うつ病からの脱出ー低血糖症の症例ー

今回は低血糖症の症例です。

著書『なぜあなたは食べすぎてしまうのか 低血糖症という病』から下記抜粋します。

  なんとなく具合が悪い

 

   ―異常に疲れる―

  沢木泉さん(仮名)34歳

沢木さんは、結婚して3年目の主婦です。

沢木さんの主訴は、とにかく疲れやすい、一時的に頑張れてもそのあと異常なほど疲れてしばらく寝込んでしまう、脱力感、めまい、極度の冷え性などでした。偏頭痛もとてもつらいということでした。

子どものころから虚弱体質で、胃腸も弱く、お腹を壊しがちで、たくさん食べても太れなかったそうです。結婚する前にはOLとして会社勤めをしていましたが、会社から帰宅するとぐったりしてしまい、なにもする気になれませんでした。休日は、なにもしないで家でゴロゴロすることが多かったとのことです。それでもかろうじて会社に行くことはできていました。

ここ1〜2年で、さらに症状が強くなってきました。たまに外出して人の多い場所に行くとひどく疲れてしまい、2〜3日は家で横になっているようになりました。家族以外の人と話すことや、電話に出ることもおっくうになり、半年前からほとんど家に引きこもっているような状態です。毎朝、目が覚めたときからすでに疲れています。朝食や昼食を食べたあとは、異常なほどの眠気が襲うので、必ずひと眠りしないといられません。冷え性なので、時間をかけてゆっくりお風呂に入りますが、長風呂をしてもまったく汗をかきません。

沢木さんがそんなふうなので、ご主人の遊びやつき合いについて行くこともできず、ご主人は休日も一人で出かけざるをえない状態です。それどころかあまりに具合が悪いと、ご主人に食事を作ってあげられないときもあります。ご主人は理解してくれているそうですが、自分としてはとても申し訳ないと思っていますし、ご主人がいないときは孤独感を感じて落ち込んでしまうそうです。

「ふつうの生活がしたい!」

これが、沢木さんの切実な願いです。

どうにかしたいと思い、数軒の病院に行ってみました。しかしどの病院でも、検査の結果は、「異常なし」でした。あまりに頭痛がひどいため、脳ドックも受けましたが、やはり異常なしとのことでした。自律神経失調症、過敏性大腸症候群と診断され、薬を飲みましたが、効果は感じませんでした。薬を飲んでも効果がないため、心療内科をすすめられました。心療内科では「うつ病」といわれましたが、薬は飲みたくなかったのでもらいませんでした。漢方薬もためしましたが、体に合わないようだったのでやめてしまいました。

心配になり、インターネットでいろいろ検索してみた結果、たしかに自分の症状は「うつ病」のようだと思いましたが、なんだか納得がいきません。困っているいろいろな症状が、心の問題からきているとは思えなかったからです。

できれば早く赤ちゃんもほしいと思っているので、薬は飲みたくありませんし、体の中から心身ともに健康になりたいと思い、当クリニックを受診されたということです。

【既往歴・月経歴】

10年前:胃炎 月経周期:35日・月経痛あり 1回流産

【家族歴】

父:高血圧・胆石

【初診時現症】

身長:162cm 体重:40kg

【診断】

沢木さんの血液データをみると、尿素窒素の低値よりタン白質の摂取不足、フェリチンが「測定不能」というほどの鉄欠乏、GOT・GPT バランスよりビタミンB群の不足、また、カルシウムの不足、亜鉛の不足など、複合的な栄養失調の状態であると考えられました。そしてその結果、貧血になっていました。また、グルコースの低値、遊離脂肪酸の上昇から、低血糖の徴候が認められたため、5時間糖負荷試験(OGTT)をおこないました。

【5時間糖負荷試験結果】

沢木さんの5時間糖負荷試験の結果、無反応性低血糖症であることがわかりました。

【治療】

これらの栄養不足を補うために、アミノ酸・ビタミンB群・ヘム鉄・ビタミンC・カルシウム・マグネシウム・亜鉛のサプリメントを処方しました。

それと同時に、あまい食べもの・飲みものをやめ、低GI(155ページ参照)・高タン白・高食物繊維の食事指導をおこないました。白米や白パンなどの精製炭水化物は量を減らし、胚芽米やライ麦パンなどを、タン白質などのおかずをしっかり食べたあとに、少量食べるよう指導しました。最低1日5回は未精製の穀物を含め、なんらかの食べものを食べるようにしてもらいました。

【経過】

栄養療法と食事療法をはじめ、3ケ月くらいはあまり効果が感じられませんでしたが、だんだん冷えや疲れなども薄紙をはがすようによくなってきたのを感じ、根気よくサプリメントと食事療法を続けました。

半年後には、以前のような異常な疲労感はなくなり、体力がついてきました。毎日の家事も以前よりきちんとこなすことができるようになりました。休日もご主人と一緒に出かけて、ゴルフやバーベキューなどに参加することができるようになりました。頭痛やめまいが起きる頻度も激減しました。以前に比べてエネルギーの度合いがまったくちがうと感じているそうです。

まだ無理をすると疲れてしまい、調子を崩すことがあるので、もう少し体調が改善したら赤ちゃんを考えようと思っているそうです。

【解説】

沢木さんの症状の多くは、低血糖症と栄養失調があいまって起きたと考えられる典型的な「エネルギー不足」の症状でした。

無反応性低血糖症とは、糖負荷検査において、ブドウ糖負荷に対して空腹時の50%以上の血糖値の上昇がみられない場合を指しますが、実際には反応していないのではなく、30分ごとの採血ではとらえられないほど血糖値の変動が素早いため、データ上反応していないようにみえるのだといわれています。実際には血糖値の細かい急変動が起きており、しかも大事なエネルギー源である血糖値がつねに低くなりやすいために、エネルギー不足の症状が起こりやすくなるのです。異常な疲労感はこのためと考えられます。

血糖値を維持するためには、精製していない炭水化物やタン白質を頻繁に摂取していただく必要があります。それによって適度な血糖値を維持し、エネルギーを維持することができるのです。

沢木さんはもともと胃腸が弱いという訴えがあり、食べても太れない、やせていることなどから、消化吸収能力が衰えていることが予想されました。このため、食事の内容が消化のよい精製された糖分にかたよりがちになり、それが低血糖の症状と栄義失調を助長させたと考えられます。実際に、サプリメントもほんとうに飲んでいただきたい量の半分くらいを飲んでいただくのがやっとでしたが、根気よく続けていただきました。

