うつ病からの脱出ーSRIのもたらす作用ー

今回はSRIのもたらす作用についてです。

著書『読んでやめる精神の薬』から下記抜粋します。

SRIがもたらす四つの書

人の精神活動は、必要に応じて活動させる興奮系と、それが暴走しないようにしている抑制系の絶妙なバランスで成り立っていることを、本書では何度か述べてきました。

そのバランスが崩れて興奮しすぎると、興奮毒性によって神経細胞がダメージを受け、そのダメージを受けた神経系の種類と役割に応じて、心の病気(脳の障害)が起きること、その治療には、興奮を鎮めるために休養が何よりも重要であって、神経に作用する薬剤を使うことは、かえって神経細胞の回復を阻害する可能性があることも、これまで述べた通りです。

睡眠剤・安定剤の大部分を占めるベンゾジアゼピン剤の害の具体例は、第一章と第二章で取り上げましたので、ここではSRIを中心に抗うつ剤の害について取り上げます。

SRIの害は、主に次の四つに分けることができます。

①自殺・攻撃性・暴力・犯罪などの精神症状

②胎児毒性

③新生児離脱症候群

④出血と離脱による血栓症(新生児持続性肺高血圧を含む)

このうち、もっとも大きな問題は、①の「自殺・攻撃性・暴力・犯罪などの精神症状」でしょう。SRIによる「刑罰」にともなう攻撃性や衝動性が暴力事件につながったと考えられる例は、欧米ではすでに二〇年以上前から問題になっています。

たとえば、二〇〇二年一〇月には、英国の公共放送であるBBCが、パロキセチン(商品名・パキシル)の害について、三回にわたって取り上げ、大きな反響を呼びました。

私が発行人を務める医薬品情報誌『薬のチェックは命のチェック』では、〇四年に特集で取り上げ、警告しました。

日本でも、同様の害が相次いだため、厚生労働省は〇九年にようやく警告を発し、マスメディアでも大きく取り上げられました。次項ではそうした例を紹介し、SRIの害、特に「自殺・攻撃性・暴力・犯罪などの精神症状」について考えてみましょう。

SRIによる攻撃性と暴力行為の例

SRIによる攻撃性を示す事例をいくつか紹介しましょう。まずは海外での例です。

 

一九八九年、ジョセフ・ウェスベッカーは米国ケンタッキー州の自分の職場において、八人を射殺し、二一人を負傷させ、自殺しました。この殺傷事件を起こす前に、SRIの一つであるフルオキセチン(商品名・プロザック、日本では未発売)を四週間ほど使用していたため、フルオキセチンのメーカー(当時リリー社、現イーライ・リリー)が提訴されました。九四年に和解が成立しましたが、その過程で企業が保有していた刺激症状に関する大量の資料が公表され、抗うつ剤使用と暴力行為との関連の可能性が大きく示唆されることになった事例です。

 

もう一人、六〇歳の米国人男性D・Sさんの例も見てみましょう。

 

過去に五回、不安とうつ病のエピソードを経験したことがありましたが、自殺や攻撃性などは経験したことはありませんでした。九〇年、うつ病に処方されたフルオキセチン服用後、興奮し、幻覚を見るような症状が三週間ほど続いた後、イミプラミン(日本での商品名・トフラニール、イミドールなど、三環系抗うつ剤)に変更して、いったんは改善しました。

しかし、九八年に別の医師が処方したパロキセチン(日本での商品名・パキシル)二〇㎎を服用して二日後、妻や娘、孫娘を射殺し、自殺しました。生存した娘婿が提訴した米国ワイオミングでの裁判で、陪審員によって、パロキセチンが人によっては殺人や自殺を起こし得る、と判定されました。そして、この事件に対して、「製薬企業(パキシルを製造販売したグラクソスミスクライン:CSK)には八〇%の責任がある」とみなされました。

この裁判の経過中に出てきた証拠資料の中には、重篤な攻撃性を示した八〇人の症例中二五人が殺人であったとのメーカーの未公表調査結果が含まれていたのです。

 

続いて、私が鑑定を依頼された日本での実例です。いずれもパキシルが用いられていました。

 

五七歳の公務員の男性は、普段はおとなしくて目立たないタイプでしたが、パキシルの服用で衝動的な行動を取るようになりました。パキシル増量後に、数百万円の公金の入った他部署の手提げ金庫を役所に置いておくのは危ないと考えて、自宅に持ち帰る、という専件を起こしています。

 

また、慢性疼痛症候群(医師による診断名は「線維筋痛症」)の典型的な経過にともなう反応性抑うつ状態となった三四歳の女性は、パキシルを最初に一〇㎎七日分の処方を受け、次いで二〇㎎を一〇日分、引き続き三〇㎎を二日分処方されるという具合に、徐々に用量が増えていきました。

ところが、三〇㎎一一日分のパキシルを服用しきった後、なぜか受診しなかったために、パキシルの中断状態になってしまいました。中断したと思われる日から数日後に自殺を図りました。幸い、命に別状はありませんでしたが、その三日後に受診したところ、パキシルがいきなり四〇㎎で再開されたのです。その六日後に、幼い息子を絞殺しました。

 

この女性の場合、中断して一週間以内に自殺未遂を起こしていました。このように、中断後に起こりやすい「自殺未遂」という重大な害反応が起きているのですから、パキシル再開後にはまた重大なことが起きる可能性が高く、本来は再開してはいけないのです。

また、仮に、再開という主治医の判断に百歩譲ったとしても、初めて服用するときと同じように、一〇㎎から再開しなければいけません。そして、徐々に増量しなければいけません。パキシルを中断して一週間以上も経過すると、血液中にはパキシルはもう残っていないからです。

担当医は精神科医でしたが、自分が処方する薬剤に関して、開始時の漸増法は知っていても、なぜそうしなければいけないのか、という理由についての理解がまるでなかったのではないかと疑います。

中断で自殺未遂を起こしていたことへの配慮もまったくなく、しかも中断後一週間以上経過しているのに、四〇㎎もの最大量で再開するというとんでもない処方でした。海外の裁判例を見れば、この女性の息子の死亡は、八〇%はパキシルのメーカーに責任があり、残りはそれを処方した医師に責任があるといっても過言ではないでしょう。

しかし、この事件では、こうした点はまったく考慮されないままに、女性の有罪判決が確定しました。

以上、抜粋終わり

上記のことを理解した上で、

あなたはSRIを服用するのかどうか再検討してください。

 

うつ病からの脱出ーうつ病キャンペーンとSRIー

今回のテーマはうつ病キャンペーンとSRIについてです。

著書『読んでやめる精神の薬』から下記抜粋します。

うつ病キャンペーンとSRI

「うつは心のかぜ」と、気軽に受診することが推奨され、精神科ではなく、心療内科が多数できたことで受診しやすくなったこともあり、うつ病の受診率が上がってきました。本来、うつ病というのは大うつ病を指し、日常的に憂うつな気分があるだけではうつ病とはいえないのですが、抗うつ剤の使用は、単なるうつ状態にも使えるような工夫がされています。

