うつ病からの脱出ーそれぞれの薬の問題点 2ー

このエントリーをはてなブックマークに追加

今回のテーマはそれぞれの薬の問題点の第2弾です。

著書『心の病に薬はいらない!』から下記抜粋します。

ベンゾ系の問題点が依存性であることは言うまでもありません。覚醒剤と呼ぶにはベンゾ系が一番近いのかもしれませんが、自我が弱い人はこれを抜くことによる不安や、これを飲むことによって得られる利益(飲んでいるから仕事ができるなど)を手放すことに耐えられません。

ここで問題は、ベンゾ系が人格を崩壊することは少ないということです。これはメジャートランキライザーなどとはかなり違う点です。ベンゾ系は正気を保たせたまま、人を極限まで不安にさせ、筋肉や体に作用するという印象があります。禁断症状として 多いのか不安の増強、不眠、筋肉痛、頭痛、目の痛みなどで、その他にも多くの症状を呈します。それらが千差万別なのは他の薬と同様です。

抗パーキンソン病薬(以下、抗パ剤)は本来、メジャートランキライザーの副作用を抑えるためのものですが、これ自体にも副作用や禁断症状が多いため注意が必要です。また飲んでいる薬が多いときは、一時的には減薬の助けになりうるので判断が難しい薬でもあります。

基本的には抗パ剤でうつ症状、統合失調症同様の症状を引き起こすことがありますが、それとは別に禁断症状として抗コリン性離脱症状があります。具体的には腹痛、食欲低下、吐き気などの消化器症状、不眠、不安、焦燥感、頭痛、めまいなどです。

いずれにしろメジャートランキライザーの量を見ながら、本人の錐体外路症状の様子によって減らす時期を決める必要があります。

気分調整剤(ムードスタビライザー)はこれまでの薬と比べると、まだ減薬しやすい薬にはなります。しかしそれは比較の問題であって、やはり副作用や禁断症状が多数存在することに変わりはありません。基本的な症状はベンゾ系に近い感覚ですが、文字どおりスタビライザー(安定装置)ですから、減らすことによって感情の波が強くなることがあります。

ここでも感情の波が強くなることは人間的でいいことである、と考えられるかどうかで薬から離脱できるかどうかが分かれます。また最も頻用されるパルプロ酸ナトリウムには高アンモニア血痕、リーマスにはリチウム中毒の副作用が指摘されているので注意していただきたいと思います。

ここに記載したことはごく初歩的なことですが、これで満足せず向精神薬を飲んでいる方、これから抜こうと考えている方にぜひやっていただきたいことがあります。

それは自分が飲んでいる薬の「公式添付文書」を見ることです。これはインターネット上でも薬局でも手に入れようと思えばすぐに手に入ります。その添付文書で詳しく副作用や危険性について理解していくことが、向精神薬を抜くうえでの必須事項だといえるでしょう。

また等価換算について理解してください。メジャートランキライザーとベンゾ系については有用な換算表である、クロルプロマジン換算とジアゼパム換算があります。これでどれくらいの薬の量をとっているのかを理解することは、減薬するうえで必須といえるでしょう。

IMG_0210

クロルプロマジン換算表は、使われている抗精神病薬をCPつまりクロルプロマジン(=コントミンやウィンクミン)の力価に換算したものです。 たとえばCP換算1000㎎なら1日にコントミン(50㎎)を20錠飲んでいるという目安になります。またリスパダールを2㎎飲んでいるとすれば、リスパダール1㎎と コントミン100㎎が等価なので、リスパダール2㎎をクロルプロマジン換算すると 200になります。

精神医学の多くの教科書でさえも800以内とすることが書かれており、目標を 400以内とする薬理学者もいます。

次のジアゼパム換算表は、使われている抗不安薬(主にベンゾ系薬物)をジアゼパムの力価に換算したものです。ただクロルプロマジン換算に関してもそうですが、薬物ごとに効果の強さや効果持続時間(血中半減期)に違いがあるので、一つの目安として考えることが重要です。

IMG_0211

たとえばデパスをジアゼパムに置換して、1・5mg服用しているとすれば、セルシン5㎎が等価となります。ただ半減期や蛋白結合率などを考慮すると、このジアゼパム換算は正確ではないという専門家もいます。

繰り返しますが、あくまでも一つの目安として考えればよく、この本のコンセプトは「向精神薬は不要な存在である」ということを忘れないでください。ジアゼパム換算では15㎎を超えないように推奨されている場合が多いようですが、そもそもこの許容量は設定が高すぎると考えられます。

抗うつ薬の換算としては、イミプラミン換算というものが使われることもあります。しかし私自身はこの換算はジアゼパム換算以上に正確でないと考えており、この本においては記載しません。

以上、抜粋終わり

断薬するにあたっては、

なるべく自分一人ですることは避け、

できるだけ協力者や理解者を探し、

サポートしてくれる人を探したうえで、

リスクを極力小さくして、

行う環境を整えたうえで、

実行するようにしましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です