食事は、それまでは消化のよいおかゆや、手をかけずに食べられる加工食品やパンだけなどの内容が中心で、手軽に食べられるお菓子を食事がわりにすることも多かったのですが、温泉卵などの消化のよいタン白質を優先して食べていただくように指導しました。

3ケ月後の血液検査ではデータの改善がみられました。

貧血が改善し、鉄欠乏を示すフェリチン値が上昇しています。ビタミンB群の不足を示すGOT・GPTの低値も改善し、全体的に栄養状態が改善していると考えられます。

 

以上、抜粋終わり

上記症例のように、

なんとなく自分の症状が似ていると感じたら、

低血糖症の疑いが考えられますので、

どうかすぐに確認してください。

映画『蘇生』

昨日白鳥哲監督作品の映画『蘇生』を鑑賞してきました。

白鳥監督は知っていたのですが、

映画作品を鑑賞したのは今回が始めたでした。

金曜日に来た友達の紹介で突然知り、

2日後だったので、

直ぐに申し込みしました。

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映画の内容は、

地球の蘇生に関わるドキュメンタリーですが、

キーは微生物だということで、

比嘉輝夫氏が発明したEMを紹介していました。

わたしはこのEMをもう20年くらい前に、

知っていたのですが、

どんなものだったのかは、

きれいに忘れていました。

今回改めてEMの素晴らしさを知り、

また地球蘇生の道筋も、

見えたような気がしました。

とても素晴らしい内容の、

お薦め映画です。

同映画は自主上映なので、

興味のある方は、

ネットでどこで上映されているか

調べるとわかると思います。

是非、ご覧ください。

うつ病からの脱出ー低血糖症の診断ー

今回は低血糖症の診断というテーマでお伝えします。

著書『なぜあなたは食べすぎてしまうのか 低血糖症という病』から下記抜粋します。

一般的な検査項目

一般の病院でも調べられる、糖代謝の検査項目を表に示しました。

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これらの糖代謝項目が異常値を示していれ ば、低血糖症である可能性が高いといえますが、基準値内で一見正常な数値を示している場合でも低血糖症である場合があります。基準値とはあくまで参考程度であり、栄養や代謝のはたらきの観点から見ていくと、基準値内でも問題である場合が多々あるのです。

また、低血糖症という概念が頭にないと正確な判断ができませんので、低血糖症の診断の経験のある医師に診断してもらうことが必要です。

私のクリニックでは、これらの項目と、栄養失調の程度を判断するためのほかの検査項目も組み合わせて血液検査をおこない、総合的に評価します。

 

5時間ブドウ糖負荷試験(OGTT

1回の採血でこれらの検査項目にまったく問題がなくても、実際には低血糖症である場合も多くあります。

このため、低血糖症の確定診断には5時間のブドウ糖負荷試験(Oral Glucose Tolerance Test:OGTT)が必要です。

OGTTは、空腹時に75gのブドウ糖(グルコース)が入った飲料を飲んでもらい、飲む前と飲んだ後の血糖値の変動をみる検査です。

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ふつうこの検査は糖尿病の診断のために、2時間でおこなわれます。しかし低血糖症の診断の場合は、血糖値が上昇した後にどの程度低下したかを知りたいので、5時間かけて検査をおこないます。

この検査をおこなうためには、前日の晩から12時間以上絶食していただく必要があります。そして空腹状態で来院していただき、まず空腹時の血糖値とインスリン値を調べます。それからブドウ糖を飲んでいただき、5時間の間に全部で9回採血をおこないます。5時間飲まず食わずで、9回採血をしますので、患者さんにとっては楽な検査ではありませんし、保険もぎかないので自費での検査になります。また、検査できる病院もかぎられているのが現状です。しかしこの検査が、ほんとうに低血糖症であるか否か、またはどのようなタイプの低血糖症であるかの診断には必要不可欠なのです。

正常では空腹時の血糖値は90mg/dl前後であり、ブドウ糖を飲んでから大体30分後に1・5倍以上に上昇します。それからなだらかに下がり、元のレベルにもどりますが、血糖値は空腹時の80%以下にはならないのが正常です。また、インスリンは50uU/ml以上が過剰分泌ですから、正常では50uU/mlを超えません。

5時間ブドウ糖負荷試験による低血糖症の診断基準と、参考までに糖尿病の診断基準を表に記します。低血糖症の診断基準をひとつ以上満たし、低血糖症によると考えられる症状がある場合、低血糖症と診断します。また、50分おきの採血のため必ずしも本当の血糖値の変動をとらえられているとはかぎらないので、基準をひとつも満たしていなくても症状が明らかである場合は、低血糖症として治療をおこないます。

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糖負荷試験をおこなうメリットは、低血糖症の診断だけではなく、食事の仕方、とくに糖分のとり方を決めていくのに役立つということです。くわしいことは治療の項を参考にしてください。

糖負荷試験で気をつけなければならない点は、人工的に低血糖状態にしてしまうことがあるために検査中に具合が悪くなってしまう場合があることです。このため途中で検査を中断しなければならない場合や、その後数日間具合が悪くなることもあります。このため、患者さんの具合がよくない場合には、糖負荷試験をおこなわない、という選択も必要です。

また、明らかに糖尿病であるとわかっている場合は、高血糖を起こす可能性があるため糖負荷試験はおこないません。

この検査を受ける場合には医師とよく相談し、検査を受けるかどうか決定してください。

また、糖代謝の状態以外に、以下の検査項目が栄養や代謝の状態をみるために利用できます。たとえば尿素窒素値は、ふつうは腎機能をみる項目ですが、タン白質の摂取状況としてみることもできます。尿素窒素が10以下ではタン白質の摂取量がかをり不足であるとみてよいでしょう。GOT・GP Tはふつうは肝機能の項目ですが、ビタミンB6がこれらの酵素の補酵素としてばたらいているため、ビタミンB6の充足度としてみることができます。フェリチン値は貯蔵鉄を表しますが、男性では150〜200、女性では80〜100が望ましいです。ただしこれらの数値はほかのいろいろな条件の影響をうけますので、不足があっても一見問題がないようにみえる場合があります。素人判断はせず、栄養療法の専門家の判断を仰ぐことをおすすめします。

