今回は同テーマの第4弾です。
著書『大笑い!精神医学』から下記抜粋します。
ロボトミー手術という悪夢
最初の前頭葉切除手術は、ポルトガル・リスボンの神経科教授であったエガス・モニス(1874〜1955)によって1935年に行なわれました。これは2体のチンパンジーの前頭葉を切除したところ性格が穏やかになったという実験に刺激されて行なわれたものです。モニスは同じ実験を精神病患者に行ない、これを「白い切るもの」を意味する「ロイコトミー」と呼びました。その後、ロイコトミー手術を受けた、モニスの患者を12年間追った研究により患者たちが再発や発作に見舞われ、その多くが死亡していることが明らかになりました(もちろん彼はそれでもなお効果を主張しました)。1939年、彼がロイコトミー手術を施した患者により、モニスは銃で撃たれ、麻痺状態になりました。モニスは精神科手術の発見により、1949年ノーベル生理学・医学賞を受賞しましたが、彼は車いすに乗ったままその授賞式に出席しました。しかし、その6年後、彼は別の患者に襲われ、殺害されました。ノーベル賞の本当の意味がよくわかる逸話です。
1936年、米国の精神科医ウォルター・フリーマンは、患者の眼簡骨の下から前頭葉にアイスピックを刺し込み、その器具をこじくりまわして脳を破壊しました。彼はこれをロボトミーと名付けました。フリーマンはロボトミーを施術した25%の患者を「肢体不自由者やペットというレベルに調整することができた」と書いています。フリーマンは、ロボトミー車と呼んでいたキャラバンカーに乗って都市をツアーし、まるで劇を演じるように、患者へのロボトミー手術を公開していました。新聞社は彼のツアーを「アイスピック手術」と名付けました。フリーマンはロボトミーを精神の安楽死と表現し、そして患者は、「美徳や推進力、想像性を犠牲にしなければならない」と述べています。ロボトミー時代が終了するまでに、アメリカで5万人、世界で11万人がロボトミー手術を施されたと見積もられています。
さてここまでの歴史経過を見て皆さんは何を考えるでしょうか?
ここに書いてあるのは、1800〜1900年代の話だから仕方ないと考えるでしょうか?
実はそれこそが皆さんが精神医学の洗脳にどっぷりつかっていることの証拠です。繰り返しになりますが、精神医学や心理学の根本的、根幹的目的は、人の精神や心を改善させたり、人を癒したり、何かの諸問題を解決するためではありません。
精神医学の目的は、支配、差別、虐待、迫害、監禁、廃人化、殺人などに代表される行為なのです。
残念ながら、精神医学の診断、治療行為の歴史はすべて繰り返しになっています。その時代の風潮にそって、本当の正体がわかりにくくなるよう工夫しながら、すべての基本的コンセプトは同じままで進んでいるのです。つまり現代においてもそれはまったく変わりないのです。それでは、ここからは現代的な治療について検討していきましょう。
「奇跡の薬」は豚の寄生虫駆除剤
向精神薬がいかに大衆に拡がったか、時間を追っていけばよくわかるのですが、その中でも、私には「最初の精神薬であるソラジン(クロルプロマジン。現グラクソスミスクライン社製)が、もともと染料や豚の寄生虫駆除剤だった」というのが一番印象的なエピソードでした。
「何を使っとんねん!」と皆さんが思えば、それは自然な発想でしょう。でもこの薬は当時、「奇跡の薬」としてもてはやされたのです。これを精神科医は「化学的ロボトミー」と呼びました。だれにとっての「奇跡」なのか、もう説明する必要はありませんね?
そういえば電気ショックの始まりも、もともと「屠殺前の豚に電気ショックを与えるとおとなしくなる」のを見た精神科医の着想によるものでした。「豚つながり」であるのは偶然ではありません。精神医学や心理学の根底には、人間は動物であり、豚やヒツジと同レベルである、という考えがあることはすでに述べたとおりです。
古くは有名な心理学者であるジークムント・フロイト(1856〜1939)の宣伝によって、コカインがヨーロッパ全土にまん延しました。精神科医たちは次に、覚醒剤であるアンフェタミンに目をつけましたが、結局は、効果がない上に、毒性と依存性が極めて高いことがわかっただけでした。パルビツール、ベンゾジアゼピン、SSRI……これらの現在使われている薬も形態は変わっても本質は何も変わりません。同じことが今なおずっと繰り返されているのです。
近い将来、必ずまたやってくる「奇跡の薬」と宣伝される新たな化学療法の内実は、これまでの繰り返しでしかないことに皆さんが気づけるかどうかです。
精神医学は「失敗」する歴史しかしない、というふうに書いているのですが、実はここにもう大きな矛盾があることにお気づきでしょうか? 何が矛盾なのかと言いますと、精神医学や心理学や精神科医たちは、これらの歴史や現在行なっている治療は「成功」だと考えているということです。もちろん一般人は成功などとは思わないでしょう。しかしもし皆さんが独裁者や貴族であって、患者が奴隷だと仮定すればどうでしょうか?おとなしく自分たちに不都合なことを言わなくなった廃人をみて、「良くなった」「病気が治った」と思うことでしょう。
つまりこの矛盾の原点は支配者と被支配者(一般人)の発想の相違にあります。一般人にとっては失敗でも、彼らにとっては成功なのです。ここでもっとも重要なことはその支配者と被支配者(一般人)の関係は、この世のどの場面においても成立しうるということです。たとえば親子の関係、たとえば上司と部下の関係、たとえば会社と労働者の関係、たとえば教師と生徒の関係、たとえば精神科医と患者の関係。支配する側にとっては精神医学とはとても都合のよい存在なのです。
よく患者や家族は、
・精神科医は「心の専門家」だから、人生の悩みや困難を解決してくれる
・精神科医は専門家なのでうつ病を正しく診断してくれる
・精神科医は専門家なので適切な薬物治療をしてくれる
・精神科医は心の病を治してくれる
などと考えたりしますが、それはもはや皆さんの完全な誤解であり、独りよがりであり、勘違いであり、妄想であることに気づけるかどうかなのです。
以上、抜粋終わり
ロボトミー手術とは恐ろしい手術ですね。
そんなことで治るなどありえないですよね。
歴史を知れば知る程、
恐ろしくなってきます。