今日から「躁うつ」について考察していきます。
著書『精神科は今日も、やりたい放題』から下記抜粋します。
うつでないから操うつ病?
二〇一一年現在で双極性障害(躁うつ病)や気分変調症という診断が、爆発的に増えてきた。これには二〇一一年に入って精神医療界が大々的キャンペーンを張ったということが深く関係しているが、なぜキャンペーンを張ったのかということを考察しなければいけない。
たとえば日本イーライリリー社は一時期、新聞の折込みチラシとして躁うつ病の治験広告を出した。主力製品である統合失調症治療薬「オランザピン(商品名ジプレキサ)」の追加効能として、躁うつ病への適用を認めさせるための治験を行なうからである。
つまり近年に入って躁うつ病のキャンペーンが行なわれるようになった一つの理由は、今まで統合失調症のみの適応処方であった薬たちを、より売りたいがための戦略ということになる。実際ジプレキサだけでなく大塚製薬のアリピプラゾール(商品名エビリファイ)も、二〇一二年に躁うつ病治療薬の認可を受けることが決定している。
もう一つはうつ病が治せないことや抗うつ薬の副作用をごまかすための戦略として、躁うつ病のキャンペーンを張っているということである。
二〇一二年のNHKスペシャルにおいても番組で明言されている。
「うつ病患者の四割程度は、うつ病でなく躁うつ病だった」「抗うつ薬を飲んで治らないうつ病は躁うつ病である」と放送したのである。
ちなみにアメリカだとその割合は四割ではなく七割だと述べられている。
少し考えればおかしいと思われないか。これは精神科医が四割(七割)も誤診したということにもなるし、それ以前にうつでないから躁うつ病と決められるものでも、薬が効かないから別の病気と決められるものでもないはずである。もともと薬害や医原病しかない領域が精神医学領域なのだから。つまりここでもあらゆる意味において、精神医学の詐欺っぶりが示されているのだ。
本物の躁うつ病とはどんなものか?
一般の方は躁うつ病という病気を、気分が上がったり落ちたりする状態だと考えているだろう。実際はまったく違う。それは生理的な気分変動であって普通の範囲にすぎない。その程度の気分の波がない人間のほうが普通ではないのである。
しかし現在の専門書やネット上の知識を参考にすれば、「気分が上がったり落ちたりする」程度で躁うつ病という判断に落ち着いてしまう。
では、本当の躁うつ病とはどんな状態か?
本来の躁うつ病の条件を私見として述べるとすれば、
① 薬を飲んでいないまっさらな状態で
② 躁のときには暴れたり、誇大妄想があったり、裸で踊ったり
③ まず周りが対処しきれるレベルではないエピソードがあり
④ かと思えば気分が落ちてくると動けず、食えず、外に出ず
⑤ そんな状態だからもちろんイライラもしないし、自殺さえ考えられない
⑥ ということを自然に複数回繰り返す
から躁うつ病である。昔は精神分裂病と並んで二大精神病であった存在が、気分の波ごときで定義されるようなシロモノのはずはない。
この躁うつ病という状態は確かに存在するとは思う。科学的にはまだ未定(やはり未解明)だが、一部は脳内や脳以外のホルモン動態で説明がつくのだろう。
しかしこの条件を満たす躁うつ病の人が、いま躁うつ病だと診断されている人の何割いるか、といわれれば非常に少ないと断言できる。
ここはデータなどないので個人的意見で恐縮だが、前述の基準を満たす躁うつ病は全体の五%にも満たないだろうというのが私の実感である。つまり九五%以上は躁うつ病ではなく、薬を飲む意味がない人たちであり、詐欺に引っ掛かっていることになる。
似たような概念に気分変調症があるが、気分変調症を躁うつ病と比べれば、躁状態はなく普通に近い状態とうつっぼくネガティブな感じが交互に来る。これもまた生理的に当然ある状態だが、この気分変調症も気分障害に含まれたり、躁うつ病のように扱われるようになってきている。精神医療界や心理療法界にしてみると、まさに病気の売り込みや薬の販売作戦が大成功を収めているという感じだろう。
これだとロボットのように気分を完壁にコントロールできない限り、すべての人を気分障害だと定義できる。これについては後述の「気分変調症」の項も参考にされたい。
躁うつ病診断の本当の理由
躁うつ病を宣伝する目的は、もちろん新しい躁うつ病薬の売り込みであるし、今まであったリーマスやデパケンなどの躁うつ病薬の売り込みでもあるし、これから認可が通るだろうメジャートランキライザーの躁うつ病に対する適用拡大でもあるだろう。
しかし一番の目的は抗うつ薬の副作用を隠すこと、ごまかすことである。これを別の視点で考えてみることとしよう。
教科書的には躁うつ病に抗うつ薬を投与することは禁忌である。うつより躁が怖い病気なのに無理やりハイにしたら、躁転してトンデモないことになるのがオチだ。またすぐに躁転しなくてもラビッドサイクラーといって、操と鬱がどんどん切り替わる現象が起こりやすくなるので危険なのだ。
ここだけでも躁うつ病と診断しながら、抗うつ薬をどっさり出している精神科医にとっては、治癒させないことで長期的利益を得るという詐欺に成功しているのだが、真の問題はそちらではない。
別に躁うつ病ではなかった、もっといえばなんでもなかった人に、抗うつ薬を授与することで強制的に躁転してしまった後、知識のなさから精神科医に「あなたはうつではなく躁うつ病だったようです」といわれて、納得して引き続き詐欺に引っ掛かっているケースが大半なのである。
躁うつ病という、より重い病名のイメージを植え付け、長期的な優良顧客を獲得するのが狙いである。
結局、うつ病から躁うつ病へのシフトは、このような精神科医のやり口や薬の副作用をごまかすため、そして新たな詐欺に引っ掛けるためにこそ強調されてきたのかと感じる。
もう大半の人がそのやり方にだまされているといえよう。
以上、抜粋終わり
矛盾だらけのお話ですね。
薬が効かないから別の病気だとは、
だいたい精神医療のほとんどの薬は効かないのですから、
むちゃくちゃな話ですね。
医者は権威があるから何でも勝手に定義できますが、
しかしそれが本当に科学的かどうかは別問題です。
あなたが今飲んでいる薬は本当に効いているかどうか、
よく確認してください。
それがうつからの脱出につながるかもしれません。