 

以上、抜粋終わり

5時間のブドウ糖負荷試験を実施している病院は、

きわめて少ないため、

なかなか受けることができません。

わたしは関西圏に住んでいますが、

このあたりで実施している病院を知りません。

これは低血糖症という病を、

認識している医師が少ないためです。

また栄養するにしても、

現代栄養学はデタラメで、

返って身体を悪くしてしまいます。

そのため自分がきちんとした知識を持ち合わせたうえで、

対処できる医師を探さなければなりません。

かなりハードルが高くなりますが、

自分のことなので、

根気よく対処していきましょう。

うつ病からの脱出ー低血糖症の成り立ち 4ー

今回は同テーマの第4弾です。

著書『なぜあなたは食べすぎてしまうのか 低血糖症という病』から下記抜粋します。

あまいもの中毒

このようにして、私たちは簡単に「あまいもの中毒」になってしまいます。この状態になってしまうと、「あまいものが食べたい!」という体の欲求はとても切実なものになります。

 

あまいものが大好きだ

砂糖は脳の栄養だと聞いたので、毎日欠かさずチョコレートを食べるようにしている

疲れたときはあまいものにかぎる

缶コーヒーや炭酸飲料などを飲むのが習慣になっている

食後に必ずデザートを食べなくては気がすまない

あまいものを食べることは人生の楽しみだ

コンビニのスイーツコーナーは必ずチェックして、絶対になにかしら買う

時間がないので・食事はあまいジュースやお菓子などですます

あまいものを食べていると幸せである

ケーキや菓子パンが主食である

あまいものがなくては生きていけない

 

このような状態は、いうなれば「糖分の中毒」です。

一度このような状態になってしまうと、ヘビースモーカーがタバコをやめられない、アルコール依存症患者がお酒をやめられない、というのと同じで、あまいものを食べずにはいられない状態になってしまいます。まさに、「やめられない、とまらない」という状態です。

(注‥あまいものが大好きだという方が必ず低血膳症であるとはかぎりません)

このような血糖値の乱高下をくりかえしていると、次第に自律神経やホルモンバランスなどの大切な体内の調節機構(ホメオスターシス)が乱れ、自律神経失調症状やホルモン失調などもくわわり、じつにいろいろな症状を起こすようになります。

当然ながら食事の内容もかたよったものになってしまうために、栄養失調にもなり、その症状もくわわって、さらにさまざまな精神的・身体的症状に悩まされるようになるのです。

 

太ってしまう理由

低血糖症によって引き起こされるのは、精神的な症状だけではありません。

低血糖症ではさまざまな症状が起こりますが、多くの患者さん、とくに女性の患者さんにとって、おそらくどんなことよりも許しがたいであろうと思われる症状があります。

それは、「太る」という症状です。

肥満は、低血糖症の症状のひとつなのです。

何度も書いてきたように、あまいものなどの精製された糖分を食べると、血糖値が急激に上がります。すると、上がった血糖値を下げるためにインスリンが過剰に分泌され、その結果、血糖値が下がってしまうのです。

そもそも、インスリンがなぜ血糖値を下げるのか、ということを考えてみましょう。インスリンは血糖(グルコース)を細胞内にとりこんで、エネルギーとして利用するためにはたらいているホルモンであり、本来は生きていくために絶対的に必要なものです。インスリンが適度な量で分泌されていれば、ちょうどいいスピードで細胞はエネルギーのもとであるグルコースをとりこむことができ、エネルギーとして利用できるので、とくに問題が起こることはありません。

しかし、インスリンが過剰に分泌されてしまうと、困ったことになってしまうのです。

脂肪組織・筋肉組織では、インスリンが多く存在すると細胞内へのグルコースの透過性が増大し、グルコースがどんどん細胞内へ流れ込んできます。その結果として、血糖値が下がるわけです。

しかし、私たちの細胞がグルコースをエネルギーに変換できるスピードには、限界があります。

細胞がグルコースをエネルギーに変えるスピードよりももっと速く、グルコースが細胞の中に入ってきてしまったら、グルコースが細胞内でたくさんあまってしまうことになります。このあまったグルコースはどうなるのでしょう? そう、脂肪に変わってしまうのです。

簡単にいうと、「インスリンは過剰な糖分を脂肪としてたくわえることで、血糖値を下げているのです。このために、低血糖症には肥満の人が多いのです。標準体重の人でも筋肉が少なく脂肪が多い、「隠れ肥満」の人が多く見受けられます。この状態が進行すると、メタボリックシンドロームや糖尿病などになり、さらにすすむと動脈硬化や心筋梗塞・脳梗塞など、いわゆる生活習慣病になってしまうのです。これに関しては第2章でくわしく説明していますのでお読みください。

低血糖症は“現代病”を読み解くキーワード

このように、低血糖症は、精神的な病気や肥満まで、じつにさまざまな症状や病気と関係しています。

現代は、空前の「健康ブーム」です。しかし、私たちがいかに「健康によい」といわれていることを実践しても、いかに医学が進歩しても、病気の人が減るばかりか、逆に増えているのは、私たちがしている健康のための努力の方法が間違っているためではないでしょうか。

それを解決するための鍵のひとつが、低血糖症なのです。

次章からは実際の症例をあげ、低血糖症の症状についてくわしくみていくことにしましょう。

 

以上、抜粋終わり

精神が病んでいる方で、

甘い物が好きでやめれない方、

一度自分が低血糖症でないか、

疑ってみて、

自分の症状が低血糖症の症状に、

合致していないか、

確かめてください。

ひょっとしたら、

自分は精神疾患ではなくて、

低血糖症なのかもしれませんよ。

もしそうだったら、

薬を飲んでも、

症状は改善しません。

治療法が違うのですから。

もしやと思ったら、

すぐに確認してみてください。

うつ病からの脱出ー低血糖症の成り立ち 3ー

今回は同テーマの第3弾です。

著書『なぜあなたは食べすぎてしまうのか 低血糖症という病』から下記抜粋します。

大人も子どももキレやすい理由

このようなはたらきをするため、アドレナリンは「闘争か逃走か(Fight or Flight)」のホルモンと呼ばれています。

低血糖症では、血糖値を上げるために、これらの攻撃ホルモンが本人の意志とは関係なくとつぜん大量に分必ざれてしまいます。いうなれば低血糖症は、「つねに戦闘モードに入っている状態」なのです。