というのは、添付文書で、それぞれの薬剤が何に効くのかを指定している「効能又は効果」の欄の記載のし方に工夫がされているのです。どのSRIにも書かれているのが、「うつ病・うつ状態」です。「大うつ病」という限定はありません。そのために、たとえば、以前は「抑うつ神経症」と呼ばれ、うつ病とは考えられていなかったような軽いうつ状態にも、抗うつ剤が使えることになっているのです。

セロトニンを補う薬剤として、第一章でSRI(セロトニン再取り込み阻害剤)を紹介しましたが、ここでは、このSRIについて少し詳しく見ていきましょう。

読者のみなさんは、SRIを見て、「あれ?Sが一つ少ない。間違いでは?」と思ったかもしれませんが、そうではありません。SSRIは選択的セロトニン再取り込み阻害剤と通称され、「セロトニン以外には作用しない、害の少ないもの」というイメージを持たせています。試験管内では確かにセロトニンへの作用が強いのですが、生きた体に作用すると、ちっとも「選択的」ではないのです。なぜならば、セロトニンではなく、ドパミンも増やすからです。そこで、私は、単にSRI(セロトニン再取り込み阻害剤)としています。

SRIの日本での承認は、一九九九年五月にフルボキサミン(商品名・デブロメール、ルボックス)が最初に登場し、次いで二〇〇〇年一一月にパロキセチン(商品名・パキシル)が承認を受けました。以降、〇六年七月にはセルトラリン(商品名・ジェイゾロフト)が、二年四月にはエスシタロプラム(商品名・レクサプロ)が登場しています。

次に、抗うつ剤の市場規模の推移を見てみましょう。SRIが登場するまでの抗うつ剤は、三環系抗うつ剤と呼ばれるものが主流でしたが、これらは安価だったため、薬剤売り上げ上位に登場することはありませんでした。

しかし、十数年前に登場したSRI、なかでもパキシルは、販売開始の実質的初年である〇一年に一〇〇億円の売り上げを突破、その後もほぼ毎年、一〇〇億円前後の伸びを示し、〇六年にはついに単独で五〇〇億円の市場規模に到達しました。他のSRIが承認されたこともあり、〇七年の五一〇億円をピークに減少に転じていますが、一〇年でもなお、約三九〇億円を記録しています。〇八年には、すべての抗うつ剤の市場規模は、出荷ベース(企業から出荷するときの価格)で約八八五億円に達していますので、薬価基準では一〇〇〇億円をはるかに超えています。〇九年の出荷額は八九〇億円で横ばい、一〇年は八五〇億円と少し減少しました。一〇年に少し減ったのは後述するように、〇九年に厚生労働省が他害行為などに関する警告を出したためと思われます。実際、厚労省が三年ごとに実施している患者調査の結果では、〇八年に比較して、ほとんどの年齢でうつ病の推定患者数は減少しています(159頁図4参照)。

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一方、患者数はどのように変化したのでしょうか。SRI系の抗うつ剤の登場とともに、製薬企業の主導でうつ病キャンペーンが行なわれ、患者の掘り起こしにマスメディアも大きな役割を担うことになりました。その結果、〇八年に「うつ病」との診断を受けた愚者(躁うつ病を含む)総数は、一九九九年以前(九六年と九九年の平均四四万人)に比べて、約-一・四倍(一〇四万人)に増加しました。SRIは基本的には抗うつ剤ですが、本格的な「うつ病」、つまり「大うつ病」だけでなく、先にも述べたように、軽い「うつ状態」にも使用が認められています。何か病気にかかったときには気分が憂うつになりやすいものですが、そうした憂うつな気分にも「うつ病」の診断がつけられて、SRIが用いられているのでしょう。また、パニック障害や強迫性障害、社会不安障害などにも次々と適応が認められています。さらには適応外の症状にまで用いられるようになってきたことも、処方される機会が大幅に増えた要因の一つといえるでしょう。

以上、抜粋終わり

製薬業界も産業ですので、

当然利益優先です。

これは企業としては当たり前です。

まずそのことを念頭に入れておかなければなりません。

ですから企業として売り込みをかけるのは当たり前のことです。

しかし問題はそこに企業倫理が働いているかどうかです。

売るためなら何をしても良いのでしょうか?

製薬会社は資本力があるので、

たえず芸能人を使って、

企業イメージをよくするために、

イメージ広告をしています。

そのため我々はいつの間にか良いイメージを植え付けられています。

いかにも薬が病気を治しているような宣伝をしていますが、

良く宣伝をみてください。

症状についての機序は説明していますが、

症状の原因は何も説明していません。

つまりその症状に特化して効くように作っているわけですが、

治しているわけではないのです。

治るとは言ってませんよね。

症状に効果があるように見せています。

実にうまい宣伝広告だと思います。

薬とは何度でも言いますが、

病気を治すものではなくて、

症状を抑えるものです。

そして薬には副作用があります。

そのことをもう一度きちんと認識してください。

うつ病からの脱出ー薬が毒の仕組みー

今回は薬が毒の仕組みというテーマでお伝えします。

著書『読んでやめる精神の薬』から下記抜粋します。

〝薬が毒〞の仕組み - 抗うつ剤の場合

次に、抗うつ剤について見てみましょう。うつ病になる原因として、過剰な興奮が神経に対して「毒」として働き、その興奮毒性によって脳の神経細胞が傷つくこと、傷ついた神経細胞の種類や働きに応じて、その神経の不調にともなうさまざまな症状が出ること、そして、うつになりやすい人は、ドパミンやノルアドレナリン、セロトニンの分泌に関係した興奮系の神経細胞が多く傷ついている可能性があることを先に挙げました。

また、現代人を取り巻くさまざまなストレスも、うつ病の原因になるほか、仮にストレスを乗り越えたとしても、そのためにがんばりすぎたことで、自分の脳を興奮毒性にさらし続け、うつ病を引き起こすことがあり得ることも、すでに述べた通りです。

ここで、ドパミンとセロトニンの働きについて、少し詳しく見ておきましょう。ドパミンは、アドレナリンに近いものです。アドレナリンとノルアドレナリン、ドパミンの三成分はお互い似ているので、一括して呼ぶときは、カテコラミンと呼ばれます。アドレナリンが興奮物質であることは、一般的にもよく知られています。また、ドパミンは、〝脳の中でよく働くアドレナリン〞といった理解でそれほど間違いはないでしょう。

一方、セロトニンは、血中にあって、血管や腸管などを収縮させる働きを持ちます。ただし、血管収縮の作用発現の速さや作用の強さは、全体的に見てアドレナリンなどのカテコラミンには及びません。精神的・肉体的な危機的状況はもちろん、日常的にも精神活動・肉体活動に際して、最初に強く働くのはカテコラミンです。セロトニンは、少し遅れて必要な体の反応に関係しています。

たとえば、セロトニンを取り込んだ血小板は活性化されて血液凝固を促進するため、けがで出血したときには、血管を収縮させて止血するという大事な役割があります。それでも、その反応は、血管が切れたときに、即座に働くノルアドレナリンによる血管収縮に引き続いて、必要になるものです。

