うつ病からの脱出ーパニック障害 2ー

今回は同テーマの第2弾です。

著書『なぜあなたは食べすぎてしまうのか 低血糖症』から下記抜粋します。

- 動睦と不安、そしてイライラ -

田代光子さん(仮名)64

田代さんは、二人のお孫さんをお持ちの主婦です。

田代さんは60才を過ぎたころから、疲れやすく、なにをするにもおっくうになりました。風邪を引きやすくなり、また治るのに時間がかかるようになりました。下痢や軟便が続き、膀胱炎も起こしやすくなりました。膀胱炎から腎孟炎になり、高熱が出て入院したこともあります。

2年前から、動悸と不安の発作が起きるようになりました。動悸の発作は突然起こり、自分ではどうにもなりません。このままでは死ぬのではないかと思い、夜中に救急車で運ばれたことも何度かあります。一度はそのまま入院して、血液検査や心電図、脳波、脳のMRIなど、数々の検査を受けましたが、とくに問題はないといわれました。精神安定剤をもらいましたが、気休めのようにしか感じられませんでした。

去年の9月から胃の調子が悪く、胃カメラをおこなったところ、軽い胃炎がありましたが、胃薬を飲んで症状はよくなりました。

来院時の症状は、つねに手足が冷たく冷えており、疲れやすさと、不安な気持ちがいつもあるというものでした。血圧が不安定で、高くなったり低くなったりします。ときどき手のふるえがあります。気力もわかず、以前は楽しかったお孫さんの世話も、体力が続かないため今は思うようにできなくなりました。また、ちょっとしたことでイライラするので、気持ちも落ち着きません。ご家族の方にいわせると、以前に比べてとても怒りっぽくなり、性格が変わってしまったみたいだ、とのことです。

病院でいろいろな検査をしても原因がわからず、薬を飲んでもよくならないため、困ったご家旗の方が当クリニックを探し、受診されました。

【既往歴】

52才で子宮筋腫のため子宮および両卵巣摘出

【家族歴】

祖母:子宮がん おば:乳がん

【初診時現症】

身長:155cm 体重:45kg 血圧:130/80mmHg

【食事の傾向】

ご主人が腎臓病のためタン白質を制限する食事療法をおこなっており、田代さんもそれに合わせて10年以上タン白質を控えた食事法をしていたそうです。食事の内容は白米やパン、めん類など、炭水化物にかたよったものでした。

【診断と治療】

田代さんの血液データは、ヘモグロビンが基準値を下回っており、明らかな貧血状態でした。また、総タン白6・2より低蛋白血症であり、閉経後であるにもかかわらずフェリチンが低く、鉄欠乏の状態でした。ほかのデータから、ビタミンB群の不足、カルシウム・マグネシウムの不足なども疑われ、コレステロールも低めであり、複合的な栄養失調の状態であると判断されました。ピロリ菌の抗体があり、ペプシノーゲンI/Ⅱ比が1・8と低いことから、ピロリ菌による萎縮性胃炎があると考えられました。

フルクトサミンの低値と食事内容から、低血糖症が疑われましたが、田代さんが希望しなかったため、糖負荷試験はおこないませんでした。

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治療のために、低GI・高タン白・高食物繊維の食事指導をおこないました。とくにタン白質をしっかり食べるように指導しました。

また、ピロリ菌による萎縮性胃炎が栄養失調の原因のひとつと考えられたため、抗生物質と制酸剤によるピロリ菌の除菌をおこないました。

そして栄養失調の改善のために、プロテイン・アミノ酸・ビタミンB群・ヘム鉄・ビタミンC.カルシウム・マグネシウムのサプリメントを処方しました。

【経過】

3ケ月後の受診時に、田代さんは、症状が大きく改善したことを教えてくれました。

まず、不安や動悸の発作はほとんど出なくなりました。体力がつき、疲れにくくなったとのことです。立ちくらみやめまいはなくなり、血圧も安定しているようです。イライラや怒りっぽさ、抑うつ症状などの精神的な症状もなくなり、精神的にも落ち着きをとりもどしたそうです。胃腸の調子もよく、下痢をすることもなくなり、以前より食欲が出てきました。お肌にも張りやつやが出て、血色がとてもよくなりました。冷え性はまだありますが、以前に比べるとだいぶ軽くなったとのことです。

貧血が改善し、総タン白や尿素窒素、コレステロール、フェリチンなどはすべて上昇し、栄養状態が改善していることを示しています。グルコース・フルクトサミンの上昇は、低血糖の兆候が改善したことを意味します。また、ピロリ菌抗原は陰性となり、ペプシノーゲンのI/Ⅱ比も上昇し、萎縮性胃炎が改善しています。

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以上、抜粋終わり

この症例でも

やはり栄養状態に

問題が見られますね。

この治療の解説は次回にします。

お楽しみに!

 

 

うつ病からの脱出ーパニック障害 1ー

今回はパニック障害というテーマでお伝えします。

著書『なぜあなたは食べすぎてしまうのか 低血糖症という病』から下記抜粋します。

- わけもなく不安になる -

小沢加奈子さん(仮名)22

小沢さんは今年の春就職したばかりの、おしゃれな新人OLさんです。

小沢さんは、大学を卒業する半年くらい前から、情緒不安定になりました。わけもなく落ち込み、泣いてしまうこともたびたびでした。なにがきっかけかはよくわからないのですが、突然動悸がはじまり、不安になってしまうのです。ときどきそれがひどくなると、どうしたらいいのかわからなくなって恐怖感に襲われ、過呼吸になり、パニック発作を起こしてしまいます。そんなときに自分には価値がないと強く感じてしまい、絶望的になって、発作的にリストカットをしたこともあります。

