今日は第5弾です。
著書『精神科は今日も、やりたい放題』から下記抜粋します。
なぜ精神病院でこれほどの人が死ぬのか
今の日本において最も身近で問題視されているのが、精神薬の大量療法による被害と精神薬そのものの副作用である。
ある人権団体のデータによれば、アメリカ全体において精神病院に入院後死亡した患者の数は、1776年以降に戦死した人間の数より多いとされる。実際その中の多数に、精神薬の大量療法による死亡者が含まれているのは間違いなかろう。
日本では精神病院の入院者数が13万人を超えると説明したが、そのうち死亡退院していく数は一カ月で1515人という厚生労働省の「精神保健福祉資料調査」のデータがある(2009年6月30日現在)。
なぜ精神病院でこれほど人が死んでいくのか、疑問に思われないだろうか。
精神病院では老人よりも若い人や中堅層の患者さんが多い。つまり体の病気で死ぬ確率は低いと推測される。これは多くが薬物による中毒死や、理不尽な治療などによって死亡者が出ていることに他ならない。
精神薬の多剤大量療法による副作用で最もむごいものは、もちろん副作用死である。そんなものは多くないはずだ、などと思わないでほしい。
以下に私が鑑定書を提出した、精神病院入院後に死亡した方の処方データを紹介する。
【精神病院入院後、死亡したケースの処方データ】(処方量は一日当たり)
・トロペロン (点滴) 8~24mg
・トロペロン (内服) 25mg
・セレネース (抗精神病薬) 30mg
・リスパダール (抗精神病薬) 6~9mg
・ジプレキサ (抗精神病薬) 20mg
・セロクエル (抗精神病薬) 100mg
・レボトミン (抗精神病薬) 30mg
・テグレトール (抗てんかん薬) 800mg
・ベンザリン (睡眠薬) 10mg
・ヒベルナ(抗ヒスタミン薬) 30mg
・マイスリー (睡眠薬) 10mg
ここで薬物量を計算する一つの目安として、CP(クロルプロマジン)換算値と呼ばれる数値を使う。一般の方にはわかりづらいかもしれないが、強い精神病の薬には投与量の目安となるようそれぞれに換算値がふってあり、変更するときや増量、減量するときにこの数値を参考とするのである。教科書的には統合失調症であればCP換算値は100~600からを目安とするようされており、重症の場合でも副作用などを考慮し800以下とするよう推奨されている。ちなみにコントミン12.5gという薬を例にとれば、一般の方がこれを飲んだ場合、眠気で困ることは間違いない強さだが、この薬の換算値が12.5である。CP換算値100というとこの薬を一日八錠飲んでいる計算になる。
統合失調症とは多くの薬を使うものだ、幻覚や妄想を抑えるためにはいたしかたないと、読者がそう思われること自体は普通の発想かもしれない。
ではこのケースではいったいどれだけの薬が授与されたのであろうか。このケースで入院初日から投与された薬量はじつにCP換算値6300である。これは先ほどのコントミン錠で計算すると一日500錠以上を飲んでいる計算になるのだ。この量は常軌を逸している。
その結果、どうなるとお考えになるだろうか?
一日中寝てしまい呼吸も止まりそうだ、と考える人がおられればそれは自然な発想なのだ。しかもこのケースは、極端なケースとしてはすまされない。裁判における証人尋問の中で担当した精神科医は、「私は悪くない。この量の投薬は病院において当然である」と言い切っている。この発言と1515人が亡くなるというデータを見つめれば、日本の精神科で何が起こっているかが理解できる。このようなことは精神病院で日常的に行なわれている出来事なのだ。
都内不審死から続々検出される精神薬
もう一つ意義深いデータを示そう。このデータは東京都監察医務院が論文にしたものを、精神医療被害者連絡会がまとめたものである。監察医務院というのは不審死の原因を調べるための組織である。
その中で薬物死にかかわるものを調べてみると図のとおりだ。
エタノールが検出されているのはアルコール中毒で亡くなったり、凍死したようなケースをイメージしてもらえばよい。一酸化炭素の検出はストーブの不完全燃焼などによる不審死である。それらを除くと医薬品が全体の多数を占めることが明らかになっている。そして、その医薬品の大半は精神科で使われる薬である。
ここで重要なポイントは本人が自殺目的で多量服薬したのではない、ということである。精神病院ではなく、外来通院している状況で主治医の精神科処方を守り、決められたように飲んでいたら不審死に至ってしまったということなのである。このことは尋常な話ではない。ある意味、医療殺人なのだ。
また、精神医療の被害は多量の投薬治療だけではない。電気けいれん療法についても多くの被害談がある。
たとえば、カルテには残っているが、患者自身はまったく電気けいれん療法を受けた記憶がないなどというのはざらだ。子どものいる患者さんが、子育てや子どもが存在することさえ忘れてしまった事例さえある。家族が精神科医と秘密裏に電気けいれん療法をやり続けて来たという事例もある。軽犯罪を行なってしまった患者が、懲罰ついでに電気けいれん療法を受け亡くなる事例もある。
たとえば都内で最も有名な精神病院「都立松沢病院」では、本人はもちろん友人も知らないうちに電気けいれん療法が行なわれていた。
なぜ行なわれたかについて都立松沢病院の医師は「イレウス(腸閉塞)を起こして、これ以上投薬できなくなったから」と語る。
なぜイレウスが起きたかは少々の薬学知識があれば明らかだ。イレウスは精神薬で最も頻発する副作用であり、何の考えもなく大量に薬を授与した結果の薬害に他ならないのだ。つまり都内で最も有名な精神病院の精神科医は、自らが投与した薬による副作用のために、必要のない電気けいれん療法を施行した。これもまた日常的なことである。
以上、抜粋終わり
上記の実態が本当だとしたら、
実に恐ろしいことですね。
精神疾患の患者さんはこのような環境下に、
今の自分がいるということを認識してください。
その上で自分は治療についてどうするのか?
もう一度考え直す必要があるのではないでしょうか?