体に危機が迫ったときに働くセロトニンは、脳の中にもあらゆる部位に存在していて、カテコラミンに続く二番手として、情動や摂食、睡眠、性行動、神経内分泌機能に関係しているとされています。

ここで忘れてはいけないのは、興奮や緊張をもたらし、やる気や気力を起こさせるドパミンやセロトニンなどが不足しているのは、あくまで「結果」だということです。大事なのは、ドパミンやセロトニンなどを分泌させる神経細胞が、興奮毒性によって傷ついてしまっている状態にある、ということなのです。

うつ病は、脳内のドパミンやノルアドレナリン、セロトニンが不足しているから起きるのだとの考えから、抗うつ剤として、ドパミンを増やす薬剤(MAO阻害剤やメチルフェニデート、あるいはアンフェタミン)が使われましたが、これらは危険だからという理由で、現在は使用されていません。なぜ危険なのかというと、興奮しすぎて傷ついた神経細胞は休ませる必要があるのに、薬剤で無理にドパミンを増やすことは、傷ついた神経細胞を休ませるどころか、さらに強い興奮毒性にさらして、傷を広げていることになるからです。これではますます神経細胞が疲弊し、症状が悪化してしまうでしょう。 現在では、ノルアドレナリンの濃度を高める薬剤として三環系抗うつ剤、セロトニンとドパミンの濃度を高める薬剤としてSRI(セロトニン再取り込み阻害剤)、セロトニンとノルアドレナリンの濃度を高める薬剤としてSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤)が使われています。これらも、程度は軽いかもしれませんが、休ませることなく、神経を働かせ続けていることには変わりありません。

ごく一時的に薬剤の助けを借りることで楽になるときはあるかもしれません。しかし、少量であっても使い続ければ依存症になり、悪循環に陥ってしまうことは先にも述べた通りです。

うつ病の治療で、神経を休養させることが大切といいながら、ガイドラインで薬物を推奨しているのは、実に矛盾に満ちた行為だといえるのです。

最後に、ストレスや不安に対処するための考え方について述べておきます。ストレスや不安に対処するためには、筋トレやジョギングにたとえればわかりやすいでしょう。

私は以前、雨上がりの道をジョギングしているときに足を滑らせて転び、腰を打ってしまったことがあります。それから背骨に響く痛みが続いたため、半年以上、走るのを怠っていました。ようやく痛みが取れたころに走ってみると、わずか一・五キロ足らずの距離を休みなしには走ることができなくなっていました。筋肉が衰え、息も続かなくなっていたのです。腕立て伏せや縄跳びも、けがをする前に比べると、できる回数が大幅に落ちていました。それからは毎日少しずつ、いわばリハビリをした結果、体力も徐々につき、ジョギングも腕立て伏せも二重跳びも元の水準に戻りました。トレーニングを怠ると体力がてきめんに落ちますが、地道に続けることで、少しずつですが回復してくるものなのです。

不安への対処法にも同じことがいえます。無理なく少しずつ、けれども投げ出さずに継続することが、不安に対処する脳トレの秘訣です。

以上、抜粋終わり

うつ病の薬を摂取することにより、

本来休ませるべき脳神経の働きを、

更に酷使してしまうという考え方は、

私は非常に納得がいきます。

そのそも薬とは問題があって、

機能不全になりかけているところに、

無理やり働かせようとするのですから、

他の部分にも負担がかかり、

しまいに壊れてしまいますよね。

人間は非常に強くできているので、

簡単には壊れませんが、

しかし誤作動を起こすようになってしまいます。

それが症状となるわけです。

ですので、薬の使い方には特に慎重にお願いします。

 

うつ病からの脱出ーベンゾジアゼピン剤の使い方ー

すいません。下書きのものがアップされてしまい、

お見苦しいものをお見せしてしまいました。

深くお詫び申し上げます。

 

さて今回はベンゾジアゼピン剤の使い方を勉強します。

著書『読んでやめる精神の薬』から下記抜粋します。

〝薬は不要〞の仕組み-ベンゾジアゼピン剤の場合

私たちに備わった自然治癒力に対して、薬剤はどのように作用するのでしょうか。ここでは、 睡眠剤や安定剤などのベンゾジアゼピン剤と抗うつ剤について、作用を検証してみましょう。

まずは、ベンゾジアゼピン剤の場合です。強すぎるストレスを避け、自分で処理できるストレスを徐々に増やす、あるいは不安や動悸の原因について間違った認識を正すという適切な方法をとることなく、ベンゾジアゼピン剤を用いると、どうなるのでしょうか。

ベンゾジアゼピン剤は、体内のGABAの代わりになる物質です。ベンゾジアゼピン剤の力を借りると、不足している自前のGABAを補い、過剰な刺激で興奮した状態に抑制をかけてくれます。ベンゾジアゼピン剤を使うことで、強すぎる不安のせいで、他の手段では社会生活を送ることができない、といった状態にある人が、その状態から一時的に逃れることができます。つまり、緊急避難的に厳しい状態から逃れられる、という意味では利点がないわけではありません。しかし、不安は多少軽減しますが、少し量が多ければ、眠くなるという害作用があります。ベンゾジアゼピン剤を睡眠剤として使用するのは、この害作用の一部を利用したともいえます。また、眠くなるまでの間に、逆に興奮したり、異常な言動が起きたりすることがあります。

これはなぜ起きるのでしょうか。脳内の神経系は極めて複雑ですので、ベンゾジアゼピン剤を服用すればすべてが解決するという単純な話ではありません。

私たちの活動にとって大切なのは、脳の各部位がバランスよく働いていることですが、それを調整している部位(おそらく統合中枢とも呼ぶべき部位)に抑制がかかると、脳の各部位が勝手に活動を始め、目的に合った行動ができなくなると考えられます。アルコールを飲んだときの状態と似ています。眠くなったり、体がだるくなったりする人があるかと思うと、興奮する人、完全に酩酊して、でたらめな行動を起こす人もあります。これが、短期的に見たベンゾジアゼピン剤の害です。

 

長期使用による依存症の発現

次に、長期的に見たベンゾジアゼピン剤の害についても見てみましょう。GABAやベンゾジアゼピン剤が働く受容体は、 GABAA(ギヤバエー)-ベンゾジアゼピ ン受容体(以下、GABA-ベンゾジアゼピン受容体) といいます。GABAとベンゾジアゼピン剤が、この受容体に結合する部位は異なるのですが、それぞれが特有の部位に結合すると、抑制系の受容体全体が活性化されて、興奮しすぎた神経にブレーキをかけるという働きをします。

ベンゾジアゼピン剤を服用するということは、薬剤の力を借りて、この受容体を一時的でなく、長期的に働かせ続けるということを意味します。すると、受容体が強い刺激を受けていない状態、すなわち本来ならばGABAを分泌する必要のない場合でも、受容体は刺激を受け続けてしまうということになります。これに対して体の方では、強すぎる刺激を回避するために、必要に迫られて受容体を減らします。これを医学用語ではダウンレギユレーショ ンといいます。