もともと小沢さんは友達も多く社交的で、それまでそのような症状を感じたことはありませんでした。しかし、就職活動の時期からかなり忙しく、ストレスが多かったことは確かです。睡眠時閲も短くなり、食事もおろそかになっていたそうです。就職してからも、ハードで忙しい毎日を送っていました。しかし今は、このような症状で会社を休むことが多くなったため、休職しています。また発作が出るかもしれないと思うと、外に出るのが怖くなってしまい、家から出られなくなりました。

精神科に行ってみると、「パニック障害」と診断され、精神安定剤を処方されました。薬を飲んでみましたが、あまり効果が感じられず、3日でやめてしまいました。はかにも疲れやすい、冷え性、頭痛、立ちくらみ、めまいなどの症状があったので、漢方薬も試してみました。冷え性は改善しましたが、精神的な症状には効果がないようでした。

月経の前の1週間に、とくに症状がつらいということに気がついたので、婦人科にも行ってみました。月経痛がひどいので、痛み止めと、やはり精神安定剤を処方されました。ピルの服用をすすめられましたが、ホルモン剤を飲むことに抵抗があったので、飲みませんでした。

そんな中、ご家族がインターネットで当クリニックを探し出し、受診されました。

【既往歴】

大きな病気:なし 月経周期:不順・月経痛あり(強い)

【家族歴】

祖母:糖尿病

【初診時現症】

身長:158cm 体重:51kg

【診断】

小沢さんの血液データをみると、尿素窒素が6・8mg/dlと低く、タン白質の摂取量がとても少ないことがわかりました。また、亜鉛が低いことから、亜鉛の不足があると考えられました。ヘモグロビンは一見問題ない数値ですが、フェリチンが低いことから、隠れた鉄の不足があると考えられました。ほかにもビタミンB群の不足、カルシウムの不足なども疑われ、複合的な栄養失調の状態であると判断しました。これらの栄養失調が、小沢さんの持ついろいろな症状に関係していると考えられました。もともと和食中心できちんと食事をするほうでしたが、ここ1年は多忙のため、食事がおろそかになり、食事の代わりにスナック菓子などを食べることも多かったそうです。

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また、グルコース・グリコアルブミン・カリウムの低値から、低血糖症が疑われたため、5時間糖負荷試験をおこないました。

【5時間糖負荷試験結果】

5時間糖負荷試験の結果、反応性低血糖症と診断されました。血糖値の上昇は比較的問題ありませんが、90分から120分にかけての血糖値の低下がやや急激であり、240分で空腹時血糖値の80%以下に低下しています。このように血糖値が下がったときに、血糖値を上げるホルモンであるアドレナリン・ノルアドレナリンが分泌されると、パニック発作が出ると考えられます。

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【治療】

血糖値の安定をはかるため、あまいものやスナック菓子はやめ、低GI・高食物繊維の食事指導をおこないました。とくにタン白質の不足が強かったので、タン白質を積極的に食べるようにしてもらいました。血糖値の安定のために、チーズやナッツなどで間食を積極的にとってもらうようにしました。調子がいいときには、ウオーキングなど、食後の運動をおこなってもらいました。また、ストレスになるようなことを避け、リラックス方法を工夫するように指導しました。

そして、栄養失調を改善するために、プロテイン・ビタミンB群・ナイアシン(ビタミンB3)・ヘム鉄・ビタミンC・ビタミンE・カルシウム・マグネシウム・亜鉛のサプリメントを処方しました。

【経過】

治療を開始してから1〜2ケ月で、小沢さんの症状の多くは改善しました。

まず、落ち込みにくくなり、精神的にとても楽になったそうです。リストカットもしなくなりました。以前のように活発に行動できるようになり、家族から「今日はいったい何時に帰ってくるの?」と心配されるほど、外に出ることが多くなったとのことです。いろいろ考えた末に、仕事はやめました。以前の小沢さんだったら、そんなとき自分を責めてしまい、自己嫌悪におちいって悲観的になっていたと考えられますが、「まあ、いいかと思えるようになったとのことです。

そんなふうに調子がよかったところに、しばらく我慢していたケーキを食べたら、パニック発作が出たので驚いたそうです。あまいものなどを食べることによって起こる低血糖が、それまでの症状の原因になっていたということを実感し、それからは自然とあまいものを食べたくなくなったそうです。

血液データの変化は、まず尿素窒素の上昇より、タン白質をかなりしっかり食べることができていることがわかります。フェリチンや亜鉛も上昇していることから、ミネラルがしっかり吸収されているようです。これらの栄養不足が改善されると、多くの不定愁訴(疲れやすい・むくみやすいなど)は改善されていきます。血糖値の平均を示すグリコアルブミンは少し低下していますが、これはあまいものや精製した炭水化物を食べないようにすると血糖値の上昇の程度が少なくなるため、平均値としては低下したものと考えられます。

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以上、抜粋終わり

私はパニック障害も、

低血糖症が絡んでいるのではないかと考えています。

該当する方は一度考慮してみてください。

 

うつ病からの脱出ー月経前症候群(PMS)4ー

今回は同テーマの第4弾です。

前回の続きになります。

著書『なぜあなたは食べすぎてしまうのか 低血糖症という病』から下記抜粋します。

血糖値が急激に上昇すると、それを下げるためにインスリンが過剰に分泌され、いったん上がった血糖値は急激に低下します。血糖値がとても速く下がってしまう、またはとても低くなってしまうことによって、体は危機感を感じます。そうなると今度は、血糖値を上げようとするため、いろいろなホルモンを分泌します。

