うつ病からの脱出ー薬が毒の仕組みー

このエントリーをはてなブックマークに追加

今回は薬が毒の仕組みというテーマでお伝えします。

著書『読んでやめる精神の薬』から下記抜粋します。

〝薬が毒〞の仕組み - 抗うつ剤の場合

次に、抗うつ剤について見てみましょう。うつ病になる原因として、過剰な興奮が神経に対して「毒」として働き、その興奮毒性によって脳の神経細胞が傷つくこと、傷ついた神経細胞の種類や働きに応じて、その神経の不調にともなうさまざまな症状が出ること、そして、うつになりやすい人は、ドパミンやノルアドレナリン、セロトニンの分泌に関係した興奮系の神経細胞が多く傷ついている可能性があることを先に挙げました。

また、現代人を取り巻くさまざまなストレスも、うつ病の原因になるほか、仮にストレスを乗り越えたとしても、そのためにがんばりすぎたことで、自分の脳を興奮毒性にさらし続け、うつ病を引き起こすことがあり得ることも、すでに述べた通りです。

ここで、ドパミンとセロトニンの働きについて、少し詳しく見ておきましょう。ドパミンは、アドレナリンに近いものです。アドレナリンとノルアドレナリン、ドパミンの三成分はお互い似ているので、一括して呼ぶときは、カテコラミンと呼ばれます。アドレナリンが興奮物質であることは、一般的にもよく知られています。また、ドパミンは、〝脳の中でよく働くアドレナリン〞といった理解でそれほど間違いはないでしょう。

一方、セロトニンは、血中にあって、血管や腸管などを収縮させる働きを持ちます。ただし、血管収縮の作用発現の速さや作用の強さは、全体的に見てアドレナリンなどのカテコラミンには及びません。精神的・肉体的な危機的状況はもちろん、日常的にも精神活動・肉体活動に際して、最初に強く働くのはカテコラミンです。セロトニンは、少し遅れて必要な体の反応に関係しています。

たとえば、セロトニンを取り込んだ血小板は活性化されて血液凝固を促進するため、けがで出血したときには、血管を収縮させて止血するという大事な役割があります。それでも、その反応は、血管が切れたときに、即座に働くノルアドレナリンによる血管収縮に引き続いて、必要になるものです。

体に危機が迫ったときに働くセロトニンは、脳の中にもあらゆる部位に存在していて、カテコラミンに続く二番手として、情動や摂食、睡眠、性行動、神経内分泌機能に関係しているとされています。

ここで忘れてはいけないのは、興奮や緊張をもたらし、やる気や気力を起こさせるドパミンやセロトニンなどが不足しているのは、あくまで「結果」だということです。大事なのは、ドパミンやセロトニンなどを分泌させる神経細胞が、興奮毒性によって傷ついてしまっている状態にある、ということなのです。

うつ病は、脳内のドパミンやノルアドレナリン、セロトニンが不足しているから起きるのだとの考えから、抗うつ剤として、ドパミンを増やす薬剤(MAO阻害剤やメチルフェニデート、あるいはアンフェタミン)が使われましたが、これらは危険だからという理由で、現在は使用されていません。なぜ危険なのかというと、興奮しすぎて傷ついた神経細胞は休ませる必要があるのに、薬剤で無理にドパミンを増やすことは、傷ついた神経細胞を休ませるどころか、さらに強い興奮毒性にさらして、傷を広げていることになるからです。これではますます神経細胞が疲弊し、症状が悪化してしまうでしょう。 現在では、ノルアドレナリンの濃度を高める薬剤として三環系抗うつ剤、セロトニンとドパミンの濃度を高める薬剤としてSRI(セロトニン再取り込み阻害剤)、セロトニンとノルアドレナリンの濃度を高める薬剤としてSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤)が使われています。これらも、程度は軽いかもしれませんが、休ませることなく、神経を働かせ続けていることには変わりありません。

ごく一時的に薬剤の助けを借りることで楽になるときはあるかもしれません。しかし、少量であっても使い続ければ依存症になり、悪循環に陥ってしまうことは先にも述べた通りです。

うつ病の治療で、神経を休養させることが大切といいながら、ガイドラインで薬物を推奨しているのは、実に矛盾に満ちた行為だといえるのです。

最後に、ストレスや不安に対処するための考え方について述べておきます。ストレスや不安に対処するためには、筋トレやジョギングにたとえればわかりやすいでしょう。

私は以前、雨上がりの道をジョギングしているときに足を滑らせて転び、腰を打ってしまったことがあります。それから背骨に響く痛みが続いたため、半年以上、走るのを怠っていました。ようやく痛みが取れたころに走ってみると、わずか一・五キロ足らずの距離を休みなしには走ることができなくなっていました。筋肉が衰え、息も続かなくなっていたのです。腕立て伏せや縄跳びも、けがをする前に比べると、できる回数が大幅に落ちていました。それからは毎日少しずつ、いわばリハビリをした結果、体力も徐々につき、ジョギングも腕立て伏せも二重跳びも元の水準に戻りました。トレーニングを怠ると体力がてきめんに落ちますが、地道に続けることで、少しずつですが回復してくるものなのです。

不安への対処法にも同じことがいえます。無理なく少しずつ、けれども投げ出さずに継続することが、不安に対処する脳トレの秘訣です。

以上、抜粋終わり

うつ病の薬を摂取することにより、

本来休ませるべき脳神経の働きを、

更に酷使してしまうという考え方は、

私は非常に納得がいきます。

そのそも薬とは問題があって、

機能不全になりかけているところに、

無理やり働かせようとするのですから、

他の部分にも負担がかかり、

しまいに壊れてしまいますよね。

人間は非常に強くできているので、

簡単には壊れませんが、

しかし誤作動を起こすようになってしまいます。

それが症状となるわけです。

ですので、薬の使い方には特に慎重にお願いします。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です