うつ病からの脱出-凶暴化の根本原因は食生活にある-

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最近でも頻発している、奇妙な殺人現象について、実はこの背景には加害者たちの食生活に起因している可能性が考えられる。

この傾向は1970年代の「ブドウ糖果糖液」の需要が増えたことと関係しているかもしれない。

ブトウ糖果糖液とは簡単に言えば、糖分を液体にしたものと考えれば良いと思う。

この添加物は現在あらゆる食品に入っている。お菓子類、清涼飲料水、加工食品の裏側のラベルを確認していただくと、確認できる。

では、このブドウ糖果糖液糖がどのような関係と問題を起こしているのかを著書『心の病と低血糖症』から下記抜粋する。

実は、1970年代半ば頃から「ぶどう糖果糖液糖」の需要が急激に増えた。
これに警告を発したのが、安部司氏である。氏は、その著書『食品の裏側』(東洋経済新報社)で、次にように指摘している。

《(ブドウ糖果糖液糖は)子供が好きなさわやかな味なので、ジュースやコーヒー飲料、さまざまなタレなどに甘みをつけるのに都合がいい。また、液体という利点がある。砂糖ならば製造過程で一度溶かさなければならないが、最初から液体ならばその手間がはぶける。成分がブドウ糖と果糖だから、ジュースなどと相性がいい。
ペットボトル1本(500mg)のジュースには、砂糖50g相当のカロリーが入っている。そんな「ブドウ糖果糖液糖」が大量に入った飲み物やお菓子ばかりを食べることで、1日に必要なカロリーの大半を摂取してしまう。米を食べられなくなるのは当然である。》

昭和40年代までは「米類」が「菓子類」の2.2倍だったのに対して、昭和50年代に入ると急激に差がなくなり、昭和63年(1988)年には「菓子類」が「米類」を逆転してしまった。そして、平成19年(2007)年時点では「菓子類」が「米類」の2.4倍という状況になったのである。
「米類」と「菓子類」の逆転は、わが国の家庭が「米ばなれ、砂糖とりすぎ」になったことを物語るデータの一つである。さらに、「ブドウ糖果糖液糖」の大量摂取が進んでいる証左にほかならない。くしくも、子供たちの暴力が大きな社会問題となってきたのは、家庭の中に「米類」をしのぐほど大量の「菓子類」が入ってきたことと、けっして無縁でないと思われる。

暴力や非行が食生活と深い関係がある、ということに私が気づかされたのは、石原結實著『病気はかならず治る』(善本社)の中の次の一節からであった。

《最近、子供たちが教師を殴ったり、暴力団まがいのリンチ事件を起たり、親を殺してみたり、はては、いとも簡単に自分の命を絶ってしまうという事件が相つぎ、マスコミをにぎわしている。それに対して心理学者、教育学者などがいろいろと理由づけをする。親が悪い、テレビの悪影響、遊び場がなくなった等々。すべて一理あるかもしれないが、これらの理由がすべてではあるまい。
筆者がいつも不満に思うことは、これらの事件の解釈に食生活がまったくとりあげられないことである。マッカリソン博士のネズミの実験によると、イギリスの下層階級の食事を食べさせたネズミのおりの中には、ネズミ同士かみつくようになり、弱肉強食の修羅場になったとある。これは食事が精神面にまで影響を及ぼすことを、はっきりと物語っている。》

校内暴力、家庭内暴力を食生活という視点からとらえ直すという観点は、私にとって新しい研究テーマになると思われた。そこで、マッカリソン博士のマウスの実験について詳しく教えてもらおうと石原氏に問い合わせたところ、法政大学教授の高尾利数氏を紹介された。

高尾教授の「白砂糖と犯罪心理」で、低血糖症に“開眼”

高尾教授は私に、ご自身が講演された「白砂糖と犯罪心理」(1977年)の録音テープとその原稿コピーを送ってくださった。この講演内容に、“目からうろこが落ちる”思いをした。教授は、“有機農法の父”といわれる米国の学者ロデイルの問題提起に注目していた。その問題提起とは、次のようなものである。

《今日の米国をはじめとする西欧先進諸国の社会一般にみられる、一種の怠慢現象や、それらの国の多くの若者の移り気的な行動パターン、ノイローゼ症状、青少年犯罪などが非常に増えてきたのは、単なる社会的問題や思想的問題でなく、食生活そのもの、とくに精製された白砂糖に非常に関係があるのではないか。》

