今日は第4弾です。
著書『精神科は今日も、やりたい放題』から下記抜粋します。
ファイザー社のデッチアゲ研究
いい加減なのは精神科医だけではない。もちろん製薬会社も同じである。たとえばロイターが掲載したニュースに以下のようなものがある(二〇〇九年一一月二日)。
◎ファイザー社、研究データをデッチアゲ
調査機関が発表したところによると、ファイザー社が販売するガバペンチン(てんかん薬)のマーケットの拡大に不都合な研究結果の揉み消しや改ざんを同社が行なっていたことを示す社内文書が見つかり、製薬企業がどのように科学研究の操作が行なわれているかを知る機会を提供する結果となった。臨床試験ではあらかじめ科学的疑問を設定しておいて、それを調べることになっているが、ガバペンテンをてんかん以外の疾患に適用した場合の社内データと公表データを比較してみると、20の試験報告のうち8試験は医学ジャーナルに公表されていなかった。公表された12の試験報告のうち8試験では、主要転帰(研究に関する疑問と答え)が、元の研究計画にあったものとは異なるものにファイザー社によって変更されていた。「研究の公表報告の間で入れ替えられた主要転帰はいくつもあった」と、ボルチモアのジョンズ・ホプキンス大学のケイ・ディカーシン女史は語る。「いくつかの主要転帰はまったくどこかに行ってしまっていた。新たに作られたのも。もとは二次転帰に設定されていたものが主要転帰に格上げされているのもあった」と、電話インタビューで女史は語った。
ファイザー社がスポンサーとなって行なわれたこの一連の研究により、偏頭痛や痛みといった症状に対してガバペンナンがどのように作用するかが示されたが、これはガバペンチンの適用外使用である。
薬というものは、いったん承認されれば医者の判断で自由に処方できるため、承認外での販売が許可されていない製薬企業は、医学雑誌に掲載されたこうした研究記事をコピーして医者に見せ、適用外のこれこれこういう症状にも効果がありますとやるわけだ。
ティカーシン女史がこの内部資料を入手したのは、ファイザー社が四億三〇〇〇万ドル支払うことで決着した二〇〇四年のガバペンナンの違法プロモーション裁判で、専門家証 人としてファイザー社と対時したとき。またこの間題を別の弁護士が取り上げ、適用外の販売活動、都合の悪い研究結果の揉み消し、都合の良い結果を導き出すための臨床デザインの変更などに対し、再度ファイザー社は訴えられている。
つまりすべてのものがこれくらいいい加減だということである。
早期介入、早期支援という一大詐欺について
この詐欺を大々的に進めようとする動きがある。それが「早期介入・早期支援プロジェクト」だ。
早期介入・早期支援とは国や関東系の精神病院、有名福祉法人などが大グループとなって進める国家プロジェクトといってよい。その内容とは言葉のとおり、
「精神病や精神的に問題ある人を早く見つけ」
「早く精神病院に連れて行き早く薬を飲ませて安定させる」
「早く福祉施設に入れて障害者として作業所などで働かせる」
というのが基本概念だ。
まったく聞こえはいいが、これはまさに大規模詐欺に他ならないわけで、要するに早く金儲けの対象である患者を見つけ、薬を飲ませることで長期患者を作り、精神障害者のレッテルを貼り、それを福祉施設に入れることでさらにマージンと利益を得ることを目的としている。
百歩譲って働くことが難しかったり、能力的に困難な場合福祉に組み込むのはありうるだろうし、相談業務を行なうことはありうるだろう。別に私は福祉をボランティアでやれなどとまったく思わない。
しかしその中で薬を飲ませるべき人、病気であると判断すべき人、本当に福祉が必要な人がいったいどれくらいいるだろうか。
私の答えはもちろん「非常に少ない」だ。
以上、抜粋終わり
日本人はデータを出されれば、
すぐに信じてしまう傾向がある。
私は以前中国貿易をしていたので、
中国のことについては、
当時少し事情に通じていたが、
中国の出すデータはまったくあてにならないと知っていた。
だからデータを出す人や機関が信用に値しなければ、
今でもデータを見ただけでは信用しない。
出す人や機関の意図によって、
簡単に騙すことができるからだ。
日本や日本人が出すのデータなら信用できるかと言えば、
これもまったくあてにならない。
政府は統計でよくごまかすことも知っている。
だから、あなたもデータを見るときは、
最初に本当に正しいかどうかを、
まず疑って、
確認することを勧めます。
医者が早期発見、早期治療と言って検診を進めていますが、
ではなぜ検診をしているにもかかわらず、
病気を未然に防ぐことが未だにできないのか、
考えたことがあるでしょうか?
一度自分でその意図を確かめてください。
それが本当に役に立つものなのか?