うつ病からの脱出ー肥満・メタボリックシンドローム 4ー

このエントリーをはてなブックマークに追加

今回は同テーマの第4弾です。

著書『なぜあなたは食べすぎてしまうのか 低血糖症という病』から下記抜粋します。

食べてやせる人、食べないで太る人

「私は人に比べてそんなに食べるほうではないのに太る体質で、水を飲んでも太るのではないかと心配です。なのに、まわりを見ているとたくさん食べるのにやせている、うらやましい人もいます。どうして、こんなに不公平なのでしょうか?」

たまに、こんな風におっしゃる患者さんがいらっしゃいます。確かにそのとおりですよね。私自身も、そう思っていた一人でした。この答えは、非常にシンプルです。それはただ一言、「代謝」の問題なのです。

柴田さんの血液データを見ると、明らかに太りやすくてやせにくい、「代謝が低下」しているパターンです。

身長158cmで体重は55・2kgと、見た目ではそれほど太っているようには見えません。問題は、体組成です。柴田さんの体重は標準体重でしたが、体の中身をみると、理想より筋肉が少なく、脂肪が多いとても立派な「隠れ肥満」の状態であり、体脂肪率が30%を超えていました。このような「隠れ肥満」の人たちは、体力がなくて疲れやすく、女性の場合、多くはいわゆる不定愁訴といわれる、冷えやむくみなどの症状を持っています。

血液データをみると、GOTとGPTが16と9と、とても低値です。もともと肝臓で作られるGOT・CPTという酵素には補酵素としてビタミンB6が関与しており、B6が不足するとGPTがより低値になります。つまりこの両者の差はビタミンB6の不足を意味するのです(注‥脂肪肝などによって数値がマスクされると、B6が不足していても差が明らかにならないことがあります)。B6が足りないときはほかのビタミンB群も足りないことがほとんどです。柴田さんは、代謝を上げるために必要なビタミンB群が非常に不足していたと考えられます。ビタミンB群は、摂取したカロリーや蓄積した脂肪を燃焼しエネルギーに変換してつかうときに必須のビタミンですから、これが不足すると代謝が下がり、とてもやせにくい状態だといえます。 また、LDHは乳酸を分解する酵素で、本来は200以上はほしいところですが、138と低値です。LDHが低いと疲労物質である乳酸を分解できないので、とても疲れやすくなります。100台前半の人には、疲れやすい人が多いです。

CPKは筋肉の中にある酵素であり、少なくとも100はほしいところですが、柴田さんは48しかありません。これは運動量が少ないか、筋肉量が少ないことを意味しています。体組成で筋肉量が非常に少ないことと合致しています。筋肉量が少ないと燃やせるエネルギーの量が低下する調で、代謝が下がるだけでなく、筋肉のポンプ作用も十分にはたらかず、冷えたりむくんだりしやすくなります。日本人に多い「下半身太り」は、このパターンが多いのです。

フェリチン値は、月経のある女性の場合、80から100が理想です。80を下回ると、鉄欠乏による症状が起こることがわかっています。しかし柴田さんの場合、16・8しかなく、強い潜在性鉄欠乏状態です。鉄は酸素を運ぶために、また、細胞内のエネルギー工場であるミトコンドリアで、最終的に食べたものをエネルギーに変えるために必要です。鉄欠乏では当然代謝は悪くなりますし、月経前症候群(PMS)の症状にもつながります。また、鉄はコラーゲンを作るために必要ですから、鉄が不足すると、タン白質の不足とあいまって肌のしわやたるみなどの原因となり、お肌の老化を早めます。このような潜在性鉄欠乏状態の人が、食べない無理なダイエットをすると、老化を早めますから、「やつれた」といった印象になります。

そして尿素窒素の低値は、タン白質の摂取量がとても少ないことを意味します。脂肪を減らしても筋肉を減らさず、正しいダイエットをするためには、タン白質が絶対的に必要です。尿素窒素が8・5ではやせにくいです。タン白質をしっかりとることが、リバウンドしないダイエットを成功させるためのポイントのひとつなのです。

これらの結果から、柴田さんは代謝がとても落ちている状態と考えられるので、やせられないのは当然、といえるのです。

さらに柴田さんの場合、「低血糖」という大きな問題もあります。低血糖であるということは、すい臓から「太らせるホルモン」であるインスリンが過剰に分泌されている状態なので、当然太りやすくなります。

食べたカロリーを、細胞がエネルギーに変換してつかってくれれば脂肪になりにくいのですが、インスリンは細胞がエネルギーを利用する前に、即座に脂肪に変えてしまいます。このような状態ではダイエットを成功させるのはとても難しいことです。

柴田さんの場合、グリコアルブミン値が12.8と低いこと、低血糖によると考えられる症状があることから、低血糖症と考えられます。ですから、食べたカロリーが脂肪に変わりやすい体内環境になってしまっていたのです。

反対に、たくさん食べても太らないタイプの人は、代謝がよい人たちです。食べたものを細胞がエネルギーとして利用できれば、脂肪になりにくいのです。これには筋肉の量や栄養素の量、インスリンの分泌の状態などが関係してきます。

たくさん食べてもやせている人と、食べないのに太る人のちがいには、このように「代謝」が深くかかわっているのです。

柴田さんのような「代謝低下タイプ」は、カロリー制限だけの「食べない」ダイエットをしても、やせることはできません。下がった代謝を上げて、エネルギーを燃やせるような体を作っていくことが必要です。これはそのまま、健康を回復することにもつながります。

このように、患者さんそれぞれの太っている原因を見極めて、知的なダイエットをおこなう必要があります。ダイエットに関しては治療の項を参考にしてください。

 

以上、抜粋終わり

太りやすいかどうかは、

代謝量で決まります。

だから筋肉質の方は

代謝がいいので、

太りにくいですが、

筋肉が少ない方は、

代謝が低いので、

太りやすくなります。

なので、女性は男性に比べて、

筋肉量が少ないので、

太りやすいと言えます。

つまり太りたくなければ、

常に筋肉を鍛えておくことが必要です。

だから筋トレって大事ですね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です