低血糖症ではさまざまな症状が起こりますが、共通してみられることが多いものとして、イライラしやすい、怒りっぽい、攻撃的である、キレやすいなどの症状があげられます。これはアドレナリンによって起こる感情の変化と同じです。

たとえば、ついさっきまでふつうだったのに、空腹になると人が変わったように怒り出し、暴れたり暴力をふるったりしたにもかかわらず、なにかを食べると(とくにあまいお菓子やジュースなど)、けろっとおさまってしまうという人は結構いらっしゃいます。

月経の前にイライラして攻撃的になったり、逆に憂うつになったりしてしまう月経前症候群(PMS)も、アドレナリンの影響が強いために起こるのです。

最近増加している、青少年による攻撃的な犯罪や非行などの問題にも、これらのホルモンが深く関係していると考えられます。

このように攻撃ホルモンの存在は、人の感情や行動にとても大きな影響をあたえます。人格さえも変えてしまうことがあるのです。

 

「不安」を引き起こすホルモン

また、アドレナリンは攻撃性を高めますがノルアドレナリンはその道で、不安な気持ちやネガティブな感情を引き起こしてしまいます。

パニック障害の人などが、人混みなどに行くと緊張して動悸がしたり、不安な気持ちになったり、恐怖感に襲われたりしてしまう原因のひとつは、このようなホルモンが分泌されることであるといわれています。

また、うつやパニック障害の人で、死にたいという気持ちが強くなり、リストカットなどをして自分を傷つけてしまうのも、これらのホルモンの影響が強いためなのです。

 

あまいものがやめられない理由

低血糖が食欲を引き起こすことは先ほど書きましたが、ここでさらに問題になるのは、血糖値が下がったときに「なにを食べたくなるか」ということです。血糖値が下がりすぎてしまったときに「どうしても野菜や魚やお肉が食べたい!」と思うことはあまりありません。むしょうに「あまいものが食べたくなってしまう」のです。

血糖値が下がった状態というのは、とても不安定な状態です。このような状態から脱出するためには、血糖値を素早く上げなくてはなりません。

血糖値を手っとり早く上げるために、一番適した食べ物はいったいなんでしょうか? ……そう、精製された糖分です。

糖のかたちが単純であればあるほど、吸収が速く血糖値がすぐに上昇するので、低血糖状態から抜け出すには好都合です。

つまり、あまいものなどの精製された糖分を食べることによって、血糖値が下がってしまい、今度はその下がった血糖値を上げるために、また糖分が欲しくなるのです。

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低血糖状態におちいり、脳のエネルギーが低下して頭がまわらなくなっていたり、カテコールアミンの分泌によりイライラして暴力的になっていたり、または落ち込んで憂うつな気分になっているところに、あまいものを飲んだり食べたりすると、下がった血糖値が上昇するので、体は一瞬ホッとします。

血糖値がある一定のレベルにもどってくると、脳が血糖という工ネルギーを安定して得られるようになり、攻撃ホルモンの分泌もおさまるので、肉体的にも精神的にも安定するのです。

糖分をとることで、「脳内麻薬」といわれるエンドルフィンが分泌されることもわかっています。

低血糖時に精製された糖質をとると、血糖値が低下して落ち込んだ不安定な状態、いうなれば「戦闘モード」から、一気に、安定した「安心モード」または「元気モード」に入ります。アメリカには「シュガー・ハイ」という言葉があるそうですが、この言葉のとおり、そのギャップが極端に大きい場合、テンションが上がって「ナチュラル・ハイ」状態に感じるくらいです。

しかし残念ながら、あまいものを食べて血糖値が上がって、ハッピーになって、めでたし、めでたし……。で、話はおわりません。下がった血糖値を上げようとふたたびとった糖質は、また新たなインスリンの分泌を引き起こします。やっと上がった血糖値がまた下がって、結果的に再び低血糖状態になってしまうのです。そしてまたあまいものが食べたくなって、またカテコールアミンが分泌されて……、という悪循環をくりかえすことになります。

つまり、血糖値が下がったからといってそこでまた単純な糖質をとることが、インスリン分泌→低血糖→ホルモンの異常な分泌、という悪循環につながるのです。

体は、低血糖状態から回復したときの「快感」を覚えています。このギャップはいうなれば、麻薬のようなものです。血糖値が下がったら糖分をとればよくなる、と体が覚えたら(本人が自覚しているとはかぎりません)、体は糖分を求めるようになります。

 

以上、抜粋終わり

問題は糖分がまた欲しくなるという、

中毒症状のようになってしまうところが、

糖離れが難しいところです。

普通はこれが中毒症状とは知らないのですから、

すぐに補給してしまいます。

するとまた悪循環が始まります。

ですので、

この悪循環から離脱するには、

正しい知識が必要となります。

そのために今回のテーマの低血糖症を、

参考にしてもらいたいのです。

うつ病からの脱出ー低血糖症の成り立ち 2ー

今回は同テーマの第2弾です。

著書『なぜあなたは食べすぎてしまうのか 低血糖症という病』から下記抜粋します。

低血糖は「脳のエネルギー不足」をまねく

血糖値が上がりやすい食べものを多く食べた結果、低血糖症になってしまうと、困ったことが起きてしまいます。

脳は基本的にグルコースしかエネルギーとして利用できない、ということは先ほど書きました。ということは、血糖値が下がると、どうなるのでしょうか?

