今回は低血糖症がうつを引き起こしているというテーマでお伝えします。
著書『うつは食べ物が原因だった!』から下記抜粋します。
血糖値は脳にも影響を与えていた!
低血糖症がうつを引き起こしている
血糖値が急激に上がると、それを下げるために多くのホルモン、酵素が分泌され使われます。逆に下がった血糖値を上げる際にも、アドレナリンやノルアドレナリンなどのホルモンが放出されます。
その影響を受けるのが自律神経。バランスに乱れが生じて、さまざまな精神症状を誘発します。うつ症状、焦燥感、イライラ、不安感、恐怖感……といったものがそれです。体にも、頭痛や動悸、手足のしびれな どの症状があらわれます。
ただし、そうした症状が低血糖症から起きている、と判断されることは稀です。そう、短絡的にうつと診断されてしまうのが現状なのです。
米国の精神科医マイケル・レッサー博士は、低血糖症について次のように述べています。
「あらわれる精神症状は、さまざまな原因によって生じるが、それらの原因は低血糖症が関係している」 私たちはもっとこのことを意識する必要 があるのではないでしょうか。
オーバーワークになっている副腎
血糖値の調整異常には副腎も関係しています。アドレナリン、ノルアドレナリン、コルチゾールなど多くのホルモンをつくり分泌している副腎は、ストレスによってもっともダメージを受ける器官です。
私たちが実際にストレスを受けたり、ストレスを受けそうだな、と感じたりすると、対ストレスホルモンが副腎からさかんに分泌されます。
ストレスが大きければ、また、長く続けば、副腎はどんどんホルモンをつくり、繰り返し放出しなければならなくなります。 当然、副腎に負担がかかります。
さらに、血糖値の調整でも副腎はおおいに働かなければなりません。前述した、血糖値を上げる作用のあるアドレナリン、ノルアドレナリンなどの放出です。
まさに、働きづめの状態の副腎は、オーバーワークになって疲弊し、その機能を十分発揮できなくなってしまいます。それも低血糖症の進行につながるのです。
副腎が疲れている人にあらわれる症状としては、朝から午前中の時間帯にうつ気味になったり、強い疲労感を覚えたり、といったものが代表的。ストレスに弱くなったりするのも特徴といえます。
上がった血糖値を下げるのは、膵臓のランゲルハンス島から分泌されるインスリンです。このインスリンも、血糖値が乱高下を繰り返す状態が続くと、だんだん分泌される量が減ってきます。
インスリンの分泌量が適切でないと、血糖値の調整機能がガタンと低下してしまいます。
これも血糖値の安定にとっては“大敵“ 相乗的に精神症状はますます進むことになるのです。
うつ病での休職から栄養療法で復帰できた(体験談)
5年ほど前から頭痛、だるさ、疲労感が強くなり、ときどき胸のあたりが締め付けられるような症状が出てきたため、あるとき近所の内科を受診しました。今思えば、これは低血糖症の症状そのものでした。
しかし、胸のあたりが締め付けられるような症状については、異型狭心症との診断で、 ノルバスクとニトロペンを処方され、頭痛、だるさ、疲労態は、肝機能障害との診断で、ウルソを処方されました。
ところが症状は改善するどころか、次第に悪くなっていき、やがて起き上がることもつ らくなり、会社も休みがちになりました。
すると今度はうつ状態(社会不安障害)と診断され、パキシル、トレドミンが処方されました。また、血液検査の結果も悪くなっているとのことで、高脂血症のための薬が追加されました。その後、症状はさらに悪化し、会社も休職せざるを得なくなりました。
病院の診断や処方に疑問を感じるようになった私は、いろいろと調べはじめ、低血糖症という病気があること、自分の症状がこれと同じであることを知りました。そしてインターネットで「低血糖症」を検索し、そこで見つけた新宿溝口クリニックを受診したのです。
クリニックでは5時間糖負荷検査と血液検査を実施し、低血糖症及び重度の亜鉛欠乏と の診断を受けました。治療は食事指導(糖質制限、たんばく質摂取)と亜鉛、ビタミンB 群、プロテインなどのサプリメント摂取です。
初診時、溝口先生に「どのくらいで治る(通常の生活ができる)のでしょうか」と聞いてみたところ、「個人差が大きいので何ともいえないが、指導を守れば2週間で改善しているのがわかる」との答えでした。
その言葉通り、治療をはじめて2週間後く らいから、頭痛、だるさが軽減したのかはっきりと体感できました。
3カ月後にはほとんどの症状がなくなり、 ほぼ通常の生活ができるようになりました。 6カ月後にはすべての症状が消え、会社と復職に向けての話し合いができるようになりました。そうして9カ月後に復職。現在は、休職以前より健康な状態で仕事に励んでいます。
定期的に血液検査を受け、サプリも飲んでいます。もちろん糖質制限も継続しています。 クリニック受診前に飲んでいた薬は、ほとんど効果はありませんでした。受診後も、しばらくは最初に行った病院にも通っていましたが、栄養療法をはじめて血液検査の数値もよくなったので薬を減らしたい、最終的には薬をやめたいと相談したところ、検査の数値がよくなったのは薬の効果であり、薬を減らすと元に戻るだけだといわれました。そのような医師に疑問を感じ、その病院に行くのはやめてしまいました。その後、溝口先生の指導ですべての薬をやめることができました。
受診前は、本当に効果があるのか、莫大な費用がかかるのではないかと不安でしたが、 サプリメントは希望の金額に納まるよう保険のきくものへと変更したり、量や種類を調整してもらえます。
もし栄養療法に出会えなければ、今も毎日効果のない大量の薬を飲み、働くこともできずに収入は途絶えていたでしょう。溝口先生と栄養療法に助けられたと思っています。
以上、抜粋終わり
現在我々が普段食べるもの中に、
加工食品がかなり多くなってしまいました。
便利になった反面、
体を壊しやすくもなっています。
それは血糖値を激しく上下させる食べ物だからです。
少々食べたところではどうということはないのですが、
これが蓄積されてくると、
そのうち体が悲鳴をあげてしまいます。
それが内臓などの機能に問題が出ればわかりやすいのですが、
精神の方に出ていると、
まず医者の診断では誤診してしまいます。
低血糖症という病気について、
医師の理解が少ないからです。
だからほとんど発見されることなく、
他の病気と間違われ、
患者の方はいつまでたってもよくならないわけです。
上記の体験者は自分で治そうと、
インターネットで調べたからこそ、
正しく診断してくれる医師を、
探し出すことができたのです。
もし自分のうつ病が、
治療しているのにかかわらず、
いつまでたってもよくならないのであれば、
一度自分の診断を疑ってみてください。
ひょっとしたら、
低血糖症からうつ症状が出ているかもしれません。
あなたの行動が、
うつ病からの脱出につながります。
勇気や気力を振り絞って、
行動しましょう。