うつ病からの脱出ー具体的な減薬・弾薬法のケース 2ー

このエントリーをはてなブックマークに追加

今回は同テーマの第2弾です。

著書『心の病に薬はいらない!』から下記抜粋します。

【B:リスパダール6㎎(CP換算600)を飲んでいる場合】

リスパダールには類似品としてインヴェガという薬がありますが、インヴェガの場合はリスパダールに置換してから減らしていくことが肝要です。この場合も過鎮静であるか否かにより速度が少し異なります。 過鎮静であれば6㎎→5㎎→4㎎というように比較的急速に、2週間から4週間単位で減らしてください。過鎮静でないのなら6㎎→5・5㎎→5㎎→4・5㎎というふうに4㎎まで進めます。飲む前の症状や現在の安定度と鑑みながら、減らす量を変更することも当然ありえます。

IMG_0219

4㎎より先は0・5㎎ずつ減らしたほうが無難です。これでも強い禁断症状が出てしまう場合は、もっと小刻みに減量することもあります。

次に目指すのはCP200であるリスパダール2㎎です。ここまで到達できたら、そこから先はさらに小刻みに進んだほうがよいでしょう。ジプレキサ細粒と同様、リスパダール細粒などを使って、0・1㎎〜0・25㎎程度ずつ減らしていきます。錠剤しか使えないなら0・25㎎ずつ調節するしかないでしょう。期間はこれまでと同様です。

 

【C‥パキシル40㎎を飲んでいる場合】

パキシルはSSRIの中では最も悪名高き抗うつ薬だと思われます。と同時に、かなり抜きづらい薬でもあります。パキシルを出されていること自体が、「精神科から抜け出せなくしよう」という意図だと読み取ってもいいでしょう。パキシルは飲むと事件や自傷、他害を起こす困った薬ですが、動かしたとき減らしたときにもそれらを起こします。

これは他の薬にも言えることですが、パキシルやジプレキサは特にそういうことが多いと頭に叩き込んでください。パキシルの薬理機序(薬物が生体に何らかの効果を及ぼす仕組み、メカニズムなど)はここでは詳しく説明しませんが、量が多いほど2次曲線のように副作用や有害事象をもたらす構造をしています。つまりこれを抜くときの知識で考えれば、最初の多いとさほど少なめに抜くことが求められるということです。

たとえばパキシル40㎎の場合、最初に10㎎減らそうと思ってもなかなかうまくいきません。もちろん個人の希望にもよりますので絶対ではありませんが。ただ最高量でも5 ㎎、慎重にいきたいなら2・5㎎ずつ減らしてください。まずは20㎎を目指すのは他の薬と同じ要領です。

20㎎になった場合、そのまま2・5㎎〜5㎎ずつ減らすか、より小刻みにいくかはいまだ正解はわかりません。パキシルには細粒がありませんので、より小刻みでいく場合 は1㎎くらいを基本として、2週間から4週間ごとに減らしてください。

ただ私の場合は、減ってきたときはそのペースを維持するように努力しています。これはメジャートランキライザーであるジプレギサやリスパダールとは大きく異なります。

IMG_0220

これは薬剤の質によるものです。

パキシルの特殊な代謝にも関係はしますが、抗うつ薬は多いときほどハイテンションになったり自我が崩壊しやすいのです。これはメジャートランキライザーが多いときは過鎮静でロボットのようになり、減ってきたときに過鎮静が解け暴発するのとは少し違います。

基本コンセプトとして、パキシルは最初の減らし方や量の多いときに注意してください。逆にメジャートランキライザーは少なくなってきたときが要注意です。

 

【D‥デパス1・5㎎を飲んでいる場合】

デパスは私が感じているかぎり、最も依存しやすく、麻薬に近いベンゾ系というイメージです。

知識もなく依存しやすい性格の人がこれを使いたすと、まずやめることができません。あっという間に1日量5㎎や6㎎に達する人も少なくありません。短時間作用型なので、薬が切れてくる感覚がとてもわかりやすいベンゾ系でもあります。

デパスを睡眠薬に使うことが精神医学を中心にあるようですが、愚か極まりない話でしかありません。飲むことで途中覚醒が増したりもしますし、酒を大量に飲んで寝るのとレベルは変わらないのです。ヤク中になりたいのが日本人のサガ、その「ヤク」の代名詞がデパスと言えるかもしれません。 さてこのデパスを1日3回朝昼夜0・5㎎錠を1錠ずつ(合計1・5㎎)飲むというオーソドックスな処方が多いでしょう。

ここでの減らし方には2種類の考え方があります。一つはできるだけ血中濃度は保とうと努力する考え方です。もちろん減らせば血中濃度は揺らぐのですが、それでも口内変動を少なくするということです。その場合は、朝0・4㎎→昼0・4㎎→夜0・4㎎という飲み方に変えていきます(a)

いきなり0・3㎎ 減らすのがきつい場合、朝0・5㎎→昼0・4㎎→夜0・5㎎などから始め、すべて0・4㎎に移行すればいいでしょう(b)。この場合、0・4㎎という錠剤はありませんので、ピルカッターなどで自己調節する必要があります。これで 0・1㎎ずつ進め、昼を抜き、次に朝を抜き、最後に夜を抜くという寸法です。

IMG_0221

もう一つは夜に移していくというやり方です。デパスで寝ることはダメと書いたばかりですが、寝やすくなることは確かなので、それをぎりぎりまで残しながら減らしていきます。

具体的には、朝0・5㎎→昼0・25㎎→夜0・5㎎を2週間から4週間続けて様子を見て、慣れてきたら朝0・25㎎→昼0・25㎎→夜0・5㎎に移行します(c)。

この先は分かれ道で昼の0・25㎎をやめるか、晩の0・5㎎を0・25㎎にするかですが、前述のとおり平坦化するなら夜を0・25㎎にします。夜に移していく方法を選ぶなら晩の0・5㎎は残したままで、朝と昼を削ってゼロを目指してください。この方法は当然昼間は不安が強くなります。ただし夜は寝やすいです。どちらを選ぶかば医師と相談しながら自分で決めることが肝要です。

 

以上、抜粋終わり

第2弾参考になったでしょうか?

明日もまだ続きます。

お付き合いください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です