今回はCase7の方の紹介です。
著書『新型「うつ」原因は首だった!』から下記抜粋します。
Case 7
ムチウチを繰り返した結果、 首が原因でパニック、うつになった
39歳 女性 Iさん
いつも風邪をひいているようで、微熱、頚部熱がひどくなり、二年前から、めまい、ふらつきで、一年以上家から出られなかったIさん。さらにパニック発作が起こり、うつ症状も出現してきました。
症状経過
私は、三二歳のとき、強い首の筋肉の痛みでベッドから起きられなくなりました。三二歳までに合計一〇回頭を打ったりムチウチを起こし、そのうち大きなムチウチが五回もあり、首の筋肉にはダメージが蓄積し、体中にいろいろな症状が出てきました。
体がふらついて、ときどきグルグル回るめまいが起きて、一年間も家の外に出られない状態が続きました。体がだるくて、起きていられない。家の中でも寝たきりのような状態になっていました。何もする気になれず、体もついていかない状態でした。ある時、脈が急に速くなり、頭から血の気が引くような思いがして、息苦しくなり、パニックの発作が起き、心療内科で「パニック障害」の診断を受けました。微熱が続いたのでいろいろな検査を受けましたが、原因は不明でした。
気が滅入り、うつ症状が出現してどうにもならなくなり、頸筋症候群のことを知って受診しました。首の筋肉のチェックポイント三六カ所すべてに異常が見つかり、入院をすすめられました。ベッドの空きがなかったために一〇カ月待ち、ようやく入院できました。
入院一週間の治療で、六つあったうつ症状のうち、五つが消えていました。
二週間後には、身体症状(不定愁訴)が二五から八になっていたのです。
こんなに早く治療効果が出てきたのにはびっくりしました。入院して良かったと本当に思いました。
二カ月後には、ほとんどの症状がなくなり退院。今までにないほど幸せで、元気に過ごしています。
解説
Iさんは、入院して治療を開始すると、すべてあったうつ症状(六症状)は一週間の治療で五症状減り、一つだけとなりました。
二週間後には二五あった身体症状が一七症状もとれて八となり、急速に治療効果が現れました。頭痛、めまい、ふらつき、心悸亢進、微熱、胃腸症状などが改善し、見違えるほどよくなりました。
Iさんの場合も、うつ症状が身体症状より先に消失するという、新型うつの特徴が出ています。
今回紹介したすべての症例で、うつ症状が身体症状より先に消えます。これは頸筋性うつの発症のメカニズムを考える上で大変重要な所見です。身体症状(不定愁訴)が原因でうつ症状が出現し、治療を始めるとうつ症状が先に消えます。その後、身体症状は、首の筋肉の他覚的異常所見の減少と平行して減少していき、他覚的異常所見より先にゼロに近づいていきます。
Iさんは家庭の事情で入院期間八週間後に退院したので、自覚症状も他覚的異常所見も二つずつ残りました。もう少し治療を続ければ両方ともゼロとなったに違いありません。
以上、抜粋終わり
これですべてのCaseをお伝えしました。
入院治療すると
もともと治癒率が高いので
いい結果が出ています。
この先生の治療は
頚部の硬いコリを
鍼灸治療でとっておられるようです。
つまり鍼灸師でも同じようにすることが
可能であるかもしれません。
この先生は電気鍼のようですが、
別に電気鍼でなくても
鍼灸師なら、
自分の得意な手技で
コリをとることが出来ると思います。
遠くてこの頚筋治療をしている先生に
お願いしたくてもできない方は
近くの鍼灸治療院に相談して、
お願いしてみれば良いと思います。