うつ病からの脱出ー私の実践する「精神症状」対応策 3-

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今日は同テーマの第3弾です。

著書『精神科は今日も、やりたい放題』から下記抜粋します。

薬を減らす原則
 薬を減らすときには以下の原則をまず心掛けてほしい。
① 複数処方の場合、まず単剤処方をめざす。
② ちょびちょび減らす、が基本である。決して一気にやめてはいけない(一気に減らしてくれる入院施設や協力してくれる人がいる場合は除く)。
③ 最も有害な副作用を呈しているものから減らす。
④ 抗パーキンソン病薬が入っている場合、離脱症状を緩和してくれる作用もあるため、抗精神病薬同様一気に減らさない。
⑤ 覚醒剤や麻薬まがいの薬なので、禁断症状は必ず起こるということを前提にする。
⑥ 精神科医の理屈、精神科医の脅しに決して屈しない、惑わされない。
⑦ 精神薬を減らしたりやめたとしても、患者自身の考え方が変化しない限り、決して治るという状態には入らないことを理解する。
⑨ 減薬に関しての感覚は本人の感覚をすべて第一に考える。家族の意見は重視しない。
⑨ 量にもよるが複数処方を単剤化するだけで六〜九カ月程度かかることをあらかじめ理解しておく。
⑩ 単剤化された処方をやめる場合はさらにゆっくりちょびちょびと行なう。
⑪ 薬をやめることができれば二度と糖神科にはかからない。

薬ごとの対応法

 向精神薬ごとにも少し述べておく。
◎抗精神病薬
 複数処方の場合、古い第一世代抗精神病薬から整理してなくしていく。CP換算値が一〇〇〇を超えるなどの大量処方の場合は二〜四週間を目安にCP一〇〇ずつほど減らしていく。ただ過鎮静が強い場合はCP二〇〇程度減らすこともありうる。CP換算値で八〇〇程度と四〇〇程度と二〇〇程度に山があると認識しておく。その周辺では一度減薬をストップし、様子を見て本人が薬剤量に慣れているかを確認してから減らすことが望ましい。

◎抗うつ薬
 複数処方の場合、三環系などから先に減らしていく。抗うつ薬一種類になればそこから先は八分の一〜四分の一程度の量を目安に、二週間から四週間で減らしていく。
 薬の量に慣れず倦怠感やアカシジア(アカシジアは、静座不能症状で理由なくそわそわした状態のことを言う。抗精神病薬による副作用として出現することがある。また、強い作用を持つ薬物になるほど、この症状が出現しやすくなる。また向精神薬の禁断症状によっても出やすい)などが強い場合は期間を延長する。

◎抗不安薬
 複数処方の場合、比較的力価が低い抗不安薬(ワイパックスやセルシンなど)を残すようにする。ベンゾジアゼピン系は依存が強いので、一気に減らしていくか、ちょびちょび減らしていくかを、はっきり医師・患者間で意思統一することが重要である。
 なぜならベンゾジアゼピン系は、特に患者本人の性格に依存性が左右されやすいので、性格に応じて減薬スピードをどうするか相談することが重要だからである。
 ちょびちょび減らしていく場合はアシェトンマニュアルが参考になる。アシェトンマニュアルはベンゾジアゼピン依存の権威である、イギリスの精神科医・アシユトン教授がまとめたものである。ジアゼパム置換などの方法を中心に断薬方法の一つとして参考になるが、アシェトンマニュアルの方法では離脱できない場合もあるし、新たにジアゼパム依存を形成してしまうこともあるので、固執しないことが重要である。
 基本は八分の一〜四分の一程度の量を目安に、二週間から四週間で減らしていくことを考える。私自身は苦しいのを承知で、覚醒剤のようにできるだけ早く抜くことを推奨しているが、同意する患者さんは少ない。急速離脱法は非常に危険を伴う方法なので(覚醒剤を抜くときの危険さをイメージしてもらえばよい)、必ず精神薬の減薬を多数行なった医師と相談してから、行なっていただきたい。

◎気分安定剤
 気分安定剤は抗精神病薬や抗うつ薬や抗不安薬に比べると、まだ依存性や副作用は少ない。ただだからといって安全な薬でもなんでもないので、やめていくことがやはり望まし い。通常、気分安定剤は単剤で出されているか、抗うつ薬や抗精神病薬の補強で出されることが多い。このためまずは抗精神病薬や抗うつ薬の減薬を優先する。
 ターゲットの症状をはっきりさせて、気分変調を考えるなら最後の単剤を気分安定剤にしてからやめていく。やめ方の八分の一〜四分の一程度の量を目安に、二週間から四週間で減らしていくことに変わりはない。薬の量に慣れない場合は期間を延長するのも同じである。

◎抗パーキンソン病薬
 副作用止めとしてよく用いられるが、必ずやめねばならない薬剤である。ただそうはいっても抗パ剤を急激にやめることは、悪性症候辞を含めてかなりのリスクを伴う。抗精神病薬の減量に伴い同様に少しずつ量を減らし、抗精神病薬のCP換算値が二〇〇前後になった時点で、明らかな錐体外路症状(抗箱神病薬の副作用などで生じる、パーキンソン病のような症状、アカシジア、眼球上転、体が動かなくなったり逆に勝手に動いてしまうような症状の総称)がなければ最低量にしてからやめていきたい。

以上、抜粋終わり

薬はなるべく飲まない方が好ましいですが、

すでに服用している方は、

もし断薬を希望されるのであれば、

断薬に協力してもらえる医者を探して、

その医者の指示のもとで、

断薬を進めてください。

一人ですると失敗する可能性があります。

もし医者の協力が得られないのであれば、

少しずつ、

服用する量を減らしながら、

身体の反応をみながら進めてくださいね。

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