血糖値を上げるホルモンにはいろいろありますが、中でもアドレナリンやノルアドレナリンなどのいわゆる「攻撃ホルモン」が分泌されることにより、イライラする・キレやすい・怒りっぽい・攻撃的になる・暴力的になるなどの症状や、不安・恐怖感・焦燥感・悲しみ・自殺企図などの症状が起こります。これがすなわちPMSの精神的症状である、イライラや攻撃的になるなどの症状の原因となっているのです。

もちろん低血糖症では、これらの症状は男女に関係なく起こることがありますし、女性でも月経周期とは関係なく起こる場合もあります。しかし女性の場合、とくに月経前にこのような血糖値の変動が起こりやすい、といわれています。ここにやはり女性特有のホルモンバランスが深く関与しています。黄体期に起こるエストロゲンとプロゲステロンのアンバランスによって、自律神経の乱れが起こりやすくなるために、これらの症状が出現すると考えられるのです。

私にいわせるとPMSとは、ひとつの典型的な「ホメオスターシスの乱れ」をあらわす病気です。栄養失調や血糖調節の異常などの原因によって、ホメオスターシス、いいかえれば「体内環境」が乱れているところに、排卵のある女性なら誰でも起こりうるホルモンの変動が「ダメ押し」をすることで、症状が出現するかどうかのギリギリのラインをオーバーしてしまい、症状があらわれる、と私は考えています。

話はそれますが、PMSにかぎらず、産後うつ症や更年期障害にも同じことがいえます。PMSと同様に、これらの病態にもホルモンバランスの劇的を変化が関係していますが、ホルモンバランスが乱れても、必ずしも誰もが症状を起こすとはかぎりません。やはりこれらの病態も、根底にホメオスターシスの乱れが存在し、ホルモンバランスの乱れがそこにくわわることによって症状が起こる、と考えられます。

ホルモンバランスについてはこの本の主題ではないので割愛しますが、私はPMSに関係していると考えられるホルモンバランスの乱れも、栄養失調と低血糖症から起きていると考えています。私の経験では、ホルモンバランスの乱れによって起こると考えられる、精神的な症状以外の身体的症状、すなわち、むくみや腹痛、乳房の張りなども、栄養失調と低血糖症を治療すると改善されることがほとんどだからです。

というわけで、私のクリニックにおいてPMSの治療の中心となるのは、栄糞失調の治療、すなわちサプリメントによる栄養療法と、低血糖症の治療、すなわち食事療法です。

これらの治療をおこなうと、PMSの患者さんのほとんどで、大幅な症状の改善がみられます。効果の大きい場合、PMS/PMDDチェックリストが3ケ月で50点から0点に近い状態になった人もいます。もちろん、PMSの患者さん全員がそのように「けろっと」よくなるわけではなく、個人差がありますが、そこまで劇的ではない場合でも、チェックリストの点数は半分以下にはなる場合がほとんどです。

逆にいうとPMSは、病態の程度が「ホメオスターシスの乱れ」のレベルでとどまっている典型的な「機能性レベルの疾患」であり、「器質的な疾患」には至っていないので、改善するのも早いのです。

PMSの具体的な治療方法については、治療の項を参考にしてください。

できれば血液検査や5時間糖負荷試験をおこない、栄養療法の専門家の指導の下、治療をおこなうことをおすすめします。

もちろん、栄養失調と低血糖症以外の原因が深く関与している場合もありますので、必要に応じて検査をおこない、原因を究明し、原因に応じた治療をおこなう必要があります。

 

以上、抜粋終わり

私はこの原因は、

栄養状態の問題だと考えています。

それと食べ物から入ってきた、

毒物の蓄積も関係していると

考えています。

特に女性は、

身体に入った毒物を、

子宮に溜め込みます。

それを月経で出し、

身体の浄化を図っています。

この身体に溜まった毒物の量の多さによって、

月経前や月経時に現れる症状の重さが

変わるのではないかと考えています。

以前私の妻は

月経前や月経時の

心身の症状が重くて、

寝込んでしまい、

活動に支障するくらいでしたが、

最近は定期的な経絡治療と、

食事を玄米と野菜中心の内容に変えてから、

以前よりもかなり症状が改善され、

痛み止めが離せなかったのですが、

最近は症状が軽く、

寝込むこともなくなり、

言わなければ、

私も生理だとわからないくらい、

平常に近い状態に、

身体変化しました。

これは経絡治療と食事の改善により、

体質が変わったからだと思います。

つまり、食事や何らかの方法で、

体質を変えれば、

PMSは改善できるということです。

そしてPMSの中に、

私自身も

栄養状態からくる

低血糖症も

隠れていると考えています。

 

我が家のある日の夕食

私は書いてるブログは

食事のことが多いので、

では私は日頃どんなものを

食べているのかを

少し公開します。

下の写真は1月14日の夕食です。

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家では動物性タンパク質は卵だけです。

何を作ったのかは忘れてしまいましたが、

自分で作った野菜も入っています。

人参サラダは自家菜園で採れたものです。

ご飯は玄米でチャーハンを作ったのだと思います。

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上の写真は1月21日の夕食です。

野菜中心で、お肉は家では食べません。

外食で出されたときだけいただいてます。

ご飯は玄米です。

休みに日は時間があるので、

3時間くらいかけて、

料理の本をみながら、

新しいメニューに挑戦しています。

基本的にうちは質素です。

 

うつ病からの脱出ー月経前症候群(PMS)3ー

今回は同テーマの第3弾です。

著書『なぜあなたは食べすぎてしまうのか 低血糖症という病』から下記抜粋します。

月経前症候群とは

月経前症候群(Premenstrual Syndrome:PMS)とは、毎月の排卵後からはじまり月経後には消失するさまざまな症状を呈する症候群です。

イライラする、攻撃的になる、憂うつになる、涙もろくなる、などの精神的な症状から、乳房の張りやむくみ、腹痛、頭痛などの身体的な症状まで、じつにいろいろな症状があり、個人差も大きいのが特徴です。

