」や「下頭斜筋」そして「前・中後斜角筋」、「頭最長筋」、「肩甲挙筋」など、小さくても重要な筋肉があります。

上を向いたり、うつむいたり、首を振ったり、かしげたり、まわしたり…‥こんなふうに自在に首を動かせるのは、細かく分かれた頚椎や複雑に入り組んだ頚筋のおかげです。

 

首の上半分は、脳の一部

首の筋肉は、複雑に寄り合わさるようにして、頚椎を囲んでいます。

頚椎の中心の芯にあたる部分に脊髄があります。脊髄は脳から背骨の中を通って伸びている中枢神経です。脊髄から末梢神経や自律神経が出て、身体中のいろいろな部位にはり巡らされています。人間の身体を動かす脳のさまざまな指令は、脳からこの脊髄を通って全身に伝わります。脊髄の上部は脳とつながっているため、構造的には脊髄は脳が下に伸びた部分であり、人間の脳と体をつなぐ大切な役目を果たしています。この脊髄を首の位置で保護しているのが頚椎です。そして、頚椎の間から神経根と呼ばれる太い神経が出ていて、細い自律神経も脳神経やこの神経根と一緒に出て、末梢神経の一部となって消化官や心臓など体中に分布しています。

自律神経は、身体全体に神経ネットワークを巡らしていて、自分の意思とは関

係なく、内臓や血笛などの働きをコントロールし、消化や呼吸、発汗などを促し、

運動神経や感覚神経以上に大切な神経です。自律神経は交感神経と副交感神経か

ら成り立っていて、この二つの神経がバランスよく働くことで、身体を健康的に

維持します。

首の筋肉が異常を起こすと、この自律神経に影響を及ぼします。首の筋肉の異常が、どのように自律神経に影響を及ぼすのかについては、まだ完全には解明されていませんが、私の臨床でのたくさんの患者さんが実際に実証してくれました。

首、とくに首の上半分の筋肉異常が、自律神経失調を起こすことが私の臨床経験でわかってきました。そして、常に交感神経が強く、副交感神経が弱くなってアンバランスな状態になります。

首は、人間の身体のなかで、脳と身体の各部位をつなぐ唯一の架け橋です。脳の指令を身体の各部位に伝える、脳の一部ともいえる大切な器官です。それだけに、複雑かつ繊細な構造になっていて、トラブルを起こしやすいともいえるのです。

私たちが、首のこりを器質的疾患として取り組む理由はここにあります。

 

以上、抜粋終わり

首は重い頭を支えるため、

どうしても負担がかかります。

筋肉を鍛えることが重要ですが、

鍛えにくい場所でもあります。

この書著の後で紹介しますが、

ご自分でもネット等で、

調べて実行してみてください。

うつ病からの脱出ー頸筋のチェックポイントと問診表ー

今回は頸筋のチェックポイントと問診表というテーマでお伝えします。

著書『新型「うつ」原因は首にあった!』から下記抜粋します。

頸筋のチェックポイントと問診表

新しい病気の発見から三〇年あまり、私は多くの患者さんを診察しながら、有効な治療法を研究し続けてきました。いろいろな医療機器を使って試行錯誤し、改良を続けながら、二〇〇五年にようやく満足できる頚筋症候辞の有効な治療法を確立したのです。

二〇〇六年には東京・虎ノ門に東京脳神経センターを開設し、この研究を共に続けてきた脳神経外科、神経内科の第一人者として知られるドクターらと頸筋症候群の専門外来を設け、治療にあたっています。

頸筋症候群の治療で私が活用しているのが、研究過程で独自に開発・改良を重ねてきた「問診表(自覚症状)」と「頸筋のチェックポイント(他覚症状)」です。

患者さんはいろいろな症状を訴えます。長年の治療で蓄積したそれらの症状を総合し、多くの患者さんに当てはまる症状を問診表にまとめました。当初、二三項目だった問診は、現在、三〇項目になっています。

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一方、触診のための頚筋のチェックポイントは、ムチウチ症の患者さんの首の触診で、あるポイントの筋肉が硬くなっていることに気付いたことがきっかけになりました。

わずかな力で押しただけでも、患者さんがとび上がるほど痛がり、悲鳴をあげるポイントがあったのです。硬くなっている部分の筋肉をほぐすと、不定愁訴の症状が消えていくことに気付き、それにより「どの部位がこると、心身に異常が出るのか」というチェックポイントが判明したのです。

