もう一例砂糖のとりすぎから人生を狂わせた人のケースを見てみましょう。
引き続『砂糖をやめれば うつにならない』から下記抜粋します。
〈人生を狂わせたケーキ〉
・デートの夜に荒れ狂う
敦子さんと淳司さんは、都内のおしゃれなレストランでディナーを食べていました。恋するふたりは、ワイングラスを傾けながら、交際1周年を祝いました。このレストランの評判のチョコレートケーキを思い浮かべ、敦子さんの口内は唾液でいっぱいです。魅力的なチョコレートの香りがレストラン全体を包む。まるで彼女の心を読んでいたかのごとく、ウエイターは、豪華で芸術的に飾った香り豊かなケーキを皿に載せて軽やかなステップでやってきます。
いつものように、ふたりはチョコレートを互の口にそっと差し入れました。つぎに、レモンパイ、トリュフ、チョコナッツも同じように互の口に入れました。笑いとユーモアがいっぱい。ふたりは恋に夢中でした。人生はバラ色のように思えました。
それから40分たって、ふたりが夜の公園を歩いているうちに、彼女の気分が急に落ち込んできました。さっきまでの陶酔と高揚は消え失せ、代わりに、彼女はパニックと不安に震えているではありませんか。頭痛、イライラ、めまい、それから、お腹の中が震えている感じがします。
明るくて落ち着いた敦子さんはどこへ行ったのでしょう。そこにいるのは、意地の悪いガミガミ女です。「なんで、今日、待ち合わせの時間に遅れたのよ!遅れるなら遅れると、電話すればいいでしょう。本当に失礼!」と叫びました。
驚いた淳司さんは、そんな敦子さんを見て、がっかりしたように、「すごく楽しんだじゃないか。なんでそんなことを持ち出すんだ」と聞きました。けれど、彼女の口からは怒りの言葉が連発されました。論理はありません。ただ彼への攻撃を止められなかったのです。
淳司さんは敦子さんをじっと見つめました。彼の目には、彼女は正気とは映りませんでした。数分間、押し黙っていた彼は、こう口を開きました。「なんで、君はそんな意地悪なんだ!」
答えることができない彼女は、うつむいたまま黙っていました。彼は、今日のデートを切り上げようといい、タクシーで彼女を自宅まで送ってから帰りました。
自宅で彼女はベッドに横たわり、心の中でひとり叫びました。冷静沈着な本当の自分はどこにいってしまったのかと思うと、やるせない気持ちで涙が止まりません。
良心の呵責で恥ずかしさに襲われると同時に、彼女は怯えていました。親切でやさしい女から怒りと攻撃性をむき出しにした悪女へ変身した原因がわかりません。原因がわからないことが、彼女の恐れをいっそう根深いものにしていたのです。
元気のよい明るい敦子さんがディナーに行き、取り乱し、短気このうえない敦子さんが自宅に戻りました。まるで二重人格であるかのような行動をとってしまったことを認めざるをえません。
その夜、彼女は10時間も眠りました。翌朝、彼女は不安のうちに目を覚まし、ベッドから這うように起き上がりました。
彼女は自分の行動を恥じ、暗い気分で数日をすごしました。さらに追い討ちをかけたのは、彼女が誠意をもって謝罪したにもかかわらず、淳司さんが彼女に会おうともしなかったことです。こうしてふたりは別れました。
彼女は自分に問いかけました。なぜ、理由もなく、私は合理的でなくなり、攻撃的になるのか?なぜ、私は度を越して感情的になるのか?私の何がいけなのだろうか?