宮本さんや橋口さんのように攻撃的になるタイプでは、まわりの人間関係に悪影響をおよぼすこともあり、PMSが原因で離婚した、などというケースも、最近では珍しくありません。PMSであることを自覚していない人も含めれば、かなり多くの女性がPMSに悩まされていると考えられます。

イギリスでは女性の犯罪の減刑理由のひとつとして認められているほど、社会的に認知されている PMSですが、日本では最近ようやく認知されてきた病態であり、現代医学的には今のところはっきりした原因はわかっていません。つまり、これといった治療法がない、ということです。

現在、産婦人科などでは、おもなPMSの治療として、女性ホルモンのバランスを整えることを目的に、避妊用ピルが使われています。漢方薬を処方することもありますし、うつ症状があるときには抗うつ剤などもつかわれます。これらの治療でよくなる場合もありますが、私の経験では、よくならない場合のほうが多いのです。とくに重症であればあるほどこれらの薬が効きにくく、ピルなどではかえって具合が悪くなる人もいらっしゃいます。

このやっかいなPMSの正体は、いったいなんなのでしょうか?

PMSについて考えるには、まず月経のしくみについて知る必要があります。

正常な月経のある女性は、月経の開始日からおよそ2週間後に排卵し、妊娠しなければ排卵の約2週間後につぎの月経がくる、という周期をくりかえしています(28日周期の場合)。月経がはじまってから排卵するまでの期間を「卵胞期」(基礎体温でいう低温期)、排卵してから月経がくるまでの期間を「黄体期」(基礎体温でいう高温期)といいます。

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卵巣から分泌される女性ホルモンには、卵胞期と黄体期の両方で分泌される「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と、黄体期のみに分泌される「プロゲステロン(黄体ホルモン)」 の2種類があります。

PMSは黄体期にのみ症状が起こるのが特徴であり、卵胞期にも症状が起こる場合にはPMSではない、ということになります。

この黄体期に卵巣から多く分泌されるホルモンがプロゲステロンであるため、一般的には「プロゲステロンの存在」 がPMSの原因であると考えられていることが多いようです。しかし、アメリカやヨーロッパの内分泌専門医の意見はこれとはちがい、「プロゲステロンの不足」がPMSの原因のひとつであるという考え方が共通認識になっています。

たしかにこれらのホルモンバランスの乱れがPMSの原因と考えられますが、それはあくまでも原因のひとつであり、実際にはPMSはじつに多くの要因がかさなることによって引き起こされる病態であるといわれています。アメリカの研究者であるリネヤ・ハーン氏は、表に示したように、PMSの原因には非常に多くの要因があると述べています。

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③の「砂糖のとりすぎ」は低血糖症にあたりますし、④の「ビタミン・ミネラルの不足」は栄養失調にあたります。これにくわえて、現代においては、「環境ホルモン」も原因のひとつになっていると考えられます。

このようにPMSの原因は単純ではなく、多くの要因が複雑にからみあっていると考えられるのです。

そしていうまでもなく、これらの中でも私がとくに主要な原因であると考えているのが、「隠れ栄養失調」と「低血糖症」です。

現代人はお腹いっぱい食べているつもりでも食品中の栄養価が低下しているため、隠れた栄養失調がある場合が多いのです。実際に、PMSの症状はビタミンやミネラルの欠乏症状と非常に似かよっています。

これらの栄養失調を、治療用のサプリメントを用いた 栄養療法で治療していくことによって、多くの場合PM Sの症状は改善します。こういった事実から、PMSの原因のひとつは栄養失調である、ということができます。

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そして、低血糖症もまたPMSの病態の形成に大きくかかわっています。

何度もご説明しているように、脳細胞のエネルギー源は基本的に血糖だけなので、私たちの体はつねに血糖値を一定に保っていなければなりません。

しかし、精製された糖分、すなわちあまい食べものや飲みもの、白米や白パン、スナック菓子などの精製された糖分を多く飲んだり食べたりすることは、血糖値の急激な上昇を招いてしまいます。

以上、抜粋終わり

この続きは次回にします。

うつ病からの脱出ー月経前症候群(PMS)2ー

今回は同テーマの第2弾です。

著書『なぜあなたは食べすぎてしまうのか 低血糖症という病』から下記抜粋します。

- 月経前になると、泣く・怒鳴る・暴れる -

橋口京子さん(仮名)35

橋口さんは商社にお勤めのOLさんです。

20代の頃から、月経の前になるとイライラする、落ち込む、集中力が低下する、などの症状を感じていました。ここ4年ほどで症状がひどくなり、イライラする、怒りっぽくなり同居する家族を怒鳴ってしまう、ひどいときは物を投げたり壊したりする、などの症状が起きるようになりました。そうかと思えば落ち込みもひどく、不安、悲しい気持ちになり、わけもなく泣いてしまうこともあります。その時期になると頭にもやがかかったようになり、考えがまとまらず、集中力も低下してしまいます。月経後の時期にくらべると仕事のミスが確実に増えてしまうのです。

また、月経前や月経中になると気持ちが悪くなり、ひどいと嘔吐してしまいます。月経前の腹痛や頭痛、乳房の張り、体のむくみなども前よりひどくなっているようです。

困った橋口さんはインターネットで当クリニックをみつけ、受診されました。

【既往歴】

乳腺繊維腫(経過観察のみ) 月経周期‥28日

【家族歴】

父‥糖尿病

【初診時現症】

身長:158cm 体重:55kg  BMI:22

PMS/PMDDチェックリスト‥67点

【診断】

血液データでは、まず貧血の傾向があることがわかります。貧血にはいろいろな原因がありますが、子宮筋腫で出血の量が多いなどの原因を除けば、血液の材料不足、つまり栄養失調の結果であることが多いのです。橋口さんのデータからは、尿素窒素が低めであることから、タン白質の摂取量が不足していること、フェリチンが低いことから、鉄欠乏であることがわかります。これらの栄養素が長期にわたって不足すると、貧血になってしまいます。GOT・GPTのバランスは、ビタミンB群の欠乏状態があることを示唆しています。これらのデータから、複合的な栄養失調状態であると診断されました。

