うつ病からの脱出ー私の実践する「精神症状」対応策 5

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今日は同テーマの第5弾です。

著書『精神科は今日も、やりたい放題』から下記抜粋します。

鍼灸治療のススメ
 当院においては漢方処方だけでなく鍼灸治療についても行なっている。
 鍼灸治療の基本概念は東洋医学思想であり、さまざまな病気に応用されてきたが、漢方に比べ現代においては適応疾患にかなり差があることは否めない。
 たとえば胃炎に鍼灸治療をしても改善する人はいるのだが、現代医学が発達したので鍼灸治療で胃炎を治療する必要はなくなったといえる。
 その意味では鍼灸の現代における役割とは西洋医学と補完したり穴埋めすることによって、難病や逆に病気とはいえないものを治療するツールであるといえるだろう。
 精神医学の分野に関しては、原因のよくわからない痛みと、薬物の禁断症状に伴う種々の身体症状緩和に効果を発揮する。
 鍼灸が得意とする症状は、原因不明のさまざまな痛み、神経痛(しびれを含む)、慢性頭痛、慢性めまい、異常感覚症、頸肩腕症候群などである。
 ここでは鍼灸の理論には触れないが、難治性が高い状態なら一度検討してみていただきたい。
 もし鍼灸治療を受けることになったなら、太極療法をきちんとやってもらえる鍼灸院を勧めたい。太極療法とは痛いところだけでなく全身の主要な「ツボ」に鍼を刺し、さらに病的部位にも鍼を刺すやり方である。ここにも東洋医学理論の基礎として病変だけをみずに全体をみるという思想がうかがえると思う。
 鍼灸治療の一番の問題点は保険がきかず高価である、つまりある程度経済的な余裕がないと受けられないという点である。
 何回か施術してみて効果がない場合にだらだらと続けることは勧められない。この場合も効果判定と相性をみて治療選択してもらえば幸いである。

サプリメントをどう考えるか?
 サプリメントの活用については専門家でも意見が分かれるが、私はあまり勧めない。サプリメントは文字どおり補助食品にすぎず、食事で補うことが基本である。もし使うのなら市販の安価で総合的にビタミンやミネラルを含んだものを一種類購入して使用する。決して高価だったりねずみ講に属するようなサプリメントを、長期的に使用しないこと。サプリメントに限らないが効果があるかどうか評価することも重要で、高価なサプリメントを無効なまま長期的に摂取することは、精神科とは違う詐欺に引っ掛かる結果になる。ゆめゆめ注意されたい。
 最も重要な薬物離脱のための方法は、教育であり勉強である。ここでは医療用薬物の危険性や精神科領域のウソを含めた詐欺的問題をよく認識することである。この認識なしにこれまで書いてきたさまざな対応策に手を出しても、ほぼ間違いなく失敗する。ドラッグの離脱施設においても、最初に行なうのは薬の危険性に対する徹底した教育である。このことも忘れないでいただきたい。

以上、抜粋終わり

鍼灸については有効な治療の1つなので、

治療を選択するにあたっては、

強く薦めたい。

ただし前から指摘していることだが、

事前にどういう鍼灸治療をしているかを確認しておくこと。

それは電話で問い合わせればわかることである。

必ず東洋医学的治療をしているかどうかを確認することである。

何故なら8~9割の鍼灸師は東洋医学的治療をしていないからである。

ちなみにツボ療法というのは対処療法であるので、気をつけていただきたい。

俗に言う、

痛いところに鍼を刺す治療である。

この治療法は我々鍼灸師の世界では、

あえて分類するために解剖生理学的治療と称している。

言い方を変えれば、

鍼灸版西洋医学的治療である。

ツボの反応が出ているところを治療するツボ療法というと、

素人はいかにも東洋医学の治療のように感じてしまうが、

それは単に症状の反応がそのツボに出ているだけであって、

そのツボが原因というわけではない。

もちろん治療ポイントであることには間違いないのだが、

しかしかならずしもそのツボが原因とは限らない。

つまり原因と結果でいうとツボの反応は結果なのである。

その反応ポイントだけを治療しているので、

当然対処療法となるわけである。

原因を探すためには、

東洋医学の四診法を駆使しなければわからない。

この四診法の中に、

東洋医学独特の脈診や腹診があるのである。

これをしない限り、

原因は特定できない。

内海先生は対極療法を推薦されているが、

それも素晴らしい鍼灸治療の一つである。

しかし我々鍼灸師の世界は対極療法は

澤田流という一流派を指すことばで、

東洋医学の治療としては、

大きくは2つに分かれる。

1つは中医学的治療と、

もう一つは経絡治療である。

他にも小さな流派はたくさんあるが、

問い合わせるときは、

この2大名称を参考にしていただきたい。

この2つの治療法を大雑把に簡単に説明すると、

中医学的治療とは現代中国の鍼灸治療法である。

経絡治療は日本の伝統的な鍼灸治療法と思ってもらえばわかり易いと思う。

ちなみに私は経絡治療を行っている。

それから私は対処療法を否定しているわけではない。

根治療法(東洋医学的治療)を希望している人に、

違いを理解してもらうために説明しているのである。

どちらを選ぶかは利用するかたの選択であるからだ。

それぞれの特性を理解して上手に利用していただきたい。

それとサプリメントについてもコメントしておくと、

私も反対のスタイルである。

ヘタをすると薬と同じように、

一生使い続けなくてはならないようになってしまうからだ。

基本はきちんとした食事をすれば必要ないのである。

またきちんと身体を整えれば、

定期的な身体(例えば月1回程度)のメインテナンスを受けるだけで、

十分に対応できるようになる。

毎日飲むサプリメントを使用していれば、

お金がかかる。

身体をきちんと整えたうえで、

定期的なメインテナンスの治療で健康を維持するのと、

毎日飲むサプリメントを使用し健康を維持するのと、

一生を通してトータル的にみたら、

どっちがお金がかからないかをきちんと計算してみれば、

どちらが維持コストが安いかは、

一目瞭然である。

治療を受ける上でも、

治らない治療をずっと続けるのと、

短期的にはコストがかかっても治る治療と、

最終的にはどっちが安上がりなのかは、

計算すればわかるはずである。

治療を受け際は、

もっと大きな視点で考えるようにしてほしい。

結局はその方があなたにとって、

早く苦痛から解放されることになるのだから。

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