・ジキル博士からハイド氏に変身させる甘いもの
ここに紹介した怒りの爆発は、頻繁ではありませんが、周期的に敦子さんを襲いました。そのたびに彼女は屈辱を味わいました。これらの経験からわかったことは、ケーキ、チョコレート、キャンディ、クッキー、コーラ、アイスクリームなど砂糖を多く含んだ食べもの、すなわち、甘いものをたくさん口にした後に、のんびりしたジキル博士から怪物のハイド氏に変身するということです。
砂糖ばかりではありません。高度に精製され、ファイバー(食物繊維)が取り除かれた精白小麦粉でできた精白パン、クラッカー、スパゲッティー、ポテトチップス、それに白米などを食べても、イライラし、合理性を失うのです。砂糖も高度に精製されたカーボも、同じように彼女に悪影響をおよぼしました。
これからの食べものは、食べた直後から血糖を急激に上げるカーボ(糖類)でつくられているので、「クイックカーボ」と呼ぶことにしましょう。
甘いものが大好物な敦子さんの机の引き出しには、チョコレートやキャンディ、クラッカーが大量に蓄えられています。ある日、訪ねてきた友人が、クリップを探して引き出しを開けたところ、偶然、大量の甘いものを発見しました。このとき、友人が「まるでアルコール依存者がお酒を大量に蓄えているみたい」とポツリと言いました。
読者のみなさん。脳と体の問題がケーキやデザートといった「クイックカーボ」の食べすぎが原因で起こる、ということを受け入れるのは、最初はやや難しいかもしれません。でも、この理論は多くの科学的根拠によって裏付けられているのです。
・脳も体もボロボロにする砂糖
敦子さんはあまりに感情的になり、怒りが爆発するという問題だけでなく、めまいや頭痛に苦しみました。まるで頭に霧がかかったようにスッキリしないこともたびたびありました。突然、お腹が空いて、何か食べなくてはいけない衝動にかられることも、また、激しい頭痛に襲われ、何もできない状態でソファーに横たわることもありました。
それから、毎月、「月経前症候群(PMS)」に襲われ、気分が悪くなり、さしたる理由もなく怒りがこみあげてきます。体が痒くなったり、8時間寝ても疲れがとれません。それから、頻繁にカゼをひきます。
体の具合が悪いだけではありません。楽しい気分から一転してうつになるなど、感情の上がり下がりが激しいのです。たとえば、不安やうつ、あるいは、気分がかなり落ち込んだときなど、死を願ったことさえあります。
彼女は解決策を求め、数年にわたっていくつもの病院に通いましたが、どの医師も彼女の症状を説明することができません。これが、さらなる挫折感をつのらせました。どの医師も彼女の脳と体に起こった大混乱の原因が、彼女の大好きな甘いものにあるとは脳裏の片隅をよぎることさえありませんでした。
診断例をあげておきます。
ある医師は、「慢性疲労症候群です」といい、別の医師は「ウイルス感染です」と告げました。3人目の医師は、「コーヒーの飲みすぎです」というので、コーヒーをやめました。4人目の医師は、「どこも悪くありません」
5人目の医師は、「すべては気の持ちようです。心理療法を受けてみましょう」。そして6人目の医師は「うつ病です。抗うつ薬のパキシルを飲みましょう」と勧めましたが、彼女はキッパリ拒否しました。
医師たちは彼らなりの答えを出したものの、どれもが的外れなものでした。
・甘いものをやめて健康回復
それから数年が過ぎました。彼女は、統合医療を実践するひとりの医師に出会いました。西洋医学だけでなく、栄養や東洋医学にも詳しい彼は、彼女が辛い症状を訴えると、彼女の食生活について細かく質問しました。こうして彼女がケーキ、チョコレート、キャンディをたくさん食べていることが明らかになったのです。
彼は、彼女の血糖値を調べ、「あなたは深刻な低血糖症です」と正しい診断を下しました。彼の処方はユニークです。診断し、病名をつけ、薬を処方するというのが、現代医学の常識ですが、彼の処方には薬がまったく含まれていなかったのです。
薬なしの彼の処方は、こうです。
・砂糖はもちろんのこと、すべての甘い食べものとすべての高度に加工されたカーボを食べるのをやめること。そうすれば、気分よくなるでしょう。
・タンパク質、新鮮な野菜、糖分の少ない果物、ナッツ類、タネ類、マメ類、全粒の穀物、そして健康によい脂肪(青魚、アマニ油)を十分摂ること。
・ビタミンとミネラルのサプリメントを摂ること。
その日から敦子さんは、クイックカーボの摂取となる甘いものをすっかりやめ、指導に忠実にしたがい、健康によい食べものを食べるようになりました。それから、数週間たつと、彼女の人生は劇的に変わりました。彼女を苦しめていた脳と体の問題はすべて解消されたのです。
・病院に行くほど悪化するうつ