頚筋チェックポイントも、多くの患者さんの症状を調べていくなかで確定させていきました。当初は一四カ所でしたが、試行錯誤を重ね、現在は三六カ所となっています。

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筋肉のこりには個人差があり、骨や鉄かと思われるくらい硬くなっているケースもあります。解剖学的な筋肉の構造を理解し、さらにこりの程度を経験的にわかっていないと、なかなか正確な診断ができません。触診ポイントの位置やこり具合の感覚は、長年の経験によるところが大きく、一朝一夕には修得できないため、後輩医師の指導には今も苦労しています。

そして、医師の触診する頸筋のチェックポイントと患者さんのさまざまな訴えを知る問診表には、相関関係があることもわかっています。ほとんどの場合、頸筋のチェックポイントの数と問診の「はい」の数は並行して減っていきます。

頸筋のチェックポイントと問診表は、初診や再診時、入院時に用い、画像診断などの検査結果とともに、患者さんの症状経過を知り、ピンポイントで診察・治療をしていくための貴重なデータとして活用しています。

 

なぜ首はこるのか?

ところで、なぜ首の筋肉はこるのでしょう?

それは、長時間のパソコン操作など、同じ姿勢を続けることによって筋肉が疲労して過労となり、さらに筋肉を酷使すると変性が起きて硬縮するからです。

酸素が十分に供給されないと、エネルギーに変わるはずのブドウ糖が乳酸などの老廃物となってたまります。そして、この老廃物が筋肉にたまり、筋肉内部の水素イオン濃度が低下して代謝が遅くなります。また、神経筋接合部の刺激伝達がうまくいかなくなって、筋の収縮力が低下して、筋肉の働きが悪くなるのです。

首こりを助長する現代生活

首こりの最大の原因は、長時間同じ姿勢を続けること。そして、頭部や首の外傷などです。

日常生活を振り返ってみると、すぐに思い当たるのは、ついつい同じ姿勢を続けてしまうパソコン操作。今や職場にパソコンは必需品ですし、家庭でもネットショッピングなどで毎日のようにパソコンを活用しているはずです。携帯電話や携帯ゲームの普及も、長時間同じ姿勢を続けるという点ではパソコンと同じです。

仕事のプレッシャーや人間関係、家事や子育てなど、現代仕活に山積みのストレスも、直接的な原因ではありませんが、首こりを起こしやすくする補助的な要因です。また、快適さを追求するあまり、オフィスや街中は冷房が利きすぎていて、夏でも寒さを覚えるほど。省エネが叫ばれているとはいえ、職場はスーツ姿の男性を基準にしていることが多く、女性にとってはかなり寒いはずです。首は常に冷気にさらされているのです。

このように、現代生活には首こりを引き起こしやすくする要因がたくさんあります。近年、頸筋性うつ症状が急増しているのも納得できます。

また、頭を打ったり、ムチウチ症になったりする外傷も、首の筋肉を傷める大きな原因です。ところが、頭部外傷を受けて脳神経外科を受診しても、脳だけ検査して「異常はありません」と言われて放置されているのが現状です。

ほとんどの脳神経外科医が首の筋肉の診断ができないのです。この症状が放置されたため、頚筋症候群となり、さらにはうつ症状が出て自殺を企図するまでに至る例が出ていることがわかってきました。脳神経外科医が手術で人命を救助できるのは、それほど多くはないのです。それよりも首の筋肉の異常を見逃がして助かる命を死に至らせるということは重大事です。

そこで、二〇〇九年第六八回日本脳神経外科学会で、この病気がシンポジウムで取り上げられ首の筋肉の診療法を報告しました。今後も機会をみて、できるだけ多くの脳神経外科医が首の筋肉の異常を見逃がすことのないよう努力したいと思っています。

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ところで、年齢や性別にかかわらず、どんな人でも頚筋症候群になる危険があります。しかし、首がこりやすいという観点からいえば、やはり女性に多いと言っていいでしょう。当院の患者さんを見ても、約七割が女性です。

なぜなら、人間の頭部の重さは約六キログラムもあり、これは男女の差や体型による差がほとんどないからです。スイカ一個分、大型ペットボトルなら三本分に相当する重さを首で支えるのは、並大抵のことではありません。そのうえ、うつむいた姿勢をとっているときに、首にかかる負担は真っ直ぐにしている状態のおよそ三倍にもなります。

首が細くて長く、なで肩、筋肉量の少ない女性が、頭の重量を支えるのは大変で、頚筋症候群にかかりやすいので、十分に注意しましょう。

以上、抜粋終わり

あと首がこりやすい原因の一つとして、

電磁波があります。

これは携帯電話、スマホ、

パソコン、携帯ゲームなどを使う時間が

多いためです。

現代の生活から完全に要因を取り除くのは

難しいですが、

極力さけるように気をつけましょう。