そう、脳がエネルギー不足になってしまうのです。

脳は40秒でグルコースをつかいきってしまいますから、血糖値が短時間で急激に下がってしまうと脳にエネルギーが十分に供給されないことになってしまいます。

このような血糖値の急降下は脳のエネルギー不足をまねきます。その結果、以下のようないろいろな症状が起こります。

 

うつ症状

やる気がわかない

集中力低下

記憶力低下

頭の回転が鈍い

だるい

疲れやすい

眠い

ぼーっとする

etc・・・

 

このように、精神的な症状の原因となるばかりか、脳細胞がダメージを受けるため、高齢者の認知症の原因になることもあります。

血糖値が低い状態は、とても不安定な状態です。もし血糖値が極端に下がりすぎてしまったら、眠いとかぼーっとするをとおりこして、意識がなくなり、こん睡状態におちいります。脳細胞にエネルギーが供給されないのですから、強い低血糖状態が長く続いたら、脳が障害を受けてしまうこともあります。最悪の場合、死ぬ危険があるのです。

そのくらい、極度の低血糖は人体にとって危険な状態なのです。

 

食べすぎてしまうわけ

もちろん、ちょっとやそっと血糖値が下がったからといってすぐに生命が危険な状態になるほど、人間の体はヤワではありません。ふつうは、血糖値が下がってしまったら、それに反応して血糖値を上げようとするしくみが作動します。

私たち人類には数百万年もの長い間、飢えと戦ってきたという歴史があります。このため、血糖値を下げるしくみはインスリンしかないのに対し、血糖を上げるしくみは私たちの体内にたくさんそなわっているのです。

そのひとつが、「お腹がすく」ということです。

血糖値が下がると、下がった血糖値を上げるために、「なにか食べろ!」という命令が脳から発せられます。これが食欲であり、「お腹がすいた」という感覚なのです。

もちろん低血糖症ではない健康な人でも、お腹はすきます。しかし、血糖値が限度を超えて下がってしまうと、ふつうのお腹のすき方ではなくて、尋常ではないお腹のすき方になってしまうのです。

たとえば、

いくら食べても満足できない

目の前にある食べ物をせんぶ食べきらないと気がすまない

家にある食べものだけでは足りなくて、夜中にコンビニへ走り、大量に買ってきてはぜんぶ食べてしまう

人によっては、太りたくないのでそこまでして食べたものを全部吐いてしまう

という状態になってしまうことがあるのです。

つまり、低血糖は「過剰な食欲」を引き起こし、「過食」を起こす原因になるのです。

とくに過食症の人は、「お腹がすいた!」というスイッチが入ったら最後、目の色が変わってしまい、食べることしか考えられなくなってしまいます。低血糖から脳を守るために、「食べろ!」という命令がかなり強力に発せられるからです。それにくわえて、あとに述べるホルモンの影響もあり、食べる量や内容を自分でコントロールすることができなくなってしまうのです。

 

血糖値を上げる攻撃ホルモン

低血糖状態にさらされたとき、体が持っている血糖値を上げるためのしくみは、「お腹がすく」ということ以外にも、まだまだあります。

「血糖調節のしくみ」の部分でご説明したように、血糖値を下げるホルモンはインスリンしかありませんが、血糖値を上げるホルモンはたくさんあります。低血糖症では、下がった血糖値を上げようとして、これらのホルモンが分泌されることになります。

この中でとくにいろいろな症状を起こす原因となるホルモンが、アドレナリンとノルアドレナリンです。アドレナリンとノルアドレナリン、およびドーパミンを総称して、カテコールアミンと呼ぶこともあります。

これらのホルモン(おもにアドレナリン)は「攻撃ホルモン」と呼ばれ、おもに副腎髄質というところから、通常、強いストレスにさらされたときに分泌されます。

たとえば、シマウマなどの野生動物が草原を歩いているときに、腹をすかせたライオンにばったり出くわして、目があったとしましょう。その瞬間、シマウマは生命の危険を察知し、アドレナリン・ノルアドレナリンが大量に分泌されます。その結果、瞳孔がひらき、全身の筋肉は緊張し、血管が収縮して心拍数と血圧が上昇します。いうなればその瞬間、シマウマは「戦闘モード」に入るのです。そして、一目散にダッシュして逃げるか、または全神経を集中して戦うのです。

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このように、アドレナリン・ノルアドレナリンは本来、生命の危険にさらされたとき、とっさの瞬発力を発揮して、危険から身をまもるために分泌されるホルモンといえます。

 

以上、抜粋終わり

どうでしょうか?

上記の表の中のような症状が出ることはないでしょうか?

もしあるようでしたら、

低血糖症の問題が隠れている可能性があります。

よく日頃の状態を振り返ってみてくださいね。

うつ病からの脱出ー低血糖症の成り立ち 1ー

今回のテーマは低血糖症の成り立ちというテーマでお伝えします。

著書『なぜあなたは食べすぎてしまうのか 低血糖症という病』から下記抜粋します。

血糖値を不要定にさせる食生活

たとえば、あなたはこんなものが好きだったり、よく食べたりしていませんか?

ケーキやチョコレートやクッキー、和菓子などのお菓子類

ジュースやスポーツドリンクなどの清涼飲料水(野菜ジュースも含む)

プリンやゼリーやアイスクリームなどのデザート類

缶コーヒー(無糖のもの以外)

菓子パンや調理パンやドーナツなど

食パンなどのふわふわした白いパン

カップめんなどのインスタント食品

ポテトチップスなどのスナック菓子

砂糖やブドウ糖果糖液糖が入った加工食品

どんぶりめし(白米)に少量のおかず

おにぎりにお茶

サンドイッチにコーヒー

これらはすべて低血糖症を起こしやすい食品であり、食事の内容です。

(食べる頻度や量、体質や生活習慣などが関係しますので、これらのものを食べたからといって必ず低血糖症になるわけではありません)

これらのあまい食べものや飲みもの、スナック菓子やサンドイッチや菓子パン、白米、白パンなどは、おもに糖分(炭水化物)でできています。

これらの食品に共通しているのは精製されていること、つまり、口に入る前からすでにかなり分解された細かい状態になっているということです。ということは、消化に時間がかからないので、糖分が吸収されるのがとても速いのです。このような単純な糖質でできている食べものを多く食べることが、低血糖症になる大きな原因のひとつなのです。米や小麦などの糖分は複合糖質(でんぷん)であり、単糖類(ブドウ糖など)や二糖類(ショ糖など)にくらべれば分子が大きいので吸収がゆっくりなのですが、白米や精製小麦粉のように精製した場合、低血糖症の原因となります。

……と、ここで疑問を感じた人がいらっしゃるかもしれません。

低血糖症とは、血糖値が下がることによって起きてしまう病気であるということは、先ほどご説明したとおりです。ふつうは、「糖分が足りないから、血糖値が下がってしまうのでは?」と考える人が多いと思います。そして逆に、「糖分が多すぎたら血糖値が上がってしまう」と考えてしまいがちだと思います。つまり、単純に「糖分が不足→低血糖」「糖分が過剰→高血糖」と、考えるのが普通ですよね。鉄が足りないから血液中の鉄の濃度が下がるとか、あるビタミンが足りないからそのビタミンの濃度が下がる、というふうに、糖分をたくさん食べると血糖値が上がり、少なすぎると血糖値が下がる、と考えるのがわかりやすいと思います。

