うつ病からの脱出ーベンゾジアゼピン剤の使い方ー

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すいません。下書きのものがアップされてしまい、

お見苦しいものをお見せしてしまいました。

深くお詫び申し上げます。

 

さて今回はベンゾジアゼピン剤の使い方を勉強します。

著書『読んでやめる精神の薬』から下記抜粋します。

〝薬は不要〞の仕組み-ベンゾジアゼピン剤の場合

私たちに備わった自然治癒力に対して、薬剤はどのように作用するのでしょうか。ここでは、 睡眠剤や安定剤などのベンゾジアゼピン剤と抗うつ剤について、作用を検証してみましょう。

まずは、ベンゾジアゼピン剤の場合です。強すぎるストレスを避け、自分で処理できるストレスを徐々に増やす、あるいは不安や動悸の原因について間違った認識を正すという適切な方法をとることなく、ベンゾジアゼピン剤を用いると、どうなるのでしょうか。

ベンゾジアゼピン剤は、体内のGABAの代わりになる物質です。ベンゾジアゼピン剤の力を借りると、不足している自前のGABAを補い、過剰な刺激で興奮した状態に抑制をかけてくれます。ベンゾジアゼピン剤を使うことで、強すぎる不安のせいで、他の手段では社会生活を送ることができない、といった状態にある人が、その状態から一時的に逃れることができます。つまり、緊急避難的に厳しい状態から逃れられる、という意味では利点がないわけではありません。しかし、不安は多少軽減しますが、少し量が多ければ、眠くなるという害作用があります。ベンゾジアゼピン剤を睡眠剤として使用するのは、この害作用の一部を利用したともいえます。また、眠くなるまでの間に、逆に興奮したり、異常な言動が起きたりすることがあります。

これはなぜ起きるのでしょうか。脳内の神経系は極めて複雑ですので、ベンゾジアゼピン剤を服用すればすべてが解決するという単純な話ではありません。

私たちの活動にとって大切なのは、脳の各部位がバランスよく働いていることですが、それを調整している部位(おそらく統合中枢とも呼ぶべき部位)に抑制がかかると、脳の各部位が勝手に活動を始め、目的に合った行動ができなくなると考えられます。アルコールを飲んだときの状態と似ています。眠くなったり、体がだるくなったりする人があるかと思うと、興奮する人、完全に酩酊して、でたらめな行動を起こす人もあります。これが、短期的に見たベンゾジアゼピン剤の害です。

 

長期使用による依存症の発現

次に、長期的に見たベンゾジアゼピン剤の害についても見てみましょう。GABAやベンゾジアゼピン剤が働く受容体は、 GABAA(ギヤバエー)-ベンゾジアゼピ ン受容体(以下、GABA-ベンゾジアゼピン受容体) といいます。GABAとベンゾジアゼピン剤が、この受容体に結合する部位は異なるのですが、それぞれが特有の部位に結合すると、抑制系の受容体全体が活性化されて、興奮しすぎた神経にブレーキをかけるという働きをします。

ベンゾジアゼピン剤を服用するということは、薬剤の力を借りて、この受容体を一時的でなく、長期的に働かせ続けるということを意味します。すると、受容体が強い刺激を受けていない状態、すなわち本来ならばGABAを分泌する必要のない場合でも、受容体は刺激を受け続けてしまうということになります。これに対して体の方では、強すぎる刺激を回避するために、必要に迫られて受容体を減らします。これを医学用語ではダウンレギユレーショ ンといいます。

特に、不安や不眠の程度がひどくないのに、ベンゾジアゼピン剤の助けを借りている場合は、必要がない量のGABAが出続けていることになるため、ダウンレギュレーションが起き、体は受容体を減らして適応します。すると、次に大きな興奮が訪れたときに、服用して体内にあるベンゾジアゼピンと自分の体から出たGABAを合わせても、興奮を抑えられなくなり、強い不安や動悸が起こります。こうして、だんだん効き方が弱くなる現象を、耐性ができるといいます。

耐性ができた状態でも強いストレスに耐えられるようにするためには、より多くのベンゾジアゼピン剤が必要になり、増量しなければ強い刺激に耐えられなくなるため、用量が増えていきます。この悪循環を断ち切るために減量を試みたとしても、今度は離脱症状が出て、強いストレスに対応できず、結局はまた増やさざるを得ません。これが依存症です。

長期的に見た場合に、もう一つ考えておかなければいけないのは、ベンゾジアゼピン剤は、常用量であっても、必要以上に受容体を刺激しているということです。この状態が長期間にわたって続くと、自前のGABAが出にくくなり、受容体はその数を必要以上に減らそうとします。これもまた、依存症といっていいでしょう。

ベンゾジアゼピン剤への依存度が高まって、高用量の服用になれば、受容体がほとんどなくなってしまうことも考えられます。仮にそのような状況になったら、どのようなことが起きるのでしょうか。GABAやベンゾジアゼピン剤を感じる受容体は、日常の行動、理性的な行動に必要なものなので、これが阻害されると、過剰な興奮を抑えられなくなります。

具体的には、奇異反応やイライラ、攻撃性、犯罪、自殺といった行為にもつながりかねないでしょう。こうした行為は、ベンゾジアゼピン剤の離脱症状としての精神症状と見られがちですが、実際は逆で、ベンゾジアゼピン剤の商用量服用にともなうGABAの分泌不全と受容体の機能不全により、必要に応じた興奮系神経活動への抑制がかけられないこと、つまり制御不全による精神神経系の症状であると考えるのが自然なのです。

すでに述べたように、人の体に備わった自然の制御システムは、複雑にして絶妙です。そこに外から手を加えることが、悪い結果を引き寄せてしまうことは十分に納得できることです。GABAの代用品であるベンゾジアゼピン剤を使用することで、制御システムの絶妙なバランスが崩れ、制御不全に陥るのは、当然の結果です。

ベンゾジアゼピン剤を少量用いる場合には、GABA-ベンゾジアセピン受容体を介して興奮神経系が抑制されることによって、過剰な興奮から免れることができるのは事実です。けれども、すでに述べたように、少ない用量であっても長期化すれば依存症が現れますし、高用量になるとほとんどのGABA-ベンゾジアゼピン受容体が飽和し、受容体そのものが減ってしまうため、興奮しすぎを抑えられず、制御不全に陥りやすくなる、ということは覚えておくべきだといえるでしょう。

以上、抜粋終わり

このベンゾジアゼピン剤の使い方、

よく把握したうえで、

上手に使いこなしてください。

くれぐれも長期間の使用は避ける方が賢明だと思います。

どうしてもという場合は、

他の代替医療も検討してください。

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