うつ病からの脱出ー首を支える筋肉の役割ー

このエントリーをはてなブックマークに追加

今回は首を支える筋肉の役割というテーマでお伝えします。

著書『新型「うつ」原因は首にあった!』から下記抜粋します。

首の構造と ストレートサイン

首がいかに大切な部位であるかを知っていただくため、簡単に首の骨と筋肉について説明しておきましょう。

頚椎は脊椎(背骨)の一部で、脊椎の中の一番上にある、頭部につながる骨のことです。首は七つのバラバラの骨で構成されていて、骨と骨の間にはクッションのような役割を果たす椎間板があります。椎骨と椎骨は靭帯という筋を固くしたようなバンドで留められています。

頚椎の特徴は、頭が上下左右、さまざまな方向に動くことです。健康な人の頚椎は、緩やかに前に突出した湾曲をしていて、このカーブが頭部の重みや、特に上下方向の衝撃を和らげるのに役立っています。

私はストレートサインを、今から三七年前、ムチウチ症の患者さんを診察しているときに発見しました。首の筋肉に異常が起きてその働きが悪くなると、頚椎のカーブが失われ、ストレートサインが出てくることがわかりました。

IMG_0314

 

首を支える筋肉の役割

頚椎は、たくさんの筋肉によって支えられています。そのなかでも首こりと関連の深い大きい筋肉、つまり私が治療の対象としている筋肉について簡単に説明しましょう。

IMG_0316

 

僧帽筋(そうぼうきん)

首から背中に広がる大きな筋肉です。この筋肉の収縮によって肩甲骨や腕が動きます。

 

頭板状筋(とうばんじょうきん)

僧帽筋の下にあり、椎骨の後ろから上外方に伸びて、後頭骨の外側についています。左右の頭板状筋が同時に収縮すると、首が後ろに傾いて空を仰ぐ格好に、右側だけが収縮すると、頭が右側に回転します。頭板状筋は、首の動きをコントロールする重要な筋肉です。

 

頭半棘筋(とうはんきょくきん)

首の後ろ側の筋肉のなかでは最も大きな筋肉で、頭板状筋の下にあり、後頭骨

と椎骨の後ろ外側をほぼ真っ直ぐつないでいます。両側の頭半頼筋が収縮すると、

背骨をそらせる働きをします。大後頭神経がこの筋肉を貫いていて、頭痛の原因

になる筋肉です。

 

胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)

乳様突起という、耳の後ろにある乳房のような形をした出っ張りの骨とその付近から首を通って鎖骨と胸の中央にある胸骨を結ぶ筋肉です。あごを引いたり、うなずいたり、頭を左と右前方に倒したりする働きをします。

 

以上四つが首を支える大きな筋肉ですが、これ以外にも、頚椎と後頭骨をつなぐ「大後頭直筋」や「小後頭直筋」、第一頚椎の外側と後頭骨の外側を結ぶ「上頭斜筋」や「下頭斜筋」そして「前・中後斜角筋」、「頭最長筋」、「肩甲挙筋」など、小さくても重要な筋肉があります。

上を向いたり、うつむいたり、首を振ったり、かしげたり、まわしたり…‥こんなふうに自在に首を動かせるのは、細かく分かれた頚椎や複雑に入り組んだ頚筋のおかげです。

 

首の上半分は、脳の一部

首の筋肉は、複雑に寄り合わさるようにして、頚椎を囲んでいます。

頚椎の中心の芯にあたる部分に脊髄があります。脊髄は脳から背骨の中を通って伸びている中枢神経です。脊髄から末梢神経や自律神経が出て、身体中のいろいろな部位にはり巡らされています。人間の身体を動かす脳のさまざまな指令は、脳からこの脊髄を通って全身に伝わります。脊髄の上部は脳とつながっているため、構造的には脊髄は脳が下に伸びた部分であり、人間の脳と体をつなぐ大切な役目を果たしています。この脊髄を首の位置で保護しているのが頚椎です。そして、頚椎の間から神経根と呼ばれる太い神経が出ていて、細い自律神経も脳神経やこの神経根と一緒に出て、末梢神経の一部となって消化官や心臓など体中に分布しています。

自律神経は、身体全体に神経ネットワークを巡らしていて、自分の意思とは関

係なく、内臓や血笛などの働きをコントロールし、消化や呼吸、発汗などを促し、

運動神経や感覚神経以上に大切な神経です。自律神経は交感神経と副交感神経か

ら成り立っていて、この二つの神経がバランスよく働くことで、身体を健康的に

維持します。

首の筋肉が異常を起こすと、この自律神経に影響を及ぼします。首の筋肉の異常が、どのように自律神経に影響を及ぼすのかについては、まだ完全には解明されていませんが、私の臨床でのたくさんの患者さんが実際に実証してくれました。

首、とくに首の上半分の筋肉異常が、自律神経失調を起こすことが私の臨床経験でわかってきました。そして、常に交感神経が強く、副交感神経が弱くなってアンバランスな状態になります。

首は、人間の身体のなかで、脳と身体の各部位をつなぐ唯一の架け橋です。脳の指令を身体の各部位に伝える、脳の一部ともいえる大切な器官です。それだけに、複雑かつ繊細な構造になっていて、トラブルを起こしやすいともいえるのです。

私たちが、首のこりを器質的疾患として取り組む理由はここにあります。

 

以上、抜粋終わり

首は重い頭を支えるため、

どうしても負担がかかります。

筋肉を鍛えることが重要ですが、

鍛えにくい場所でもあります。

この書著の後で紹介しますが、

ご自分でもネット等で、

調べて実行してみてください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です