うつ病からの脱出ー低血糖症の診断と治療 1ー

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今回のテーマは低血糖症の診断と治療というテーマでお伝えします。

著書『なぜあなたは食べすぎてしまうのか 低血糖症という病』から下記抜粋します。

l・低血糖症になりやすい体質

第2章では、低血糖症で起こりうるいろいろな症例をご紹介しました。

低血糖症ではいろいろな症状が起こりえますが、同じような食生活をしていても低血糖症になる人とならない人がいます。つまり、低血糖症になりやすい人と、なりにくい人がいるということです。

脂質代謝研究で有名な、アメリカのバリー・シアーズ博士によると、全人口の25%の人は炭水化物に「非常に敏感」で、いつでも炭水化物に過剰なインスリンの反応を起こすということです。

そしてべつの25%の人はその逆で、精製された炭水化物を食べてもインスリンが過剰に分泌されることはなく、それによって低血糖症になることも、肥満になることもないそうです。

残りの50%は両者の中間であり、一部の人は炭水化物に対して正常な反応を示すけれども、人によっては(または炭水化物の質によっては)インスリンのレベルを上昇させることがあるということです。

これはつまり、人口の半分以上の人たちは糖分のとり方に気をつける必要がある、ということを意味しています。

そう考えると、現代人にこれだけ具合の悪い人が多いことや(その中には低血糖症によって具合が悪くなっている人がかなりいるはずです)、肥満やメタボリックシンドローム、糖尿病などのいわゆる生活習慣病がとても多いという理由が理解できると思います。

では、どのような人が低血糖症になりやすいのでしょうか?

まず、低血糖症になりやすいかどうかには、遺伝的な体質が強く関係しています。

低血糖症の患者さんは、血のつながったご家族に糖尿病の患者さんがいる場合が多いです。つまり、血糖調節に異常をきたしやすい遺伝的な素因がある場合に、低血糖症を起こしやすいのです。

ほかに低血糖症になりやすい体質や条件には、以下のものがあげられます。

・先天的に消化機能が弱い(栄養欠乏をきたしやすい)、またはピロリ菌の感染

・食生活の偏りやさまざまな原因による栄養欠乏(タン白質・ビタミン・ミネラルなどの不足)

・貧血(および潜在性鉄欠乏)

・先天的または後天的なすい臓機能の障害(インスリンレセプターの異常やインスリン抵抗性、インスリン抗体の存在など)

・アレルギー体質(副腎に負担をかけやすい)

・自律神経失調症(栄養欠乏により起こりやすい)

・甲状腺機能障害(血糖の調節異常を起こしやすい)

・先天的にビタミンの必要量が多い(ふつうよりビタミン不足を起こしやすい)

・ストレスが強い(アドレナリンとノルアドレナリンを分泌しやすい・栄養素の吸収が低下しやすい)

・アルコール・タバコ・カフェインの過剰摂取(栄養素の吸収障害・アドレナリンとノルアドレナリンを分泌させ、血糖調節異常を起こしやすい)

 

このような条件がある場合に、精製された糖分を多く食べるような食生活が続くと、低血糖症になりやすいといえます。

家族に糖尿病や低血糖症の患者さんがいたり、すでに低血糖症の症状がある場合は、食事のしかた、とくに糖質のとりかたに気をつける必要があります。

 

2.低血糖症の治療

低血糖症の症状は、低血糖そのものによる症状、低血糖により引き起こされるホルモンによる症状、ホルモンバランス・自律神経バランスの乱れによる症状、そして栄養素の不足による症状が組み合わさって起こります。

つまり、低血糖症の症状を治療するためには、これらの原因を改善すればよいのです。

低血糖症の治療法としては、以下のものが中心となります。

 

1.食事

2.栄養素の補給

3.運動

4.ストレスマネジメント

5.その他

 

すべて大切な治療法ですが、とくに重要であり、自分でもおこなうことが可能なのは1の「食事」と2の「栄養素の補給」です。

 

1 低血糖症を治す食事療法

「低血糖症を治す薬」は存在しません。薬では低血糖症は治りません。低血糖症にとっての薬は「食べもの」です。つまり、「なにを食べるか」が、薬を飲むこと以上に大切だ、ということです。

低血糖症の治療においてまず一番大切なことは、いうまでもなく「血糖値を安定させる」ことです。

低血糖症の食事療法には、大きくわけて4つのポイントがあります。

 

①GIの低い食品を食べる

②食事の回数を多くする

③加工食品を控え、新鮮なものを食べる

④刺激物を控える

 

それぞれについて、くわしくみていきましょう。

 

以上、抜粋終わり

この続きは次回です。

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