今回はこのテーマの第9弾です。
著書『大笑い!精神医学』から下記抜粋します。
減薬時に気をつけること
この本を読めば読むほど、もし飲んでいる人がいればすぐにでも向精神薬をやめたくなるでしょう。しかしそれもすでに精神医学の罠です。何の知識も備えもなくやめたりしてしまえば、その後に待っているのは禁断症状の地獄しかありません。発狂して精神病院に入院させられる人も少なくないのです。
まずは知識を集め、次にはこの本の内容を理解してくれる医師を探してください。決して精神科医に頼ってはいけません。距離が遠くても、たとえ他県であっても、精神薬の危険性を把握した治療家を探してください。
精神薬をやめるうえでもっとも重要なことは精神薬との完全なる決別の意志です。この「完全なる」というのが重要で、ここがほんの少しでもあいまいな人はまずうまくいきません。これらはすべてヘロインや覚醒剤に置き換えてみてください。「覚醒剤も少しくらいならいいよな」と考える人は永久にやめることはできません。だから私はよく患者さんにこういう表現をします。「飲むも地獄、飲まぬも地獄」と。
次に重要なのは精神というものや心というものは自分で良くするものだという、完全なる理解です。ここも「完全なる」というのがポイントです。なぜかというとそこが不完全だと、結局他のモノに依存していくからです。異性、食事、カウンセラー、仕事…‥。薬よりはましかもしれませんが、結局本人が望むものにはたどり着くことはできません。依存症を克服しようという心がなければ、何をやっても達成できません。
勉強もまた重要です。精神医学や心理学とは何なのか、なぜ向精神薬がダメなのかを理論で理解することが不可欠です。ここで重要なのは決して個人の経験であってはいけないということです。もちろん個人の経験は大事なのですが、それを論拠にするとどこかで崩れます。事実をもとに勉強し、だれの語る内容が事実なのか見極める目が必要になります。向精神薬を抜く作業自体は医師と患者が共同しながら少しずつ行なっていくしかありません。
失敗しない減薬・断薬のために
薬を抜いていくスピードや量に正解はない(=人によって異なる)ということをまず理解してください。その上で私としては2〜3週間ごとにちょびちょび薬を減らしていきます。単剤なら3カ月程度、多剤なら半年〜1年半くらいでゼロになりますが、これは人により当然異なるものです。複数を飲んでいる場合、どれを先に減らすかということに関しては、状況に応じて異なる、非常に難しい問題であり、ここでその答えを書くことはできません。
減断薬には、低用量タブレットと散剤を組み合わせて使うのがよいでしょう。できない場合はピルカッターで慎重に小さくカットするように工夫してください。患者によってはヤスリで錠剤を削って減薬を行なう人もいますが、これも一法です。
滅薬過程で患者が禁断症状を訴える場合、次のステップへ進む判断はきわめて難しくなります。離脱症状緩和のためにいかなる抗うつ薬も追加しないこと、ベンゾジアゼピン系抗不安薬や睡眠薬を含め、他の向精神薬による追加投薬を避けることが基本です。新たな薬物依存を生むことで結局減薬や断薬は失敗となります。
ビタミン・ミネラル剤は減薬のサポートになるものの、これもどのような飲み方をするかで一冊の本ができるくらい複雑なため、ここでは詳述しません。マグネシウム、カルシウム、ナイアシン、ビタミンB・C・Eなどを意識します。高額なものは金銭的負担や病院への依存を生み出すことになるので、なるべく安価なものの利用をすすめます。糖質頼りの食事、炭水化物頼りの食事を見直すことも大切です。減薬がすすめば栄養療法は終了するのが基本です。
東洋医学は精神をよくしてくれると思っている方が多いのですが、それは間違いです。精神を扱う以上、根本的な方法とはただ一つ、心と向き合うとか思想を省みるとか哲学を追究するとか、そういう類のことでしかありません。東洋医学はせいぜい禁断症状を緩和してくれるか、精神的不調からくる身体的症状を緩和するだけの存在にすぎません。そのことをきちんと理解できさえすれば東洋医学やサプリメントは減薬の助けになってくれることでしょう。
患者に体力があれば、ウォーキングやエアロバイクなどの有酸素運動が神経系の安定に有効です。またサウナや岩盤浴を使って、汗をかき脂肪を燃焼させて解毒する意識を持つことも大事です。なぜなら精神薬は脂溶性であり、皮下脂肪、内臓脂肪、何より脂質の塊である脳内に溶け込むからです。
禁断症状とは何かを認識できるようになることも重要です。精神疾患の再発であるとか二次障害であるなどという精神科医のウソを見抜けるようになることは、絶対に欠かすことはできません。
実は海外の違法ドラッグ離脱施設などでは、薬を一気に抜くことがほとんどです。覚醒剤やヘロインを微調整して量を減らしながら断薬しようとするなど、テレビでも映画でも見たことがないでしょう。私もアメリカのもっとも大きな施設を見学に行きましたが、そこでも同様のことを教えてもらいました。
しかしこの方法は日本においては現実的に不可能なのです。なぜならそのようなサポートが望める施設もなければ、家族のサポートも受けられないことがほとんどだからです。集中治療室くらいなければ、精神薬を急に抜くなど不可能なのです。もし家族も精神医学や精神薬についてしっかり理解し、「それ」が精神疾患ではないことを完全に理解できれば、家庭でも可能かもしれません。しかしそこまで完全に勉強し、労をいとわず協力する親など私は見たことがないのです。だから日本ではちょっとずつ抜いていくのがベターな選択となるのです。理解できさえすれば東洋医学やサプリメントは減薬の助けになってくれることでしょう。
以上、抜粋終わり
東洋医学ができることは、
身体の不調を整え、
前向きな心の状態にするところまでです。
生き方とか哲学の分野は、
自分で勉強し、
道を探すしかありません。
私自身は患者の生き方や哲学の分野も、
患者が探していくお手伝いをしたく、
カウンセリングをしています。
しかしこれもあくまでお手伝いであって、
探す努力は自分自身でしなければなりません。
しかしそれが生きるということなのです。
誰しも自分自身の生き方を探し、
哲学を学びながら生きていくことが、
人生なのです。
そのサポートを望む方が、
利用していただければ幸いです。