しかし、人間の体はそんなに単純なものではありません。

じつはここが、低血糖症を理解するための重要なポイントなのです。

 

血糖値が不安定になる理由

たしかに、飢餓状態などでほんとうに長い間飲んだり食べたりできないときには、体に糖分が補給されないことによって、血糖値が下がります。しかし、現代人を苦しめている低血糖症は、むしろその逆の理由で起きているのです。

砂糖やお菓子や清涼飲料水などの精製された糖分は、すでに分解されてかなり細かくなった状態のため、とてもすばやく吸収されてしまい、血糖値が急速に上昇してしまいます。血糖値が高い状態が長く続くと糖尿病になるくらいですから、血糖値が上がりすぎるのは人体にとって当然よくありません。

ですので、血糖値が上がると、今度は当然、血糖値を下げようとする反応が起こります。つまり、インスリンが分泌されるのです。血糖値を上げるホルモンは数あれど、血糖値を下げるためにはたらくものは体の中でインスリンしかないということを思い出してください。

インスリンは、血糖値の上昇の虔合いによって、その分泌のされ方が変わります。つまり、血糖値の上昇の速度が速ければ速いほど、または血糖値が高くなればなるほど、それを下げようとするために、インスリンがたくさん分泌されることになるのです。

過剰に分泌されたインスリンは、血糖値の急降下を招きます。つまり、精製された糖分を飲んだり食べたりすることが、血糖値の急上昇をまねき、インスリンが出すぎてしまうために、結果的に低血糖になってしまうのです。

簡単に書くと、こうなります。

 

精製された糖分の大量・または頻繁な摂取

血糖値の急激な上昇

インスリンの過剰な分泌

低血糖

 

もちろん、「血糖値が下がること=低血糖症」、というわけではありません。血糖値が下がること自体は健康な人でも起こりうることです。しかし、このような状態が頻繁に起こることにより、ホメオスターシスによって厳密におこなわれるべき血糖のコントロールが、だんだんうまくおこなわれなくなってしまいます。

そしてこの「血糖値のコントロールの乱れ」が原因でいろいろな症状が起きている場合を、「機能性低血糖症」というのです。

 

以上、抜粋終わり

簡単に言うと、

長期間に渡って、

血糖値の乱高下を繰り返していると、

コントロール機能が狂って、

低血糖症になってしまうということです。

うつ病からの脱出ー血糖調節のしくみ ー

今回は血糖調節のしくみというテーマでお伝えします。

著書『なぜあなたは食べすぎてしまうのか 低血糖症という病』から下記抜粋します。

生命を維持するはたらき‥生体恒常性(ホメオスターシス)

私たちの体は、体の中のいろいろな条件をつねに同じ状態に保とうとしています。

たとえば、夏の暑いときは汗をかいて熱を発散し、体温が上がりすぎないようにしていますし、冬の寒いときはブルプル震えて熱を産生し、体温が下がりすぎないようにして、1年中ほぼ同じ体温を保っているのです。体温が高すぎても低すぎても人間は死んでしまいますから、生きていくためにちょうどいい温度をつねに維持しようとしているわけです。

このような体のはたらきのことを「生体恒常性(ホメオスターシス)」といいます。

体温だけでなく、血圧や心拍数、発汗量や尿量、血液中のいろいろな物質の濃度など、ありとあらゆるものごとの調節が、ホメオスターシスによっておこなわれています。ホメオスターシスのおかげで、私たちは生きていくことができるのです。つまり、ホメオスターシスとは、とても大切な「生命維持装置」なのです。そして、「健康である」ということは、「ホメオスターシスが滞りなく正常にはたらいていること」と、いいかえることができるでしょう。

私たちの体には数え切れないほど多くのホメオスターシスがはたらいていますが、中でももっとも厳重にコントロールされるべきものが、血糖値です。血糖(血液中のグルコース)は、私たちが生きていくうえでとても大切であるため、空腹時で80〜100mg/dlというとてもせまい範囲の中に保たれています。食後では30〜60分で120〜140mg/dIくらいまで上昇しますが、1〜3時 間後にはまた空腹時のレベルにもどります。

このように大切な血糖値をいつ安定した状態にしておくために、体の中では多くの臓器が関係する綿密な血糖のコントロールがおこなわれているのです。

まず、私たちが糖を含めたエネルギー源をどのように得ているか、すなわち消化・吸収をどのようにおこなっているかをみていきましょう。

 

消化・吸収

私たちが食べものを食べると、口から入った食べものはかみくだかれ、胃から十二指腸、小腸をとおっていく途中で、消化液によって溶かされ、どろどろに混ぜ合わされ、細かい状態に分解ざれます。

消化された栄養素は、おもに小腸の粘膜から体内に吸収されていきます。口や胃から吸収されるものもあります。

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吸収された栄養素はまず肝臓にとどけられ、そこでいろいろな加工を受けて、全身に運ばれ、体を動かすためのエネルギーになったり、体の一部を作りかえるために利用されたりします。

消化されなかった食べもののカスや食物繊維、腸内細菌などが糞便となり、毎日のお通じとなって排泄されます。

糖質・脂質・タン白質は、消化をうけると最終的にそれぞれグルコース(ブドウ糖)・脂肪酸・アミノ酸に変えられます。

また、食物中の炭水化物(糖分)にはいろいろな種類がありますが、その分類を表に示しました。おおまかに、ごはんやパンといったでんぷんなどの多糖類と、砂糖などの二糖類、グルコース(ブドウ糖)などの単糖類にわけることができます。これらの糖分は消化されると基本的にすべてグルコース(ブドウ糖)になります。血液中のグルコースの濃度のことを血糖値というのです。

 

血糖値の調節

血糖値の調節には自律神経とホルモン(内分泌)、肝臓などのさまざまな臓器が関係しています。

まず、脳は自分自身のエネルギー源(=グルコース)を確保するため、血糖調節に関与しています。

 