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また、症状からは低血糖症が強く疑われました。空腹時の血糖値(グルコース)はやや低め程度ですが、グリコアルブミンが低めであること、BMIが標準であるにもかかわらず空腹時のインスリンがやや高めであることからも、低血糖症が疑われました。

BMIとは体重と身長の関係から算出した、 ヒトの肥満度をあらわす指数です。体重÷(身長×身長)という計算式で求めます。このとき 身長の単位はメートルで計算してください。B MIが22で標準、25以上だと肥満ということになります。

確定診断のため、5時間糖負荷試験をおこないました。

【5時間糖負荷試験結果】

5時間糖負荷試験の結果、血糖値の乱高下がかなり激しい反応性低血糖症ということがわかりました。まずブドウ糖を飲んで50分後の血糖値が、200mg/dl近くまで上昇している ことから、血糖値が急激に上昇しやすい体質であることがわかります。急上昇した血糖値を下げるため、インスリンが強烈に分泌されており、最高値で165μU/mlもの過剰分泌がおこなわれています。しかしそれでも血糖値をなかなか下げられないため、インスリン過剰分泌は持続し、ブドウ糖を飲んで180分から240分にかけて、 やっと血糖値が116mg/dlから51mg/dlまで低下しています。しかしこの血糖値の急降下は、1時間で65mg/dlとかなり強烈です。このため、それに対する血糖値を上げるホルモンの分泌もかなり強烈におこなわれていることが予想されます。 また、120分での血糖値が140mg/dlを超えているため、低血糖症であると同時に、境界型の糖尿病である可能性があります。

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【治療】

橋口さんの場合、血糖値が急激に上がりやすい体質と考えられるため、炭水化物(糖分)は一切やめるように指導しました。おかずを中心に、低GI・高タン白・高食物繊維の食事指導をおこないました。そして食後の運動をおこなってもらうようにしました。

同時に栄養失調の改善のために、プロテイン・アミノ酸・ビタミンB群・ ビタミンC・ヘム鉄・ビタミンE・カルシウム・マグネシウム・亜鉛のサプリメントを処方しました。

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【経過】

治療をはじめて2ケ月ほどで、月経前のイライラが軽くなってきました。しばらく白米を食べないでいたら、たまに食べた翌日に不安な気持ちになることに気がつきました。3ケ月後に来院したとき、PMS/PMDDチェックリストは、67点から23点に減少していました。イライラや落ち込みがまったくなくなったわけではありませんが、以前に比べるとまったく違うとのことです。

血液データの結果も改善がみられました。

まず、貧血が改善しています。これはタン白質やビタミン・ミネラルなどの血液の材料を補ったためです。尿素窒素の上昇はタン白質の摂取量が増えたことを、GOT・GPTの上昇はビタミンB群が充足しつつあることを示します。フェリチンの上昇は、貯蔵鉄の不足が改善しつつあることを示しています。

血糖値の平均を意味するグリコアルブミンは低下していますが、これは精製された糖質を控えることにより、血糖値の上昇がマイルドになり、血糖値の平均としては下がったためと考えられます。しかし空腹時のインスリン値は上昇傾向にあり、インスリン過剰分泌が増悪していることがうたが疑われます。

これ以上インスリン抵抗性(そしてそれに伴うインスリン過剰分泌)が悪化しないよう、糖分はさらに厳密に制限することが必要です。また、インスリン抵抗性を改善するには、食後の運動と、肥満の場合は減量をおこなう必要があります。

 

以上、抜粋終わり

女性は月経前になると

いろいろと心身の不調が出る方が多いですね。

私は栄養状態が関係していると考えています。

月経前に不調が多い人は、

一度食事内容を見直してみてください。

 

うつ病からの脱出ー月経前症候群(PMS)1ー

今回は月経前症候群(PMS)というテーマでお伝えします。

著書『なぜあなたは食べすぎてしまうのか 低血糖症という病』から下記抜粋します。

―月経前になるとお母さんが変わってしまう―

官本あすかさん(仮名)31才

 

宮本さんは5才の男の子をお持ちの、はたらくお母さんです。

10年ほど前から、月経の前になるとイライラする、という症状がはじまりました。ここ2年でイライラがひどくなり、そうかと思えば逆に落ち込んで悲しくなったりと、とても情緒不安定な状態になりました。月経が終わった直後だったらまったく気にならないような些細なことも、月経が近づいてくるとやけに気になってしまい、すぐにイライラし、カッとなってしまいます。そのせいで子どもを必要以上にしかりつけたり、夫に八つ当たりしてケンカをしてしまうことが多くなりました。とくに子どもにつらくあたってしまったあとは、ひどく後悔して落ち込むこともしばしばでした。よくないとわかっていても、自分の感情をコントロールすることがどうしてもできないのです。

ほかにも、意欲がなくなる、食欲が増す、足のむくみ、お腹の張りと痛み、だるさ、頭痛、などの症状がありました。

これらの症状は、生理の2週間〜10日前になるとあらわれ、生理がはじまってしばらくするとなくなりました。宮本さんにとって体調がいいと思えるのは、生理がはじまって2週間ほどの間だけでした。その間だけは、夫や子どもに優しく接することができました。でもその時期がすぎるとまた、イライラして攻撃的になったり、わけもなく悲しくなって泣いてしまったりと、つらい日々がはじまります。いつの聞にか、生理前になると、夫と子どもは宮本さんを腫れ物にさわるように扱うように怒り、家族の関係がぎくしゃくしはじめてしまいました。

