今日は新薬投与について勉強してみましょう。
著書『断薬セラピー』から下記抜粋します。
新薬投与は人体実験
「新しい薬を出そうか?」とお医者さんに言われると、「私のためにありがたい」と喜んでしまう人が多いようですが、新薬投与とはつまり人体実験です。
長い期間体内にとり続けたときにどうなるかわからない。もちろん臨床試験(治験)は経ていますが、本当の意味で、現場で使われるのは初めてなわけです。
飲み合わせがわからない
「添付文書」と呼ばれる薬の説明書を見ると、「禁忌」という欄があるのに気付きます。ここには、どの薬とあわせて飲むと、死亡したり、重篤な症状を引き起こしたりするかが載っています。こういった副作用は治験の段階でわかったものもありますが、それがすべてではありません。実際に現場で使い始めて、「この薬と一緒に飲んだら、だめだった」ということがわかってくることも多いのです。
薬の種類は1万8000種にものぼるといわれています。その組み合わせは無限大。つまり相互作用も無限大というわけです。そしてその人の感受性、肝臓の具合、体調などによっても、薬の作用は変化します。
新薬の場合は特に、どんな人が飲むとだめなのか、どんな薬とあわせて飲むとだめなのか、まだ何もわかっていないのです。
薬局に勤めていると、そういった「おふれ」がよく回ってきます。「ああ、この薬で死亡が7例も出たんだ」「へえ、水虫薬との併用がだめなのか!」など。製薬会社側が思いもよらない組み合わせで患者さんは薬を使っているんだなと、よく感じたものです。
新薬の本当の怖さがわかるのは、数十年後。つまり新薬ではなくなったときです。それくらい時間がたたないと、その薬が大丈夫かどうかは判定できないのです。
新薬の話が出たら疑いこそすれ、ありがたがる必要はまったくありません。
医師は薬のことを知らない
皆さんには、「お医者様の言うことは絶対」という意識がどこかにあるようです。でも、医師は薬のことをあまり知りません。
現在の医療というのはチームで成り立ち、薬の知識という部分では、医師ではなく薬剤師が担当しています(でも薬剤師様なんて言われたことはありませんが……)。
ベテランの医師においては、経験値がありますから、どんな薬がどのように効くのか、何と併用したらまずいのかなど、とても詳しいのは事実です。経験という意味において医師の右に出るものはいません。ただ、医師になった時点では、ほぼ何も知らないといってもいいでしょう。医学部では主に「病気」のことを勉強するので、薬のことはほとんど学びません。医師となった後に、製薬会社の勉強会などで主な知識を得ているのです。製薬会社の勉強会ですから、そこで得られる知識は「この薬がどんなに効くか」ということが中心です。専門の学会も勉強の場ですが、そのスポンサーも製薬会社です。ですからそれが本当に役に立っているのかどうかは不明です。
また「診療ガイドライン」というものがあります。これは特定の病気について、必要な診断や治療の方法を具体的に示した基準です。医師の判断を助けたり、医療の質の向上や医療費の効率的使用に役立つとされています。1990年に日本医師会と厚生省(当時)による『高血圧診療のてびき』が出され、1999年には厚生省(当時)の医療技術評価推進検討会が47の疾患について診療ガイドラインの必要性を報告して大きな流れになりました。
ガイドラインに使用薬として載れば、それこそ製薬会社は御の字。大抵のお医者さんが、特に新米医師であればなおさら、参照して使ってくれるからです。ですから製薬会社はガイドラインに載せたくて、あれやこれやと手を尽くすわけです。
残念なことですが、新米医師とベテラン薬剤師のチームであっても、薬の決定権はお医者様にあります。薬剤師は「ちょっと量が多くないですか?」といった意見を言えるだけなのです。
以上、抜粋終わり
薬の知識は薬学ですから、
当然薬を専門的に勉強している薬剤師の方が詳しいのは当たり前ですね。
しかし、医療のトップは医師というふうに、
法律で決められているので、
すべては医師の決定が一番になります。
しかしこれは少しおかしいと思いませんか?
医師は病気については詳しいですが、
薬学の知識は薬剤師の方が上なのに、
薬の処方の決定権は医師にあるわけです。
???
じゃあ、薬剤師は何のためにいるの?
ただ薬局で市販薬を薬の知識のない人のために処方するため?
だいたい薬でしか治せないのなら、
医師は必要なの?
疑問はたくさんあります。
しかし法律で定めれている以上、
だれもこの矛盾を正すことはできません。
今の医療が薬と切っても切れない以上、
今後もこの矛盾は続くことになりますが、
現代の日本の医療が、
医療=薬という図式になっているため、
そこに製薬会社という利権屋が生まれます。
しかし薬物治療はお金がかかるわけですから、
お金をかけずに済む医療の検討も生まれるはずですが、
利権屋がうまく、
医師や政治家、官僚などを取り込んでしまっており、
医師の保身も手伝って、
そのような仕組みが検討されることはありません。
なぜなら政治はお金の利権で動いているからです。
この仕組みが変わらない限り、
国民にとっての本当に良い医療が行われることはありません。
ほとんどの国民は、
医療費が国の負担で安く済むので、
良いと思っていますが、
その中身の医療についての良し悪しはわかっいません。
というより、知らされていないと言った方が良いのかもしれません。
ほとんどの人は対処療法という言葉すら知らないのですから。
この国民の無知をいいことに、
今の行政はやりたい放題と言っても過言ではありません。
本当に良い医療を提供して欲しいのであれば、
国民自身ももっと医学について、
勉強する必要があるでしょう。
つまり国民自身が関心を持たなければ、
この問題が解決されることはないのです。