◆視床下部による調節

血糖値が高いときは、すい臓からインスリンを分泌させ、血糖値を下げます。

血糖値が低いときは、副腎髄質ホルモン(アドレナリン・ノルアドレナリン)およびグルカゴンを分泌させ、血糖値を上げます。また脳下垂体を刺激して、副腎から副腎皮質ホルモン(コルチゾール)を分泌させ、血糖値を上げます。

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◆脳下垂体による調節

血糖値が低いときには、成長ホルモンを分泌し、血糖値を上げます。

また、視床下部からの指令を受けて副腎皮質刺激ホルモンを分泌し、副腎から副腎皮質ホルモン(コルチゾール)を分泌させ、血糖値を上げます。

また、血糖値の安定に大きな役目を果たしている臓器が、肝臓です。

以上、抜粋終わり

わたしはうつ病の方の中には、

かなりの方が、

実は低血糖症ではないかと、

考えていますので、

しばらく学問的な話になりますが、

身体の仕組みを理解しておくことは大事ですし、

低血糖症を理解するうえで、

必要な知識となりますので、

しばらくお付き合いください。

ひょっとしたら、

あなたのうつ病の原因が、

わかるかもしれませんよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うつ病からの脱出ー血糖値ってなに?ー

今回のテーマは血糖値ってなに?でお伝えします。

うつ病に関して、

血糖値の動きが関係していることがあるので、

今回このテーマを取り上げます。

著書『なぜあなたは食べすぎてしまうのか 低血糖症という病』から下記抜粋します。

血糖はとても大切なもの

突然ですが、あなたはどんなお仕事をしていますか?体をよくつかうお仕事ですか?そうでなければ、デスクワーク?やんちゃ盛りのお子さんの世話にいそがしいお母さん?それとも学生さんでしょうか?

また、休日にはなにをしてすごすのがお好きですか?スポーツ?映画鑑賞?それとも仲のいい友達とのおしゃべりに花を咲かせることでしょうか?

いきなりこんな質問からはじまって、一体なんのこと?と、お思いの方がほとんどだと思います。

じつは、私たちがふだん意識せずになにげなくおこなっているこれらの行動はすべて、私たちの「血糖値」に依存しているのです。

血糖値とは、私たちの血液の中に含まれている「グルコース(ブドウ糖)」という糖分の濃度のことです。

最初にやぶから棒に、仕事や趣味などについておたずねしたのは、これらの当たり前のことをおこなうにも、「血糖値がちょうどいい濃度に保たれている」ことが必要不可欠である、ということを知っていただきたかったからです。

血糖値がちょうどいい濃度に保たれていないと、このような「当たり前のこと」を「当たり前におこなう」ことが、とても難しくなってしまうのです。

 

血糖とは

やる気が起きない うつ症状がある だるい 疲れやすい いつでも眠い イライラする 怒りっ ぽくなる 動悸がする etc・・・

これらはすべて、「血糖値のコントロールがうまくいかない」ことによって起こりうる症状です(もちろんほかの原因で起こる場合もあります)。この場合の「うまくいかない」とは、〝血糖値が低くなってしまう〝状態を指します。

血糖(血液中のグルコース)は、私たち人間が生きていくためにもっとも利用しやすいエネルギー源です。

私たちが生きていくには、エネルギーが必要です。呼吸をするにも、心臓が鼓動を打つためにも、眠っているときでさえも、私たちはエネルギーを消費しています。細胞ひとつひとつがただ存在するというためだけにも、エネルギーは必要です。私たちの生命を維持するためには、エネルギーはなくてはならないものなのです。

当然、学校で授業を受ける、掃除機をかける、営業まわりをする際にもエネルギーは必要ですし、テーマパークに遊びに行く、ジョギングするなど、活発に体を動かす行動には、とくに多くのエネルギーを必要とします。

たとえ体を動かさなくても、私たちの「頭の中」での活動にも、エネルギーはつかわれます。とくに脳はエネルギーを多くつかう臓器として知られています。なにかを感じたり、考えたり、しゃべったり、笑ったりするにも、脳はエネルギーを消費しているのです。

人間のエネルギー源は

というわけで、私たちが元気で生きていくためには、エネルギーを得る必要があります。ではそのエネルギーとはどこからくるのでしょうか?

私たち人間にとってのエネルギー源は、食べものに含まれるいわゆる「三大栄養素」、つまり糖質(炭水化物)、脂質、タン白質です。中でもおもなエネルギーは糖質と脂質です。

私たちは、これら三大栄養素を分解したものを、細胞内の「ミトコンドリア」というエネルギー産生工場にほうりこんで、酸素と混ぜ合わせて燃やすことでエネルギーを得ています。

私たちの体は、食べものを食べると、吸収しやすいようにさらに細かい物質に分解していきます。これが消化です。これらの栄養素が消化され分解され、吸収されると、グルコース、遊離脂肪酸、アミノ酸などの物質になります。これらが全身のひとつひとつの細胞の中にとりこまれ、エネルギーとして利用されます。

いまご説明したように、人間がエネルギーとして利用できるのはグルコースだけではありません。必要に応じてこれらのエネルギー源をつかいわけて私たちの体はエネルギーを得ています。

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しかしここで重要なのは、

「私たちの脳は基本的に血糖(グルコース)しかエネルギーとして利用できない」

ということです。

長い飢餓状態など特殊な状況では、脂肪が分解されてできる「ケトン体」を利用することができますが、脳がふだんつかうエネルギーはグルコースだけなのです。

脳以外の体の組織でも、「一番利用しやすいエネルギー源」は血糖(グルコース)だといえます。つまり、血糖は一番手っとりばやくつかえるエネルギー源なのです。

ですから、私たちの体は、つねに血糖値が安定していることを望んでいます。血糖値が安定していると、エネルギーがスムーズに作られ、頭もよくはたらくし、体調もよいのです。とくに脳はグルコースをたくわえることができないので(40秒でつかいきってしまうといわれています)、脳のためには血糖値を安定した状態で保っておく必要があるわけです。

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このように血糖はとても大切なので、血糖値はつねに一定の範囲内(80〜100mg/dl)になるように、綿密な調節がおこなわれています。