特に、不安や不眠の程度がひどくないのに、ベンゾジアゼピン剤の助けを借りている場合は、必要がない量のGABAが出続けていることになるため、ダウンレギュレーションが起き、体は受容体を減らして適応します。すると、次に大きな興奮が訪れたときに、服用して体内にあるベンゾジアゼピンと自分の体から出たGABAを合わせても、興奮を抑えられなくなり、強い不安や動悸が起こります。こうして、だんだん効き方が弱くなる現象を、耐性ができるといいます。

耐性ができた状態でも強いストレスに耐えられるようにするためには、より多くのベンゾジアゼピン剤が必要になり、増量しなければ強い刺激に耐えられなくなるため、用量が増えていきます。この悪循環を断ち切るために減量を試みたとしても、今度は離脱症状が出て、強いストレスに対応できず、結局はまた増やさざるを得ません。これが依存症です。

長期的に見た場合に、もう一つ考えておかなければいけないのは、ベンゾジアゼピン剤は、常用量であっても、必要以上に受容体を刺激しているということです。この状態が長期間にわたって続くと、自前のGABAが出にくくなり、受容体はその数を必要以上に減らそうとします。これもまた、依存症といっていいでしょう。

ベンゾジアゼピン剤への依存度が高まって、高用量の服用になれば、受容体がほとんどなくなってしまうことも考えられます。仮にそのような状況になったら、どのようなことが起きるのでしょうか。GABAやベンゾジアゼピン剤を感じる受容体は、日常の行動、理性的な行動に必要なものなので、これが阻害されると、過剰な興奮を抑えられなくなります。

具体的には、奇異反応やイライラ、攻撃性、犯罪、自殺といった行為にもつながりかねないでしょう。こうした行為は、ベンゾジアゼピン剤の離脱症状としての精神症状と見られがちですが、実際は逆で、ベンゾジアゼピン剤の商用量服用にともなうGABAの分泌不全と受容体の機能不全により、必要に応じた興奮系神経活動への抑制がかけられないこと、つまり制御不全による精神神経系の症状であると考えるのが自然なのです。

すでに述べたように、人の体に備わった自然の制御システムは、複雑にして絶妙です。そこに外から手を加えることが、悪い結果を引き寄せてしまうことは十分に納得できることです。GABAの代用品であるベンゾジアゼピン剤を使用することで、制御システムの絶妙なバランスが崩れ、制御不全に陥るのは、当然の結果です。

ベンゾジアゼピン剤を少量用いる場合には、GABA-ベンゾジアセピン受容体を介して興奮神経系が抑制されることによって、過剰な興奮から免れることができるのは事実です。けれども、すでに述べたように、少ない用量であっても長期化すれば依存症が現れますし、高用量になるとほとんどのGABA-ベンゾジアゼピン受容体が飽和し、受容体そのものが減ってしまうため、興奮しすぎを抑えられず、制御不全に陥りやすくなる、ということは覚えておくべきだといえるでしょう。

以上、抜粋終わり

このベンゾジアゼピン剤の使い方、

よく把握したうえで、

上手に使いこなしてください。

くれぐれも長期間の使用は避ける方が賢明だと思います。

どうしてもという場合は、

他の代替医療も検討してください。

うつ病からの脱出ー〝ストレス耐性〞を鍛える方法ー

今回は〝ストレス耐性〞を鍛える方法です。

著書『読んでやめる精神の薬』から下記抜粋します。

脳内安定剤GABAの絶妙な働き

脳が未経験の事態に遭遇し、激しい活動の必要性や不安を感じたときには、アドレナリンやステロイドが分泌されます。そして、それと同時に、ブレーキ役のGABAが分泌され、興奮系神経に支障のない程度に、また興奮系神経が暴走しないように、適度に抑制をかけます。

GABAによる抑制が足りないと、興奮しすぎたり不安が勝るなどして、冷静な判断ができなくなります。また、余分な興奮系の物質で、脳の神経細胞が傷つきやすくなります。しかし、逆に抑制しすぎても、脳は活発な働きができなくなり、たとえば脳の活動が必要なときに眠くなってしまうといったことも起こりかねません。

分泌されたGABAは、神経が過剰な興奮状態に陥らないようにブレーキをかけますが、興奮状態が解消されれば、GABAの分泌も必要がなくなるわけです。

つまり、GABAは・そのときの興奮に応じて必要なだけ分泌されるという・絶妙な働きをしているわけです。この「興奮に応じて必要なだけ」というのが、薬剤の害を考える際に、大変重要なポイントになります。

 

不安、うつ状態の心(脳)の反応

では、GABAが興奮に応じて正常に分泌されていれば、何も問題はないのかというと、必ずしもそうとは限りません。実は、GABAの分泌量には限りがあるのです。そのため、客人がそれまでに経験したことがないほどの強いストレスにさらされ・ストレスからくる興奮物質(グルタミン酸やドパミン、セロトニンなど)が出すきたときに、それを抑えるだけのGABAが分泌できないという事態が生じます。このとき、章の冒頭に出てきた興奮毒性により、神経が傷つくことになるのです。たとえば、二〇一一年三月に起こった東日本大震災を経験した多くの人にとって、そのときの大きな揺れや津波などは大きなストレスとなり、興奮毒性をもたらし、脳の神経細胞を傷つけたであろうことは、容易に推察されます。

では、不安になりやすい人や、うつになりやすい人というのはどういう人でしょうか。簡単に言えば、不安になりやすい人は、GABAを分泌する抑制系の神経細胞が多く傷ついている人だと推察でき、うつになりやすい人は、ドパミンやノルアドレナリン、セロトニンなど興奮物質の分泌に関係した神経細胞が、多く傷ついた結果ではないかと考えられます。

刺激やストレスを受けた時間が比較的短く、それによってできた傷が小さい(あるいは少ない)のであれば、短期間の休息をとるだけで回復するでしょう。ですから、日常的にできる小さな心の傷には、まずは休息をとることが重要な対策となるのです。

ただ、刺激やストレスが短時間であっても、それが大きすぎる場合には、脳の神経細胞にPTSD(心的外傷後ストレス障害)を引き起こすような大きな傷ができ、少し休んだだけでは回復がむずかしくなることがあります。また、休息なしにがんばりすぎても、傷は回復しにくくなります。

細胞が回復するか、それとも傷ついたままかは、簡単に判断できるようなことではありません。万一、PTSDを起こすような強い興奮毒性を受けたとしても、多くの神経細胞は生き残っていますし、傷ついても死なずに再生する神経細胞も多いのです。再生する神経細胞をいかに増やすかが、心の傷を治すためにもっとも大切なことであると、私は考えます。