困った宮本さんは、うつ病ではないかと思い、心療内科に行きました。抗うつ剤を処方されましたが、便秘や躁状態になるなど、副作用が起こったため、怖くなって飲むのをやめてしまいました。

その後、雑誌で月経前症候群(以下PMSと呼ぶ)という病気があることを知り、治るかもしれないという希望を抱いて、産婦人科に行きました。産婦人科ではピルを処方されましたが、症状は改善しませんでした。むしろ、吐き気がする、むくみが強くなるなど、症状が悪くなったように感じました。ピルをやめて漢方薬を試してみましたが、効果はよくわかりませんでした。

困り果てた宮本さんは、インターネットで当クリニックを探し出し、受診されました。

【既往歴】

大きな病気:なし 月経周期:28日・月経痛あり 妊娠1回・出産1回

【家族歴】

祖父:脳梗塞

【初診時現症】

身長:162cm 体重:52kg

PMS/PMDDチェックリスト(81ページ):44点

【診断】

宮本さんの空腹時の血液データは、血糖値が低めであること(空腹時血糖の理想は90mg/dl前後)、また遊離脂肪酸が高く、尿中ケトン体が陽性であることから、低血糖症を強く疑わせるものでした。この血糖調節の問題が、症状に深く関係していることが予想されました。

また、GOT・GPTのバランスは、ビタミンB群の強い不足があることを示唆しています。尿素窒素が低めであることから、タン白質の摂取量も不足していると考えられました。フェリチンも低めであり、軽度の鉄不足があると考えられました。これらのデータを総合して、複合的な栄養失調状態であると診断しました。

そして低血糖症の確定診断のため、5時間糖負荷試験をおこないました。

【5時間糖負荷試験結果】

宮本さんの5時間糖負荷試験の結果から、反応性低血糖症ということがわかりました。ブドウ糖を飲んで50分後の血糖値の上がり方には問題ありませんが、その後だらだらと血糖値を十分に下げられない状態が続いています。そして180分から240分にかけての1時間で、血糖値はいきなり49mg/dlに低下しています。この点で低血糖症の診断基準を満たしています。この血糖値、の急降下が、脳への危険信号となり、アドレナリン・ノルアドレナリンを分泌させ、PMSの症状を起こしていることが予想されます。

【治療】

PMSの症状の原因に低血糖症が深く関係していると考えられるため、血糖値の安定をはかる目的で、低GI・高タン百・高食物繊維の食事指導をおこないました。調子がいいときには体を動かす家事やウオーキングなど、運動を積極的におこなってもらうようにしました。

また、タン白質や鉄、ビタミンB群などの栄養素の不足は、自律神経やホルモンのバランスを乱し、さまざまなPMSの症状を作り出すことに関係しています。これらの栄養失調の改善のために、プロテイン・アミノ酸・ビタミンB群・ナイアシン(ビタミンB3)・ビタミンC・ヘム鉄・ビタミンE・カルシウム・マグネシウム・亜鉛のサプリメントを処方しました。

【経過】

治療をはじめて3ケ月目の月経前の時期になったとき、宮本さんは症状が劇的に改善したのを感じました。自分ではどうすることもできなかったあのイライラ感や情緒不安定さが、ほとんどといっていいほどなくなったのです。あまりにも気分がちがうので、宮本さん自身も、家族の方もビックリしたそうです。頭痛やお腹の張りなども楽になりました。PMS/PMDDチェックリストは、なんと44点から3点に減少していました。月経前になるとあれだけ鬱々とし、家の中が暗かったことがうそのようです。

血液データの結果もとてもよく改善されていました。まず、空腹時血糖値が88と、ちょうどよいレベルに上昇しています。また、遊離脂肪酸が低下し、尿中ケトン体が陰性になっています。これは低血糖により引き起こされていた脂肪異化が改善したことを意味します。つまり血糖値が安定してきたということを意味しているのです。 GOT・GPTのバランスは、ビタミンB群が充足しつつあることを示します。尿素窒素はまだ低めなので、もう少しタン白質の摂取量を増やすとさらに元気になるでしょう。

 

以上、抜粋終わり

上記の症例は、

月経前症候群という病気の中に、

低血糖症が潜んでいた症例です。

このように低血糖症は、

いろんな病気の中に隠れている場合が多いです。

なのでわかりずらいのですが、

きちんとした知識を持てば、

わかります。

まずは知識のきちんと習得して、

自分の状態が該当するのかどうかを、

きちんと見極めてください。

オーラ写真

一昨日鑑賞した映画の場所で、

オーラ写真があったので、

撮ってもらう機会を得ました。

数年ぶりに撮ってもらい、

どう変化しているか愉しみでした。

IMG_0245

結果は上の写真のとおり、

緑と青でした。

それと精神・肉体・心のバランスも出ていました。

精神が43%、

肉体が22%、

心が35%でした。

それと交感神経と副交感神経のバランスも出てました。

交感神経が41%

副交感神経が56%でした。

全体的にまあまあのバランスですかね。

それぞれの色の意味は、

説明書をもらったので、

私に関する色を下記に書きます。

緑の意味は、

癒しと繋がった気質を持つ人。

多情多感で、

道徳的で礼儀正しく、

責任感も強い。

言い訳や中途半端な行動は嫌い。

人に教えたり、

癒したりする職業で力を発揮します。

保守的になりすぎないように

開放的で愉快な黄色のエネルギーを

補ってください。

卓球などの球技、

レクリエーション

縄跳びなど

開放的な運動で

健康対策を。

 

青の意味は、

洞察力があり客観的な思考を持つ。

知的で冷静な性格で、

心配りがよく家庭的です。

自己管理能力い優れています。

保守的な頑固な面があり、

感情を隠します。

大きな組織を率いたり、

学問的な成果を成すために

このエネルギーを使うと良いでしょう。

剣道、柔道、上半身強化運動が合います。

行動力を高めて仕事のしすぎには注意。

 

以上ですが、

いいことばかり書いてますよね。

当たってるかどうかは別にして、

うれしい内容でした。

みなさんも機会があれば、

撮られてみると面白いかも?

