うつ病からの脱出ー肥満・メタボリックシンドローム 2ー

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今回は同テーマの第2弾です。

前回の続きになります。

著書『なぜあなたは食べすぎてしまうのか 低血糖症という病』から下記抜粋します。

【治療】

横山さんのデータからは、「インスリン抵抗性」による「インスリン過剰分泌」があることが予想されました。

インスリンの効きが悪いと、血糖値を下げるというインスリンのはたらきがうまくいかないため、血糖値が下がりにくくなります。そうすると、すい臓は血糖値を下げるために、インスリンをよけいに分泌します。その結果、「太らせるホルモン」であるインスリンの「過剰分泌」が起こるのです。そうなるとさらにインスリンが効きすぎてしまうため、さらに低血糖になります。

インスリンが分泌されていると、糖から脂肪を合成してたくわえようとすると同時に、脂肪の燃焼を抑えてしまいます。つまり、インスリンがたくさん出ていると、脂肪をたくわえるはたらきがさらに増強するうえに、その脂肪を燃やすことが難しいために、加速度的に太ってしまうのです。この場合、やせるためにもっとも大切なことは、できるかぎりインスリンを出さないようにする、ということです。

横山さんにおこなった指導は、以下のようなものでした。

 

・糖質制限

・低GIの食事

・食物繊維を多くとる

・カロリーは抑えつつも、体に必要な栄養素はしっかりとる

・少量頻回の食事

・こまめな運動(とくに食後)

 

米・パン・めん類などのいわゆる主食、糖分(炭水化物)は食べないよう伝えました。単純にいうと、インスリンを分泌させるものは糖分だけだからです。糖分を食べると血糖値が上がり、「太らるホルモン」であるインスリンが分泌されてしまいます。残念ですが、あまいものはもちろん食べるべきではありません。どうしても食べたいときは、果物の自然なあまみや、天然の人工甘味料で代用する、または良質な脂肪やタン白質などをしっかり食べたあとに、GIの低いものを選んで少量食べるように指導しました。

また、タン白質はダイエットにとても重要を栄養素のひとつです。体重を減らしても代謝を落とさない「正しいダイエット」をおこなうためには、タン白質をしっかりとるということが非常に重要です。ですから肉や魚、卵や豆腐などのタン白質は毎食しっかり食べるようにしてもらいました。

そしてもうひとつのポイントは、食物繊維です。食物繊維の豊富な野菜や豆類、きのこ、海藻類をしっかり食べるようにすると、血糖値の急激な上昇と、インスリンの過剰分泌を抑えると同時に、満腹感を得ることにつながります。

ダイエットでは「空腹を我慢しなければならない」と思いがちですが、空腹になる(=低血糖になる)ということは、体に「飢餓状態だ!」というサインを送ることになります。すると、貴重なエネルギーをセーブしようと体が代謝を下げて対応しようとするため、やせにくくなってしまいます。これを防ぐため、食事と食事の間に必ず間食をとってもらうようにしました。

また、自己流のダイエットをくりかえしてきた横山さんは、立派な隠れ栄養失調の状態でした。この隠れ栄養失調が代謝を下げる原因となっていると考えられたため、これを補正することが必要でした。よって、プロテイン・アミノ酸・ビタミンB群・ビタミンC・亜鉛・クロミウム・ヘム鉄・カルシウム・マグネシウム・ファイバーなどの治療用のサプリメントを処方しました。

【経過】

自己流ダイエットに失敗してから、とても疲れやすくなったこと、ひまさえあれば食べもののことばかり考えるようになっていたことがストレスになっていました。しかし、指導のとおりの食事をはじめると、深い満足感が得られました。いままで「食べてはいけない!」と思っていたお肉などの動物性タン白質も、調理法に気をつければ我慢しないで食べていいので、最初は「ほんとうにこんなに食べて大丈夫かしら?」と戸惑ったそうです。しかし、結果的にメニューの選択肢が増えたそうです。もちろん、大好きなごはんやあまいものを食べないのはつらいときもありましたが、果物の自然なあまみで満足できるようになり、あまさに対する欲求は減りました。我慢している!というような、ダイエット特有の飢餓感はまったくなかったのです。

また、週2回スポーツジムにも通い、有酸素運動と筋肉トレーニンを並行しておこないました。その結果、半年間で7kgやせました。成分検査では体脂肪量は減り、筋肉量が増えていました。疲れやすさも改善し、昔のような体力が戻ってきました。

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今では、食べすぎたらもちろん体重は増えますが、自分で食べる量や内容を調整し、運動をすれば、ちゃんとコントロールできるようになりました。

まだ低血糖の兆候はありますが、中性脂肪は低下し、脂肪肝も改善していると考えられます。素晴らしい改善です。

以前のようにエネルギッシュになった横山さんは、体重を含めた健康管理をおこないながら、仕事やプライベートを楽しんでいます。

 

以上、抜粋終わり

この方は深刻な状態になる前に、

対処されたので、

早くに改善できました。

太りやすい体質の方は、

一度確認されることを

お薦めします。

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