さらに教授は、マッカネスが社会精神医学国際会議(1946年)で行った「悪童マイケル」という、非常に面白い報告を紹介している。
《マイケルという少年はたいへんな暴れん坊で、学校では勉強に集中しないし、きょうだいを蹴飛ばしたり、爪を嚙んでは年中いらいらしている。彼の家庭における食生活における食生活を調べてみたところ、とてもわがままで、不規則な食事をしていた。アイスクリーム、ケーキ、ボンボン、チョコレートなど、甘いものや加工したものをふんだんに食べていて、パンは白パンしか食べないという、でたらめな食生活だった。
こういう食生活を止めさせ、いわゆる自然食に切り替えて1~2週間たつと、その行動パターンが違ってきた。以前と逆の現象が起き、良い子になったのある。しかし元の食生活に戻すと、たちまち以前と同じになってしまった。》

教授は、この講演会の中で「白砂糖と犯罪心理」の関連性について、このように推論していた。

《白砂糖の大量摂取→インスリンの過剰分泌→低血糖→脳への影響→精神生活の変化》

教授が示唆した、この関連性を通じて、私は「低血糖症」に“開眼”し、以後30年余りの研究テーマとするにいたったのである。高尾教授は後に『砂糖は体も心も狂わせる』(1982年・ペガサス)と『二十世紀の疫病-低血糖症』(1984年・ペガサス)という、ショッキングなタイトルの著書を世に問うたが、私も両書には大いに啓発された。

人体が適応できないほどの砂糖とりすぎ

私は早速、少年院で、校内暴力で入所した中学生の食生活調査を試みた。それを共同通信社が取材をし、海外にも配信された。ロサンゼルスの日系新聞に記事が掲載されたことで、自閉症の研究をしていた精神医学者バーナード・リムランドから論文が送られてきた。それは、「犯罪・非行・暴力現象のための栄養学的生態学的研究」(『応用栄養学雑誌』・1981年)という、共著論文だった。
この論文は、反社会的行動と栄養状態や環境の有毒物質との関係についての、調査や臨床的研究の概要を整理したもので、生物学的な見方に立っている。この見方は心理学や社会といった方向からの伝統的な見方と対立しているが、社会的要因などが犯罪の要因としてなんの役割も果たしていないということではない。生物的な要因が重大な役割を果たしている可能性があるのに、あまりにも長い間、無視されてきた・・・・・と主張しているのだ。

リムランドらが論じた、反社会的行動の生物発生的要因は、次の三点に要約される。
①栄養・・・・・砂糖とりすぎ、食品添加物(たとえば、リン酸塩)の影響、ビタミンやミネラルの不足、食物アレルギーなど。
②汚染・・・・・鉛その他の有毒物質のとり入れ、殺虫剤や除草剤の影響、煙霧の吸入、電磁波や放射エネルギーの被爆、出産前エストロゲン(女性ホルモン剤)や誘発分娩などの医療介入など。
③薬物乱用・・・・・アルコール、LSDなど薬物の故意の使用など。
この論文が真っ先に指摘したのが、「砂糖とりすぎ」による低血糖症だった。
そして、この要因について次のように説明されていた。

《人間の体が適応できないほどの砂糖入り食品のとりすぎで、血糖値は異常に変動する。体の中枢部である脳も、エネルギー源として、血中のブドウ糖を使う。砂糖を大量にとると、ある場所には、脳のブドウ糖代謝をくずすような、重大なプロセスを触発する。
砂糖の消費は近年、急速に上昇しており、一人あたりの消費量は年間約58kg、一日約170gになっている。しかし、これは平均であるので、人によってはその何倍もの量を消費している。》

そこには、犯罪・非行・暴力という反社会的行動への、新しい見方が示されていた。
私には、理解不能な暴力多発という社会現象に展望が開けてきた、という思いがわいてきた。

以上、抜粋終わり

上記のように犯罪と砂糖のとりすぎは密接な関係が見られるようだ。

他にもたくさんの事例報告がこの著書には載っているので、是非一読いただきたい。

うつ病の方が犯罪に走ることはないかもしれないが、これは精神作用が内向きに働くか、外向きに働くかの違いで、外向きに働く方が犯罪や暴力などの反社会的行動へと走り、内向きに働く方がうつ病になると考えられる。

一般の方やうつ病の方も、人ごとではないのである。

何故なら現代人は多くの方が糖分のとりすぎなので、いつ自分がこのような人格に変身してもおかしくはないのである。

うつ病でなくても、うつ的傾向の方。

常になにかイライラしてしまう方。

もう一度、日頃の食生活で砂糖をとりすぎていないかを、是非チェックしてください。

思い当たる方は、まず、砂糖のとりすぎ改善から始めましょう。

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