今回はタイプ別の工夫の仕方というテーマでお伝えします。
著書『うつは食べ物が原因だった!』から下記抜粋します。
- 低血糖症タイプ 体を動かすことも効果的
「お箸を置いたら靴を履く」を習慣に
これまで、血糖値を上げない食べ方について説明してきましたが、食事のとり方以外にも血糖値を上げないコツがあります。それは運動です。
ウォーキングが健康にいいというのはよくいわれていますが、実は歩くことは血糖値にもいいのです。
食事をとると血糖値が上がり、インスリンが分泌されますが、このとき歩くと、インスリンを使わずに筋肉に血糖を取り込むことができます。それがインスリンの“節約”につながるのです。
ポイントは、血糖値が上昇している食後 30分以内に歩くこと。私のクリニックでは 「お箸を置いたら靴を履いてください」と指導しています。
歩くときはなるべく大きく手を振って、ももを上げるようにしてください。息が切れるほど体を動かすのはやりすぎです。理想は早歩き程度。これを20分ほど継続してください。
並行して筋トレをおこなうのも効果的
もうひとつおすすめしたいのが、筋肉の量を増やすこと。筋トレをして筋肉の量を増やすと、食直後に歩いたときにも、筋肉が効率よく血糖を取り込んでくれます。その結果、血糖値の上昇も抑えられるのです。
ただし、筋トレはたんばく質の代謝がいい状態になってからおこなってください。栄養不足でうつ症状を訴える人は、総じてたんばく質欠乏の傾向があります。筋肉はたんばく質を原料につくられます。筋トレによってさらにたんばく質欠乏に拍車がかかっては、元も子もありません。
食後2〜4時間後にはスキップを
食後2〜4時間経つと、空腹感を覚えたり、眠くなったり、イライラしたり、集中力が途切れる、といったことはないでしょうか。これは典型的な低血糖症の症状です。
体はこのとき、下がってしまった血糖値を上げようと、自律神経の交感神経を優位にします。これが精神症状を引き起こします。
このような状態を防ぐためには、症状が出る10分くらい前に体を動かすこと。食直後の運動とは異なり、小走り、スキップのような少し息が上がるくらいの運動を5分程度おこなってください。
少し激しい運動をすることで、交感神経が優位になります。低血糖症の症状が出る前に、交感神経を優位にしてしまうわけです。
食後どのくらいでこうした症状が出るかは、個人個人の状態やそのとき食べた物によっても変わってきますが、自分が食後何時間後くらいに血糖値が下がるのか意識してみてください。
食直後の運動がいいか、食後2〜4時間後の運動がいいか、両方組み合わせたほうがいいかは、人それぞれです。自分はどのタイプかを見極めて、運動しましょう。
②鉄欠乏タイプ とるべきは非ヘム鉄よりもヘム鉄
吸収率が高い「ヘム鉄」
「鉄分」を多く含む食材といって思い浮かぶものには、どんなものがありますか?
「なんといってもホウレンソウ」
「ヒジキの煮物を食べるようにしています」
「お通じにもいいから、プルーンをよくとっています」
女性の場合、毎月の生理によって鉄分が失われることは十分にご承知のはずですから、意識して鉄分含有量の多い食材をとるよう心がけているという人は多いのではないでしょうか。しかし、実はここにも「誤解」があるのです。
ヒジキやホウレンソウ、プルーンなどにはもちろん鉄分が含まれていますが、せっせと食べて、それが十分に体に吸収されていくかといえば、残念ながらそうとはいえないのです。
鉄はそもそも、体に吸収されにくいという特性を持っています。そのため、量をとることより、“吸収率”を考えてとる必要があるのです。
鉄分には「非へム鉄」「ヘム鉄」があります。「非へム鉄」はヒジキやホウレンソウに代表される植物性のもの、「ヘム鉄」は動物性の鉄分で、赤身の肉や牛・豚・鶏 のレバー、ウナギやアサリ、シジミなどに多く含まれています。そして、吸収率がいいのは、圧倒的にヘム鉄なのです。
ヘム鉄と非へム鉄の吸収率を分けているのはその形です。ヘム鉄は鉄がコーティングされています。非ヘム鉄はそれがありません。この差が吸収率の違いとなってあらわれているのです。
両者を比べると、ヘム鉄は非へム鉄の5 〜10倍の吸収率。鉄分をとるなら、断然、 ヘム鉄に軍配が上がります。
「非へム鉄」では鉄分は捕えない
吸収率のほかにも問題があります。非へム鉄には、吸収を妨げるものがあるのです。
それが、お茶やコーヒーに含まれているタンニン、玄米や野菜、イモ類に含まれる食物繊維です。これらを一緒にとることで吸収率は格段に低くなってしまうのです。
「プルーンは鉄分が多いのでは?」
プルーンには鉄分が多く含まれていると 同時に、ペクチンという食物繊維が含まれているため、多くは吸収されずに排泄されてしまいます。そのため、鉄分補給にと常食しても、期待は薄いといわざるを得ないのです。
非へム鉄をとり、効果を期待するときは、 たんばく質をはじめ、ビタミンCも吸収を促す栄養素として一緒にとる必要があります。加えて、食物繊維の多い素材は一緒にとらない、食後のお茶やコーヒーは水に変えるなどの工夫が必要です。
このように考えていくと、やはりダイレクトに吸収されるヘム鉄にはかないません。 鉄を効率的にとるなら、レバーや赤身の肉、魚介類などの動物性の食材を選ぶのがベストです。
以上、抜粋終わり
低血糖症の人は食後の運動がやっぱりいいんですね。
でもすぐまったりしたくなっちゃいますが・・・。(笑)
鉄分の取り方は結構難しいのですね。
ここにも工夫が必要のようです。
上記を参考にしてください。