うつ病からの脱出ー頸筋のチェックポイントと問診表ー

このエントリーをはてなブックマークに追加

今回は頸筋のチェックポイントと問診表というテーマでお伝えします。

著書『新型「うつ」原因は首にあった!』から下記抜粋します。

頸筋のチェックポイントと問診表

新しい病気の発見から三〇年あまり、私は多くの患者さんを診察しながら、有効な治療法を研究し続けてきました。いろいろな医療機器を使って試行錯誤し、改良を続けながら、二〇〇五年にようやく満足できる頚筋症候辞の有効な治療法を確立したのです。

二〇〇六年には東京・虎ノ門に東京脳神経センターを開設し、この研究を共に続けてきた脳神経外科、神経内科の第一人者として知られるドクターらと頸筋症候群の専門外来を設け、治療にあたっています。

頸筋症候群の治療で私が活用しているのが、研究過程で独自に開発・改良を重ねてきた「問診表(自覚症状)」と「頸筋のチェックポイント(他覚症状)」です。

患者さんはいろいろな症状を訴えます。長年の治療で蓄積したそれらの症状を総合し、多くの患者さんに当てはまる症状を問診表にまとめました。当初、二三項目だった問診は、現在、三〇項目になっています。

IMG_0319

IMG_0320

一方、触診のための頚筋のチェックポイントは、ムチウチ症の患者さんの首の触診で、あるポイントの筋肉が硬くなっていることに気付いたことがきっかけになりました。

わずかな力で押しただけでも、患者さんがとび上がるほど痛がり、悲鳴をあげるポイントがあったのです。硬くなっている部分の筋肉をほぐすと、不定愁訴の症状が消えていくことに気付き、それにより「どの部位がこると、心身に異常が出るのか」というチェックポイントが判明したのです。

頚筋チェックポイントも、多くの患者さんの症状を調べていくなかで確定させていきました。当初は一四カ所でしたが、試行錯誤を重ね、現在は三六カ所となっています。

IMG_0311

筋肉のこりには個人差があり、骨や鉄かと思われるくらい硬くなっているケースもあります。解剖学的な筋肉の構造を理解し、さらにこりの程度を経験的にわかっていないと、なかなか正確な診断ができません。触診ポイントの位置やこり具合の感覚は、長年の経験によるところが大きく、一朝一夕には修得できないため、後輩医師の指導には今も苦労しています。

そして、医師の触診する頸筋のチェックポイントと患者さんのさまざまな訴えを知る問診表には、相関関係があることもわかっています。ほとんどの場合、頸筋のチェックポイントの数と問診の「はい」の数は並行して減っていきます。

頸筋のチェックポイントと問診表は、初診や再診時、入院時に用い、画像診断などの検査結果とともに、患者さんの症状経過を知り、ピンポイントで診察・治療をしていくための貴重なデータとして活用しています。

 

なぜ首はこるのか?

ところで、なぜ首の筋肉はこるのでしょう?

それは、長時間のパソコン操作など、同じ姿勢を続けることによって筋肉が疲労して過労となり、さらに筋肉を酷使すると変性が起きて硬縮するからです。

酸素が十分に供給されないと、エネルギーに変わるはずのブドウ糖が乳酸などの老廃物となってたまります。そして、この老廃物が筋肉にたまり、筋肉内部の水素イオン濃度が低下して代謝が遅くなります。また、神経筋接合部の刺激伝達がうまくいかなくなって、筋の収縮力が低下して、筋肉の働きが悪くなるのです。

首こりを助長する現代生活

首こりの最大の原因は、長時間同じ姿勢を続けること。そして、頭部や首の外傷などです。

日常生活を振り返ってみると、すぐに思い当たるのは、ついつい同じ姿勢を続けてしまうパソコン操作。今や職場にパソコンは必需品ですし、家庭でもネットショッピングなどで毎日のようにパソコンを活用しているはずです。携帯電話や携帯ゲームの普及も、長時間同じ姿勢を続けるという点ではパソコンと同じです。

仕事のプレッシャーや人間関係、家事や子育てなど、現代仕活に山積みのストレスも、直接的な原因ではありませんが、首こりを起こしやすくする補助的な要因です。また、快適さを追求するあまり、オフィスや街中は冷房が利きすぎていて、夏でも寒さを覚えるほど。省エネが叫ばれているとはいえ、職場はスーツ姿の男性を基準にしていることが多く、女性にとってはかなり寒いはずです。首は常に冷気にさらされているのです。

このように、現代生活には首こりを引き起こしやすくする要因がたくさんあります。近年、頸筋性うつ症状が急増しているのも納得できます。

また、頭を打ったり、ムチウチ症になったりする外傷も、首の筋肉を傷める大きな原因です。ところが、頭部外傷を受けて脳神経外科を受診しても、脳だけ検査して「異常はありません」と言われて放置されているのが現状です。

ほとんどの脳神経外科医が首の筋肉の診断ができないのです。この症状が放置されたため、頚筋症候群となり、さらにはうつ症状が出て自殺を企図するまでに至る例が出ていることがわかってきました。脳神経外科医が手術で人命を救助できるのは、それほど多くはないのです。それよりも首の筋肉の異常を見逃がして助かる命を死に至らせるということは重大事です。

そこで、二〇〇九年第六八回日本脳神経外科学会で、この病気がシンポジウムで取り上げられ首の筋肉の診療法を報告しました。今後も機会をみて、できるだけ多くの脳神経外科医が首の筋肉の異常を見逃がすことのないよう努力したいと思っています。

IMG_0312

ところで、年齢や性別にかかわらず、どんな人でも頚筋症候群になる危険があります。しかし、首がこりやすいという観点からいえば、やはり女性に多いと言っていいでしょう。当院の患者さんを見ても、約七割が女性です。

なぜなら、人間の頭部の重さは約六キログラムもあり、これは男女の差や体型による差がほとんどないからです。スイカ一個分、大型ペットボトルなら三本分に相当する重さを首で支えるのは、並大抵のことではありません。そのうえ、うつむいた姿勢をとっているときに、首にかかる負担は真っ直ぐにしている状態のおよそ三倍にもなります。

首が細くて長く、なで肩、筋肉量の少ない女性が、頭の重量を支えるのは大変で、頚筋症候群にかかりやすいので、十分に注意しましょう。

以上、抜粋終わり

あと首がこりやすい原因の一つとして、

電磁波があります。

これは携帯電話、スマホ、

パソコン、携帯ゲームなどを使う時間が

多いためです。

現代の生活から完全に要因を取り除くのは

難しいですが、

極力さけるように気をつけましょう。

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です