うつ病からの脱出ー〝本物〞は三〇〇〇分の一「統合失調症」2ー

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今日は統合失調症の第2弾です。

著書『精神科は今日も、やりたい放題』から下記抜粋します。

私が定義する統合失調症
 ここまで書いてきたような内容の患者たちは、とてもじゃないが治療もやむを得ないというほどの統合失調症とは呼べない。恐らく遠い未来には幻覚をきたす科学的理由も解明されるだろうが、現代医学では統合失調症の定義が一切できないので、私は治療を許容できる統合失調症を以下のようなものと提唱している。
 その条件とは、
①薬(タバコ、アルコール、違法薬物も含めて)を飲んでいないまっさらな状態で
②自分を責める幻聴、被害妄想などが非常に強く
③そのことによって自己(他人ではなく)に明らかな有害事象があり(たとえば自殺企図など)
④生活が一切成立せず、生存さえも保てないほどの状態が続き
⑤一過性ではなく、数カ月に及びその状態が続くもの
⑥そして患者本人が治療を希望するもの
 である。
 初期統合失調症理論というのがあった、イヤ、一応今でもある。
 自生思考、気づき亢進、漠とした被注察感、緊迫困惑気分の四徴が基本であるらしい。
 しかし、この症状や特徴は発達障害の特徴とあまり大差がない。そして発達障害専門医とやらは、それを発達障害の二次障害だと強弁する。
 しかし、これは本当だろうか。言語が難しいので一般人にはわかりにくいかもしれないが、これらの四徴というのは、神経質な性格を持ったり追い詰められたりすればだれでも持ちうる症状である。
 これらの行動や症状を持つということは、人間として自己を守ったり自我を形成するための本能のようなものだ。
 精神科医たちは統合失調症専門医であれ、発達障害専門医であれ、これを病気であり障 害であり薬物により改善させるべき問題であると述べる。これは恐ろしいことである。私に言わせれば、人間を人間でなくさせるための方針と呼ぶにふさわしい。
 この初期統合失調症という概念も、発達障害という概念も、存在するとしてしまったらどんなに言い訳を取りつくろおうが、必ず大きな負の遺産になってしまうのである。
 薬物投与、薬物依存、差別、人間の可能性の排除、レッテル貼り、そういう負の遺産である。これらの概念が存在するからこそ早期介入、早期支援が行なわれるのである。この概念が存在するからこそ精神科で被害を受ける人が増加するのである。この概念が存在するからこそ、疾病利得にいそしむ人が増え、虐待の口実を作れる親が増えていくのである。

薬で統合失調症になる原理
 また統合失調症について考えるとき、必ず薬剤性精神病について知識を持たねばならない。これは少し薬理学的な話になるが、勉強していただきたい。
 たとえば不安などの症状があるものの、幻覚や妄想がない患者さんがいたとしよう。
 そのとき精神科医のパターンとして最初、抗不安薬や抗うつ薬で治療することが多い。その治療の問題点は先に述べているのでここでは割愛するが、たとえばその薬の影響で暴れてしまっても診断が統合失調症になってしまう。またその精神薬で改善しなかった場合、抗精神病薬(メジャートランキライザー)という薬を処方する。ここが重要な問題である。
 抗精神病薬は基本的にドーパミンというホルモンを抑える薬で、統合失調症はドーパミン過剰になっているという仮説に基づいて薬が開発された(ここでも仮説である)。
 しかし、ドーパミンが過剰になっていない患者さんに対し、この薬を授与するとどうなるか。
 薬は脳の中でレセプターと呼ばれる受け皿に作用し、脳は「ドーパミンが出せなくなったぞ?」という疑問からレセプターを増やしていく(これをアップレギュレーションという)。
 もし急に薬をやめたり減らしたりすればどうなるか。
 薬の量に対応していた脳の中は、いきなりレセプターを減らすこともできないため、疑似ドーパミン過剰状態になる。そうすると統合失調症と似たような症状を呈する。これを過敏性精神病とか薬剤性精神病などと呼ぶ。
 この理論もまた仮説の域を出ていないのが難点であるが、臨床を見ていれば、このようなケースはすこぶる多い。
 これはつまりどういうことかといえば、統合失調症ではなかったのに、薬物によって疑似統合失調症にされてしまったということである。
 なぜ私が統合失調症として治療を許容する条件として真っ先に①をあげているか。その理由がここにある。

一〇〇人に一人という数字のマジック
 最後に統合失調症の頻度について触れてみよう。書類やインターネットを見れば統合失調症は一〇〇人に一人程度でまったく稀ではないと記載されている。
 しかし、個人的な経験でいえば、これはまったくの間違いであると断言したい。
当院は小さいクリニックながら本を書いたりしている関係で、かなり重症の方が集まる。明確な幻覚や妄想があり、会話が成立しない支離滅裂さも兼ね合わせている患者さんがいないわけではない。しかしその割合は患者さん全体の一〇〇人に一人いるかいないかである。難しいのはこれらを科学的に証明できないことだ。だから前述の治療条件は常に留意せねばならない。今国民の四〇人に一人くらいが心療内科を訪れるということなので、単純計算しても統合失調症の診断をされる可能性がある人は、三〇〇〇人に一人程度ということになる。
 治療を希望する人、治療が必要だと私が考える人はさらに少なくなり、五〇〇〇人に一人くらいかもしれない。この一〇〇人に一人という話は数字のマジックであり詐欺への誘導であると私は考えている。良くなる病気だから恐れず受診せよというわけだ。
 しかし、これこそが大きな問題のない人が統合失調症と診断されて、薬を飲まされていることを示す一端ではないだろうか。とどのつまりは宣伝販売行為である。
 結論をいえば、私の個人的意見であっても、統合失調症と現在呼ばれている患者さんの中で、真に統合失調症と呼べるレベルであり、本人が治療を許容し毒でも麻薬でもありうる薬を投与する必要がある人は、約三〇〇〇〜五〇〇〇人に一人、〇・〇三三〜〇・〇二%にすぎないということである。詐欺がここに極まったといえよう。

以上、抜粋終わり

統合失調症もだいたい薬漬けになるようである。

何度も言うが、

薬では治らないので、

薬害に遭いたくなければ、

他の治療を選択することを勧める。

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