今回はタンパク質欠乏についてというテーマでお伝えします。
著書『うつは食べ物が原因だった!』から下記抜粋します。
⑤たんばく質欠乏 動物性と植物性、どっちがおすすめ?
たんばく質欠乏改善のカギはメチオニン
たんばく質は、脳内伝達物質を合成する際のもっとも頂点に位置する栄養素です。うつを引き起こす「脳の栄養素不足」に、 たんばく質の欠乏はおおいにかかわっていますが、当然ながら、骨や筋肉、血液から皮膚まで、人間の体そのものを成立させているのもたんばく質です。
体に取り入れられたたんぱく質は小腸で吸収されるとき、アミノ酸の形に分解され、遺伝子の指令によって新たなアミノ酸結合がおこなわれます。ここで配列を変えてつくり変えられるのはたった20種類のアミノ酸。このアミノ酸が、人間の体のすべてをつくり上げています。
もちろん、脳の神経細胞が神経伝達物質を合成しているのも、こうした経路で結合されたアミノ酸です。
アミノ酸がつくり変えられ、新たなたんばく質が合成されるとき、アミノ酸配列に関係なく、すべてのたんばく質合成の初期に重要な働きをしているのがメチオニンというアミノ酸です。このメチオニンの存在がなければ、たんばく質の合成はうまくいきません。言い換えれば、体に取り入れられるたんばく質の“質”を決めているといっていいでしょう。
軍配は動物性。 工夫して植物性もとろう
「たんばく質をとるなら、植物性、動物性、どちらがいいですか?」
これは本当に、よく受ける質問です。大豆たんばくは特に、ダイエットブームの影響で、低カロリーの植物性たんばく質として国内外で注目を集めています。
大豆は発酵食品を生み出すなど優れた食材であることは確かです。ただ、植物性、動物性のたんばく質で決定的に違うのは、先ほどお話したメチオニンの含有量です。
メチオニンは動物性のたんばく質に多く含まれています。たんばく質を体内で効率的にアミノ酸につくり変えたいのならば、動物性たんばく質を意識的にとったほうがいいでしょう。
ここで下記の神経伝達物質の合成過程の図を見てみてください。
神経伝達物質で調整系の役割を果たしているセロトニンはどこにありますか?トリプトファンが合成されたうえで産生される物質では?このトリプトファンは動物性のたんばく質に多く含まれている物質です。トリプトファンが不足すれば、セロトニンの合成はうまくいきません。
植物性か動物性か?
どちらに軍配が上がるかは、こうした事実でも明らかです。動物性たんばく質は、「うつ」に対抗する強力な栄養素といっていいでしょう。
ただし、植物性たんばく質がまったく役に立たないというわけではありません。大切なのは、どちらもバランスよくとること。その結果、体内では、栄養素がムダなく使われるのです。
⑤たんばく質欠乏 一日はこれだけとってほしい目安量
プロテインスコアを基準に
一日に必要なたんばく質は、体重1kgあたり1〜1・5g程度だと述べました。 実は食品のg数がそのまま摂取量を示しているわけではありません。
体に取り込まれるのは栄養素ですから、どのくらいの量のアミノ酸がその食品中に含まれているかを考えてとる必要があるのです。その値の基準を示したのか「プロテインスコア」です。
下記の表をご覧ください。プロテインスコアで卵は100の値を示していますね。牛肉は80、アジが89……といったように、食材によってプロテインスコアは違います。
このスコアを、食材のg数と、食材に含まれているたんばく質にあてはめて導き出されるのが、摂取されるg数ということになります。
たとえば、牛肉を100gとったとしましょう。たんばく質量は20g、ここにプロテインスコアをあてはめると16gということになります。250gのステーキを食べたのであれば、一日の必要量に、あと一歩というところです。
ただし、“生”でない限り、この数値でたんばく質をとることはできません。火を通すという調理法は、たんばく質の摂取量を減少させるのです。火の通し方にもよりますが、体内に取り込まれる栄養素はほぼ半量に減少してしまいます。
必要量をとるためのこんな工夫
毎日必要量のたんばく質をとることは、そう簡単なことではない、ということがおわかりいただけたと思います。
しかも、たんばく質は毎日一定量が消費されていきます。昨日たくさんとったから、今日は食べなくてもいいか、ということにはなりません。すべての栄養素にいえることですが、特にたんぱく質は〝食いだめ〞ができないのは、前に述べた通りです。ここはより効率のいい食べ方を考えなくてはなりません。
もっとも効率がいいのは“生〞で食べることです。
プロテインスコアで100の値を持つ卵は、そのままの数値を摂取するなら生卵がもっとも効率がいいということになります。親子丼なら、溶く卵のほかにもう1個、生卵をのせて食べるなど、なるべく火を加えず食べる方法を考えてみてください。
牛肉ならウエルダンで焼くより、レアかミディアムくらいの焼き方で食べる。魚は煮たり焼いたりするより、刺身で食べるほうが効率的です。
“組み合わせ”もポイントになります。たとえば豆腐。冷や奴でも湯豆腐でも、動物性たんばく質のカツオ節と一緒に食べる。納豆ならネギとからしに加えて生卵を入れる、など、動物性たんばく質と植物性たんばく質を組み合わせると、栄養のバランスがよくなります。
以上、抜粋終わり
私はタンパク質は大豆中心なのですが、
肉はあまりたべませんが、
卵は食べますので、
これでうまくバランスが取れます。
やっぱりタンパク質の取り方も、
ひと工夫考えましょう!