うつ病からの脱出ー「頸筋性うつ」かどうかを見極める 1-

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今回は「頸筋性うつ」かどうかを見極めるというテーマでお伝えします。

著書『新型「うつ」原因は首にあった!』から下記抜粋します。

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さて、あなたのセルフチェック結果はいかがでしたか?

「はい」が四項目以下なら、心配はありません。

五項目以上「はい」にチェックがついていたら、頚筋症候群の可能性があります。重症にならないうちに、頸筋症候群の診察ができる医療機関を受診することをおすすめします。

私は、五〜一〇項目にチェックが入った場合は「軽症」、二〜一七項目は「中症」、一八項目以上あったら「重症」と診断しています。

「頸筋性うつ」かどうかを見極める

次に、頸筋性うつかどうかの見極め方を述べていきましょう。

  • 精神症状の項目にチェックが入っているか

 

頚筋性うつかどうかを見極めるポイントは、まず精神症状の有無です。

精神症状があるかどうかは、問診表の二二、二四、二五、二六、二七、二八の六項目にチェックが付いているかどうかでわかります。

これらは、精神症状に関する質問です。ここにチェックが多ければ、うつ症状が出ていると確認できます。

頸筋性うつである場合、精神症状六項目のすべて、または五項目にチェックが付きます。

頸筋症候群であっても、軽症でうつ症状が出ていない(頸筋性うつでない)場合、精神症状の項目を除いた項目にチェックが入るはずです。

逆に、精神症状に関する六項目だけがチェックされていて、他の項目のチェックがほとんどない場合は、精神疾患のうつ病である可能性が高くなります。

精神疾患のうつ病と頚筋性うつの両方のある患者さんを治療していくと、首の筋肉が正常になるにつれて自律神経失調による不定愁訴が消えていき、最後はうつ症状全部、あるいは部分的に症状が残ります。

精神症状の質問には、比較的軽度のものと、重症のものがあります。

また、軽い精神症状でも、放置しておくと重い症状が出てくる傾向があります。

 

比較的軽度の精神症状に関する質問

 

二十五 集中力が低下して、-つのことに集中できない。

働き盛りの年齢なのに物忘れがひどくなり、認知症を心配する人がいますが、多くの場合、集中力の低下が原因です。この症状が気になる人に対して、「ミニメンタルテスト(MMSE)」と呼ばれる認知症のテストを行いますが、ほとんどの人がこのテストでは満点をとります。

 

二十七 イライラして焦燥感がある。

原因不明のイライラが続き、何もあせる必要がないのに、じっと落ちついていられない状態。

 

二十八 根気がなく、仕事や勉強を続けられない。

一つのことを持続的に続けることができない状態、辛抱強く、忍耐強く続ける気力がなく、すぐにあきらめてしまう状態です。

 

重症の精神症状に関する質問

 

二十二 何もする気が起きない。意欲がない

この症状は、最も大切なうつ症状の一つです。

初めにこの症状があっても、治療していくうちに、「退院したらあれもしたい、これもしたい」というように意欲が出てきて、退院が待ち切れないという状態になります。

 

二十四 気分が落ち込む。気が滅入りそうだ。

この症状も最も大切なうつ症状の一つです。

治療開始時には気が滅入って笑顔がなくなっています。苦しみに満ちた顔をしている人もいます。

治療が進むにつれて少しずつ笑顔が出てきます。初めはつくり笑い程度ですが、次第に人生が楽しく感じられるようになります。「お腹の底から笑えるようになりました」と言い、本当の笑顔が出てきます。

治療を受けることで劇的に人が変わり、別人のようになってくることに驚かされることがしばしばあります。

 

二十六 わけもなく不安だ。

心配する必要のないことにこだわり、悪いことが起きはしないかと、いつも不安をもち続けている状態です。理解に苦しむほどささいなことや、起こるはずのないことに不安感をもっており、これもうつの重要な症状の一つです。あらゆることを悪く悪く考えてしまうのです。

 

うつ状態だからといってすべての症状が現れるわけではありません。個人差はありますが、うつ状態には次のような症状が挙げられます。

自閉的

今まで楽しいと感じられていた趣味やスポーツをしても、楽しく感じられない。内にこもる。笑顔がなくなる。喜怒哀楽を表に出さなくなる。

自己否定

自分は何の役にも立っていない、ダメな人間だと自分を低く評価するようになる。落ち込む。自分が生きていると家族や周囲に迷惑をかけるので、この世から消えてしまいたい (=自殺願望)と思うようになる。これは、精神疾患のうつ病でよくみられるもので、新型うつ(頸筋性うつ)ではあまりみられない症状です。

 

この症状は、精神疾患のうつ病と頸筋性うつでは、決定的な違いがあります。精神疾患のうつ病の場合、常識的に考えると、自殺に至る過程には理解に苦しむところが多くあります。

頸筋性うつの場合は、自殺に至る過程は理解できるものです。たくさんの身体的な不定愁訴が重なり、いろいろな診療科や病院に行って不調を訴えても、「異常ありません」とか「この病気と一生付き合っていくしかありませんね」と言われる。症状が本当に出て苦しんでいるのに、診断もつかず治療もできない。死ぬまでこの症状が続くのであれば、死んだほうがましだと自殺を考えるわけです。

頸筋性うつや頸筋症候辞の最も特記すべき問題点は、この病気を周囲の人が理解できないことです。一見するとどこも悪くないように見えるので、一緒に住んでいる家族でさえ、「怠け者」「仮病」と思ってしまうのです。そこで病院へ行って「異常なし」と言われてしまうと、それ見たことかと周囲の人に思われ立つ瀬がなくなるのです。これは、常識で理解できることです。

このような症状から、精神疾患のうつ病と誤診されてしまうことになります。

狭所恐怖

電車に乗れない。人込みの中に入っていけない。エレベータに乗れない。MRIの検査機器に入れない。新型うつ(頸筋性うつ)やパニック障害でよくみられます。

決断力低下

簡単なことでも自分一人で決められなくなる。自分の判断は正しかったのだろうかと、くよくよ考える。

不眠

眠りたいのに眠れない。寝つきが悪く、寝ついても、夜中に何度も目が覚めてしまい、その後なかなか眠れない。熟睡していないのに、朝早く目覚めてしまう。すっきりと目覚めることがなく、気分や身体が重く感じられる。ときには、何時間寝ても寝足りないなど眠り過ぎる睡眠障害を訴える人もいる。

この症状は新型うつ(頚筋性うつ)によくみられます。新型うつの場合、身体症状がよくなるにつれて、不眠はなくなります。

食欲減退

何も食べる気がしない。今まで好きだったものが、おいしく感じられない。何を食べても味がないように感じる。食べる量や回数が少なくなり、体重が減る。

 

以上、抜粋終わり

チェックをしたうで、

参考にしてくださいね。

次回に続きます。

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