今日も引き続き精神医療の実態についてです。
著書『薬を抜くと、心の病は9割治る』から下記抜粋します。
誰でも「精神障害」にされてしまう
精神医療の先進国といえばアメリカですが、そのアメリカの精神医学会が「精神疾患の診断統計マニュアル(DSM)」をまとめました。これは日本でも使われており、現在なんと374種類もの精神障害が列記されています。
たとえば、計算が遅いと「算数障害」、思春期に親に反抗すると「青年期反抗障害」、なんとなく不安になると「全般性不安障害」などです。
これを見て「えっ?!」となりませんか。こんな、誰でも日常的に起こりやすいことで「精神障害」にされてしまうのですから。このように精神障害をどんどんつくり、それぞれの症状に合わせて次々と新薬を生み出しているというのが、精神医療現場の実態です。
一般企業にたとえるなら、社員たちが「次はどんな企画戦略で行こうか」と考え、たくさんのプランを出し、そのなかからヒットしそうなものを採用して世に送り出すのに似て います。その結果、アメリカの向精神薬の売り上げは年間270億ドル、世界では4400億ドルにのぼり、精神医学界を「麻薬の売人」などと酷評する人もいるくらいです。
あってないような病気のガイドライン
「DSMLによる診断法は、日本でも急速に広がりました。
このガイドラインは、近年発達を遂げている脳神経学や脳解析学などの科学的根拠を重視せず、病気の原因にもあまり踏み込みません。患者さんにあらわれる精神症状のみを統計的に分類したもので、アメリカではすでに見直しが検討されています。
そんな「いい加減に」分類された症状に当てはまるかどうかを、マニュアルに沿って質問していくというのが、最近の日本の精神科や心療内科の診断法の主流なのです。
しかも、問診が中心ですから、もしあなたが「最近、なんとなく不安なんです」と訴えると、「全般性不安障害」と診断されるでしょう。不安になる理由はさまざまなのに、「病気の原因にあまり踏み込まず」「患者の精神状態のみを見る」という診断基準のため、いとも簡単に精神障害にされてしまうのです。
逆に患者がウソの答えをしていけば、その患者が実際は精神障害だとしても、そうではないと診断される可能性もあります。
このように、病気はつくられているという面もあるということです。科学的根拠の薄い病名を載せたマニュアルに基づいて、健康な人が精神障害と診断されることもあるのです。もちろん、すべてがすべてということではありません。
精神科医によってでっち上げられた「新型うつ病」って何?
わかりやすい例をあげるなら、「新型うつ病」という言葉は、以前はありませんでした。
1.若年層に多く、全体に軽症で、訴える症状は軽症のうつ病とくらべて判断が難しい。
2.仕事では抑うつ的になる、あるいは仕事を回避する傾向がる。ところが、余暇は楽しくすごせる。
3.仕事や学業上の困難をきっかけに発症する。
4.患者の病前性格として、成熟度が低く、規範や秩序、あるいは他書への配慮に乏しい。
「新型うつ病」といわれているものは、日本うつ病学会では上記のように定義しています。
極言すれば人格や性格による変調であることが多いのですが、この人たちに必要なのは薬物療法ではなく、認知行動療法などの心理療法・カウンセリングです。
この、問題だらけの「新型うつ病」は、メディアによく登場する精神科のある女性医師によって喧伝され、まるで新しい病気であるかのように世の中に認識されてしまいました。通常、日本で精神科医を名乗るには「日本精神神経学会代議員選挙」の有権者名簿に掲載されているはずですが、ちなみに彼女の名はありません。
「新型うつ病」という適当な概念を世に広めた彼女の罪は深い、と私は考えています。
本当の「うつ病」の人の特徴は、「自分がすべて悪い」と思ってしまうことです。「仕事もできない、食事もつくれない、社会貢献ができない、それは自分のせい。まわりに迷惑をかけて申し訳ない」という精神状態になります。
ところが「新型うつ病」といわれる人は、「私が仕事ができないのも、人生がうまくいかないのもまわりが悪い、みんなおまえたちのせいだ」という傾向が強いのです。本当のうつ病の人は買い物に行くのでさえ、まわりの人に申し訳ない気持ちでいっぱいなのですが、「新型うつ病」の人は会社には行きませんが、遊びに行くのはなんともないという場合が多いのです。
その女性医師によって「新型うつ病」という名前をつけられてしまったがために、精神科の医師もそれに便乗して薬を出すようになってしまいました。そうすると、今度は「新型うつ病」に対しても保険診療として抗うつ薬を出していいことになります。医師は薬を出せば儲かりますから、「新型うつ病」という病名に便乗して、薬を処方するケースが多々見られるようになったのです。嘆かわしいことではないでしょうか。
以上、抜粋終わり
えっ、と思うような内容ではないでしょうか?
こんな簡単に病気にさせられてしまうの?と疑ってしまいますよね。
昔は精神病というのはあまりなかったように思います。
すべて根性論でかたずけてきましたから。
これが良いか悪いかは別にして、誰でも一面として持っているようなことが、
病気にされてしまうということですね。
本当に恐ろしいことだと思います。