うつ病からの脱出ーアシュトンマニュアルについてー

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今回はアシュトンマニュアルについてをお伝えします。

著書『心の病に薬はいらない!』から下記抜粋します。

アシュトンマニュアルについて

今、日本で流行っているベンゾ系の離脱マニュアルに「アシュトンマニュアル」というものがあります。すでに2013年2月で7万人以上がダウンロードしているようです。

アシェトンはイギリスの向精神薬理学の元教授で、ベンゾ依存の問題に取り組んだ人です。

日本ではこのマニュアルはほとんど知られていませんでしたが、ある方が邦訳したことをきっかけに急速に知る人が増えています。私はその邦訳した方と連絡をとったことがありますし、これから書く意見ももちろん伝えてあります。しかし日本のほとんどの精神科医も身体医学の医師たちも、アシェトンマー一ユアルが何であるかさえ知りません。

それはいわゆる「論外」です。

また、ナルコノンやナルコノンに類する組織で働いている人たちも、アシュトンマニュアルを知りません。そして知ったとしてもその評価は決まっています。おかしいマ二エアル、所詮向精神薬理学に沿ったマニュアル、という評価です。その内容は精神医学の闇の部分を見つめながら、解き明かされていかなくてはいけません。つまり何が言いたいかというと、このマニュアルには、正しいこととおかしなことがミックスして掲載されているのです。

私はいくつかの理由でこのアシュトンマニュアルをほとんど評価していません。しかし今や日本での評価はうなぎのぼりです。

アシュトン教授は、ベンゾ系について「ヘロインやコカインよりタチが悪い」と表現したそうですが、これは私もそう思います。これはベンゾ系にかぎったことではなく、向精神薬全体が、特に抜きにくい向精神薬などは、ヘロインやコカインよりすべてタチが悪いと言えます。だからこそアシェトンマニュアルを好きになれないという意見です。

それをわかっているならどうしてベンゾ系薬の全廃、それにととまらず向精神薬の全廃をアシユトン教授は訴えないのでしょうか、というのが一つの疑問点です。

先述したとおり彼女は元教授で、それほどの人間なら向精神薬全廃を訴える資格も資料も人脈もあるはずです。しかしうがった見方をすれば、できないのは教授であることや、他の理由も関係しているのではないかと考えることもできます。

次にアシュトンマニュアルの方法として最も有名な、置換法の是非という問題があります。ここでは詳しい内容については書きませんが、簡単に言うと、あるベンゾ系の薬をジアゼパムに入れ替えるというやり方です。これには現段階で科学的な正解はおそらく出ないだろうと思います。

しかし単純に考えてもまた別の薬の依存をもたらしますし、その方法で悪くなった人を私はたくさん見ています。また海外のネット事情などを見ていると、置換することに反対する当事者の意見は少なくないのです。これ一つとっても、私はこのマニュアルに賛同する気にはなりません。

さらにこのマニュアルでは栄養学については効かないと論じていますが、これは彼女が何も知らないことの証です。世界中でドラッグを抜いているナルコノンにしても、 オーソモレキュラーに代表されるような代替的精神療法にしても、しっかりとした結果を残しています。また私自身は東洋医学も用いますが、やはり何も飲まないよりそれらによって緩和したほうが、向精神薬を抜くのには役立つ印象があります。ただ東洋医学などに依存してしまうことを避けるべきなのはすでに書いたとおりです。これらを考慮してもこのアシェトンマニュアルは、とうてい断薬のマニュアルとして評価するに値しません。

さらに言えば、アシュトンマニュアルはベンゾ系薬離脱の一つの方法として、抗うつ薬やムードスタビライザーの追加や維持について検討しています(もちろんマニュアル上積極的には勧めていません)。それを許容するということはどんな言い訳をしたところで、最終的にどこに行きつくのか、本書や前著2冊を読んだ方であればおわかりでしょう。

この執筆をしている時期は、まさにこれから原発を継続するのか廃止していくのかという問題が、一般の人にも深く根づいてきた時期です。現在ほとんど原発など動いていませんが、普通に世の中は回っていますし、経済界が苦しもうが元々享受したものを差し引いて考えるべきですし、そもそも原発をやめて電気代が上がらなければいけないという嘘は、それぞれで調べていただきたいところです。

これは向精神薬でいう全廃か、うまい使い方かという問題と大差ないのではないでしょうか。そしてアシュトンマニュアルとは、原発を全廃することなく人類に役立てよう、原発のうまい使い方を考えようなどという本に等しいのです。

精神医学性善説を捨てるところから始めねばならないのに、やはり日本人は精神医学性善説を信じようと躍起になっているのです。これは医学洗脳がここに極まったと言わざるをえません。つまりこれまで何百回と精神医学に騙され続け欺かれてきたのに、またあっさりと精神医学の「亜流」に欺かれようとしているわけです。

ベンゾ系薬はダメだけど抗うつ薬はうまく使おう。ベンゾ系薬を他のベンゾ系薬に変えてゆっくりと減らそう。栄養学などは効かないから向精神薬理学者の私が出したこのマニュアルを参考にしなさい。私にはそう言っているようにしか感じられません。

薬物について、反対者でも賛成者でもよく考えてほしいのです。ベンゾ系が覚醒剤まがいの薬であることは、アシュトンマニュアルにも載るほど異論のない話です。しかし覚醒剤中毒を治療するとき、別の覚醒剤に置き換えて、しかも量を少なくしながら投与して抜いていくでしょうか?

これは精神医学者が麻薬や覚醒剤を抜くときに、結局向精神薬にスイッチしているのと大差ないのです。違うたとえをするならコカイン中毒の人に、大麻を与えることで離脱症状を紛らわせようとしている、あるいはヘロインをモルヒネに変更して量を減らしていくことで中毒から卒業させようとしているということです。

理想はどこまでいっても向精神薬をやめること、事実と危険性に気づいた瞬間から別の薬物など体に入れないことです。

前述したように、本来は一気にやめるのが理想かもしれませんが、その条件を満たせる人も施設も日本には存在しません。だから時間をある程度かけて減薬していくという方法は、私も許容します。しかし真の医学は、いずれダラダラ抜くようなやり方から必ず卒業せねはなりません。他の薬を許容したり、他のベンゾ系にスイッチすることがまともな断薬方法とは思えません。それが私の結論です。

 

以上、抜粋終わり

薬を薬で置き換えること自体が矛盾を生じていますが、

他に方法がわからない方は妥協案だと感じるかもしれません。

しかし麻薬を止めるのに、

他の麻薬に変えていたら、

いつまでたっても離脱できないですよね。

薬も麻薬のような依存性があり、

しかも毒ですから、

同じことです。

参考にするかどうかは、

ご自分でよく考えてくださいね。

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