うつ病からの脱出ー低血糖症によりおこるさまざまな症状 2ー

今回は同テーマの第2弾です。

著書『なぜあなたは食べすぎてしまうのか 低血糖症という病』から下記抜粋します。

  •  痛み・頭痛

低血糖症では、体のどこかに痛みの症状があらわれることがあります。これはアドレナリンが血管を収縮させるためといわれています。多いのは頭痛ですが、腰痛やひざの痛みなどとしてあらわれることもあり、人によってあらわれる場所がちがうようです。頭痛が起きる原因は、低血糖から脳を守るために脳の血管が拡張するためともいわれています。

ある患者さんは、低血糖症の治療をおこなってある程度症状がよくなってきたところに、久しぶりにパスタを食べたら、突然悲しくなって涙がポロポロ流れ、同時に腰が痛くなった、ということを教えてくれました。血糖値が安定する食事をすることで、痛みの症状が改善する人が多いのです。

 

  • 不眠

 

低血糖症ではアドレナリン・ノルアドレナリンが分泌されることにより、交感神経が優位な状態となります。このため、リラックスできない、動悸がする、不眠などの症状が起こります。

自律神経には「昼の神経」と呼ばれる交感神経、「夜の神経」と呼ばれる副交感神経があります。これはいうなればアクセルとブレーキのようなものです。

昼間活発に活動するためには交感神経が適度に緊張していることが必要ですが、夜リラックスして休息するためには、交感神経優位から副交感神経優位にモードが切り替わる必要があります。このバランスが乱れた状態がいわゆる「自律神経失調症」です。

質のよい睡眠を得るためには、夜は副交感神経優位になっている必要がありますが、低血糖症ではこれがうまくいかないために、不眠の原因となります。

また、朝方目が覚めてしまうという症状をお持ちの人も多いですが、朝の4時ごろは血糖値が下がる時間帯なので、低血糖症の場合は血糖値が下がってアドレナリンが出るために、目が覚めてしまうということが考えられます。この場合は夜寝る前に、夜食としてゆっくりエネルギーに変わるものをとっておくとよいことがあります。

また、自律神経はストレスによっても乱れますので、ストレスを効果的に解消する方法や、自分なりのリラクゼーションの方法を工夫するのもよいでしょう。

 

  •  動悸

動悸も同様に、アドレナリン・ノルアドレナリンの影響によって起こります。動悸や高血圧などはマグネシウムの不足によっても起こりますので、血糖値を安定させる食事とともにマグネシウムをサプリメントでとるとよいでしょう。

 

  •  冷え性

アドレナリンは血管を収縮させるため、末端の血行が悪くなり、冷え性の原因となります。

低血糖症の人は同時に栄養失調でもあることがほとんどですが、エネルギーや熱を生み出すために必要なビタミンB群や鉄が不足していると冷え性になります。タン白質が不足していると、血液中の水分量が減ることにより血液循環が悪くなり、やはり冷え性になります。

また、甲状腺ホルモンはエネルギー産生や熱の産生、体全体の代謝の調節にかかわっています。甲状腺ホルモンが低下していると、冷え性や疲労感、むくみやうつ症状の原因となることがあります。

 

  •   耳に膜が張る

低血糖症の患者さんでよく「耳に膜が張る」という症状を訴える人がいます。これも低血糖時に分泌されるアドレナリン等の影響で、一時的に耳の血流に障害が起きるためと考えられます。

同様に、一時的に視野が狭くなるという症状を訴える人もいます。

 

  •   失神

低血糖症では、血糖値が急激に低下することにより失神発作を起こす場合があります。このため、てんかんという診断がつくことがあります。脳のエネルギーが急激に低下するために起こる症状と考えられます。

 

  •  手足の震え

これもアドレナリン・ノルアドレナリンの影響のために起こります。

 

  •  便秘

アドレナリン・ノルアドレナリンは、交感神経を緊張させるため、腸の蠕動運動が低下し、便秘の原因となります。また、あまいものや精製炭水化物の大量摂取は、腸の悪玉菌を増加させ、これも便秘やアレルギーの原因になることがあります。

 

これらの症状は低血糖症だけが原因で起こるわけではなく、ほかの理由によっても起こります。必要に応じて根本的な原因を探し、治療をすることが大切です。

 

以上、抜粋終わり

いかがでしょうか?

実にさまざまな症状がありますね。

私の場合は、

食後すぐに眠くなる、

朝体がだるくて起きづらい、

満腹にまるまで食べてしまう、

朝はうつ状態、

冷え性、

などなど、

いろんな症状が複合しています。

しかしこれらは食事を改善することによって、

改善できますので、

安心してください。

まずは精製された糖分を含む食べ物を、

玄米なのど、

自然の中に含まれる食べ物へと、

替えることで、

徐々に改善されてきます。

何か一つでもいいので、

今日から改善していきましょう。

うつ病からの脱出ー低血糖症によりおこるさまざまな症状 1ー

今回は低血糖症によりおこるさまざまな症状というテーマでお伝えします。

著書『なぜあなたは食べすぎてしまうのか 低血糖症という病』から下記抜粋します。

低血糖症により起こるさまざまな症状

「低血糖症ではありとあらゆる症状が起こる」といわれているほど、いろいろな症状が起こります。うつ病や統合失調症など、いろいろな疾患に似た症状を示すことも多いため、「偉大なる物真似師」との異名があるくらいです。