〝ストレス耐性〞を鍛える方法

では、GABAを分泌する抑制系の神経細胞が多く傷ついたことが原因で不安になりやすい人は、どのように対処すればいいのでしょうか。単純ですが、強すぎるストレスにさらされないように工夫することです。もちろん完全にストレスをゼロにすることはできませんが、自分の対処できる程度のストレスにとどめるよう工夫し、徐々にストレスを増やしていくことで、だんだんと強いストレスに耐えられるようになります。最初はなかなか効果が見えにくいかもしれませんが、続けていくうちに、確実に効果は出てくるはずです。山頂は見えなくても、一歩一歩登っていくと知らないうちに予想以上に高い地点に到達している、という山登りに似ているといえるでしょう。

こうあるべき、こうでなければ、と自分自身が要求するレベルと、現実にできているレベルとの差が大きいほど、人は強いストレスを感じます。そのため、遠い目標は高く設定するとしても、日常的には、明日の目標は、今日できたことよりも、ほんの少しだけ、できることを増やすだけにしておくというのがよいでしょう。そうすると、実現が可能になりやすく、設定した目標が達成できるので、当然のことながら、ストレスを溜めないで済みます。こうして、ほんの少しずつですが、できることが増え、それが自信につながり、結局は大きな目標を達成することができます。

また、ストレス時にドキドキすると、心臓に異常がなくても、それが重大な病気なのではないかという不安にとらわれ、パニックの発作を起こしてしまうような人は、恐怖感からますます強いストレスを感じる傾向があります。けれども、すでに述べたように、ストレスで動悸を感じるのは、筋肉や脳にたくさんの血液を供給するための当たり前の反応であるという正しい認識を持つことが重要です。

以上、抜粋終わり

〝ストレス耐性〞を鍛える方法とは、

単純にストレスをかけ過ぎないという簡単なことでした。

しかしこれがわかっているようで、

なかなかできないのが現実ではないでしょうか?

例えば仕事でしたら、

わかっていても無理をしなければならない場面は多々あります。

それも長期にわたって。

2000年以降労働条件が年々悪くなっているので、

このような環境下で働かれておられる方は多いと思います。

しかし体は当然持たなくなるので、

徐々に弱まってきて、

やがて病気へとなってしまいます。

うつ病は増えた背景にはこのような労働環境も関係していると感じています。

しかし職場の環境は1個人で変えれるものではありません。

そのため選択としては職場を変えるか、

現状を続けるかのきわめて厳しい選択をせざるを得ません。

そこで第3の選択として根治療法である経絡治療やヒーリングを加える提案を致します。

なぜなら職場で酷使した心身をリセットできるからです。

このリセットが重要で、

体が楽になると、

当然心も軽くなります。

治療により自然治癒力は回復+アップとなりますので、

耐ストレス性を維持すことができ、

心身共にギブアップ状態になりにくいのです。

もちろん1回の治療でそうなるわけではありませんが、

治療を継続していると、

自然治癒力が高い状態を維持できるようになります。

そうなるとあとは定期的なメインテナンスだけで十分となります。

現在の状況を少しでもよくしたければ、

少しの投資で、

体を壊さずにすみます。

1度ご検討ください。

 

 

うつ病からの脱出ーうつ病はなぜ起きる?ー

今回からテーマを変えてお届けします。

著書『読んでやめる精神の薬』から下記抜粋します。

うつ病はなぜ起きる?

現代人は、常にさまざまなストレス(刺激)にさらされながら生きています。そして、その刺激を受け止め、代謝し、調整をし、情報を処理し、有害な刺激を受けないように防ぎ、あるいは排除するなどして適応し、一定の好ましい状態を保っています。こうした働きを、ホメオスターシス(恒常性)機能といいます。

病気や疾病というのは、このホメオスターシスが破綻した状態を意味します。ホメオスターシスが何らかの原因により異常な変化を起こし、日常生活に差し障りが出てくるようになると、それが「病気」と認識されることになるのです。うつ病も、心のホメオスターシスが崩れた状態だといっていいでしょう。

うつ病の症状には、さまざまなものがあります。ちょっとしたことで気分が落ち込む、憂うつで何をしても楽しめない、焦りを感じる、興味がわかない、やる気が起きない、気が散って集中できない、必要以上に責任を感じる……。こうした症状がほとんど毎日あり、それが続く状態をうつ病と呼びますが、気分的なことだけでなく、食欲や睡眠といった体調面で障害が起こることもありますし、症状がひどくなると自殺願望まで生じかねません。

では、なぜうつ病になるのでしょうか。その原因として考えられるのは、興奮毒性による神経の損傷です。ストレスなどを原因とする過剰な興奮や虚血があると、脳内にグルタミン酸などの興奮性神経伝達物質が大量に生まれ、その毒性によって脳の神経細胞が傷つけられます。傷つけられた神経細胞の種類や働きに応じて、神経の不調にともなうさまざまな症状が出るのです。

こうした神経の損傷は、生まれたときから、いや、生まれる前から始まっています。たとえば、胎内にいるときに、母親(母体)が過剰な興奮や不安を覚えたり、薬剤の影響を受けたり、あるいは子どものころに十分な愛に恵まれずに虐待を受けて育ったりした場合や、自然災害や事故に巻き込まれるなどの大きなショックを受けるような出来事に遭遇した場合、または大切な人との別れ、突然の失業を経験したとき…。私たちは、いつどんなときに、日常的なストレス以上の大きなストレスに見舞われるか、予測もつかないのです。

また、仮にそうしたストレスを乗り越えたとしても、実際には過剰な 〝がんばり〞で自分自身をむち打ち、自分の脳を興奮毒性にさらし続けたことになり、それがうつ病の原因になることもあります。こうしたケースは、とくに物事を人任せにできない、完璧主義の人に見られるパターンです。

 

ストレスで心臓がドキドキするのはなぜ?

私たちは、心の病気にならないために、どのようにしてホメオスターシスを保っているのでしょうか。人がストレスにさらされたときの「不安」や「うつ」に関係する心の動きを見てみましょう。

「心」というと、心臓に手を当て、そこにあるかのように錯覚している人は多いと思いますが、感情や知能をコントロールしているのは心臓ではありません。ただし、心の動きと心臓は無関係ではないのです。

人は、強いストレスにさらされ、感情がたかぶったときには、脳と筋肉を使って物事の処理にあたります。こうしたときに心臓がドキドキするのは、筋肉や脳にたくさんの血液を供給するために、心臓を速く強く動かしているからです。そして、気管支を広げて酸素をたくさん取り入れ、血糖値を上げて、必要としている筋肉や脳に、酸素やブドウ糖を大量に送り届けます。

これを一手に引き受けているのがアドレナリンです。脳では、非常事態に対応するために、興奮させる神経伝達物質、グルタミン酸がたくさんでき、アドレナリンの仲間であるノルアドレナリンやドパミンが働き、事態に対応しようとします。

しかし、興奮させる物質であるグルタミン酸やドパミンは、必要以上に出すぎると暴走し、脳の神経細胞(ニューロン)を傷つけます。そこで、今度はその興奮を抑制するブレーキ役が必要になってきます。このブレーキ役となっているのが、抑制系の神経伝達物質であるGABA(ギヤバ)です。GABAとはアミノ酸の一種で、興奮を抑制するという意味では、脳内安定剤だと考えるとわかりやすいでしょう。

以上、抜粋終わり

この著者の浜六郎先生は、

うつ病の原因は興奮毒性による神経細胞の損傷と考えられているようです。

この先生の考え方は非常にわかりやすく、

理解しやすいと思います。

まだうつ病の確定的な機序はわかっていませんが、

この先生の意見は理に適っているように、

私は感じています。

暫くはこの先生の理論をもとに、

展開されたこの著書を勉強したいと思います。

お楽しみに!

