今日は低血糖症の過去の経緯に関するお話になります。
著書『砂糖をやめればうつにならない』から下記抜粋します。
●主流派の医師が信じない病気
歴史はさらに不可解な経路をたどります。1949年、ついにアメリカ医師会は、低血糖症を発見した功績により、ハリス教授に功労賞を授与しました。しかしそれから24 年が過ぎた1913年、アメリカ医師会は態度をまた豹変し、低血糖症は病気ではないと表明したのです。
理由を3つあげておきます。1つめは、1960〜1910年にかけて、低血糖症が雑誌などでたくさん取り上げられ、脚光を浴びたことです。低血糖症は当時の流行となりました。
それで、体の調子が少し悪い人々が、医師の診断を受けることなく、あるいは糖負荷試験をすることなく、低血糖症と言い張ることが多かったのです。これに対するアメリカ医師会の反発は、先に述べたように、低血糖症は病気ではないと表明するという激しいものでした。
これを耳にした全米にいる多くの医師たちは、低血糖症という病気は存在しないと思うようになりました。もともと医師というのは保守的な職業で、権威に逆らったりしません。彼らは医師会の決定に従順なのです。このため低血糖症の疑いのある患者が、主流派の医師を訪ねても、まともに相手にされなくなりました。
しかし、統合医療を推進する医師たちは、主流派の医師とは異なり、世界中でこの病に苦しむ人々への治療をつづけてきたのです。
●医師が栄養学をまったく知らない
医師が低血糖症を病気と認めたくない2つめの理由は、医学教育にあります。そこでは、病気は明確な原因によって起こると頭に叩き込まれます。たとえば、インフルエンザはインフルエンザウイルス、B型肝炎はB型肝炎ウイルス、がんはがん細胞の増殖が原因といった具合です。そして治療は、抗インフルエンザ薬、抗B型肝炎ウイルス薬、抗がん薬を処方するというものです。要するに、アメリカでも日本でも、病名と、それに対する薬の処方、すなわち薬の名前を覚えるのが医学教育なのです。だから、低血糖症が病気でないとすれば、医師は何もできないのはわかりきったことです。
3つめの理由は、医学部で彼らが受ける栄養教育があまりに不十分であるからです。医学部では栄養学の講義はほとんどありません。生化学の講義の一部に栄養学が組み込まれているだけなのです。
統合医療で著名なアンドルー・ワイル教授は、ハーバード大学医学部での4年間の学生時代とインターンシップを通じて、栄養学についての教育はゼロに等しかったと述べています。そして「ほとんどの医師は栄養学をまったく知らない」とつづけます。
だから、栄養学の知識のない医師を訪ね、栄養学における専門のアドバイスを受けようとするなら、的はずれというほかありません。
●ガイランドを襲った誤診
現代医学の最大の悲劇のひとつは、低血糖症の典型的な症状に苦しむ多くの人々が、健康を気にしすぎるとか、錯覚だといわれ、医師にまともに相手にされないことです。さらに悪いのは、彼らが誤診されることです。まさに悪夢なのですが、そんなケースは 山ほどあります。ここでは2つのケースを紹介します。
最初のケースは、フロリダ州の医師ステフェン・ガイランドで、1950年代に心と体を病んでいました。その症状は、不安、めまい、集中力や記憶力の低下、震え、心臓のドキドキなどでした。
彼は3年間で14人の専門家の診断を受け、全米でも著名な3つの病院を訪ねました。彼に与えられた病名は・多発性硬化症、神経症、脳腫瘍、糖尿病、脳動脈硬化症など、ざまざまでした。
彼の知るもっとも有能な医師のもとを訪ねました。そこで言われたことといえば、「あなたは神経症だから、医師という仕事の性質を考慮して、引退すべきである」というものでした。
ようやく、ひとりの医師が正しい診断をくだしましたが、その治療法は間違っていました。この医師は血糖を上げるために、キャンディや板チョコを勧めたので、それを実践した彼の症状がいっそう悪化したのです。
そうするうちに、彼は、ハリス教授が1924年に発表した低血糖症についての論文を発見しました。彼は、6時間の塘負荷試験を受け、自分が低血糖症であることを確認しました。14人の専門家の診断した病気ではなかったのです。
彼は、砂糖やクイックカーボを食事から完全に取り除きました。すると、それまで彼を苦しめていたすべての症状が消えたのです。
これまで受けてきた治療はいったいなんだったのでしょう! 怒りに燃えた彼、1953年にアメリカ医師会に手紙を書き、シール・ハリス教授の先駆的な業績を見落としたとして同僚たちを厳しく非難しました。そして彼は、みずから辛い思いをして得た教訓を低血糖症に苦しむ多くの人々の治療に役立てると誓約したのです。
彼は1200人の低血糖症患者を治療し、その症状、診断、そして治療によって症状がどのように変化したかを克明に記録しました。こんなすばらしい成果を上げたのですが、アメリカ医師会は彼を完全に無視しました。
それでも、アメリカ医師会にしつこく働きかけたので、彼は、同会の関連学会で自分の研究成果を読み上げることを許可されました。しかし彼の論文がアメリカ医師会誌に発表されることはありませんでした。
以上、抜粋終わり
病気の問題と栄養が関係しているというふうに考える医者は少ないようです。
何故なら、彼らは栄養学をまとものに教わっていません。
私も鍼灸師ですので、基礎医学の部分は医者と同レベルのカリキュラムを教わっていますが、
栄養学は1コマあったっけ?というくらいです。
なので、ほとんど独学となります。
栄養学についての考えもいろいろありますが、
現在の日本の栄養学はドイツがベースになっています。
私はこの考え方は日本人には合っていないと考えているので、
古来から受け継がれている養生法がベースです。
それに私は東洋医学を実践していますので、陰陽のバランスを重視した食生活を重視しています。
何故なら、この世の中は相対性の世界なので、どんなことも常にバランスが必要だと考えているからです。
特に現代の日本では、食品の添加物の問題、農薬の問題など、
昔と違ってオーガニックな食品を摂取することが難しくなっています。
あらゆる病気の原因はだいだい生活習慣からきていますので、特に食に関する原因の割合は極めて大きいです。
そのことをもっと意識をもって知るべきだと思います。
それが健康な精神や身体づくりになり、病気予防となります。
もっと自分が日頃食べるものに関心を持って、
どういうものなのか?
加工食品ならどういうものが入っているのか?
よく勉強した上で、何を食べないように避けるべきなのかを検討する必要があります。
あなたの健康のことなのですから、もっと関心を持ってくださいね。