また、「不定愁訴」と呼ばれる、明らかな病気ではないのに起こるさまざまな症状も、低血糖症が原因となることがあります。

低血糖症で起こりうるいろいろな症状について解説していきます。

 

  •   慢性疲労

低血糖症の患者さんに共通しているのは、沢木さんの例のように、「疲れやすい」、「慢性的な疲労感」です。慢性的なだるさ、朝起きられないなどの症状を訴える人が多いのです。低血糖症の人では、体を動かすために必要なエネルギーを生み出すことがうまくいかないために起こる症状です。これは無反応性低血糖症でも反応性低血糖症でも起こります。私たちにとって「もっとも使いやすいエネルギー源」である血糖値がつねに低いか、安定しないためです。

もちろん、私たちの体は、血糖以外にも脂肪やアミノ酸をエネルギーとして利用することができます。ハイブリッドカーは、ガソリンと電気という動力源を状況によって切り替えながら走っていますが、私たちの体もこれと同じで、栄養状態や体内の代謝の状況に応じて、これらを使い分けてエネルギーを得ています。しかし低血糖症の患者さんには、この切り替えがうまくいかない人が多いようです。

エネルギーを効率よく作り出すためには、いわゆるエネルギー源とよばれる糖分や脂肪分・タン白質だけでなく、それをエネルギーに変えるためのビタミンやミネラルが十分にあることが必要です。

エネルギーを生み出すビタミンの代表選手は、ビタミンB群です。低血糖症の患者さんは「ビタミン依存の体質」とも呼ばれ、そうでない人に比べてより多くのビタミンを必要とすることがわかっています。沢木さんの場合、もともと必要量が多いところへきて、消化機能の低下と食事のかたよりにより、ビタミンB群がかなり不足していたことも、疲れやすいという症状の原因であったと考えられます。

鉄も、酸素を運ぶだけでなく、細胞内のミトコンドリアというエネルギー工場で、最終的にエネルギーを作り出すために必要な栄養素です。沢木さんの場合、貯蔵鉄(鉄の貯金)を示すフェリチン値が「測定不能」の状態でした。鉄の不足はやはりエネルギー不足を引き起こし、強い疲労感や冷え性の原因となります。また、脳の中でセロトニンなどの神経伝達物質を合成するためにも鉄が必要なので、憂うつになる、やる気が起きない、だるいなどの症状を引き起こします。フェリチンは理想としては100はほしいところです。

また、血糖値が低いときには血糖は脳で優先的に利用されるため、体のほかの組織は脂肪をエネルギーに変えて利用しなければなりません。脂肪をエネルギーに変えるためにはビタミンCが必要であるため、ビタミンCの不足も慢性疲労の原因となります。

 

  •  イライラする・キレやすい

血糖値が急激に上昇することによってインスリンが多く分泌され、血糖値が急降下すると、今度は血糖値を上げようとするために、多くのホルモンが分泌されます。

血糖値を上げるホルモンには数種類がありますが、中でも低血糖症の症状を起こす原因となるといわれているのが、アドレナリンとノルアドレナリンです。

第一章の「低血糖症の成り立ち」で説明したように、アドレナリンは「攻撃ホルモン」と呼ばれ、本来戦うときに出るホルモンです。しかし低血糖症では、まわりのシチュエーションや本人の意志に関係なく、下がった血糖値を上げるためにアドレナリンが分泌されることによって、イライラする、怒りっぽい、攻撃的になる、人によっては、キレる、暴れる、暴力をふるう、などの症状が起こります。

またノルアドレナリンはその逆で、ネガティブな感情を引き起こすため、不安、恐怖、焦燥感、悲しみ、死にたい、といった感情を引き起こします。パニック障害(第2章)では、不安や恐怖感などの感情の変化とともに動悸やパニック症状が起こりますが、これには低血糖症が深く関係していると考えられます。月経前症候群(PMS)でイライラしたり攻撃的になるのもこの影響です。

子どものかんしゃくにも、これが影響していると考えられます。最近若いお母さんが、ぐずったり泣きわめいたりしている子どもの口にあまいお菓子を放りこんでいる光景をよく目にします。お腹がすいてイライラし泣きわめく子どもを、てっとり早く静かにさせるにはあまいものがいい、ということを、お母さんは経験的に知っているのでしょう。しかし、すぐに泣きやむからといってあまいものばかり与えていると、一時的には血糖値が上がって子どもは落ち着きますが、すぐにインスリンが分泌されて血糖値が下がってしまいます。そこで攻撃ホルモンであるアドレナリンが分泌されるため、子どもはまたイライラしてかんしゃくを起こし、あまいものを要求するようになるのです。これをくりかえすと、子どもは「あまいもの中毒」になり、ゆくゆくは心身の健康を害してしまいます。私たちの身のまわりにはあまいものがあふれているので、難しいことかもしれませんが、子どもにはあまいものではなく、血糖値を不安定にさせにくい食べものを与えるようにすることが大切です。

また、若者による衝動的・突発的な犯罪が増加しているとのことですが、おそらく低血糖症が多大な影響を与えていると考えられます。学校や更生施設などで、砂糖や精製炭水化物をやめ、玄米や新鮮な食材を中心とした食事に変えたら、非行などの反社会的行動が激減した、という例は数多くあります。人間の精神や行動に、血糖値や栄養が大きく関係することの証明といえるでしょう。

 

以上、抜粋終わり

低血糖症はさまざまな症状を呈しますので、

そのため、わかりずらい病気です。

どうような症状があるかを把握しておきましょう。