 

 

 

うつ病からの脱出ー向精神薬は50%以上がプラセボ効果?-

今日は精神薬はプラセボ効果が高いという話です。

著書『断薬セラピー』から下記抜粋します。

向精神薬は50%以上がプラセボ効果

抗うつ剤を増やすと、ますます元気がなくなります。

実際に薬局でうつ病の方に薬をお渡ししていたときには、十分な注意が必要でした。なぜなら常に薬の副作用で、ぱーっとしていたり、受け答えがなかったりしたからです。目の焦点が定まらない方もいました。

26ページでお話ししたように、薬が効かなかったり、以前より効果が薄れたりすると、 医師は「増量」もしくは「別の薬」を使用することで対処します。これは抗うつ剤でも同じです。

ただでさえ、抗うつ剤を飲む際には、睡眠障害を防ぐための睡眠薬や、抗不安薬を同時に服用する人も多いのに、何種類かの抗うつ剤を同時に服用させられている人までいます。一日に15錠もの薬を飲んでいる方も。かなりの眠気に悩まされるはずです。むしろ、そうではないとよけいに怖いと思います。でも、ぼーっとさせることで、自殺から遠ざけることはできても、これでは日常的な生活を送ること自体が困難です。

うつ病の人の薬を増やしても、次回お会いしたときに元気になっていた人に、会ったことはありません。薬の増量で快方に向かうことはないのです。

 

薬効よりもプラセボ効果

向精神薬では、その半分近くがプラセポ効果ではないかといわれています。つまり実際の薬効よりも、本人の「効いている」という気持ちが、症状を緩和させているというわけです。

実際、2008年の『抗うつ薬治療の統計研究』では、SSRIの効果がプラセボとあまり変わらないということが指摘されるなど、夢の薬ではないことがわかりつつあるのです。

 

絶対に薬に手を出してはいけない

「うつは心の風邪」というキャンペーンがありました。多くの方が「では病院へ」と思われたかもしれません。これからは「だから自分で治せる」と思ってください。うつは治せます。「うつかもしれない」と思ったときには、薬に手を出さないこと、これが-番大切です。気分を高揚させる薬をすんなりやめるのは難しいからです。

では、何をするか。まずその日からできるのは、次のようなことです。目的は、身体を温めること、セロトニンを分泌させることです。薬ではなく自分でセロトニンを出すわけです。今すぐ、今日からできることばかりです。

 

・歩く。リズムよく歩く。うつむかないで歩く

・朝日を浴びる

・お風呂に入って身体を温めて、血液が流れることを実感する

・お味噌汁を飲む

・カウントして咀嚼する(リズムよく咀嚼する)

・お笑いなど、自分が笑えるものに接する(何も見たくないなら口角を上げる)

・深呼吸をする

 

歩くこと、一定のリズムを刻むこと、笑うこと(口角を上げるだけでも)でセロトニンは分泌されます。身体を温めること、酸素を取り込むことも、うつの予防になります。

 

今飲んでいる薬をやめるには

多くの場合離脱症状が起きるので、必ず周りのサポートを得るようにしましょう。一緒にいてくれる家族や仲間、友だち、サポート団体に頼ることが大切です。一緒に薬をやめるよう協力してくれる医師もいます。実行に移すには勇気がいりますが、治してくれるのは薬ではありません。先ほど示したことの中から少しずつ、始めてみましょう。

薬を飲む前にできること

環境を変えることも大きな転機となります。職場を変えた、楽な部署に異動させてもらった、旅行に出てみたなど、環境の変化がよい結果を生むこともあります。

遠回りのようですが、姿勢を矯正する(174ページ)ことは大切です。うつの方は大抵猫背で、呼吸がとても浅いのです。呼吸が浅ければ、酸素が十分に身体中に行き渡りません。特に脳は全身酸素消費量の約20%を使うといわれています。そのため、酸欠にとても弱いのです。

猫背を正して胸を開くことで、深い呼吸ができるようになります。胸を開いて深い呼吸をすれば、それだけ多くの酸素を取り込むことができ、ひいては脳に多くの酸素を送ることができるのです。酸素を送ることができるということは、同時に栄養も運ぶことができるということです。また、胸を開くというのは、精神的にもいい影響を与えます。

以上、抜粋終わり

前回もお伝えしましたが、

うつ病の原因がわかっていないので、

当然薬で効かすことなどできません。

ですのでほとんどプラセボ効果と言っても過言ではないでしょう。

つまり飲んでもいいことはないのです。

それよりも上記にあることを試されることをお勧めします。

どれも自分で簡単にできることばかりです。

とにかく、

うつむかないで、

上を向いてください。

そしてスキップをすれば、

間違いなくうつになれません。

人間の身体構造上、

そうできているのです。

是非、試してください。

 

うつ病からの脱出ーうつは薬では治らない?ー

今日はうつ病は薬で治るのかというテーマでお伝えします。

著書『断薬セラピー』から下記抜粋します。

うつは薬では治らない

うつは薬では治りません。

そもそも、「うつ病」という定義自体が曖昧だからです。病院に行って、病名をつけらればうつ病ですが、行かなければうつ病ではないのです。

その人が本当にどのような「気持ちの程度」にあるかは、実際には測れません。そもそも気持ちの問題を病気として捉えていいのかということ自体に、私は疑問を感じています。

心の状態に、合成薬を投与すること自体おかしいのです。薬を使うハードルがあまりにも低くなっていると思います。絶望感に苛まれているときに、薬を1錠飲んだら、気持ちが高揚したとしたら、その薬の方が怖くはありませんか。

1988年にアメリカで「プロザック」という抗うつ剤が発売された当初は、日本でも大きく取り上げられました。「プロザック」が「ハッピードラッグ」として、うつ病患者だけでなく、その使用がビジネスパーソンなどにも広がったためです。SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤、154ページ)の一種で、よく効き、副作用が非常に少ない薬とのふれこみで、アメリカだけでなく、世界中で爆発的にヒットしました。その頃の日本では、気軽に抗うつ薬を使うことに懐疑的な論調がメインでしたが、現在では話題にもならないほど抗うつ剤の使用は一般的になってきています。

恐ろしいことに、この使用は子どもにまで広がっています。しかし、長い人類の歴史を見れば、うつ病のために薬を飲むということは、始まったばかり。特に日本では最近のことです。大人だけでなく、子どもへの投与の詳しい影響は、今薬を飲んでいる子ともたちが、今後どうなっていくかを見るまで、本当は誰にもわからないのです。