由紀子さんや敦子さんのエピソードからもおわかりのように、甘いものを食べすぎると、イライラ、怒り、不安、うつ、疲労などに襲われます。こんなときに病院に行くとほぼ確実に「うつ病」と診断され、抗うつ薬、睡眠薬、抗不安薬などが自動的に処方されます。
これらの薬は副作用だけでなく、依存性もあり、やめようとしてもやめられません。10年、20年と依存性のある薬を飲みつづけることになり、ひどいケースでは自殺にいたることもあるようです。
これは脅しでも誇張でもありません。うつのために精神科や心療内科を受診する人が毎年、増えています。厚生労働省の調査によると、うつ病(気分障害)患者は、1999年以前は年間約44万人でしたが、2008年には104万人に達しました。うつの通院患者は、最近の10年で2.4倍に急増したのです。
全国の精神科と心療内科の診療所の総数も大幅に増えています。1996年の3860診療所から2008年の9404診療所へと12年間に2.4倍になりました。抗うつ薬の売り上げも1998年までは年間173億円でしたが、2009年には1000億円を超えたそうです。
抗うつ薬がどんどん売れ、精神科と心療内科の診療所が急増し、患者が増えたのです。新聞、テレビ、精神科医、製薬会社が「うつは薬を飲んで休養すれば治る」といった、うつ病のキャンペーンをしてきましたが、それによってうつ患者は増えつづけました。
怖いことに、2000年代になって、二十~四十代前半の若い世代の自殺者が増えています。たとえば人口10万人当たりの自殺死亡率は1998年度を100とすると、2010年度では、二十代が125、三十代が113、四十代が105となっています。「うつ病、精神科受診をしましょう」というキャンペーンの結果だと思います。自殺を防ごうという抗うつ薬の副作用がしさ自殺願望やその実行なのですから、薬理学的には当然の結果なのです。
病院に行くと薬漬けにされ、依存症にされかねないのです。これが、日本中にうつ患者が蔓延するおもな原因のひとつとなっていると考えられています。
以上、抜粋終わり
上記の内容から、甘いものをとりすぎるとうつ病などの病気の原因となること。
病院にいっても、なかなか病気を特定してもらえず、病状を長引かせてしまうこと。
うつ病患者や自殺者が増えた原因等が理解できると思います。
もともと私は精神的なことに関心があり、心理カウンセリングの勉強から始めました。
また西洋医学や東洋医学の勉強を進めていくうちに、現代医学の問題点が更に理解出来るようになりました。
特に大きな問題点としては、西洋医学は急性期の病気には効果が高いが、慢性期の病気には効果が薄いということ。
そして精神疾患の領域では極めて効果が弱いということ。
これは西洋医学の特徴として、精神領域は部分的に捉えることが難しいことによるもの。
翻って東洋医学は、急性期は西洋医学ほどの即効性はないものの、慢性期の病気には極めて効果が高いこと。
また精神科疾患においても、全体性を診る東洋医学はかなり高い効果を発揮すること。
精神疾患に対する心理療法は対処療法的であること。
何故なら心理療法はもともと西洋医学からできたもので、対応がやはり部分的になるため、
複雑な精神領域に関しては一定の効果は出せるものの、完治は難しい。
それよりも全体性を診る、自然療法であるセラピーの方が、効果は高い。
それゆえにセラピーの必要性を感じ、各種セラピーも勉強するようになりました。
以上は、治療者側から見た私の意見です。
そして患者側からの問題点はほとんどが日々の食事に関係しています。
これは共通して言えることですが、ほとんどの病気が、食べものが病気の原因となっています。
そして症状の増悪原因が薬の副作用であること。
だから病気の原因を考えるときはまず、自分の生活習慣を振り返ってください。
特に食生活を。
必ずそこに原因が隠されています。
そして病気を本気で治したいなら、悪い原因を断ち切り、治療が必要ならば、根治療法を選択してください。
対処療法(薬)は症状を抑えるだけで、治すことはできません。
よく薬を飲んで良くなった、というケースも多々ありますが、それは薬が症状を抑えている間に、あなたの体が自身の自然治癒力で治したからです。
決して薬が治したわけではないのです。
自然治癒力がまだ病気に勝てるうちは回復しますが、病気が勝り出すと回復しません。
この状態になると、ほとんど自身の回復が見込めないので、治療家の助けが必要となります。
その時に根治療法を選択してください。
何故なら治しているのはあなたの体自身で、その助けとなる自然治癒力を引き出すのが根治療法だからです。
根治療法もいろいろあるので、何が良いかは自分で調べ、判断してください。
その時に鍼灸治療の中でも、経絡治療は一つの選択できる治療法ですので、検討してもらえれば良いと思います。