今日は「不安障害」の第2弾です。
著書『精神科は今日も、やりたい放題』から下記抜粋します。
依存症患者の作り方
このような不安障害と呼ばれる反応に対して、一般的には抗不安薬や抗うつ薬の投与が行なわれている。しかしこれは依存症患者をせっせと作っているに等しい。
抗不安薬は総じてベンゾジアゼピン系と呼ばれ、昔から依存性が強いと指摘されてきた。ベンゾジアゼピンの依存度数は下記を参照にしていただきたい。
常用量であるから依存しないわけではない。常用量でも一定の割合で必ず依存するのである。それが証拠に国連の麻薬統制委員会ではれっきとした麻薬として認められている。
またその後に出てきた抗うつ薬は、依存をきたさない夢の薬としてコマーシャルされたが、ふたを開けてみれば非常に依存性が強いことがわかってきた。つまり単なる生理的反応に依存性が強い薬を授与して、依存状態にさせるのか常態化しているといえる。
「不安に対して薬を飲む」という行為の意味そのものも考えねばならない。これはその不安を乗り越えようとするのではなく、薬によってかき消そうとする行為である。言い方を変えれば成長や克服を先送りしているといってもいい。
その結果、薬を飲んでいる限り永久に対処力は身につかないので、一生薬を飲み続けるしかなくなる。
そういう薬を、ただでさえ不安が強い患者に安易に飲ませるとどうなるか。依存に気づこうが気づくまいがやめることに対してさらに不安になっていくのは必然であろう。こうして精神科医にとっての優良顧客=固定資産がまた一人また一人と生産されていく。いったいこれを詐欺と呼ばずして何を詐欺と呼ぶのだろうか?
三〇年前の警告
最後にインディペンデント紙に掲載されイギリスで話題となったエピソードを紹介しよう。題して「ベンゾジアゼピン―三〇年前に脳障害との関連性が疑われていた」。のちに何百万人もの人々に処方されることになる安定剤には、脳傷害を引き起こす場合があることが、三〇年前に政府の専門家に警告されていたことを示す秘密書類についてである。
アルコールの長期依存による影響と類似する脳の萎縮がみられる場合があるとした精神科医による研究報告を受け、一九八二年、医学研究審議会(MRC)はベンゾジアゼピン類の長期的影響についての大規模研究に同意する。
ところが実際にはそのような薬の影響を調べる研究が行なわれることはなく、不安症、ストレス、不眠、および筋肉のけいれんなどの薬として医師の処方は続けられた。
イギリスの国会議員や法律の専門家は、この文書を一つのスキャンダルであるとし、膨大な額に上る集団訴訟へと発展する可能性を予測する。イギリスには「知らぬ間に薬物依存」にされてしまった人が、現在およそ一五〇万人いるとされ、多くは脳傷害によると思われる症状がある。
「精神安定剤による不本意依存」を調査するジム・ドッビン委員長は、「薬をやめたあとも多くの人が身体的、認知的、そして精神的な問題を抱えた被害者になっている」と言う。
「これこそが、被害者が法的手段に訴えるために待ちわびていた爆弾書類になるものであると確信している。なぜ適正な追跡調査をまったく行なわなかったのか、なぜ安全委員会が設置されなかったのか、なんらの詳細な研究もなにもない。これは一大スキャンダルですよ」
最初はまったく無害な薬として宣伝され、一九六〇年代における世界初のワンダー・ドラッグ(奇跡の特効薬)として登場したベンゾジアゼピンは一〇年も経たないうちに、イギリスで最も一般的に使われる薬となった。現在の医師向けガイドラインでは、最長四週間の処方とされる。
しかし、数日の服用でも依存症になることがあり、服用をやめると灼熱感や視野のゆがみ、頭痛や致命的な発作といった禁断症状を起こす場合がある。数カ月、あるいは数年間の服用の場合は、永続的な神経的痛み、頭痛、認識機能障害、および記憶喪失もある。
しかし三〇年たった今も、それが薬物性の脳傷害かどうかを確認する医学的研究は行なわれていない。研究者のレーダー教授はこう述べた。
「長期の飲酒が永続的な脳の変化を引き起こすことがあるのはわかっていましたから、結果に驚くことはなかったですよ」
これでもまだ、あなたは不安を病気だと思うだろうか? そして不安ごときのためにこれほど危険な薬を飲むだろうか?
以上、抜粋終わり
薬というのはどんな薬でも、
一定期間服用していると、
依存性が出てきます。
これは体が薬を飲むことに対して、
慣れてしまうために、
それが当たり前と体が認識してしまうためです。
そのため薬の効きが悪くなってくるので、
さらにきつい薬を飲むことになります。
こうして依存性が上がっていくわけです。
あなたはそれを望みますか?
病気を治したいのであれば、
何か他の有効な方法を選択する必要があります。
それはあなた自身が探さなければなりません。
その行動が病気を早く治す行為につながるのです。
あなたの決断が試されるときなのです。