今回はそれぞれの薬の問題点というテーマでお伝えします。
著書『心の病に薬はいらない!』から下記抜粋します。
薬の副作用について
ここでは薬それぞれの副作用、依存性、禁断症状、後遺症について簡単に述べます。
まず副作用と禁断症状と後遺症について簡単に定義しますが、これらは本来、確実な定義があるわけではありません。そもそも副作用という言葉を使っていますが、これも見方を変えれば作用の一つにすぎません。医療側の都合によって分けているだけです。
副作用は「飲んでいる間に出ている不都合な作用」の総称とお考えください。そして禁断症状は字のごとく「薬をやめたり減らしたことによる短期的な症状」のこと。後遺症とは「薬をやめたり減らしたことによる長期的もしくは永続的な症状」のことです。ここで禁断症状と後遺症の明確な境目の定義はありません。そのような定義を医学界は明確にしていないからです。
私は便宜上1カ月以内の主要な症状を禁断症状と呼んでいます。それ以後残っていく症状は後遺症と呼んでいます。この呼び方は絶対ではなく、私流であることをご理解ください。
まずメジャートランキライザーですが、この依存や後遺症と、ベンゾジアゼピン系(以下、ベンゾ系)向精神薬や抗うつ薬のそれは明らかに違います。薬の内容が違うので当然ですが、メジャートランキライザーを飲んでその後に抜いたときは、まさに統合失調症同様の禁断症状が出ることが多いです。
ここでの一番の問題は、元は幻覚や強い妄想、支離滅裂性がなかったのに、飲んでからそういった症状が出るということです。これは逆説的にドーパミン理論を支持しているので皮肉なことですが、抑えられていた他の脳ホルモンの生理的反動である可能性もあります。
このことを示す仮説(ここでもまた仮説です)がアップレギュレーションです。アップレギュレーションとは投薬された影響による「受容体の増加」のことです。メジャートランキライザーは受容体を塞いでしまう存在であり、それが続けられると脳内は受容体(受け手)を増やして対応しようとするわけです。その後減薬したり断薬したりするとドーパミン機能などが相対的に上昇し、統合失調症同様の症状(幻覚、妄想など)が誘発されるわけです。これはいまだ仮説の域ですが、臨床上は理解しやすい概念とされています。
他にメジャートランキライザーの副作用として有名なのが錐体外路症状です。これにはパーキンソニズム、アカシジア、ジスキネジア、ジストニアなどがあります。
詳しくは専門書をご覧いただきたいのですが、簡単に分けると以下のとおりです。
・パーキンソニズム(安静時の振戦、筋強剛、無動など。小刻み歩行などの歩行異常、前傾姿勢、仮面様顔貌などが見られる)
・アカシジア(ソワソワ落ち着かない、動き回りたくなる、貧乏ゆすり)
・ジスキネジア(口周辺や舌の異常な運動、舌のもつれ、手足が勝手に動く)
・ジンストニア(顔や首の強いこわばり、首がそり返る、ひきつけ、けいれん、目が正面を向かない、目の玉がクルクル回る、眼球上転)
その他にも出る副作用として糖尿病、体重増加、性欲の低下、記憶障害、虫歯や歯周炎、人格変化、退行などさまざまなものがあります。これらがどれくらい残るかどうかは人それぞれであり、今のところ明確な法則は見つかっていないと思います。
またメジャートランキライザーのほうが抗うつ薬に比べ自傷率は少ない気がしますが、これも私の主観であることはご理解ください。ある意味何も考えなくさせる鎮静薬ですから、自傷率が下がるのは当然かもしれませんが、それはロボットにしているのと同じであることを理解できるかどうかが重要です。
抗うつ薬で恐ろしい副作用は躁転やアクチべーションシンドロームです。要するにハイテンションにさせる作用が強いアッパータイプの薬ですから、そのような問題を起こすのは当然でもあります。
また依存性にも問題があるのですが、あまり知られていない後遺症として認知障害があります。この認知障害が世に出回っている情報よりも強力なのです。抗うつ薬はハイテンションにするだけでなく、強迫性(こうでないといけない、ああでないといけないなど) の観念に働きかけるとされています。だから精神医学の教科書では、強迫性障害に抗うつ薬を処方すると書いているのです。
しかしそれはつまり強迫性を薄めるわけですから、飲み続けるだけでどんどん「ちゃらんぽらん人間」になってしまうということです。それがさらに続けば、自分が何をすべきか、何をやったらいいのかよくわからないといった状態になります。記憶しなければいけないことが記憶できないとか、やらないといけないことがわからないという話をたくさん聞いてきました。
これはメジャートランキライザーからくる認知障害とは中身が違います。メジャートランキライザーを飲み続けると、まるで知的障害や老人の認知症のようになっていく印象があります。それに比して抗うつ薬は正気は保たれているのですが、いろいろなことが「できなくなる」のです。減らしたときの禁断症状として、自傷行為、他害行為が最も怖いものです。また食欲低下、頭痛、筋肉痛、フワフワ感やめまい、無力感などが見られます。その他も多くの症状が見られ、人により千差万別なのはすべての薬に共通した内容です。
以上、抜粋終わり
薬による副作用や禁断症状は、
複雑でわかりにくいかもしれませんが、
上記を参考にしてください。