今日は砂糖のとりすぎが、体にどのような影響を与えるのかを見ていきます。
今日も著書『心の病と低血糖症』から下記抜粋します。
砂糖とりすぎとストレスが、低血糖症を生む
改めて、食物から摂取した糖質と低血糖症の関係についてまとめてみよう。
穀物、果物、野菜といった複合炭水化物の食物は、ゆっくりと消化され、生命機能維持のために体がエネルギーとして使うことのできる糖のかたちに変えられる。しかし、たとえば精白糖(白砂糖)を使った菓子を食べた場合などは、二糖類の糖質のため急速に血液に吸収されてしまうので、血糖値を危険な値まで上げてしまう。そこで膵臓がインスリン・ホルモンを分泌して、血糖値を下げようとする。自然な全体食の食事の場合、血糖値の正常な変動は、膵臓の異常な反応の引き金を引くことはないが、精製された砂糖(精白糖)を多量に摂取することで血糖値が急速に上がると、パニックに陥った膵臓は過剰反応をして、多量のインスリンを血液中に放出する。その結果、糖が大きく低下し、低血糖症になるのである。
低血糖症の要因は、「砂糖とりすぎ」だけではない。ストレスも、大きな役割を果たす。
米国の精神医学者ファイファーは、ストレスと血糖の関係を、その著書『精神疾患と栄養』の中で、次のように説明している。
《苦痛、無理のしすぎ、出産、不安、悲しみ、あるいは恐怖などは、副腎を刺激してアドレナリンを放出させ、ストレスに対処するのに必要なエネルギーを供給するため、血糖の増加を促進する。
人がたえずストレスにさらされていると、副腎はたえずアドレナリンを供給しなければならない。結局、このたえざる必要は、副腎を疲弊させてしまう。
必要に迫られても、もはや十分なアドレナリンを産出することができず、低血糖症になってしまうのだ。
エンプティ・カロリー(ビタミンやミネラルを含まないカロリーだけの食品)は、膵臓と副腎のストレスになる。
大量のグルコースの処理を繰り返し強いられると、膵臓は過敏になり、低血糖症が発生する。グルコースが血液の中に入るたびに、膵臓は過剰反応をし、多すぎるインスリンを放出するので、細胞が最高速度でグルコースを吸収し利用する。
副腎皮質は適正な糖バランスを維持しようとするので、疲労してしまう。食事の直後、血糖は絶食時の値以下に下がり、体は糖を渇望し、低血糖症候群を生み出していく。さらに糖をとると、短時間に症状が緩和される。そこで低血糖症患者は、たえず甘いものを食べるようになる。》
低血糖症の診断法
血液中の糖の変動を知るために行うのが、糖負荷試験(GTT=glucose tolerance test)である。この検査は主に高血糖症、つまり糖尿病の診断のために実施されていて、二時間かけて行うのが普通である。低血糖症の場合は、最低五時間必要となるが、通常は問題にされることがないため、二時間止まりの検査で終わってしまう。
図1・図2は、ファイファーによる血糖曲線である。採血された血液1㎗中の糖の値(mg)が血糖値である。正常な人は70~110mgの間で安定した曲線を示すが、絶食時の採血の後にブドウ糖溶液を飲むので、一時、血糖値が上昇する時期がある。しかし、間もなく下がり、正常値範囲の曲線が続く。
糖尿病患者はブドウ糖溶液摂取後、血糖値が急激に上昇し、高血糖状態が続く。
低血糖症患者はブドウ糖溶液摂取後、血糖値がいったん上昇するが、やがて低下しはじめ、正常値以下の値になり、正常値に回復しない。患者の中には、血糖値が上昇せず、かといってひどく低下もせず、平坦曲線を示す人もいる。
また、前糖尿病低血糖症曲線と呼ばれるタイプがある。これは、一時、糖尿病に値する高血糖になるが、やがて血糖値がぐんぐん下がり、低血糖になってしまう人である。ブドウ糖をとっても、膵臓からすぐにインスリンが分泌されないため高血糖になるが、やがて膵臓から大量のインスリンが分泌されるため、今度は低血糖になってしまう。これが繰り返されると、膵臓がオーバーワークになり、インスリンが枯渇して、糖尿病になってしまう。そこで、前糖尿病低血糖症曲線と呼ばれる。
