今日のテーマは「拒食症」です。
著書『精神科は今日も、やりたい放題』から下記抜粋します。
食欲がないだけで拒食症
摂食障害といわれる病気がある。拒食症と過食症に分けられ、交互にこれを繰り返すとされている。ここにも詐欺的な部分が多く含まれている。
確かに食べたくても食べられない人、食べたくないのに食べてしまう人がいることは事実である。しかし何の固定観念も執着もなくこの状況に陥っている人を私は見たことがない。
たとえば拒食症の場合、モデルのように細くないと女性として美しくないと決めてかかっている。昔(実際はそんな太ってなくても)太っていると言われたことをずっと根にもってそこに執着しているため、食べてはいけないとしか考えられない。これは教科書的には強迫性障害の延長ということになるが、同様の理屈でこれを障害と呼ぶことは妥当ではない。
まず大事なのはこれらの考えを持っているそのものが、すでに社会的に洗脳されているのだと自覚することである。拒食といっても何かの出来事に落ち込んで(たとえば家族の死、恋人にフラれるなど)、食欲がないという状況まで最近は拒食症と診断されている始末である。
悲しいことがあれば多くの人は食欲がなくなってなんの不思議もない。そこから食べていく過程に移るには、本人が悲しみの過程を受容していく受容期が必要なだけのことである。
過食症の場合は同じ理由もあるが、少し様相が違う場合もある。実際には太っていないのに太っていて過食症だと、自ら申告してくる患者もいる。これは拒食症と同じ理屈でモデル志向、やせ願望の延長でしかない。
また嫌なことがあると食べてしまうと訴えて訪れる患者もいる。これはいったい「やけ食い」となにが違うのかという問題になるこれを病気とすれば儲かるからこそ治療対象にしているのである。
もし過食症が精神障害だというなら、やけ食いも当然精神障害になってしまう。私はそのようなことをもちろん認めはしない。
ここまでなら病気ではないという言い方もできるが、過食症の場合、低血糖症と糖質依存症が原因になっているケースもあるから注意が必要である。これは詐欺とは少し違って、診断が間違っていると考えたほうがいいかもしれない。
ごく簡単にいえば脳は糖質しかエネルギーとして利用できないので、容易に糖質依存となる可能性を秘めており、低血糖になると意思とは無関係に食べ物がほしくなる。よく女性が甘いものを食べると落ち着く、というのはこの前段階でしかない。これに気づかずに安易に向精神薬を飲んでしまうと、精神薬自体が糖分代謝を狂わせるため、収拾がつかなくなる。
この場合の基本は糖質中心の食事を見直し、生活リズムを見直すよりほかに方法がないのだ。
摂食障害において投薬治療した場合、拒食症が治ったというのは精神薬の副作用である「過食」を利用していることがほとんどである。
過食症の場合も副作用の食欲低下を利用しているか、強迫観念そのものをうち消す方向に進めていることがほとんどである。
もし見かけ上良くなっている場合があるとしても、その裏で薬の副作用によってさまざまな脳の機能を傷つけていることは、これまでに書いてきたとおりである。向精神薬は数日の服用でも依存症になることがあり、服用をやめるとめまい、頭痛、筋肉痛、灼熱感や視野のゆがみや過呼吸発作といった禁断症状を起こす。また不可逆的な認知障害や記憶障害もありうる。
そこまでして薬を飲む理由があるだろうか?
だからこそ摂食障害の治療は慎重にしなくてはいけない。拒食症が体重の著しい減少を呼び死を招くかもしれないとき、または過食症でも標準の二倍、三倍という体重になってしまい、命にさわるとき以外、医学として治療してはいけないのだ。それ以外はドツボにはまり、これまで同様詐欺にかかってしまうことを忘れないでいただきたい。
次にあげるのは摂食障害と診断された、看護師の女性の体験談である。薬よりも考え方を変えたことが功を奏した実例としてご覧いただきたい。
私は摂食障害の拒食と過食嘔吐の苦しみを七年かけて克服しました。その間、うつ、パニック、自殺企図などを経験し、現在は摂食障害専門の克服支援活動を行なっています。
高校三年生のとき、大学受験のストレスと強い痩身願望により、徹底したダイエットを始めました。しかし、食べない生活をずっと続けられるわけもなく、体が飢餓状態になったからか、食欲が暴走を開始。食べたいけど、太るのは困ると思い、友達もやっているからと安易な気持ちで、食べたいだけ食べて嘔吐することを繰り返すようになりました。はじめは痩せていく自分に達成感を得ていたのと、目標体重になったらすぐにやめれると思っていましたが、徐々に中毒のようになり、どんなに気合を入れてもやめられません。
自己コントロールができなくなったことによる焦燥感と、食べ物を吐くことの罪悪感。「なんで自分はこうなっちゃったんだろう」「一生続くのかな」と、毎日不安で怖くてドン底でした。大学の精神科の講義で「摂食障害」を知り、助けてほしいと精神科に行きました。そこで精神薬をもらい、飲み出しましたが、摂食の異常はやまず、ぼーっとして考えるのが億劫になるだけでした。そして、この時期に自殺企図が始まりました。今まで、つらいつらいと言いながらも大学の講義は受けていましたが、薬を始めた時期は授業にも集中できなくなりました。
「これじゃだめだ!薬じゃ治らない!」と思い、勝手に薬をやめ、病院に行くのをやめカウンセリングを受けることにしました。五軒ほど回りましたが、摂食障害を理解してくれているカウンセラーに出会うことはできませんでした。それで、医療に答えはないと思い、自己啓発系の本や心理治療、最新の栄養療法や海外の食事などの勉強を始めました。
結果として私が克服できたのは、家族のサポートがあったのと、自己啓発系の本を読んだりしながら自己を認め、変でいいんだ、普通なんてないんだ、完壁なんてないんだってことを理解し、考え方を変えられたからです。
以上、抜粋終わり
みなさんは上記をどう感じられたでしょうか?
最近いろんなダイエットがありますが、
そのほとんどが、
いい加減なものがほとんどです。
部分的には正しいところもありますが、
人間の機能は一部で動かしているわけではありません。
他の器官と連動しながら、
全体としてバランスを取り、
それぞれが補完し合いながら、
体を構成しているのです。
その理解と知識が不足しているために、
安易にそのダイエットが良いと思い込み、
そして体を壊す人があとをたちません。
栄養バランスが壊れて、
体がおかしくなるのですから、
簡単に元通りになるではありません。
女性に多いようですが、
ダイエットに失敗した場合、
やり方に問題があると、
体やを壊してしまうという考えが、
スッポリ抜け落ちてます。
もしあなたがどうしても安全にダイエットをしたいなら、
医療知識や栄養学の知識のある専門家と相談しながら行うことをお勧めします。