私も薬局でたくさんの方に抗うつ剤を処方してきました。しかし「薬が効いて元気になったよ!」という方にお会いしたことはありません。服薬の量が増えたりさらに症状を悪化させたりする方はたくさんいたのですが。

 

抗うつ剤の副作用は「うつ症状」

抗うつ剤の副作用は「うつ症状」です。

冗談のような話ですが、添付文書にもしっかり明記されています。現在主流の抗うつ剤は「SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬剤)」「SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤)」と呼ばれるものです。

セロトニンは人が幸せを感じられるようにしてくれる物質、ノルアドレナリンはやる気や自信などを醸成してくれる物質です。「うつになってしまうのは、これらの物質を脳内にとどまらせることができないから」ということで、上記の薬を使って強制的にこれらの物質を脳内に留めておくのです。

 

副作用「セロトニン症候群」

この薬の主な副作用に、「セロトニン症候群」といわれるものがあります。これは、脳内のセロトニンが過剰になることによる副作用なのですが、そもそもこの薬を飲んだのは、「セロトニンが足りなかったからじゃないの?」という疑問が湧いてきます。副作用が起きてしまったのは、そもそもセロトニンは不足していなかったか、抗うつ剤が脳内にセロトニンをとどめすぎたのか……。薬というものは、身体に合わせて微調整をしてくれることがないので、このようなことが起きてしまうのです。

具体的に「パキシル」という薬のセロトニン症候群の症状を見てみると、「不安、焦燥、興奮、錯乱、幻覚…」となっています。別の抗うつ剤「ジェイゾロフト」では、「不安、焦燥、興奮、錯乱、発汗……」です。「不安や焦燥」が最初に出てきています。うつの薬を飲んで、不安や焦燥に悩まされてしまうのです。

両薬とも、添付文書には同じ注意が書いてあります。「24歳以下の患者では、自殺念慮や自殺企図の発現のリスクが抗うつ剤投与群でプラセボ群と比較して高かった」。医師はこういった副作用をしっかりと伝えることは、ほぼないでしょう。こんなことを伝えたら、薬を飲んでもらえなくなってしまいますから。でも、薬に殺されてはたまりません。

 

抗うつ剤の効果は測れない

血圧などのように測ってわかるものと違って、抗うつ剤は「本当に効いているかどうか」、誰も判断できません。数値として表れないからです。

例えば、ある抗うつ剤を飲み始めて、以前より気分が沈んだとします。それを「うつの症状が進んだ」とみるか「飲んだ薬の副作用」とみるかで、次に打つ手は変わるはずです。その判断は医師にまかされることになります。そうなると「ではもっと強い薬を出しましょう」となることは、容易に想像がつきます。

処方される薬の量も、問診で決まります。とてもつらそうに症状を訴える人には多量の薬を、そうでもなさそうなら少量を。本当にどれくらい症状が進んでいるのかは、現段階では客観的に測ることはできません(測れても怖いですが)。その人に本当にぴったりの容量を処方するというのは、向精神薬においては至難の業なのです。

以上、抜粋終わり

うつ病は薬では治りません。

以前から言っている通り、

現在のセロトニン説は仮設であり、

また最近この説は間違っていることもわかってきました。

もともと原因がはっきりわかっていないのですから、

治せるはずがないのです。

それにも増して、

薬の副作用が深刻です。

ですので、

うつ病だと思ったら、

薬で治そうと考えずに、

他の治療法を選択してください。

 

うつ病からの脱出ー基準値が病人をつくるー

今日は診断基準となる基準値についてです。

著書『断薬セラピー』から下記抜粋します。

基準値自体が曖昧な数字

私たちはどうも「高い」ということに敏感なようです。逆に低いことをまったく気にしていないように思えます。高血圧、高血糖、高コレステロール。38度の熱なら病院に行きますが、35度の熱では「私って平熱低くって」で終わりです。低体温は免疫力の低下につながるので、本来であればもっと注意が必要なのに、あまり意識は向きません。

コレステロールは60兆個ある細胞の細胞膜やさまざまなホルモンなど生体内物質をつくる大切な材料です。しかし、多くの方が「コレステロール値は低い方がいい」と信じて、必要のない薬を飲み続けています。これも「高い」ということに非常に敏感だからです。

ここには薬そのものの性質の問題も絡んできます。薬は、「抑える」性質を持つものですから、「数値を下げる」方が得意なのです。例えばコレステロール値が低いと死亡率が上がるというデータがあっても、薬は「上げる」ことは苦手なので、この分野は放置されてしまいます(低いものを上げるとショックが起こるという問題もあります)。ですから、さかんに「コレステロール値が高い=危険」と宣伝されて、そこが産業になるわけです。

 

基準値が病人をつくる

健康診断の基準値も「より低く」設定されるのは、「より低く」設定されることによって、多くの人が「病的に高い」と思うようになるからです。このようにして私たちは健康診断で「病気」と認定され、病院に足しげく通い、薬をせっせと飲むようになります。実際に総コレステロール値の変遷を見ると、1980年代までは250mg/dLほどとされていたのが、1987年に日本動脈硬化学会が基準値を220㎎/dLに変更。これはコレステロールを下げる薬が発売されたため、とも言われています。そしてその見直しが議論されているのは61ページでお話しした通りです。

血圧も「年齢+90㎜Hg」という数値から、130㎜Hg~140㎜Hg未満に変更(62ページ)。このように製薬会社や学会の思惑でいとも簡単に変更される基準値。それを信じて薬を飲む必要などまったくないのです。

 

数字のマジックにだまされるな!

「骨折の可能性が的50%減る」

これは骨粗鬆症の薬、「フォサマック」の治験データです。すごくいい薬のように思えますよね。この実際の実験結果は、

 

「この薬を飲まなかった100人のうち骨折したのは2人だった。

飲んだ100人のうち骨折したのは1人だった」

 

というものでした。確かに2人から1人になったのですから、50%減ったといえます。でも、最初の文章を普通に読むと、「骨折した人が100人から50人になった」というように思ってしまうものです。このような数字のトリックは、至る所で使われています。

 

都合のいい結果だけが発表されている

その上、治験は何度やってもいいのです。例えば、5回実験して4回は思うような結果が出なかった。5回目の治験でやっと発表できるデータが出た。そうしたら、その5回目のデータだけを提出すれば万事OK。4回は違いました、などと言う必要はないからです。そう、製薬会社が望むデータになるまでやればいいのです。

降圧剤の治療薬、「パルサルタン」の臨床研究に製薬会社の社員自身が関与し、論文がねつ造されたとされる事件「ディオバン事件」を出すまでもなく、発表されているデータが信用に値するのか、本当のところはわかりません。

死亡例が出て問題となった子宮頸がんワクチンは、そもそも海外ですでに死亡例が出ていたにもかかわらず、積極的に導入がなされました。もちろんそのことを厚生労働省はわかっています。私が最初の頃から「絶対に打たないで!」と言っても、「国が認めているんだから大丈夫でしょ」と言って接種された方がたくさんいました。国が認めていて、自治体が補助金を出しているものであっても、信用できないものはたくさんあるのです。

