今日はこのテーマの最後となります。
著書『薬を抜くと、心の病は9割治る』から下記抜粋します。
短い時間でたくさんの患者さんを診たほうが儲かる
「薬を出せば儲かる」という病院の体制は大問題です。これは病院のどの科にも当てはまることなのですが、特に精神科に関しては、医療費がここ数年で急激に膨らんでいます。
これは、1990年代後半から精神医療の現場でさまざまな不祥事が摘発されたことに端を発しています。精神医療への偏見をなくすため、病院側は製薬会社から莫大な資金援助を受けて「患者の偏見をなくそうキャンペーン」を展開しました。
これにともない、欧米の製薬業界のトップが次々に来日し、厚生労働省に薬価基準の改正などを含めた医療制度改革を見直させ、薬の利益を確保したのです。
2002年には、世界精神医学大会が日本で開催され、海外市場で問題視されていた精神薬を日本市場に投入するため、さまざまなキャンペーンが張られました。
その結果、現在のように多くの人が精神科や心療内科に気軽に足を運ぶようになり、「5分ほどの問診での向精神薬の処方」となったのです。
診察が短いのは、そのほうが儲かるからです。精神科の医療報酬では、外来の「通院精神療法」が主な報酬源になっています。30分以上で400点、30分未満では330点(1 点10円)と決められていますから、なるべく短い時間でたくさんの患者さんを診たほうが儲かり、当クリニックのように1人の患者さんに30分〜3時間もかけるところは儲からないということになります。
よくて15分、普通は3分、最低の場合30秒
当クリニックは、短くても1時間に2人です。初診の患者さんは2、3時間もかけ、ドクターの診療が30分、そのあとカウンセラーが栄養療法等を指導するというしくみです。とくに食生活については、毎日甘いもの食べていませんか、ジュースを飲みすぎていませんか、パンと牛乳はどうですかなど、こまかく聞いていきます。
ほかの医療機関では、多いときに1時間で10人、少ないときでも5人くらいというところまであります。こういう診療時間が短いケースでは、患者さんに聞くことも、最低限「薬は何錠飲みましたか?副作用はありましたか?」などでおしまい。よくて15分、普通は3分、最低の場合30秒のケースさえあります。
暴露ついでにいうと、産業医や企業内の保健師の紹介で受診する患者さんの場合、会社の上司と面談しますが、10分で5000円が相場です(10分1万円というところも知っています)。 l0分経ったらノックされて次の患者さんが入ってくるわけですが、10分で患者さんが復職するときに必要なスキルなどを話し合うことなどできません。
特に精神科の医師は、患者さんの話をじっくり聞かなければいけないのですが、拝金主義の病院経営者の方針などで、治療内容よりもいかに早く患者さんを回すかが主目標になります。
短時間に患者さんを診て薬を出すだけでお金が入ってくるのですから、こんなにおいしい商売はないでしょう。薬を出さない医者が少ないのは、こうした理由からです。
実際にあった恐ろしいケース
このように、精神医療の世界は、一般医療の世界より「儲けやすい」世界なのです。さらに、法務省、警察、保健所、福祉事務所などと連携して、普通の一般市民を「隔離拘束が必要な要注意人物」と診断し、閉鎖病棟に閉じ込めるという恐ろしいケースが起こることもあります。
仕事が非常に忙しく、毎日深夜まで残業していたOLの例を紹介しましょう。
ある日、このOLが深夜2時まで残業していたため終電を逃し、徒歩で帰宅中、疲れてしまい、たまたま見つけた公園でひと休みしたのだそうです。ついうとうとして目を覚ますと、目の前には1台のパトカーがいます。彼女がいったいどうしたのだろうと思うまもなく、いくつか職務質問をされたのち、パトカーに乗せられて着いたところが保健所でした。
そこでもいくつか質問を受けたものの、くたくたなうえに急な展開で自分の身に起きていることが理解できずにいる彼女は、ほとんど何も答えられませんでした。
するとすぐに車が来て、そのまま国立病院の精神科へ強制入院、閉鎖病棟へ隔離拘束されたといいます。家族との面会も許されず、数週間の入院を強いられた結果、退院したときは薬漬けの状態でした……。
現実に、このような信じられない話があるのです。夫婦喧嘩の最中や、友だちとの口論の果てに強制入院させられたケースもあります。
それもまた利益を上げるためなのです。強制入院は、「犯罪防止のため」という大義名分で行われていますが、実際、自ら進んで入院を希望する「任意入院」の患者の1カ月の入院費が30万円なのに対し、警察の通報などによって運び込まれる「強制入院」は90万円と、3倍もの差があるのです。おまけに、患者を隔離拘束したり、向精神薬を大量に与えておとなしくさせてしまえば、一般の病院のように治療や看護の手間も省けるため、より儲かるというわけです。
この事実を裏づけるように、精神医療の分野はここ数年で急成長を遂げています。抗うつ剤の市場は1996年〜2011年の間に約7倍以上になりました。
この精神医療分野の急成長が社会保険の高騰の一因となり、精神医療は国民の税金と保険料をムダに、しかも有害に消費させているといっても過言ではありません。
こうした医療従事者たちにリッチな暮らしをさせるために薬を飲む必要はありません。1日も早く薬から逃れ、本書で紹介する細胞(膜)栄養療法などで自分の健康を守りましょう。
以上、抜粋終わり
現在の医療報酬制度では、お薬を処方しないと経営がなりたたないというところに、
構造の欠陥があります。
しかし、善意ある医師の方は気が付いておられますが、
政・官・財の癒着というトライアングルに守られているため、
1個人の力ではどうすることもできないのが現状です。
ですので、経営する側としてはやむを得ないというところがあるのが現実です。
またこれは保険制度の弊害になっていますが、
1単位あたりの単価が低いため、
数をこなさなければ収入にならないという現状もあります。
これは整骨院業界も全く同じです。
だからどうしても一人あたりの診療時間が短くなってしまいます。
つまり構造上の問題で経営を維持していく上で仕方なくなってしまうのです。
これを打破して良心的な治療をするとなると、現状では自由診療しかないのです。
しかし自由診療にすると、
単価が高くなってしまうため、
途端に患者が来なくなるというジレンマを抱えてしまいます。
つまり現状では患者自身がどっちを選ぶかということになります。
治らなくても安い方がいいのか、
治るけど単価は高くなる方がいいのか。
結局は患者自身の本気度となります。
本当に治したいのなら、治らないけど安いほうがいいとは思わないはずです。
何故なら、結局お金も時間も無駄にしているからです。
本気で治したいなら、単価は高くても治る方を選択するでしょう。
しかし、よく考えてください。
単価は高くてもトータルで見た場合、
結局はお金も安く済み、時間も短くて済みます。
よく考えて賢い選択をしてください。
もちろん治したくない人は別ですが。