ハーベイ・ロスらは、低血糖症の診断基準を次のように考えた。
①どの時点の血糖であれ、絶食時よりも20mg以上、下がること。
②どの時点であれ、50mg以下になり、症状をともなうこと。
アレキサンダー・シャウスは、私宛の書簡で、食事による反応性の低血糖症がはっきりしたといえる条件を、次のように知らせてくれた。
①炭水化物を口から入れた後、血糖が正常値よりも有意の差をもって落ち込む。
②その反応が症状を生み出す。
③正常な血糖値への復帰が、その症状を緩和させる。
糖負荷試験のデータを読むとき、観察すべき最も重要な点は、値が「どのくらい低くなるか」だけでなく、その落ち込みが「どのくらい速いか」である。
また、血糖値が正常に「戻る速度」と、それが低い点に「どのくらい長くとどまるか」も、重要である。
最低五時間の糖負荷試験は、検査される患者に、かなりのストレスを与えることになる。ブドウ糖溶液75gを飲むのであるから、該当する患者は低血糖症をたくさん引き起こす可能性がある。この症状は、通例では4時間目あたりに起こる。
食事療法で低血糖症は改善する
ここで、前章で紹介した米国の医師ステファン・ガイランドの話を続けることにする。彼は、6時間を糖負荷試験受けた結果、低血糖症でることが判明したことは先に述べた。診断が正しくとも、処方が問題である。ガイランドにインスリン過剰症という、一応正しい病名を告げた医師が処方したのは、なんとキャンデーバーだった。
これでは、たしかにインスリン過剰であっても低血糖症の患者にとって治療効果がないどころか、逆効果である。それほどまでに、低血糖症に対する医師の認識は低かった。結局、彼は自ら適切な食事によって低血糖症を改善し、その成果をもって600人もの低血糖症患者を治療したのである。
ダフティは、その著書『砂糖病』(日貿出版社)の中で、ガイランドについて次のように書いた。
《彼は患者に関するおびただしい研究記録を書き、診断過程の詳細、発現した症状、それに彼が施した治療に症状がどう変化するかを、詳しく述べた。
彼の治療は、精製炭水化物、すなわち砂糖や精白小麦粉などの完全な禁止から始まるものであった。
米国医学会にうるさく働きかけた結果、ある医学会で自分の論文を読み上げるのをやっと許された。彼はその論文が『米国医学雑誌』に掲載されるのを首を長くして待っていた。しかし何事も起こらなかった。
結局、ガイランドの重要な研究報告は、ブラジルの医学雑誌に、ポルトガル語で発表された。》
さらに、ダフティは「誤診された患者たちが、糖負荷試験で低血糖症と判明するまでに、平均24人の医師と4人の精神科医の診察を受けている」とする資料が、低血糖症財団・副腎代謝研究協会のファイルの中にあることを記している。
以上抜粋終わり
簡単に低血糖症のメカニズムを説明すると、砂糖などの精製されたものは、急激に血糖値を上げ、そして急激に血糖値を下げるということである。
この血糖値が下がった時に低血糖症となり、各種の症状を呈するようになる。
この状態が長期間に及ぶと、無気力になったり、身体がだるくなったり、うつ病などにつながることになる。
また食後、急激に眠くなる人は低血糖症の疑いがあり、要注意である。
私は以前加圧トレナーをしていた時があったが、加圧トレーニングなど、激しい筋トレをすると、急に気分が悪くなり、低血糖になる折があるが、その時は飴を舐めてもらうと、すぐに回復する。
これなどはまさに急激に血糖値が上がり、そして急激に低血糖になる典型的な例である。
筋トレ時などは、急場なので飴を舐めて回復させるが、本当の低血糖症の場合は上記にもあった通り、きちんとした食事で改善させる必要がある。
改善のポイントとしては、精製された白砂糖、小麦粉などを避けること。
またご飯も白飯より、玄米にする方が望ましい。急に完全玄米に変更するのは抵抗ある人は、7分づき、5分づきへと徐々に替えていけばよいと思います。
まだ食事について細かいことはたくさんありますが、それは後日説明していきます。
まずは大まかなところから改善を始めてください。