以上、抜粋終わり

医療は産業にされていますから、

そこでは如何にお客を捕まえるかと、

確保するかということ常に考えています。

だから基準値は儲かるように常に下げる方向になるのです。

そうすることによって、

異常者が増え、

薬の必要となる人が増えるためです。

これは企業であるかぎり、

利益を追求するわけですから、

企業としては当たり前の行動なのです。

しかし病人に仕立てられる方はたまったものではありません。

本来必要でないかもしれない薬を飲まされ、

挙句健康体が薬の副作用で更に重い病人へとさせられているのですから、

企業側にすればカモなわけです。

自分がこのサイクルに入りたくなければ、

正しい知識、

もしくは正確な情報が必要です。

今は自分から求めて探せば、

書籍やインターネットから簡単に情報や知識が入ります。

ですので、

是非みなさんも知識や情報を入手して、

自分を守ってください。

うつ病からの脱出ー薬の副作用ー

今日は薬の副作用についてです。

著書『断薬セラピー』から下記抜粋します。

痛み止めは体温と免疫力を下げる

私も頭痛薬を常用していたので、痛み止めの薬はやめられないという方のお気持ちはとてもよくわかります。でも、痛み止めは、体温そして免疫力を大幅に下げてしまいます。

頭痛の多くは、血流が増えることで生じます。「ズキズキする」というのは、頭の中の血管がいつもよりも「ドックン、ドックン」と脈打っているから。それを解消するため、痛み止めは、血流を抑える働きをします。もちろん薬では頭だけの血流を抑えることはできませんから、身体中の血の巡りが悪くなってしまいます。ですから、血流が悪いために起きている生理痛の対処として痛み止めを飲むというのは、さらに身体を冷やし、痛みに拍車をかけることになるのです。そして体温が下がり、免疫力が下がる……というコースをたどることになります。

痛み止めの多くは、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)です。NSAIDsには消炎作用、解熱作用、鎮痛作用があります。皆さんの周りにある「バファリン」「ロキソニン」「インドメタシン」など、飲むものも、塗るものも同じ種類の薬です。NSAIDsは胃腸障害を引き起こすことが多く、病院で胃薬とともに処方されるのはそのためです。そのため「バファリン」など胃で溶けないようにしているものもあります(プロドラッグと呼ばれます)。いずれにせよ、胃が弱い人は要注意ですし、潰瘍のある人は飲んではいけません。

 

痛み止めは手放せる

「この痛みが治まらないと何もできない」と考えている方は多いと思います。私も一時期、痛み止めの数が1錠から2錠、2錠から3錠へと増えるだけでなく、血行をよくするビタミン剤、こわばりをとる筋弛緩剤、そして胃を守るための胃腸薬を服用していました。しかし胃に潰瘍ができてしまい、それを治す薬を飲んだところ肋間神経痛となり、その治療薬を飲むように。ひどいときには一日7種類、17錠。今なら、痛み止めを飲まなければ、それ以外の薬も飲む必要がなかったとわかりますが、当時は目の前の痛みを消すことに精一杯でした。なにしろ、薬が病気を治してくれると思っていましたから。

薬の量がだんだんと減っていったのは、ウオーキングを学び始めてから。「頚椎がずれている」と言われ、小学生の頃からのおつきあいだった頭痛が、姿勢や歩き方を変えることで、嘘のように消えてしまったのです。頚椎のずれ自体は、そのままかもしれません。しかしそれが原因で生じる頭痛は、もう起こらなくなりました。

 

免疫力の低下が他の症状を招いた

痛み止めを飲む、特に常用するということは、体温を下げ、免疫力を下げることになります。それが新たな症状を生み、そのための薬を飲むようになる。これではまるでドミノ倒しです。私たちにできることは、「自分と対話をする」こと。頭痛の原因は何か、どうしたら治せるか。病気は薬では治せません。治せるのは、あなた自身の免疫力なのです。

下痢も便秘も薬はいらない

まず覚えておいていただきたいのが、「外に出る症状は悪いことではない」ということです。ですから、下痢のときに無理に薬でとめるのは禁物です。なぜ下痢が起きているかを考えると、腸内に入ってしまったウイルスや細菌を体外にどんどん排出しようとしているからです。もちろん何度もトイレに行かないといけない、という状況はつらいものですが、水分をとって出し切ってしまうことが、一番なのです。

特に小さいお子さんの嘔吐下痢症などで病院に駆けつけるお母さんがいますが、できることなら、家でゆっくり寝かせておいた方がいいと思います。なぜなら子どもにとっても、下痢や嘔吐があるときに外出するのは大きなストレス。胃腸の障害は、ストレスもおおいに関係しているので、リラックスできる状態にしてあげる方が、治りは早いのです。

 

薬で腸が動かなくなる

便が腸内に溜まっているという状態はよろしくありません。腸は免疫をつくる工場です。その中に便が長らくとどまっていたのでは、免疫をつくる働きが妨げられてしまいます。近年「菌活」という言葉も出てきていますが、これは発酵食品やキノコなどを積極的にとることで、腸内の善玉菌を増やして、便秘を防ぐことが一つの目的です。

ではすぐに便秘を解消、とばかりに薬を飲むと、腸は自ら蠕動運動することをやめてしまいます(24ページ)。そうなると本当に自分では便を出せなくなってしまうのです。

腸を刺激するエクササイズ(106、108ページ)をする、お腹をマッサージするというように、腸の運動を促すことが一つ。そして、腸内の善玉菌のエサとなる食物繊維を含む食材を多く食べる。食物繊維は便のかさを増やしたり、腸壁を刺激して腸の蠕動運動を助けてくれるので、とても効果的です。血糖値の急激な上昇も抑えてくれます。

そして肉体的なことだけでなく、精神的な引き金を見つけるのも手です。知り合いの中には「本屋さんに行くとトイレに行きたくなる」という方もいます。そういった自分の身体のクセを見つけるというのも解決につながります。

以上、抜粋終わり

痛み止めを長期間服用している方がおられますが、

そのような状態が長期間続くと、

脳が誤作動をするようになってしまいます。

つまり薬を飲んだ状態が正常だと認識するようになってしまうのです。

そうなると、

今度は薬を止めてしまうと、

脳が異常事態だと判断してしまうため、

異常警報として痛みを発するようになってしまいます。

だから薬を止めて痛みが出ると、

薬が効いていたのだと思ってしまうのです。

つまり脳が薬を飲んでいる状態が普通だと、

プログラムが変更されてしまったため、

逆に薬を飲まないと異常と判断してしまう仕組みが出来あがってしまったのです。

これを修正するのは結構大変です。

もう一度脳に書き込まれたプログラムを修正しなければならないので、

痛みに耐える覚悟で、

断薬しなければならないからです。

こうなると一人では難しいので、

専門家の力を借りる必要があります。

断薬する折は、

必ず信用できる専門家と一緒に行うようにしてくださいね。