今回はCase 3・4の紹介です。
著書『新型「うつ」原因は首にあった!』から下記抜粋します。
Case 3
ストレスによる不眠で、 仕事ができなくなった 54歳 男性 Eさん
心療内科で「うつ病」の診断をされたEさん。抗うつ薬を飲むと、全身がだるくなり、頭がポ〜ツとして出勤もままならなくなってきました。
症状経過
私は五年前から首と後頭部に鈍い痛みを自覚するようになりました。脳神経外科で脳のMRI検査を受けましたが「異常なし」。首の痛みで整形外科を受診しましたが、いくら治療を受けても改善しません。仕方がないので整体を受け、だましだまし不快な症状とつき合っていました。
そのうち集中力、記憶力が落ちてきて、夜も眠れない状況になってしまいました。何をするのも面倒になり、次第に生きていくのもどうでもよくなってしまいました。さらに、朝起きると、めまい、頭痛、吐き気と全身のだるさが出てきて、毎日、会社に出勤することができなくなってしまったのです。
心療内科で「うつ病」と診断され、抗うつ薬を処方されました。薬を飲むと、少し気分が良くなるように思いましたが、体調は全く変わらず悪いままでした。
ちょっと良くなったと思って出勤すると、すぐに体が思うように動かなくなってしまいます。全身がだるく頭がボ〜ツとなって仕事を続けられず、早退せざるを得ないという状況でした。
本で頸筋症候群のことを知り、受診しました。
首の筋肉の異常は、三六のチェックポイント全部があてはまりました。「治療をすれば治りますよ」というドクターのすすめに従い、入院することに決めました。
なかなかベッドが空かなかったので、入院を待っている期間、外来通院をしました。その時、治療に行ったり体調不良で行けなかったりと、きちんと通院しなかったために、症状は良くなったり、悪くなったり、一進一退を繰り返しました。
一年二カ月後、入院しました。
入院当日、「本当に、この病気が治るのだろうか」と、不安いっぱい、暗い気持ち、気の滅入った状態で病院に着きました。
入院二週間後からうつ症状が劇的に消え始め、四週間後には、うつ症状が全部なくなったのには驚きました。あれほど悩まされていた「うつ」がすっかり消えたのです。人生が明るく感じられるようになり、笑顔でしゃべっている自分を発見してびっくりしてしまいました。笑顔が出るなどということは、ついぞなかったように思います。
身体症状(不定愁訴)も少し遅れてなくなり、体も楽になっていきました。入院五週間後に、薬はすべて中止となりました。体中が爽快な感じになり、いろいろなことをやってみたいという意欲が体の中からわいてくるようになりました。今、思えば、あれだけ体中に満ちていた不快感がどこへ消えたのか不思議です。
退院後は職場復帰を果たし、やる気満々、元気に働いています。
解説
入院二週間後からEさんのうつ症状は劇的に消えて、三週間後には「イライラして焦燥感がある」の一つだけになりました。四週間後には完全にうつ症状は消失しました。身体症状(不定愁訴)も少し遅れて次第に消えていきました。
他覚的な首の筋肉の異常も四週間後にはなくなりました。入院時一旦二錠飲んでいた抗うつ薬も入院二週間後には盲一錠となり、五週間後に薬はすべて中止となりました。
Case 4
天気が悪くなると不調に。 朝だるくて起きられない、学校に行けない
19歳男性Fさん
うつ症状も出て、異常に汗をかく。ふらつき、微熱が出ていつも風邪気味。たくさんの症状が出て、Fさんは症状の改善を求めて、たくさんの病院巡りをしました。
症状経過
私は、八歳のときに頭痛と肩の疼痛を自覚するようになりました。一二歳の頃から首が痛みだし、中学生時代は、朝、目が覚めると体がだるく、頭痛がして起きられないようになり、学校へ行けない日が増えていきました。
その頃から、不快な症状が次々と出始めました。
ふらつきが出て、常に風邪気味となり、天気が悪くなると体調が悪くなって、うつ症状が出てきました。さらに、異常なほど汗をかくようになりました。突然、脈が速くなり、涙やつばがたくさん出て、困るようになりました。三七度台の微熱も続くようになったのです。突然、お腹が痛くなり、下痢もするようになりました。顔がのぼせ、足がつめたくなり、前胸部に圧迫感が出て、痛みも覚えるようになりました。
高校へ進学すると、体はいよいよだるくなり、学校を休むことが多くなりました。
頭痛外来へ行ったり、痛みを取るために神経ブロック療法を受けたり、整体やカウンセリングを受けても、症状は良くなりません。私は症状の改善を求めて、たくさんの病院巡りをしました。最終的に、精神科や心療内科を受診し、抗うつ薬を処方されて服用しましたが、いっこうに良くなりませんでした。
入院五週間後に微熱がなくなり、その頃からうつ症状が消え始め、意欲や集中力が出てきました。七週間後、気分の落ち込みが消えた頃から、首の痛み、めまい、肩こりなど、身体症状(不定愁訴)がおもしろいほど消えていくようになりました。
退院時は頭が少し痛いだけで、それ以外の身体症状は全くなくなっていました。
退院後の現在、プールリハビリ中。頭がちょっと重いだけで、いたって元気です。
解説
Fさんは、入院時、問診では三〇のうち二五に異常がみられました。入院五週間後には微熱がなくなりました。同じ頃からうつ症状も減っていきました。意欲や集中力が出てきたのです。
七週間後には、気分の落ち込みが消えていました。
退院時には頭が少し痛いという症状が残っていただけで、二四症状が消失しました。
退院後、三カ月が経ち、経過を観察中ですが、現在、Fさんは頭が少し重いだけで、症状は退院時と変わりがありません。
微熱は頸筋症候群によく出る特徴的な症状の一つです。血液検査や通常行っているどんな検査をしても異常はみつかりません。ただ、はっきりしているのは首の筋肉の異常だけで、首の筋肉の治療をして異常が少なくなると微熱は消失します。発熱のメカニズムは研究中で、まだわかっていません。
以上、抜粋終わり
Case7までありますので、
参考にしてください。