しかし、さまざまな理由で、この大切な血糖値が安定しない、不安定になってしまう、という状態が引き起こされる場合があります。

この血糖値の変動、またはそれによるホルモンの失調などが原因でいろいろな症状が起きてしまう状態を、「機能性低血糖症」というのです(以下、低血糖症と呼びます)。

まず、血糖値がなぜ不安定になってしまうのかを説明する前に、私たちの血糖値がどのように調節されているかをみていきましょう。

 

以上、抜粋終わり

脳は糖分で動いているのは間違いありませんが、

最近ケトン体を使う方法がわかってきました。

これに関しては、

今回のテーマである低血糖症が終わった後に、

お伝えするつもりです。

しばらくはうつ病と深くかかわっている、

低血糖症をテーマにお伝えしていきます。

うつ病からの脱出ー向精神薬や精神医学に対する知識の集め方ー

今回は向精神薬や精神医学に対する知識の集め方についてお伝えします。

後半部分には病気で苦しまれた方の体験談を載せています。

著書『心の病に薬はいらない!』と『うつは食べ物が原因だった!』から下記抜粋します。

向精神薬や精神医学に対する知識の集め方

たとえば20年前、30年前は、本書のような知識を集めるのはなかなか大変でした。その当時であれば消費者団体や人権団体に相談するか、大きな図書館で精神医学に反対する思想を持った本を探すかせねばならず、少なくとも向精神薬で脳の機能を落とされている患者には到底無理なことでした。

しかし逆に言えば、そこまで精神医学が浸透していなかった、受診している患者数が少なかったといういい事情もあったのです。現代は情報ツールが豊富になる代わりに、精神医学洗脳や受診キャンペーンが急速に広まりました。情報を集める人はそれらを勘案して、「否定的な目線」で知識を集めねばなりません。

現代日本において、向精神薬を抜くための知識、精神医学に反対するための知識、精神医学をどうして100%否定できるのかという知識は、ほとんどインターネット上から得ることができます。

もしあなたがこの本を読んでさらに情報を集めたいと考えたときは、以下のサイトや動画を参考にしてください。

 

精神医学、一刀両断 http://blog.livedoor.jp/psyichbuster/

精神科医の犯罪を問う http://blogs.yahoo.co.jp/kebichan55

精神医療被害連絡会 http://seishiniryouhigai.web.fc2.com/seishiniryo/index.htm

精神医療被害当事者会・ハコブネ http://sns.prtis.jp/hakobune/login.html

全国自死遺族連絡会 http://ainokaisendai.web.fc2.com/renrakukai.html

ナルコノンのHP(グーグルなどで翻訳してみることが可能) http://www.narconon.org/

YouTube「向精神薬、抗うつ剤、製薬医療、医学の犯罪シリーズ1〜40」

YouTube「精神科は今日も、やりたい放題 内海聡医師 船瀬俊介」

YouTube「2012年4月10日精神医療被害の実態報告とその改善を求める記者会見」

YouTube「児童相談所の怖い話〜あなたの子供狩りに来る1〜4」

 

多剤併用は苦しんだ末に出会った栄養療法

私は10年間の闘病生活の末、栄養療法と出会いました。

それまで通院していた病院では、躁うつ病と診断されていました。そして、多剤併用による薬漬けの状態でした。

最初は、どうしようもない疲れを感じたことがきっかけでした。何日も眠ることができ ず、アルコールなども試して自分なりに努力したのですが、一向に改善しません。内科にかかるとうつ病との診断を下され、デブロメールとマイスリーが処方されました。

その後、心療内科に転院し、投薬を変更したところ、新たな症状があらわれました。薬の効果は感じるのですが、その後の活動がコントロールできず、イライラ感が出てくるのです。そうして下った診断が躁うつ病でした。

ここではトフラニールを中心に、最大13種類の薬が処方され、朝・昼・夕・寝る前と服用することになりました。 しかしやがて尿が出ない、太り出す(68kg→97kg)といった副作用があらわれ、トフラニールをジエイソロフトに変更。少し安定したかのように思えましたが、うつ症状は続いたため、トレドミンに変更。しかし明らかな改善が見られないため、ジプレキサを処方。それでも改善が見られないと、今度はリフレックスを処方……といった具合に、さまざまな薬が追加されていきました。

この組み合わせで投薬治療を受けていた頃 は、ほとんど寝たきり状態となり、今まで感じたことのない不安感を強く自覚するようになりました。あまりのつらさに別の精神科に 転院し、1年かかって4種類までの減薬に成功しました。

そんなとき、新聞広告で溝口先生の本を知ったのです。早速本を購入し、インターネットで情報を集めました。これまで自分が受けていた投薬だけの治療とは違う-そう感じて、クリニックに連絡しました。

私の診断は低血糖症でした。プロテインをはじめ8種類のサプリメントを飲み、強迫的な症状は2カ月半でほぼなくなりました。それから1年以上経過した今は、体調を崩してからの10年間で一番元気です。まだ滅薬の最中ですが、確実に効果が出ているのを感じています。

栄養療法は「とにかくすごい!」の一言に尽きます。私は10年間、大変な思いをして闘 病生活を送ってきました。その間2年ほどひきこもりだったこともあります。一般の医療を受けてきて、いいと思える日は一度もなく、当時は特定の4人の人にしか会うことができませんでしたが、今は100人以上の職場で働けるまでに回復しました。

栄養療法の改善には、時間がかかることもあります。私の場合もここまでくるのに1年かかりました。食べ物、飲み物をどう選ぶかなど、本当の意味で栄養療法が定着するようになるには、あと2、3年はかかると思います。でもその頃には本当に気分よく、気持ちも体も安定して過ごせるようになっていることでしょう。

薬に頼らず、今では人間らしく生きていける-この喜びを噛みしめています。 もし、この方法しか残されていないのであれば、ぜひ取り組むべきだと思います。

 

以上、抜粋終わり

今は情報の収集が昔と違って、

インターネットが発達したため、

簡単に調べることができますし、

たくさんのよい著書も探せばあります。

我々は恵まれた環境にあるのですから、

これを利用しないてはありません。

是非活用して、

知識武装をし、

自分や家族を守ってください。

それから精神疾患には栄養療法は有効です。

しかし現在の日本の栄養学はデタラメなので、

参考にしないでください。

逆に身体を病気にしてしまうことになります。

それこと正しい情報をインターネットや著書から、

あなた自身の力で探し、

知識を得てください。